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Title : S/RES/21 : Trusteeship of strategic areas

安保理決議第21号
戦略地域の信託統治に関する決議

採択日:1947/04/02
会合:第124回会合
投票:全会一致

安全保障理事会は、

 国際連合憲章第75条では、それ以降の協定に従ってそれらの地域の統治・監視のための国際信託統治制度(International Trusteeship System)の設置がうたわれており、
 憲章第77条では信託統治制度は現在委任されている領土に適用することができ、
 1920年12月17日に国連連盟理事会は、国際連盟規約(Covenant of the League of Nations)第22条に従い赤道以北の旧ドイツ領諸島を日本に委任し、

 第2次世界大戦の結果として日本はこれらの領土への権限を停止され、
 それゆえに国際連合安全保障理事会は、関連する国際連合憲章条文を満たしつつ、日本に委任されていた太平洋諸島の信託統治を以下の条件で行うことを決定する。

第1条

 国際連盟規約第22条に従い日本に委任されていた諸島からなる太平洋諸島領域(The Territory of the Pacific Islands)は、ここに戦略地域として定め、国際連合憲章によって設置された信託統治制度のもとに置かれる。太平洋諸島領域は、以下、信託統治領(the Trust Territory)と呼ぶ。

第2条

 アメリカ合衆国が信託統治領の施政権者(the Administering Authority)となることを決定する。

第3条

 施政権者は本協定の条文に従い信託統治領下の行政・立法・司法に対し全面的な権限を持ち、現地の情勢や要請にとって適切とみなした合衆国国内法を統治領に適用することができる。

第4条

 施政権者は信託統治領下の統治の義務を果たすにあたって国際連合憲章及び本協定に従い行動し、国際連合憲章第83条第2パラグラフに定められているように国際信託統治制度の目的に適い、第76条に定められているように信託統治領の人民に対するものとする。

第5条

 国際連合憲章第76条(a)及び第84条の義務を果たすにあたって施政権者は、国際連合憲章に従い、国際平和と安全の維持における役割を担うこと。この目的のため、施政権者は以下の権限を持つものとする。

  1. 信託統治領内に海軍・陸軍・空軍基地を持ち、要塞を建築すること。
  2. 信託統治領内に舞台を駐留・展開すること。
  3. 信託統治領内における地域防衛及び法と秩序の維持のために、これに関して安全保障理事会に要請された義務を遂行するために施政権者の活動に対し、信託統治領から志願兵や設備等を活用すること。

第6条

 国際連合憲章第76条(b)の義務を果たすにあたり、施政権者は以下のことを行う。

  1. 信託統治領に適切と思われる政治制度の確立を涵養し、信託統治領及び住民に特有の環境に適した自治及び独立並びに自由に表現された要望の実現に向けた住民の育成を促進し、この目的のために、信託統治領内住民に対し行政業務の積極的な共有を進め、統治への参加を促進し、信託統治領の法体系の確立における住民の法的慣習への理解を拡大し、これらの目的達成のために適切なその他の措置を講じる。
  2. 経済的発展と住民の自給自足を促進し、この目的のために天然資源の活用を規制し、漁業・農業・工業の発展を奨励し、土地と資源の喪失から住民を保護し、輸送と通信手段の改善する。
  3. 住民の地位向上を促進し、この目的のために全住民に権利と基本的自由を保護し、住民の健康を守り、武器・弾薬・麻薬その他危険な薬物・アルコールその他飲料の取引を規制し、社会悪から住民を保護するために必要な規制を行う。
  4. 住民の教育を促進し、この目的のために一般初等教育制度の確立に向けた措置を講じ、住民の職業教育・文化教育を促進し、専門的な水準も含め優秀な生徒にはさらに高等教育を受けさせることを奨励する。

第7条

 国際連合憲章第76条(c)の義務を果たすにあたり、施政権者は信託統治領住民に対し良心の自由・公的秩序及び安全の要請ためにのみの従属・言論の自由・出版の自由・集会の自由・信仰の自由・布教の自由・移住及び移動の自由を保障する。

第8条

  1. 国際連合憲章第76条(d)の義務を果たすにあたり、第83条第2パラグラフにおいて定められたように、施政権者は、安全上の要請及び住民の発展促進の義務に従い、国際連合加盟国の個人・会社及び各国国内法に基づき組織された団体が、施政権者を除くいかなる国際連合加盟国の個人・会社・団体よりも不利とならない扱いをうけるように取り計らうこと。
  2. 施政権者は裁判において国際連合加盟国と同じ待遇を確保すること。
  3. 本条文は信託統治領内の通行権・渡航権を認めるものではない。そのような権利は課人離党局と航空機を所有する国家との合意に基づくものとする。
  4. 施政権者は、国際連合及び他の国家との商業的合意及び条約に関し交渉し妥結し、国際連合加盟国及びその他の国家による信託統治領住民が不利な扱いをうけないようにすること。信託統治領内において国際連合加盟国により獲得された権利を考慮し、信託統治領内住民が獲得すべき権利は何か、他の国連機関に検討し勧告することを勧告する。

第9条

 施政権者は信託統治領と、他の合衆国の管轄下にある領土と税関・財政・行政に関する連合または連邦を構成する権限をもち、国際信託統治制度の基本的目的と本協定の条項に抵触しない範囲でそれらの地域と信託統治領との間で共通の公共サービスを提供してもよい。

第10条

 施政権者は本協定第3条の下に行動し、いかなる地域諮問委員会・地域当局・技術組織その他各国の自発的結合の参加を受け付け、公的なものであれ民間のものであれ専門的な国際機関と協力し、その他国際協力の形態をとること。

  • 施政権者は信託統治領内の住民に対して公民権を与えるための必要な措置を講じること。
  • 信託統治領内の住民が統治領または施政権者の領土外に出るときには外交的・領事的保護を与えること。
  • 第12条

     施政権者は信託統治領内において協定を実効たらしめるために必要とみなされる立法を行う。

    第13条

     施政権者が治安上に理由で停止するまでの期間はいかなる地域にも適用を拡張すると決定した場合には、国際連合憲章第87条・第88条の条項を信託統治領に適用する。

    第14条

     施政権者は 信託統治領独自の事情に適切であり、本協定第6条の基本的な目的に適うような国際的慣習及び勧告を信託統治領に適用する。

    第15条

     現在の協定の条文は施政権者の同意なしには修正・廃棄されない。

    第16条

     現在の協定は国際連合安全保障理事会による承認並びに合衆国政府の法的手続きを終えた後に有効となる。


    【訳注及び補足】

     決議の前にある文章(だが前文というわけではない)に、第2次世界大戦時下に日本の占領下にあった地域に言及しており、決議本文における「それらの地域」とはこのことである。

    分野:S/RES/19領土・領海関連S/RES/22
    地域:信託統治領S/RES/70
    採択順:S/RES/20S/RES/22
    Updated : 2006/07/07