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Title : S/RES/1803 : Iran / Non-proliferation

安保理決議第1803号
イラン核開発に関する制裁に関する決議

採択日:2008/03/03
会合:第5647回会合
投票:全会一致
プレスリリース:SC/9268

 安全保障理事会は、

 2006年3月29日付議長声明 S/PRST/2006/15 並びに2006年7月31日付決議第1696号・2006年12月23日付決議第1737号・2007年3月24日付決議第1747号を想起し、それらの条項を再確認し、
 核兵器非拡散条約(the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)への責務並びにあらゆる条約締結国がその義務を遵守する必要性を再確認し、同条約第I条・第II条に従い、あらゆる締結国が差別なく核エネルギーの研究開発・生産・使用を行う権利を想起し、
 イランの核問題の解決は世界的な核非拡散の努力及び運搬手段を含め大量破壊兵器のない中東という目的を実現に貢献するとの声明を掲載したIAEA理事会決議(GOV/2006/14)を想起し、
 2007年5月23日付(GOV/2007/22)・2007年8月30日付(GOV/2007/48)・2007年11月15日付2008年2月22日付の国際原子力エネルギー機関(IAEA)事務局長報告において確認されたように、決議第1696号(2006)・第1737号(2006)・第1747号(2007)において設定されたあらゆる濃縮関連及び再処理活動、重水関連プロジェクトの全面的停止をしておらず、追加議定書の下でのIAEAとの協力も再開しておらず、IAEA理事会の要請による他の措置も講じておらず、信頼構築に不可欠な安全保障理事会決議第1696号(2006)・第1737号(2006)・第1747号(2007)の条項を履行していないことに深刻な懸念をもって留意し、これらの措置に関する同国の拒絶を非難し、
 修正 Code 3.1 に従い同国により提供された設計情報を検証するIAEAの権利に対し同国が疑義を唱えたことに懸念をもって留意し、同国安全協定(Safeguards Agreement)第39条に従い、Code 3.1は一方的に修正及び停止はできないこと並びに提供された設計情報を検証するIAEAの権利は施設の建設の段階や核物質の有無に依存しない、継続的な権利であることを強調し、
 IAEAの権限の強化の決定を繰り返し強調し、IAEA理事会の役割を強く支援し、IAEA事務局及びイランの間の活動計画(GOV/2007/48, Attachment)における同国の核プログラムに関連する未解決の問題を解決するためのIAEAの努力を賞賛し、2007年11月15日付IAEA事務局長報告(GOV/2007/58)・2008年2月22日付報告(GOV/2008/4)において検討されたこの活動計画の履行における進展を歓迎し、要請された透明な方法の履行を通じてIAEAが同国の宣言の完全性と正当性を評価できるようにIAEAの質問に回答することを含む、この活動計画の完遂により迅速かつ効果的に目に見える結果を同国が出すことの重要性を強調し、
 第1737号第2パラグラフにおいて設定された停止はIAEA理事会により設定された要請を同国が遵守していることを検証し、外交的で交渉による解決に貢献し、同国の核プログラムが完全に平和目的であることを保障するとの確信を表明し、
 中国・フランス・ドイツ・ロシア連邦・英国・合衆国は、2006年6月の提案(S/2006/521)を基礎に交渉を通じて同国の核問題を解決する包括的戦略の探索に関するさらなる確固たる措置を講じる準備があることを強調し、同国の核プログラムが平和的性質であるとの国際社会の確信が一旦確保されれば核兵器非拡散条約の非核保有国と同じ扱いを受けることができるとのこれらの国の確約に留意し、
 国際取引に関する各国の権利と義務に留意し、
 決議第1737号(2006)の下における金融的義務を履行するにあたり各国を支援するために、金融活動作業部会(FATF; the Financial Actions Task Force)により示された指針を歓迎し、
 同国に決議第1696号(2006)・第1737号(2006)・第1747号(2007)及びIAEAの要請を遵守させるため、並びに安全保障理事会がこれらの決議に合致すると決定するまで同国の核及びミサイル開発プログラムを支援するような機密技術を制限するための適切な措置を採択することにより決定を有効化することを決定し、
 同国の核プログラム並びに同国がIAEA理事会の要請及び安全保障理事会決議第1696号(2006)・第1737号(2006)・第1747号(2007)の条項を遵守しないことにより現出した核拡散のリスクを懸念し、国際平和と安全の維持に関する国際連合憲章の下での第一の責任に留意し、
 国際連合憲章第7章第41条の下に行動し、

  1. イランは、核プログラムが専ら平和目的のみに利用されるとの信頼を構築し、未解決の問題を解決するために不可欠な、決議 GOV/2006/14 においてIAEA理事会により要請された措置をさらなる遅滞なく講じることを再確認し、この文脈から、同国はさらなる遅滞なく決議第1737号第2パラグラフにおいて要請された措置を講じるべきであるとの決定を確認し、IAEAは同国が Code 3.1 の修正を受諾するとの確認を求めていることを強調する。
  2. 同国の核プログラムに関するあらゆる未解決の問題を解決するために同国とIAEAの間で締結された協定並びにこの観点から2008年2月22日付事務局長報告(GOV/2008/4)において設定された事柄の進展を歓迎し、IAEAにあらゆる未解決の問題を明らかにする活動を継続することを奨励し、これが同国の核プログラムが専ら平和目的のみに利用されるとの国際的信頼を再構築することへの支援となることを強調し、イランとIAEAとの間の保障協定(the Safeguards Agreement)に従い同国の核開発活動に関する保障の強化においてIAEAを支援する。
  3. あらゆる国家に対し、同国の核拡散機密活動または核兵器運搬システムに従事または直接関与、支援を提供している個人のそれぞれの領土に対する入国・通過の警戒及び制限を実行することを要請し、この観点から、あらゆる国家は決議第1737号(2006)第18パラグラフに基づき設置された委員会(以下「委員会」と記す)に対し、決議第1737号(2006)付属文書または決議第1747号(2007)付属文書T・本決議付属文書 I において指定された個人並びにそれらの移動が本決議第3パラグラフ3(b)(i)・(ii)の事項に直接関連する活動である場合を除き決議第1737号(2006)第3・第4パラグラフにおける措置の下で指定された禁止品目・製品・装備・物資・技術の調達における関与を含む安全保障理事会または委員会により同国の核拡散機密活動または核兵器運搬システムに従事または直接関与、支援を提供している存在として追加的に指定された者の入国及び通過について報告を行うことを決定する。
  4. 上記第3パラグラフは国家にその国民の入国を拒否することを要請するものではなく、上記パラグラフの履行においてあらゆる国家は宗教的義務並びにIAEA規程第XV条が保障している内容を含み、本決議・決議第1737号(2006)・決議第1747号(2007)の目的に適う必要性を含む人道的配慮を行うべきことを強調する。
  5. あらゆる国家に対し、本決議付属文書IIにおいて指定された個人及び同国の核拡散機密活動または核兵器運搬システムに従事または直接関与、支援を提供している存在として安全保障理事会または委員会により追加的に指定される個人の領土内への入国または通過を、決議第1737号(2006)第3パラグラフ(b)(i)(ii)における品目に直接的に関連する活動のための入国及び通過を除き、決議第1737号(2006)第3・第4パラグラフの措置の下に指定された禁止品目・製品・装備・物資・技術の調達における関与を含み、予防するための必要な措置を講じることを決定する。なお本パラグラフは国家にその国民の入国を拒否することを要請するものではない。
  6. 上記第5パラグラフにより導入された措置は、委員会が事案ごとに決定する宗教的義務を含む人道的必要に基づき正当なものであるとみなした場合または現在の決議の他の目的を考慮して例外とすべきと結論付けた場合には適用されないことを決定する。
  7. 決議第1737号(2006)第12・第13・第14・第15パラグラフにおいて特定された措置は、本決議付属文書I及びIIIにおいて指定された個人及び組織及び彼らのためにまたはその支持の下に活動する個人または組織、彼らにより所有または指示されて活動する組織、制裁に違反し、本決議・決議第1737号(2006)・第1747号(2007)の条項に対して違反して指定された個人または組織を支援すると安全保障理事会または委員会がみなした個人及び組織にも適用されることを決定する。
  8. あらゆる国家は、自国領土内から自国民または自国の艦船・航空機によるイランへの、原産地にかかわらず以下の品目の直接的または間接的に供給・販売・譲渡を防止する必要な措置を講じることを決定する。
    1. 決議第1737号(2006)第5パラグラフの要請に従い、その付属文書の第1・第2セクションにおいて定められた品目・装備・製品・技術の供給・販売・譲渡を、第3から第6セクショで定めたように予め委員会も申請するという条件の下、軽水炉のみ、 決議第1737号(2006)第16パラグラフにしたがって同国にとって技術協力のためにそのような供給・販売・譲渡が必要であるとIAEAによってみなされた場合を除く、文書 S/2006/814 における INFCIRC/254/Rev.7/Part2 において指定されたあらゆる品目・物資・装備・製品・技術
    2. 文書 S/2006/815 のカテゴリー II の 19.A.3 において設定されたあらゆる品目・物資・装備・製品・技術
  9. あらゆる国家に対し、決議第1737号(2006)において言及されたように、同国の核拡散機密活動または核兵器運搬システムに貢献するような金融支援を防止するために、そのような取引に関与する個人または組織に対する輸出信用・信用保証・信用保険を付与することを含む、同国との取引に関する公的に提供された金融支援への新たな関与についての警戒を行うことを要請する。
  10. あらゆる国家に対し、決議第1737号(2006)において言及されたように同国の核拡散機密活動または核兵器運搬システムに貢献するような金融支援を防止するために、同国内に店舗を持つあらゆる金融機関・銀行、特にメリイ銀行(Bank Melli)及びサデラート銀行(Bank Saderat)の支店及び海外関連会社に対する警戒を行うことを要請する。
  11. あらゆる国家に対し、国内法及び国際法、特に海洋法及び関連する国際民間航空協定に従い、イラン空輸(Iran Air Cargo)及びイランイスラム共和国海運(Islamic Republic of Iran Shipping Line)が保有または運行する航空機及び艦船による同国からの及び同国への貨物を、それらの航空機・艦船が本決議・第1737号(2006)・第1747号(2007)の下で禁止された物資を運搬していると思われる場合に、空港または港湾において検査することを要請する。
  12. あらゆる国家に対し、上記パラグラフに記載された検査が行われた場合には、5就業日以内に安全保障理事会に書面で報告を行うことを要請する。その報告には検査の日時・状況・結果の詳細を記載するものとする。
  13. あらゆる国家に対し、本決議採択後60日以内に、上記第3・第5・第7・第8・第9・第10・第11パラグラフを効果的に履行するという観点からとられた措置について委員会に報告することを要請する。
  14. 決議第1737号(2006)第18パラグラフにおいて設定されたように委員会への委任活動内容は決議第1747号(2007)・本決議において導入された措置にも適用されることを決定する。
  15. 相互尊重及び国際的信頼の確立に基づく同国との全方位的な関係の構築及び広範な協力をもたらすこの問題の包括的で長期にわたる全面的な解決を模索するという観点から、同国との対話を再開すること並びに同国への核プログラムが専ら平和目的のみに利用されること、なかんずく研究開発を含むあらゆる濃縮関連・再処理活動を同国が中止し、これがIAEAにより検証されることにより直接対話が開始されるとの提案を推進する外交努力を中国・フランス・ドイツ・ロシア連邦・英国・合衆国がさらに拡大するとの意図を強調する。
  16. 欧州連合共通外交・ 安全保障政策上級代表(the European Union High Representative for the Common Foreign and Security Policy)に対し、協議再開のために必要な条件整備の観点から、中国・フランス・ドイツ・ロシア連邦・英国・合衆国による関連する提案を含む交渉による解決を模索する政治・外交努力の支援において同国と連絡を継続することを奨励する。
  17. 同国を含むあらゆる国家が、同国政府または同国内の個人及び組織、決議第1737号(2006)及び関連する決議により指定された個人または組織、現在の決議・決議第1737号(2006)・第1747号(2007)により導入された措置により執行が停止されている契約・取引に関与する個人または組織に請求または便益のある者の示す事実に虚偽がないことを示すために必要な措置を講じる重要性を強調する。
  18. 同国が決議第1737号(2006)に記述された活動を全面的に停止するかについて、並びにIAEA理事会により要請された措置及び決議第1737号(2006)・第1747号(2007)・本決議の他の条項に対する同国の遵守プロセスについて、IAEA事務局長からIAEA理事会及び検討のために安全保障理事会に90日以内に 報告を提出することを要請する。
  19. 上記パラグラフにおいて言及された報告を踏まえイランの行動を見直し、以下のことを行うことを確認する。
    1. 誠意をもって早期にかつ双方が受け入れ可能な結果に到達するために、イランが研究開発を含めあらゆる濃縮関連活動及び再処理活動を中止し、IAEAにより検証された場合には、措置の履行を延期すること。
    2. 上記パラグラフにおいて言及された報告を受領し、同国が関連する安全保障理事会決議の下における義務を完全に遵守し、IAEA理事会の要請に適っているとIAEA理事会により確認された場合には即座に、決議第1737号(2006)第3・第4・第5・第6・第7・第12パラグラフ、決議第1747号(2007)第2・第4・第5・第6・第7パラグラフ、上記第3・第5・第7・第8・第9・第10・第11パラグラフにおいて特定された措置を停止すること。
    3. 同国が決議第1696号(2006)・第1737号(2006)・第1747号(2007)及び本決議を遵守していないと報告にあった場合には、同国がこれらの決議及びIAEAの要請を遵守するよう国際連合憲章第7章第41条の下でのさらなる適切な措置を採択し、必要な追加措置を要請するさらなる決定を行うことを強調すること。
  20. この問題に引き続き積極的に取り組むことを決定する。

付属文書 I

  1. Amir Moayyed Alai (involved in managing the assembly and engineering of centrifuges)
  2. Mohammad Fedai Ashiani (involved in the production of ammonium uranyl carbonate and management of the Natanz enrichment complex)
  3. Abbas Rezaee Ashtiani (a senior official at the AEOI Office of Exploration and Mining Affairs)
  4. Haleh Bakhtiar (involved in the production of magnesium at a concentration of 99.9%)
  5. Morteza Behzad (involved in making centrifuge components)
  6. Dr. Mohammad Eslami (Head of Defence Industries Training and Research Institute)
  7. Seyyed Hussein Hosseini (AEOI official involved in the heavy water research reactor project at Arak)
  8. M. Javad Karimi Sabet (Head of Novin Energy Company, which is designated under resolution 1747 (2007))
  9. Hamid-Reza Mohajerani (involved in production management at the Uranium Conversion Facility (UCF) at Esfahan)
  10. Brigadier-General Mohammad Reza Naqdi (former Deputy Chief of Armed Forces General Staff for Logistics and Industrial Research/Head of State Anti-Smuggling Headquarters, engaged in efforts to get round the sanctions imposed by resolutions 1737 (2006) and 1747 (2007))
  11. Houshang Nobari (involved in the management of the Natanz enrichment complex)
  12. Abbas Rashidi (involved in enrichment work at Natanz)
  13. Ghasem Soleymani (Director of Uranium Mining Operations at the Saghand Uranium Mine)

付属文書 II

A.決議第1737号(2006)において列挙された個人

  1. Mohammad Qannadi, AEOI Vice President for Research & Development
  2. Dawood Agha-Jani, Head of the PFEP (Natanz)
  3. Behman Asgarpour, Operational Manager (Arak)

B.決議第1747号(2007)において列挙された個人

  1. Seyed Jaber Safdari (Manager of the Natanz Enrichment Facilities)
  2. Amir Rahimi (Head of Esfahan Nuclear Fuel Research and Production Centre, which is part of the AEOI's Nuclear Fuel Production and Procurement Company, which is involved in enrichment-related activities)

付属文書 III

  1. Abzar Boresh Kaveh Co. (BK Co.) (involved in the production of centrifuge components)
  2. Barzagani Tejarat Tavanmad Saccal companies (subsidiary of Saccal System companies) (this company tried to purchase sensitive goods for an entity listed in resolution 1737 (2006))
  3. Electro Sanam Company (E. S. Co./E. X. Co.) (AIO front-company, involved in the ballistic missile programme)
  4. Ettehad Technical Group (AIO front-company, involved in the ballistic missile programme)
  5. Industrial Factories of Precision (IFP) Machinery (aka Instrumentation Factories Plant) (used by AIO for some acquisition attempts)
  6. Jabber Ibn Hayan (AEOI laboratory involved in fuel-cycle activities)
  7. Joza Industrial Co. (AIO front-company, involved in the ballistic missile programme)
  8. Khorasan Metallurgy Industries (subsidiary of the Ammunition Industries Group (AMIG) which depends on DIO. Involved in the production of centrifuges components)
  9. Niru Battery Manufacturing Company (subsidiary of the DIO. Its role is to manufacture power units for the Iranian military including missile systems)
  10. Pishgam (Pioneer) Energy Industries (has participated in construction of the Uranium Conversion Facility at Esfahan)
  11. Safety Equipment Procurement (SEP) (AIO front-company, involved in the ballistic missile programme)
  12. TAMAS Company (involved in enrichment-related activities. TAMAS is the overarching body, under which four subsidiaries have been established, including one for uranium extraction to concentration and another in charge of uranium processing, enrichment and waste)

分野:S/RES/1762核問題S/RES/1810
地域:S/RES/1747イラン情勢S/RES/1835
採択順:S/RES/1802S/RES/1804
Updated : 2008/03/09