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Title : S/RES/1747 : Iran / Non-proliferation

安保理決議第1747号
イラン核開発に関する制裁に関する決議

採択日:2007/03/24
会合:第5647回会合
投票:全会一致
プレスリリース:SC/8980

 安全保障理事会は、

 2006年3月29日付議長声明 S/PRST/2006/15 並びに2006年7月31日付決議第1696号・2006年12月23日付決議第1737号を想起し、それらの条項を再確認し、
 核兵器非拡散条約(the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)への責務並びにあらゆる条約締結国がその義務を遵守する必要性を再確認し、同条約第I条・第II条に従い、あらゆる締結国が差別なく核エネルギーの研究開発・生産・使用を行う権利を想起し、
 決議第1696号(2006)及び第1737号(2006)において設定された通り、IAEA事務局長の報告全体にわたる深刻な懸念を想起し、
 2007年2月22日付IAEA事務局長最新報告(GOV/2007/8)を想起し、それらにおいて指摘された、イランが決議第1696号(2006)及び決議第1737号(2006)を遵守していないことに遺憾の意を表明し、
 イランの核プログラムが専ら平和目的だけに利用されることを保証する交渉による解決に向けた政治的・外交的努力の重要性を強調し、そのような解決は他の地域における非拡散に貢献することに留意し、欧州連合高等代表の支援を受け、交渉による解決を目指す中国・フランス・ドイツ・ロシア連邦・英国・合衆国の継続的関与を歓迎し、
 同国の核問題の解決は世界的な核非拡散の努力及び運搬手段を含め大量破壊兵器のない中東という目的を実現に貢献するとの声明を掲載したIAEA理事会決議(GOV/2006/14)を想起し、
 同国に決議第1696号(2006)・第1737号(2006)及びIAEAの要請を遵守させるため、並びに安全保障理事会がこれらの決議に合致すると決定するまで同国の核及びミサイル開発プログラムを支援するような機密技術を制限するための適切な措置を採択することにより決定を有効化することを決定し、
 安全保障理事会により決定された措置を履行するにあたり、相互支援に加わる国家への要請を想起し、
 同国の核プログラム並びに同国がIAEA理事会の要請及び安全保障理事会決議第1696号(2006)・第1737号(2006)の条項を遵守しないことにより現出した核拡散のリスクを懸念し、国際平和と安全の維持に関する国際連合憲章の下での第一の責任に留意し、
 国際連合憲章第7章第41条の下に行動し、

  1. イランは、核プログラムが専ら平和目的のみに利用されるとの信頼を構築し、未解決の問題を解決するために不可欠な、決議 GOV/2006/14 においてIAEA理事会により要請された措置をさらなる遅滞なく講じることを再確認し、この文脈から、同国はさらなる遅滞なく決議第1737号(2006)第2パラグラフにおいて要請された措置を講じるべきであるとの決定を再確認する。
  2. あらゆる国家に対し、同国の核拡散機密活動または核兵器運搬システムに従事または直接関与、支援を提供している個人のそれぞれの領土に対する入国・通過の警戒及び制限を実行することを要請し、この観点からあらゆる国家は、決議第1737号(2006)第18パラグラフに基づき設置された委員会(以下「委員会」と記す)に対し、決議第1737号(2006)付属文書または本決議付属文書 I において指定された個人並びにそれらの移動が本決議第3パラグラフ3(b)(i)・(ii)の事項に直接関連する活動である場合を除き決議第1737号(2006)第3・第4パラグラフにおける措置の下で指定された禁止品目・製品・装備・物資・技術の調達における関与を含む安全保障理事会または委員会により同国の核拡散機密活動または核兵器運搬システムに従事または直接関与、支援を提供している存在として追加的に指定された者の入国及び通過について報告を行うことを決定する。
  3. 上記パラグラフは国家にその国民の入国を拒否することを要請するものではなく、上記パラグラフの履行においてあらゆる国家は宗教的義務並びにIAEA規程第XV条に関連して本決議及び決議第1737号(2006)の目的に適う必要性を含む人道的配慮を行うべきことを強調する。
  4. 決議第1737号(2006)第12・第13・第14・第15パラグラフにおいて指定された措置は本決議付属文書 I に挙げられた個人及び組織にも適用されることを決定する。
  5. イランは領土内から直接または間接的に、自国民または自国の艦船・航空機によっていかなる武器または関連物資を供給・販売・譲渡してはならず、あらゆる国家は、自国民または自国の艦船・航空機によるイランからの、イラン産であるなしにかかわらずそのような品目の調達を禁止すべきであることを決定する。
  6. あらゆる国家に対し、直接間接を問わず、自国領土内または自国民または自国の艦船及び航空機を用いた、戦車・武装車両・大口径の大砲または戦闘機・攻撃用ヘリコプター・戦艦・ミサイルまたは国際連合対イラン通常兵器登録システム登録(the United Nations Register on Conventional Arms to Iran)により定義されたミサイルシステムの供給・販売・譲渡並びに不安定化をもたらす武器の買い集めを防止するためのそのような物資の供給・販売・譲渡・製造または使用に関連した、イランに対するいかなる技術的支援・訓練・金融支援・投資・仲介その他のサービス及び金融資産の譲渡またはサービスにおける警戒及び制限を行うことを要請する。
  7. あらゆる国家及び国際金融機関に対し人道及び開発目的のものを除き、イランイスラム共和国政府に対する補助金・財政支援・無利子融資に関する新たな契約を締結しないことを要請する。
  8. あらゆる国家に対し、委員会に本決議採択後60日以内に上記第2・第4・第5・第6・第7パラグラフを有効に履行するためにとった措置を報告することを要請する。
  9. 決議第1737号(2006)第2パラグラフにおいて設定され、IAEA理事会による要請をイランが遵守していることが検証された開発中止は、イランの核開発プログラムが専ら平和目的に限ることを保証する外交的かつ交渉による解決に貢献するとの確信を表明し、国際社会はそのような解決に向けた意思があることを強調し、上記の条項に則って国際社会及びIAEAと再約することを奨励し、そのような約定はイランにとっても益をもたらすものであることを強調する。
  10. 欧州連合高等代表の支援の下、この問題の交渉による解決に向けた中国・フランス・ドイツ・ロシア連邦・英国・合衆国の関与を継続するとの確約を歓迎し、イランに本決議付属文書 IIに記され、決議第1696号(2006)において安全保障理事会により承認された、2006年6月提案(S/2006/521)に取り組むことを奨励し、相互尊重に基づくイランとの関係と協力の開発並びにイランの核開発プログラムが専ら平和的な性格であるとの国際的信頼の確立をもたらす長期にわたる包括的協定に向け、イランを交渉につかせる提案を謝意を持って承認し、
  11. IAEAの権限を強化する決定を繰り返し強調し、IAEA理事会の役割を強く支援し、IAEA事務局長及び事務局に対しIAEA枠組みにおけるイランにおけるあらゆる未解決の課題の解決に向けた専門的かつ公平な継続中の努力を賞賛し奨励し、規程に従い、イランの核開発プログラムに関連するあらゆる未解決の課題の明確化の作業の継続するために、非平和目的の核物資の非転用を含む、保障措置協定の遵守を検証するための権限を国際的に認められているIAEAの必要性を強調し、
  12. 決議第1737号(2006)において言及されたあらゆる活動の全面的かつ継続的停止を行ったかについて、並びにIAEA理事会により要請されたあらゆる措置及び決議第1737号(2006)・本決議の他の条項をイランが遵守したかについてIAEA事務局長からの報告が60日以内にIAEA理事会に、並行して検討のために安全保障理事会に提出されることを要請する。
  13. 上記第12パラグラフにおいて言及された、60日以内に提出される報告を踏まえイランの行動を見直し、以下のことを行うことを確認する。
    1. 誠意をもって早期にかつ双方が受け入れ可能な結果に到達するために、イランが研究開発を含めあらゆる濃縮関連活動及び再処理活動を中止し、IAEAにより検証された場合には、措置の履行を延期すること。
    2. 上記第12パラグラフにおいて言及された報告を受領し、安全保障理事会の関連する決議の下での義務を全面的に遵守し、IAEA理事会の要請に適うと理事会で確認された場合、決議第1737号(2006)第3・第4・第5・第6・第7・第12パラグラフ並びに上記第2・第4・第5・第6・第7パラグラフにおいて指定された措置は終了すること。
    3. 上記第12パラグラフの報告が決議第1737号(2006)及び本決議を遵守していないことを指摘した時には、イランにこれらの決議及びIAEAの要請の遵守を要請する国際連合憲章第7章第41条の下で適切な措置を採択し、これらの決定には更なる追加的措置が含まれること。
  14. この問題に引き続き積極的に取り組むことを決定する。

[付属文書(Resolution Annex)]

付属文書 I

核または大陸間弾道ミサイル開発に関与した組織

  1. Ammunition and Metallurgy Industries Group(AMIG または Ammunition Industries Group;決議第1737号(2006)によりイランの遠心分離機プログラムにおける役割を確認された 7th of Tir を支配下においている。また決議第1737号(2006)で指定された the Defence Industries Organisation(DIO)により所有・支配されている。)
  2. Esfahan Nuclear Fuel Research and Production Centre(NFRPC)及び Esfahan Nuclear Technology Centre (ENTC;Atomic Energy Organisation of Iran(AEOI)の Nuclear Fuel Production and Procurement Company の一部で、ウラン濃縮活動に関与している。AEOI は決議第1737号(2006)により指定されている。)
  3. Kavoshyar Company(AEOI の関連会社で、核開発プログラム用のグラスファイバー・真空チャンバー炉・実験装置を準備)
  4. Parchin Chemical Industries(DIO の1部門で、銃弾・火薬・ロケットやミサイル用の固体推進剤を製造)
  5. Karaj Nuclear Research Centre(AEOI の研究部門)
  6. Novin Energy Company(Pars Novin;Operates within AEOI 内で活動し、AEOIの替わりにイラン核開発プログラムに関係する組織に資金を提供する。)
  7. Cruise Missile Industry Group(Naval Defence Missile Industry Group;(巡航ミサイルの生産と開発を行う海軍のミサイル開発の責任部署)
  8. Sepah 銀行及び Sepah International 銀行(Sepah 銀行はprovides support for , Shahid Hemmat Industrial Group(SHIG)及び Shahid Bagheri Industrial Group(SBIG)を含む Aerospace Industries Organisation(AIO)及びその関連会社への支援wの提供を行う。両行とも決議第1737号(2006)で指定。
  9. Sanam Industrial Group(AIO の関連会社で、ミサイル開発において AIO の替わりに装備を購入する)
  10. Ya Mahdi Industries Group(AIO の関連会社で、ミサイル装備の国際的購入に関与。)

Iranian Revolutionary Guard Corps(IRGC)関連組織

  1. Qods Aeronautics Industries(無人機(UAVs)・パラシュート・パラグライダー・パラモーターなどを生産。IRGC は非対称戦争ドクトリンの一環としてこれらの製品を用いることを自慢している。)
  2. Pars Aviation Services Company(IRGC Air Forceで用いられている MI-171 を含む様々な航空機をメンテナンスしている。)
  3. Sho'a' Aviation(非対称戦争ドクトリンの一環として用いられることを IRGC が求めている超軽量航空機を製造している。)

核開発または弾道ミサイルの開発に関与した者

  1. Fereidoun Abbasi-Davani(以下で指定される Mohsen Fakhrizadeh-Mahabadi と親密に働いている the Institute of Applied Physics に関係の深い Ministry of Defence and Armed Forces Logistics(MODAFL)の上級科学者。)
  2. Mohsen Fakhrizadeh-Mahabadi(MODAFL の上級科学者で、 the Physics Research Centre(PHRC)の元責任者。以前 IAEA は PHRC の活動内容について彼への尋問を要求したがイランに拒絶された。)
  3. Seyed Jaber Safdari(the Natanz Enrichment Facilities マネージャー)
  4. Amir Rahimi(ウラン濃縮活動に関与した AEOI の Nuclear Fuel Production and Procurement Company の一部である Esfahan Nuclear Fuel Research and Production Centre の責任者。)
  5. Mohsen Hojati(弾道ミサイル開発プログラムで果たす役割について決議第1737号(2006)で指定された Fajr Industrial Group の責任者。
  6. Mehrdada Akhlaghi Ketabachi (弾道ミサイル開発プログラムで果たす役割について決議第1737号(2006)で指定された SBIG の責任者。)
  7. Naser Maleki (弾道ミサイル開発プログラムで果たす役割について決議第1737号(2006)で指定された SHIG の責任者。Naser Maleki は Shahab-3 弾道ミサイル開発プログラムにおいても監視の役を果たした MODAFL 高官。Shahab-3 は現在就航中の長距離弾道ミサイル。)
  8. Ahmad Derakhshandeh(AIO 及び決議第1737号(2006)で指定されたSHIG・SBIGを含む関連会社への支援を提供した Sepah 銀行会長兼常務取締役。)

Iranian Revolutionary Guard Corps の主要人物

  1. Morteza Rezaie 准将(Commander of IRGC 副司令官)
  2. Ali Akbar Ahmadian 中将(IRGC 合同スタッフ責任者)
  3. Mohammad Reza Zahedi 准将(IRGC 陸軍司令官)
  4. Morteza Safari 少将(IRGC 海軍司令官)
  5. Mohammad Hejazi 准将(Bassij 抵抗部隊司令官)
  6. Qasem Soleimani 准将(Qods 部隊司令官)
  7. Zolqadr 将軍(IRGC 将校;保安省内務次官)

付属文書 II

長期協定の要素

 我々の目的は、相互の尊重と、イランイスラム共和国の核開発プログラムの平和的性質に関する国際的信頼の構築に基づくイランとの関係と協力を開発することである。我々は同国との包括的協定の交渉の開始を提案する。そのような協定は国際原子力エネルギー機関(IAEA)に寄託され、安全保障理事会決議において承認される。

 交渉のための条件を創設するために、
 我々は以下のことを行う;

  • イランが核非拡散条約(以下「NPT」と記す)の下での義務に従い、平和目的のために核エネルギーを開発する権利を再確認し、この文脈からイランの文民における核エネルギープログラムのイランによる開発の支援を再確認する。
  • IAEA 規定及び NPT に従い、国際合同プロジェクトを通じてイランにおける新しい軽水炉の建設を積極的に支援する。
  • 交渉再開にあたり、安全保障理事会におけるイランの核開発プログラムの中止決定に賛成する。

 イランは以下のことを行う。

  • IAEAとの全面的な協力を通じて、IAEAのあらゆる残余の懸念事項に対処する。
  • IAEA理事会及び安全保障理事会により要請されたときには、IAEAにより検証されるまであらゆるウラン濃縮関連・再処理活動を停止し、交渉中はコレを継続する。
  • 追加議定書の履行を再開する。

長期l協定に関する交渉において扱うべき将来の協力分野

  1. 核分野
     我々は以下のような手段をとる。

    イランの核エネルギーへの権利

    • NPT第 I 条・第 II 条に従い、平和目的でのイランの核エネルギーへの不可侵の権利を差別なく再確認し、民間の核エネルギーのイランによる開発に協力
    • ユーラトム/イラン核協力協定の交渉と履行

    軽水炉

    • IAEA規定及びNPTに従い、最先端技術を投入し、地震に対しても安全な反応炉を建設するために必要な製品及び先進技術の移転を承認することを含む国際合同プロジェクトを通じたイランにおける新しい軽水炉の建設に積極的に支援すること。
    • 適切な措置を通じで核燃料消費と放射性廃棄物の管理について協力を提供すること。

    核エネルギーの研究開発

    • 特に放射性同位元素製造、医薬・農業分野における核技術の適用と基本的研究に用いる研究用軽水炉の提供を含む研究開発協力の実質的なパッケージを提供すること。

    燃料の保証

    • 以下の条件に基づく、法的に拘束力のある、重層的な燃料支援を提供する;
      • イランの原子炉への信頼できる燃料供給のためにウラン濃縮をロシアの国際的設備においてパートナーとして参加すること。交渉に従い、そのような設備はイランにおいて製造されたあらゆる6フッ化ウラン(UF6)を濃縮することができる。
      • IAEAの参加と監視の下、イラン向けに最大5年間の核燃料の供給を確保するだけの緩衝在庫の交易条件を確立すること。
      • 次回の理事会の席上で検討される案に基づいた、信頼できる核燃料へのアクセスのための持続的な多国間メカニズムを開発すること。

    猶予期間の見直し

     長期協定は、国際的信頼を構築するための共通の努力の観点からあらゆる側面から協定を見直す、以下のような条項を含めるものとする。

    • 軍事的な核の次元を含むIAEAにより指摘されたあらゆる未解決の課題及び懸念が解決されたことを確認すること。
    • イラン国内に未申告の核活動・核物資がなく、イランの民間核開発プログラムが備蓄している核物質はもっぱら平和目的にのみ利用されるという国際的信頼を確立することを確認すること。
  2. 政治・経済分野

    地域安全協力

     地域的安全に関する対話と協力を促進するための新しい会議の支援

    国際貿易及び投資

     世界貿易機関を含む国際構造への全面的統合に向けた現実的な支援を通じた国際経済・市場・資本へのイランのアクセス及び増大したイランにおける直接投資及びイランとの貿易の枠組みの創生(欧州連合との貿易経済協力協定を含む)へのアクセスの改善。この段階は主要な製品及び技術の改善により実施される。

    民間航空

     イランへの民間航空機の輸出に関する合衆国及び欧州連合の製造企業における制限の撤廃を含む民間航空協力並びにそれによる民間航空会社の航空機のイランによる更新の可能性の拡大

    エネルギーパートナーシップ

     具体的かつ現実的な用途におけるイランと欧州連合その他望むパートナーとの間の長期にわたるエネルギーパートナーシップの確立

    通信インフラ

     関連する合衆国及びその他の国による制限の撤廃を含むイランの通信インフラ近代化支援及び先進インターネットの設定

    先端技術協力

     先端技術分野及びその他合意した分野における協力

    農業

     合衆国及び欧州の農業製品・技術・農器具へのアクセスを含むイランにおける農業発展への支援


分野:S/RES/1737核問題S/RES/1762
地域:S/RES/1737イラン情勢S/RES/1803
採択順:S/RES/1746S/RES/1748