Location : Home > SC Resolutions > 2007
Title : S/RES/1778 : The situation in eastern Chad and the north-eastern Central African Republic

安保理決議第1778号
チャド・中央アフリカ共和国情勢に関する決議

採択日:2007/09/25
会合:第5748回会合
投票:全会一致
プレスリリース:SC/9127

安全保障理事会は、

 チャド・中央アフリカ共和国に関する、決議第1769号を含む安全保障理事会決議及び議長声明を想起し、
 両国の主権・統一・領土保全・政治的独立並びに当該地域における平和の大義に対する責務を再確認し、
 文民の安全・当該地域の人道活動・それらの国家に安定を脅かし、人権及び国際人権法の深刻な蹂躙をもたらす、チャド東部・中央アフリカ共和国北東部・スーダン西部における武装集団の活動及びその他の攻撃を深く懸念し、
 暴力的手段による不安定化の企み及び実力行使による襲撃は受け入れがたいことを再確認し、
 領土内における文民の安全確保に関する第一の責任は両国政府にあることを想起し、
 ダルフール・チャド東部・中央アフリカ共和国北東部における継続する暴力は当該地域にさらに否定的な影響を与えるとの懸念を繰り返し強調し、
 2006年2月8日付トリポリ協定(the Tripoli Agreement)及び他のスーダン及び両国との二国間・多国間協定を想起し、ダルフール問題の適切な解決とスーダン及び両国間関係の改善は当該地域の長期にわたる平和と安定に貢献することを強調し、2007年2月12日・13日に開催された、チャド及びスーダン間の関係に関するアフリカ連合第70回平和安全保障理事会コミュニケを歓迎し、
 ダルフール和平協定(Darfur Peace Agreement)により始まる和平プロセスを再活性化させ、停戦を確固たるものとし、ダルフールにおける平和維持活動を強化するための事務総長及びアフリカ連合の努力への全面的支援を繰り返し強調し、
 女性と平和・安全に関する決議第1325号(2000)、人道活動要員・国際連合要員の保護に関する決議第1502号(2003)、武力紛争と文民の保護に関する決議第1674号(2006)を再確認し、
 武力紛争における子どもに関する決議第1612号(2005)を再確認し、チャドにおける武力紛争と子どもに関する事務総長報告(S/2007/400)及びそれに含まれる勧告に留意し、武力紛争における子どもに関する作業部会(Working Group on Children and Armed Conflict)により採択された結論(S/AC.51/2007/16)のうちチャドに関するものを想起し、
 1951年7月28日の難民の地位に関する条約及び1966年12月16日の追加議定書に留意し、
 難民キャンプ及び国内避難民避難所の文民的性質を遵守し、子どもを含むキャンプ内外で行われる武装集団による個人の徴兵を防止する必要性を強調し、
 2007年8月13日にンジャメナにおいてチャドの民主化プロセスの強化に向けた政治協定が調印されたことを歓迎し、
 2007年8月10日付事務総長報告(S/2007/488;以下「事務総長報告」と記す)並びにその第37パラグラフにおいて示されたチャド東部及び中央アフリカ共和国北東部地域(以下「チャド東部及び中央アフリカ共和国北東部」と記す)における国際プレゼンスの展開の勧告を精査し、
 2007年7月23日・24日に開催された欧州連合理事会会合で表明された、チャド東部及び中央アフリカ共和国北東部における国際連合のプレゼンスを支援する、12か月を期限とする活動の設置を検討するとの欧州連合の意図を歓迎し、2007年9月17日付事務総長/欧州連合理事会高等代表書簡(S/2007/560, annex)に留意し、
 国際連合及び欧州連合による国際プレゼンスの展開を受諾する2007年9月11日付チャド当局書簡(S/2007/540)及び2007年9月17日付中央アフリカ共和国当局書簡(S/2007/551)を歓迎し、
 スーダン及び両国遭間国境地域の情勢を国際平和と安全に対する脅威と見なし、

  1. 下記第2から第6パラグラフに従い、両国当局と協議の上、なかんずく、難民・国内避難民・危機にある文民の保護に貢献し、チャド東部及び中央アフリカ共和国北東部における人道支援の条件を整備し、当該地域の再建と経済社会的発展に望ましい条件を創設することにより、難民・国内避難民の自発的・安全かつ持続可能な帰還を促す治安条件の創設を支援する多次元プレゼンス(the multidimensional presence)の設置を承認する。
  2. その多次元プレゼンスは1年を期間とし、国際連合中央アフリカ共和国・チャドミッション(United Nations Mission in the Central African Republic and Chad;略称 MINURCAT は全ての言語で用いることとする)を内包し、チャド東部及び中央アフリカ共和国北東部において、国際連合現地駐在チームと協力して以下の任務を遂行することを決定する。

    文民の安全と保護

    1. 第5パラグラフにおいて言及される人道保護チャド警察(the Police tchadienne pour la protection humanitaire)の部局に対する選抜・訓練・助言・支援を行うこと。
    2. さらなる安全環境の創設のために、両国の国軍・憲兵隊・機動隊・遊牧警備隊・司法当局・刑務所と協力すること。
    3. チャド政府及び国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)と協力して国境付近にある難民キャンプの移設を支援すること並びにUNHCRに対し実費精算で物資支援を提供すること。
    4. 当該地域における人道支援活動に対する脅威となる情報を交換するために、スーダン政府・アフリカ連合・アフリカ連合スーダンミッション(AMIS)及びその後継組織であるアフリカ連合=国際連合混合ダルフールミッション(UNAMID)・国際連合中央アフリカ共和国平和構築支援事務所(BONUCA)・中央アフリカ経済通貨共同体多国籍軍(FOMUC)・サヘル=サハラ諸国共同体(CEN-SAD)と緊密に協力すること。

    人権と法の支配

    1. 特に性的及びジェンダーに基づく暴力に配慮し、人権の保護と促進の監視に貢献し、免責と戦うという観点から適切な当局に行動を勧告すること。
    2. その能力の範囲内で、国際人権標準における訓練を通じ両国政府及び市民社会の能力強化を目指した努力並びに武装集団による子どもの徴兵と使用を終結させるための努力を支援すること。
    3. 国際連合諸機関と緊密に協力し、BONUCAの任務にもかかわらず、独立した司法制度及び強化された法体系への支援を通じ法の支配の促進においてチャド政府及び中央アフリカ共和国を支援すること。
  3. MINURCATは最大300名の警察官と50名の軍事連絡将校及び適切な人数の文民要員を含むことを決定する。
  4. 事務総長及び両国政府に対し、国際連合要員及び関連要員の安全に関する条約における法的保護の範囲に関する総会決議 59/47 ・国際連合要員及び関連要員の安全に関する条約選択議定書に対する総会決議 60/42 ・人道支援要員の安全及び国際連合要員の保護に関する総会決議 61/133 に留意し、可及的速やかにMINURCATのための地位協定を締結することを要請し、1990年10月9日付モデル地位協定(A/45/594)が暫定的に1または他の国との協定の結論として適用されることに留意する。
  5. 専ら難民キャンプ・国内避難民の多く集っている場所・近隣地域の主要な街における法と秩序の維持並びにチャド東部における人道支援活動の安全確保支援へ貢献する人道保護チャド警察(PTPH; the Police tchadienne pour la protection humanitaire)の設置に関する条項を含む事務総長報告において言及された警察に関する概念を承認し、この観点からチャド政府に対しPTPHの設置を奨励し、PTPHへの物資的・財政的支援提供の緊急的必要性を強調し、事務総長に対しこの目的のために加盟国及び金融機関を結集することを要請する。
  6. 国際連合憲章第7章の下に行動する。
    1. 欧州連合に対し、事務総長と協議の上、欧州連合により活動開始を宣言してから1年の期間で第2から第4パラグラフにおいて言及された項目の支援を目的とした活動(以下「欧州連合活動」と記す)の展開する権限を承認し、この活動は、その能力とチャド東部及び中央アフリカ共和国北東部における活動の範囲内で、両国政府と協力し、欧州連合と国際連合とで定められた協定に従い、以下の機能を果たすためのあらゆる必要な措置を講じる権限を承認されることを決定する。
      1. 危機にある文民、特に難民・国内避難民の保護に貢献すること。
      2. 活動範囲内における治安を促進することにより人道支援物資の輸送と活動要員の自由な移動の確保を支援すること。
      3. 国際連合の要員・施設・装置・装備の保護に貢献し、そのスタッフ及び国際連合及び関連要員の安全と移動の自由を確保すること。
    2. 欧州連合活動に対し、サブパラグラフ a において言及された期間終了時点において、残余の能力の限界内でサブパラグラフ a において示された機能の履行し、秩序ある撤退を行うためにあらゆる適切な措置を講じる権限を承認する。
  7. 活動の委任内容の履行で求められるように、欧州連合に対し、パラグラフ 2 (b) から 2 (d) までにおいて言及された活動に協力し支援することを要請する。
  8. 欧州連合活動に対し、活動の全面展開の準備のために即時にあらゆる措置を講じることを要請し、務総長に対し、欧州連合と特に国際連合の要員・施設・設備・装備の適切な保護並びに国際連合スタッフの移動の自由の確保に関する協定に関し緊密に調整することを要請する。
  9. 欧州連合・事務総長・両国政府に対し、欧州連合活動の展開の期間中、その完全な撤退まで緊密に協力することを要請する。
  10. 事務総長に対し、両国政府と協議の後、第6パラグラフサブパラグラフ a において示された日付より6か月後に情勢の進展度合いに応じて可能な国際連合活動を含む1年間を期間とする将来の欧州連合活動の継続に関する調整に関して報告することを要請し、この目的のために国際連合及び欧州連合は問題となる日付以前にニーズの評価を行うことに留意する。
  11. 両国政府及び欧州連合に対し、第6パラグラフにおいて言及された活動について可及的速やかに地位協定を締結することを要請する。
  12. 欧州連合に対し、第6パラグラフサブパラグラフ a において言及された期間の中間と終了時において任務をどのように遂行するかを安全保障理事会に報告することを要請する。
  13. あらゆる関係勢力に対し、MINURCAT及び欧州連合活動の展開及び活動に対し、これらの組織要員及び関連要員の安全と移動の自由を確保することにより全面的に協力することを要請する。
  14. あらゆる加盟国、特に両国と接する国家に対し、障害や遅滞なく、MINURCAT及び欧州連合活動が私用する車両及びその予備部品を含むあらゆる要員・設備・供給品その他物資の両国への搬入を自由に行えるよう支援することを要請する。
  15. スーダン及び両国の各政府に対し、互いの主権を侵すようなことがないこと並びに共通の国境の安全確保を目指したトリポリ協定及びその他の協定の遵守の観点から積極的に互いに協力することを奨励する。
  16. 両国当局及び政治的関係勢力に対し、憲法の枠組みを尊重した国民対話への努力を奨励する。
  17. 国際人道法の法規と原則、特に人道活動要員の保護に関するあらゆる関係勢力の義務の全面的履行を再確認し、さらにあらゆる関係勢力に対し、適用可能な国際法に従い、人道支援要員に即時かつ自由、妨害のない、支援を必要とする人々へのアクセスを提供するよう要請する。
  18. チャド当局により既になされた、武装集団による子どもの徴兵及び利用を終結させるための措置に留意し、国際連合諸機関、特にユニセフと協力することを奨励し、あらゆる関係者に子どもを保護するよう要請する。
  19. 資金拠出国に対し、両国の人道支援・再建・開発のニーズに対処する努力を倍加することを強く要請する。
  20. 事務総長に対し、上記 OP2-b から 2-d に設定された協力協定に関する情報を更新し、チャド東部・中央アフリカ共和国北東部・周辺地域のおける難民・国内避難民の移動状況、自発的かつ安全で持続可能な難民・国内避難民の帰還をもたらす治安状態の創設支援の目的に向けた進展状況、MINURCATの任務の履行状況を含む治安・人道状況を定期的に報告し、3か月ごとに報告書を提出することを要請する。
  21. この問題に引き続き積極的に取り組むことを決定する。

分野:
地域:チャド・中央アフリカ共和国情勢
採択順:S/RES/1777S/RES/1779
Updated : 2007/09/26