要約:安保理決議 1999

これまで "recalling" という用語を「撤回」と訳してきましたが、それでは既存の決議を白紙にすることになり、それは事態にそぐわず、「再喚起」とすべきではないかというご指摘があり、こちらでも様々な資料を付きあわせて検討した結果、「改めて喚起する」という表現に変更することとしました。(1999/08/30;山本)

◆1999/12/16 - 1999/12/31◆

Security Council resolution 1284 (1999) on the situation between Iraq and Kwait (S/RES/1284)

イラク及びクウェート間の状況に関する決議 (1999/12/17)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1284.htm

議決:賛成11・反対0・棄権4(中国・フランス・ロシア・マレーシア)

<概要>

【ほんの少しの解説】

 日本時間12/30の正午の時点で新たな決議もプレスリリースも追加されていないのでおそらくこの決議が年内最後のものとなると思います。
 さて。
 これまで、イラクに対する大量破壊兵器の査察はUNSCOMが行ってきました。
 UNSCOMは安保理決議第687号(1991)で、大量破壊兵器や射程が150キロを超える弾道弾(いわゆる「スカッド」のようなミサイル)及びそのための資材や関連施設を通告なしで査察することができ、処分を勧告するために設立されました。特に核に関してはIAEA(国際原子力機関)が査察を行っていました。ただ、UNSCOMとIAEAによるこれまでの活動によって、イラクが決議を完全に履行したかは不明なままで、さらなる強化のために組織を改編しようとしたと考えられます。
 とは言うものの、上記にも記述しました(原文では第6パラグラフ)が、新たに任命される委員長(Executive Chairman)が就任してから組織体制等について検討することになっていますので、具体的な姿を表すのは3ヶ月以上先ということでしょうか。

◆1999/12/01 - 1999/12/15◆

Security Council resolution 1283 (1999) on the situation in Cyprus (S/RES/1283)

キプロスの状況に関する決議 (1999/12/15)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1283.htm

議決:全会一致

<概要>

Security Council resolution 1282 (1999) on the situations concering Western Sahara (S/RES/1282)

西サハラの状況に関する決議 (1999/12/14)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1282.htm

議決:賛成14・反対0・棄権1(ナミビア)

<概要>

Security Council resolution 1281 (1999) on the situation between Iraq and Kwait (S/RES/1281)

イラク及びクウェート間の状況に関する決議 (1999/12/10)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1281.htm

議決:全会一致

<概要>

Security Council resolution 1280 (1999) on the situation between Iraq and Kwait (S/RES/1280)

イラク及びクウェート間の状況に関する決議 (1999/12/03)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1280.htm

議決:賛成11・反対0・棄権3(中国・マレーシア・ロシア)・無投票1(フランス)

<概要>

【ほんの少しの解説】

 まず第1280号ですが、前回の[SUN SE] SC Resolution で流した第1275号と同様、 イラクが人道的な援助を受けるかわりにそれに匹敵する分の原油を輸出するという プログラム("Oil-for-food")の活動期限の変更に関する決議です。  この決議の採択に関してはフランスは「無投票(Not Voting)」という行動に出ま した。フランス代表は「この決議は安保理理事国に圧力を与えるだけで、決議の内容 は履行されない」と説明していますが、他の理事国からは「不自然な行動だ」という 非難がなされています。  第1281号はさらにそれを更新する決議です。「関連する決議を想起する」という表 現ばかりで内容が今一つわかりにくいかもしれませんが、具体的には52億6000万ドル 分の原油・石油製品の輸出をイラクに許可し、それに相当する人道援助物資を送ると いうものです。

◆1999/11/16 - 1999/11/30◆

Security Council resolution 1279 (1999) on the situation concering the Democratic Repablic of the Congo (S/RES/1279)

コンゴ民主共和国の状況に関する決議 (1999/11/30)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1279.htm

議決:全会一致

<概要>

Security Council resolution 1278 (1999) on the date of an election of ICJ (S/RES/1278)

国際司法裁判所長選挙の投票日に関する決議 (1999/11/30)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1278.htm

議決:議決なしで採択

<概要>

Security Council resolution 1277 (1999) on the question concering Haiti (S/RES/1277)

ハイチ関連問題に関する決議 (1999/11/30)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1277.htm

議決:賛成14・反対0・棄権1(ロシア)

<概要>

Security Council resolution 1276 (1999) on the situation in the Middle East (S/RES/1276)

中東の状況に関する決議 (1999/11/24)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1276.htm

議決:全会一致

<概要>

Security Council resolution 1275 (1999) on the situation between Iraq and Kwait (S/RES/1275)

イラク及びクウェート間の状況に関する決議 (1999/11/19)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1275.htm

議決:全会一致

<概要>

【ほんの少しの解説】

 第1275号ですが、上記の文だけでは何のことだかわかりにくいですね。
 想起されている安保理決議第1242号(1999)・第1266号(1999)には、oil-for-food すなわち、イラクが人道的な援助を受けるかわりにそれに匹敵する分の原油を輸出するというプログラムの活動期限の変更に関する決議です。

 さて、今回の[SUN SE]から、「議決」という項目を設けました。
 これは、どのような採択のされかたをしたか、どの理事国が反対または棄権したかということが重要な情報となることがあるからです。
 たとえば 第1278号で「議決:議決なしで採択」(adopting, without a vote)とありますが、「全会一致するような内容なので敢えて議決しなかった」のではなく、「どの理事国からも形式的反対がなかった」ということを示します。(→ 藤田久一;『国連法』P.199;東京大学出版)

 また、決議の内容に「国連憲章第7章の下に行動する」(Acting under Chapter VII of the Charter of the United Nations)とあれば、それは必ず訳出することとしました。これは、安保理が強制行動として行う意欲があることを明示しており、加盟国の国内問題に強く介入する意思を示したことを意味するからです。
 さらに、「決定」とは、"decide"という表現の訳出に限定しています。この表現は、その決定が加盟国に対し、国連の決議の中で最強の拘束力を持つことを意味するからです。(→ 山本草二;『国際法』新版 P.68;有斐閣)

 以上、ちょっと専門的ですが、以前、ご指摘をうけたものですから。
(ほとんどその受け売りっす。 f^^;; でもちゃんと文献にあたって自分で確認してますですよ、ハイ。)

◆1999/11/01 - 1999/11/15◆

Security Council resolution 1274 (1999) on the situation in Tajikistan (S/RES/1274)

タジキスタンの状況に関する決議 (1999/11/12)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1274.htm

<概要>

Security Council resolution 1273 (1999) on the situation in Democratic Republic of Congo (S/RES/1273)

コンゴ民主共和国の状況に関する決議 (1999/11/05)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1273.htm

<概要>

◆1999/10/16 - 1999/10/31◆

Security Council resolution 1272 (1999) on the situation in East Timor (S/RES/1272)

東チモールの状況に関する決議 (1999/10/25)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1272.htm

<概要>

Security Council resolution 1271 (1999) on the situation in Central African Republic (S/RES/1271)

中央アフリカ共和国の状況に関する決議 (1999/10/22)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1271.htm

<概要>

Security Council resolution 1270 (1999) on the situation in Sierra Leone (S/RES/1270)

シエラレオネの状況に関する決議 (1999/10/22)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1270.htm

【全会一致で採択】
【国連憲章第7章による規定あり】

<概要>

Security Council resolution 1269 (1999) on the responsibility of the Security Council in the maintenance of international peace and security (S/RES/1269)

国際平和と安全の維持についての安全保障理事会の責任に関する決議 (1999/10/19)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1269.htm

<概要>

【ほんの少しの解説】

 今回の要約だけでなく、最近のDaily Highlightであがってくる紛争地域では、最近になって新たに紛争が勃発したというよりは、一旦和平合意などがなされているにもかかわらず、それが遵守されず、再び内戦化し、多くの犠牲が出ているという場合が多いように思います。

 冷戦終結以降、大国同士の衝突はもはや可能性は低くなり、紛争の多くは小国同士または小国内の内戦−いわゆる Low Intensity Conflict −になるだろうという観測が為されました。確かに紛争は局地的ではあるけれども、その被害は、局地的である分、大きくはなくとも深いものになってしまっています。

 攻撃する側、逃げる側が、ともにもとは同じ国の国民であるわけですし、紛争が終結しても、元のように隣人として過ごせるかというのはかなり難しいでしょう。

◆1999/10/01 - 1999/10/15◆

Security Council resolution 1268 (1999) on the situation in Angola (S/RES/1268)

アンゴラの状況に関する決議 (1999/10/15)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1268.htm

<概要>

Security Council resolution 1267 (1999) on the situation in Afghanistan (S/RES/1267)

アフガニスタンの状況に関する決議 (1999/10/15)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1267.htm

【全会一致で採択】
【国連憲章第7章による規定あり】

<概要>

Security Council resolution 1266 (1999) on the situation between Iraq and Kuwait (S/RES/1266)

イラク及びクウェート間の状況に関する決議 (1999/10/04)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1266.htm

【全会一致で採択】
【国連憲章第7章による規定あり】

<概要>

【ほんの少しの解説】

 決議1266号ですが、おそらく上の要約だけでは何の事かさっぱりわかりませんね。
 とは言うものの、決議本文を忠実に要約するとこうなってしまいます。
 イラクは湾岸戦争後、経済制裁下にあるのですが、人道的観点から、イラク民衆の健康や生活のために必要な物資そのものやその購入にあてるために必要な額に相当する石油の輸出を認められています。このプロジェクトを Oil-for-food プロジェクトと言います。当然ながら、輸出枠を設定する決議だということです。

 決議1267号に出てくる「タリバン」は、現在、アフガニスタン全土を掌握している新興のイスラム勢力です。(わずかに北部地域をイスラム協会が勢力を持っている。)
 タリバンはもともとはデオバンディ派と呼ばれるイスラム教改革運動の教義を信奉する神学生が中心となってできた勢力であったとされていますが、今では様々な勢力から流入した人たちで、必ずしも「神学生の集団」とは言えない状況になっています。

 また決議1268号に出てくるUNITAとはアンゴラ全面独立民族同盟のことで、アンゴラがポルトガルから独立したときから政権にあるMPLA(アンゴラ解放人民運動)と対立状態にありました。しかし国連の仲介で1994年に両者で政府を作るという合意が形成されました。これが上記に出てくるルサカ合意(S/1994/1441, annex)です。
 しかし再び内戦状態となり、国連機が撃墜されるなど、状況は悪化するばかりです。

◆1999/09/01 - 1999/09/30◆

Security Council resolution 1265 (1999) on Protection of civilian in armed conilct (S/RES/1265)

武力紛争における文民の保護に関する決議 (1999/09/17)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1265.htm

【全会一致で採択】
【国連憲章第7章による規定あり】

<概要>

Security Council resolution 1264 (1999) on the situation in East Timor (S/RES/1264)

東チモールの状況に関する決議 (1999/09/15)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1264.htm

【全会一致で採択】

<概要>

Security Council resolution 1263 (1999) on the situation concering Western Sahara (S/RES/1263)

西サハラの状況に関する決議 (1999/09/13)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1263.htm

<概要>

【ほんの少しの解説】

 国際法の中に「戦争法」と呼ばれる条約群があります。その中で、捕虜や文民の保護を規定した条約群を「ジュネーブ法」、戦闘方法や中立国の立場などを規定した条約群を「ハーグ法」と呼ぶ場合があります。

 「文民(Civilian)」に関する規定はジュネーブ第4条約(「文民条約」,1949)、ジュネーブ条約第一議定書に記述されており、戦闘員と明確に区別される場合においては、交戦国は敵国の文民を保護し、人道的に扱うことが義務付けられています。当然ながら攻撃対象にしてはならないと規定されています。

 しかしながら、昨今の戦闘では最初から文民を狙った攻撃が増加しており、そのことが被害を大きくし、交戦状態にある者同士の憎悪を増し、事態をより解きほぐしにくいものとしてしまっているという事実があります。

◆1999/08/12 - 1999/08/31◆

Security Council resolution 1262 (1999) on the situation in Timor (S/RES/1262)

チモールの状況に関する決議 (1999/08/27)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1262.htm

<概要>

Security Council resolution 1261 (1999) on children and armed conflict (S/RES/1261)

子供と武力紛争に関する決議 (1999/08/25)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1261.htm

<概要>

Security Council resolution 1260 (1999) on the situation in Siera Leone (S/RES/1260)

シエラレオネの状況に関する決議 (1999/08/20)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1260.htm

<概要>

【ほんの少しの解説】

 決議第1261号ですが、国連が紛争と子供の問題を決議にかけたのは初めてのようで、これ自体、画期的なことです。
 国際労働機関(ILO)で、「児童への労働強制」という切り口からこの問題に迫っており、いくつかのNGOが中心となって扱っていました。児童への福祉という問題もあるのですが、子供が戦争しか知らないという状況が、紛争終結後の平和をさらに困難にするという問題も含まれており、「戦争を知らない子供たち」すら知らない世代が多くなった日本では、とても想像がつかない状況に、世界の子供たちがおかれているという事実を深く認識しなければなりませんね。

◆1999/08/01 - 1999/08/11◆

Security Council resolution 1259 (1999) on the International Tribunal for the Former Yugoslavia and Rwanda - appointment of the Prosecutor  (S/RES/1259)

旧ユーゴスラビアおよびルワンダ国際刑事裁判所の検察官任命に関する安保理決議 (1999/08/11)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1259.htm

<概要>

Security Council resolution 1258 (1999) on the situation in the Democratic Republic of the Congo (S/RES/1258)

コンゴ民主共和国の状況に関する決議 (1999/08/06)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1258.htm

<概要>

Security Council resolution 1257 (1999) on the situation in Timor (S/RES/1257)

チモールの状況に関する決議 (1999/08/03)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1257.htm

<概要>

Security Council resolution 1256 (1999) on the situation in Bosnia and Herzegovina  (S/RES/1256)

ボスニア=ヘルツェゴビナの状況に関する決議 (1999/08/03)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1256.htm

<概要>

◆1999/07/16 - 1999/07/31◆

Security Council resolution 1255 (1999) on the situation in Georgia (S/RES/1255)

グルジアの状況に関する決議 (1999/07/30)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1255.htm

<概要>

Security Council resolution 1254 (1999) on the situation in the Middle East (S/RES/1254)

中東の状況に関する決議 (1999/07/30)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1254.htm

<概要>

Security Council resolution 1253 (1999) on the admission of new Members (S/RES/1253)

新加盟の承認に関する決議 (1999/07/28)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1253.htm

<概要>

【ほんの少しの解説】

 山本@水曜日翻訳担当です。
 久しぶりの SUN Special Edition ですが、別にサボっていたわけではなくて、一月ほど、安保理決議のページが更新されていなかったためです。

 最初の決議は説明するまでもなくトンガ王国の国連加盟を推奨するものです。逆に今まで加盟してなかったのですね。
 残りの2つの決議は、それぞれの劇的な変化があったために決議されたというのではなく、展開中の平和維持活動の活動期限を2000年1月31日まで延長することを主眼としたものです。

◆1999/07/01 - 1999/07/15◆

Security Council resolution 1252 (1999) on the situation in Croatia (S/RES/1252)

クロアチアの状況に関する決議 (1999/07/15)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1252.htm

<概要>

  

【ほんの少しの解説】

 国連プレブラカ監視ミッション(UNMOP;UN Misson of Observers in Prevlaka)は、安保理決議第1183号(1998)で活動期限が1999年7月15日までと定められていたのでこれを延期するための決議と言えます。
 旧ユーゴスラビア連邦共和国の各地に1992年に配備された国連ミッション・国連保護軍(UNPROFOR;UN Protection Force)の活動は1995年にボスニア=ヘルツェゴビナ・クロアチア・マケドニアと旧ユーゴ共和国の3地域に分割されました。
 このうちクロアチアを担当したのが国連クロアチア信頼回復活動(UNCRO;UN Confidence Restration Operation in Croatia)です。この活動の一環としてプレブラカ半島の武装解除を監視するミッションが設立され、これが国連プレブラカ監視ミッションとして独立し、UNCROが終結した後もミッションにあたっています。

◆1999/06/25 - 1999/06/30◆

Security Council resolution 1251 (1999) on the situation in Cyprus (S/RES/1251)

キプロスの状況に関する決議 (1999/06/29)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1251.htm

<概要>

Security Council resolution 1250 (1999) on the situation in Cyprus (S/RES/1250)

キプロスの状況に関する決議 (1999/06/29)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1250.htm

<概要>

Security Council resolution 1249 (1999) on the admission of new Members (S/RES/1249)

新加盟の承認に関する決議 (1999/06/25)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1249.htm <概要>

Security Council resolution 1248 (1999) on the admission of new Members (S/RES/1248)

新加盟の承認に関する決議 (1999/06/25)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1248.htm

<概要>

【ほんの少しの解説】

 山本@水曜日翻訳担当です。
 6月はもうないだろうと思っていたら、4つも決議が採択されてしまいました。
 そのうち決議第1248号と第1249号は、6月25日のDaily Highlightの記事にもありましたが、新加盟国の承認を総会に勧告するものです。これは解説の余地はないですね。

 決議第1250号と1251号はともにキプロスに関する決議なのですが、同じ日(6/29)に2つの決議を採択した(1つにまとめて採択しなかった)理由は今のところ把握できていません。同じような条文も見受けられるし。。。(でも表現は異なる。)

 もうひとつ"Good Offices in Cyprus"という表現が見られ、これは事務総長報告(S/1999/707)に記載されているようなのですが、具体的な組織の内容を把握していません。これも詳しいことが分かり次第このコーナーで補足していきたいと思います。

 んー、すいません、解説になってませんね。

◆1999/06/13 - 1999/06/25◆

Security Council resolution 1247 (1999) on the situation in Bosnia and Herzegovina (S/RES/1247)

ボスニア=ヘルツェゴビナの状況に関する決議 (1999/06/18)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1247.htm

【全会一致で採択】
【国連憲章第7章による規定あり】

<概要>

  

【ほんの少しの解説】

 この決議は他の決議と比べて長文の決議で、全体を把握するのにちょっと苦労しました。

 3つの部分に分かれていまして、最初は和平協定の履行について、「いついつのこの文書(に決められた事項)を再確認する」ということと、この履行の第一の責任はボスニア・ヘルツェゴビナ当局にあることが繰り返し確認されます。
 次の部分はSFOR(the multinational stabilization force)の立場と役割についての規定(の再確認)が行われ、それを了承することを関係者に要請しています。
 そして3つめの部分は国連ボスニア・ヘルツェゴビナミッション (UNMIBH)の活動についての規定です。安保理決議第1174号で、UNMIBHの活動期限が1999年6月21日までと定められていたため、その延長のために採択された決議とも言えます。

 1991年クロアチアとスロベニアがユーゴスラビア共和国からの独立を宣言して始まった内戦に対し、1992年に安保理は国連保護軍(UNPROFOR;UN Protection Force)の派遣を決定しました。が努力にもかかわらず紛争は悪化していきました。UNPROFORには自衛以外の武器使用は認められていませんので、紛争を封じ込めることができなかったのです。この状況をうけてNATOが主体となって平和履行部隊(IFOR)が派遣され、兵力の引き離しや平和維持活動が展開されました。そしてようやく1995年末に、 和平協定の締結に達しました。
 しかしその後も完全に治安が回復したわけではなく、NATOはIFORを改編したSFORを再度派遣することとしました。UNMIBHはこのSFORと共同して活動を進めることを定められています。

◆1999/06/01 - 1999/06/12◆

 1999年6月1日から6月12日までに安全保障理事会で採択された決議は以下の通り。

Resolution 1246 (1999) on the situation in Timor (S/RES/1246)

東チモールの状況に関する決議 (1999/06/11)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1246.htm

<概要>

  

Resolution 1245 (1999) on the situation in Sierra Leone (S/RES/1245)

シエラレオネの状況に関する決議 (1999/06/11)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1245.htm

<概要>

Resolution 1244 (1999) on the situation relating Kosovo (S/RES/1244)

コソボ関連の状況に関する決議 (1999/06/10)
http://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1244.htm

【国連憲章第7章による規定あり】

<概要>

【ほんの少しの解説】

 山本@水曜日翻訳担当です。
 最近、日々の翻訳とは別に、個人的に安保理決議をこまめにチェックするようになりまして、当初は「全部翻訳する!」と決意したのですが、なかなか手強い英文でして(一度原文を見ていただくとわかります)、意味を把握してからまともな日本語にかえるまでの労力が尋常なものではないことが判明しました。
「安保理決議集」という本がないのもわかる気がする。
   しかしながら、個人的に理解したメモみたいなものは作成してますので、それを自分だけで抱えておいても仕方がないので、スタッフとも相談して、配信することにしました。

 安保理決議はその性格から言って、何か事態が起こったことへの対処ですので、不定期に採択されます。したがってしばらく何も採択されない週があったかと思うと、立て続けに3つ4つと採択される場合があります。
 この週は(わずか2日で!)3つの決議が採択されています。
 まず決議第1244号は、コソボ空爆停止を受けて、国際文民部隊と国際治安部隊とを派遣することを決議しています。文民部隊のほうはUNMIK(まだ定訳はないようですが、とりあえず「国連コソボ暫定行政機構」と訳されているようです。)、治安部隊のほうはKFORが担うようです。

 決議第1245号は、シオラレオネに派遣されているUNOMSILの活動期限延長が、決議1246号は国連東ティモール派遣団(UNAMET)を設置が決定されています。


[このページのトップへ] [SC Resolutions のトップページへ] [SUNのトップページへ]