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Title : November 2003
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11月 3日(月曜日) Tat

事務総長、治安改善すでに実行、さらなる改善も途上

 国連は、独自調査で提案された治安維持体制の改革を検討中であり、既にいくつかの改善措置を行った。さらに世界中で対策をとる予定である、とアナン国連事務総長は語った。

ウガンダ大統領、開発途上国は職と資金の提供者と国連に報告

 国連総会で、ウガンダ大統領はアフリカ諸国は発展している世界への職と資金の提供国である、と報告。

事務総長、ブルンジ議定書は平和への第一歩と

 コフィ・アナン国連事務総長は、ブルンジ暫定政府と同国最大の反乱グループ(the CNDD/FDD)との間で交わされた議定書への調印を歓迎した。

IAEA代表、検証制度の強化を要請

 IAEA(国際原子力機関)事務局長は、核不拡散検証の制度をさらに強化するよう要請した。IAEAの年次報告を総会に提出した時、エルバラダイ事務局長はIAEAの検証プロセスはこの一年間のいくつかの活動において圧力の下にあるとし、朝鮮民主主義人民共和国では昨年12月から検証活動が不能となっていることを特記した。

パブリック・セクターは絶えず改善し続けるべきである、と事務総長

 政府は自国の関心と開発アジェンダに合ったイニシアチブを見出すべきである、なぜならガバナンスの課題には既製の解決策は無いからである、とコフィ・アナン国連事務総長は、メキシコシティーで開催された『政府改革に関する第5回グローバル・フォーラム』で語った。

11月 5日(水曜日) 山本

人権状況は相当に改善:シエラレオネ

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は総会に対してシエラレオネ情勢に関して報告を行い、同国における人権に関する状況は相当な改善をしており、国内機関単独による同国の安全と領土の保全が可能になれば国連のミッションを2004年末に終了させると述べた。

「ジュネーブ合意」を歓迎:事務総長

 アナン事務総長は5日、イスラエルとパレスチナとの対立解決するためのステップを詳細化した「ジュネーブ合意(Geneva Accord)」を歓迎した。

武器禁輸に関する調査の制限を非難:MONUC

 先週末にコンゴ民主共和国東部のカタンガ州に墜落した飛行機について、南キヴ州の武装グループへの武器輸送に使用されていたとの情報があったことから、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)は調査チームを派遣したが、暫定政府にアクセスを制限されたことに対し抗議した。もし武器輸送に使われていたら武器禁輸に違反し ていたため。

ソマリア事務総長代表への委任期限延長の意思を表明:事務総長

 アナン事務総長は10月22日付の書簡を5日に公表し、ソマリア事務総長代表の Winston Tubman 氏に対する活動委任期限を2004年12月31日まで延長する意思を表明した。

エチオピア・エリトリア国境での発砲禁止を誓約

 エチオピアとエリトリアによる軍事調整委員会(MCC;Military Coordination Commission)は5日、国連エチオピア=エリトリアミッション(UNMEE)からの要請に従い、両国国境地帯での発砲を行わないことを誓約した。

テロ対策に関する報告期限を守らない国名を公表:安保理

 安全保障理事会は5日、テロ対策委員会(CTC;Counter-terrorism Committee)に対するテロ対策に関する報告の締め切りを守らなかった58か国の名前を公表した。対テロ委員会では、各国がどのような法律を用いてテロ対策を行っているかの情報を収集し、世界的に適用可能な方策を模索するために10月末までの報告を要請していた。

化学物質から環境を保護する国際会議開催

 この週末に世界から500名以上の参加者がバンコク(タイ)に集まり、危険な化学物質から環境を保護するための国際会議が開催される予定。この会議は国連環境計画(UNEP)により設立され、持続可能な開発に関する世界サミット(WSSD)で承認された枠組み「国際化学物質管理への戦略的アプローチ(SAICM;Strategic Approach to International Chemicals Management)」を強化するもので、今回の会議により、政府間科学物質安全フォーラム(IFCS;Intergovernmental Forum on Chemical Safety)のような政府間フォーラムを設立する予定である。

事務総長、南米4か国歴訪へ

 アナン事務総長は5日、南米4か国歴訪の最初の訪問地サンチアゴ(チリ)に到着した。国連カリブ・ラテンアメリカ経済委員会(ECLAC;UN Economic Commission for Latin America and the Caribbean)の Alicia Barcena 事務局長代理と会談する予定。その後エクアドル・ペルー・ボリビアを訪問する。

来年に道路の安全性に関する問題を扱うことを決定

 総会は5日、来年4月に道路の安全性に関する問題を扱うことを決定した。世界保健機構(WHO)は来年の世界保健デー(World Health Day;4/7)に道路の安全性に関する報告書『道路交通による負傷防止に関する世界報告(World report on road traffic injury prevention)』を公表する予定。世界では年間に推定126万人が交通事故で死亡している。

SARSワクチンの治験が来年から開始予定

 世界保健機関(WHO)のSARSワクチン研究開発審議会(WHO Consultation on SARS Vaccine Research and Development)は2日間にわたる研究開発の現状確認を終え、来年はじめには治験が始まり、通常のワクチン開発の方法では4〜5年かかるところを、SARSに関しては2年以内に終えるであろうと発表した。

UNV執行調整官病死

 ボランティア活動の促進と動員により世界的な人間開発支援をしてきた国連ボランティア(UNV)の Sharon Capeling-Alakija 執行調整官(Executive Coordinator)が4日、長い闘病の後、ボンで亡くなったことに対し、アナン事務総長は5日弔意を示した。

「今日の一言」 − 投票に行こう −

 明日(9日)は衆議院議員の投票日です。なんだか選挙管理委員会の宣伝みたいですけど。

 私としては、投票するということは政治に文句を言う資格の確保(?)というような位置づけで考えておりまして。国政選挙なら国の、地方自治体の選挙ならその自治体における政治の、任期終了までの政治について、投票に行ってないと文句を言える立場じゃないと思ってるからです。
 投票に行くというのは、憲法で保障されている参政権の一つの行為なわけで、「選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない」(憲法第15条)のですけれど、政治に参加する権利の行使を放棄しておいて、その結果として生じた状況に文句を言うというのはどうかな、という気持ちがありまして。

 国政に文句を言うためにも(?)、みなさん、投票に行ってくださいね。

11月 6日(木曜日) 阿部

西アフリカ諸国経済共同体、コートジボアール和平会合開催を提案

 西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS:the Economic Community of West African States)は、コートジボアール政府首脳、反政府・野党勢力をガーナに招請し、和平会合を開催するよう提案。アナン事務総長はこの提案に歓迎の意を表明。

総会第6委、人間クローンに関する異なる決議案2件の採決を見合わせると決定

 国連総会第6委員会(法律委員会、the Legal Committee)は、人間クローン禁止について文言を異にする決議案2件について、審議・採決を今後2年間見合わせることを決定。イランからの動議について採決し、賛成80、反対79、棄権15。

第5回政府改造グローバルフォーラム、宣言を発表

 国連経済社会局とメキシコ政府の共催による第5回政府改造グローバルフォーラム(the Fifth Global Forum on Re-inventing Government)は宣言を発表し、E政府(e-government)は各国の開発課題の解決を支援するものであると指摘。

安保理、リベリア情勢に関する非公式協議を開催

 国連安保理は、リベリア情勢に関する非公式協議を開催。安保理議長は、協議後、記者団に対し、同国の情勢は非常に脆弱であり、制裁の解除はできないと指摘。

「今日の一言」― Contestability ―

 政権選択の選挙といわれた第43回衆院選が、9日投開票され、自民党は比例代表、小選挙区とも大幅に議席を減らし、単独では過半数を割り込み、民主党は躍進、比例代表では第1党となりました。

 自民党、公明党、保守新党は連立を継続する意思を表明していますから、小泉政権が継続するわけですが、では、今回の選挙で何も変わらなかったのか。私は、2つの点で、大きな意義のある戦いであったと考えています。
 第一は、連立時代の定着です。マスコミでは、いわゆる本格的な「2大政党時代に入る」という論調が多いですが、「連立の時代が続く」というのがより正確な気がします。参院のみならず衆院でも過半数を制する政党がなくなった訳ですから、連立政権が一層定着するのは間違いありません。
 第2は、競争の時代の幕開けです。連立の組み合わせによっては、いつでも政権交代できる受け皿ができたわけですから、この影響は小さくない。英語ではコンテスタビリティ(W. J. Baumol, etc.)と言いますが、実際に政権交代しなくても、潜在的な政権交代圧力が、政党間の競争を激しくすることも、これまた間違いありません。

 自民党、民主党、そして第三極の公明党が、今後どのような仕事をし、新たな時代の政治を構想していくのか。三党の役割はますます大きいと感じます。「緊張感のある政治」に引き続き注目していきたいと思います。

11月 7日(金曜日) 作増

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、アフリカ東部、中央部に9日間の巡視ツアー開始

 国連難民高等弁務官の Ruud Lubbers 氏は、アフリカ東部、中央部4カ国、9日間の巡視ツアーの第1地点ブルンジに到着した。氏は、このツアー中にブルンジ、タンザニア、スーダン、エリトリアの4カ国で難民キャンプを訪問し、また政府高官らと会談を行う予定。

紛争区域の子供たち、虐待、殺害、強制兵役にさらされている:国連報告

 紛争区域の子供たちは、ときに殺害されたり傷害を負わされたりの状態が続いており、かなりの数の子供たちが政府軍や反政府軍に入隊させられている、とアナン事務総長は、総会や安全保障理事会に対する新しい報告の中で述べた。

スーダン、15年間で最悪の人道危機に直面

 スーダン西部の Greater Darfur 地方の状況は非常に切迫していて、このままでは1988年以来最悪の人道危機に直面せざるを得ないだろう、と国連は警告を発した。これを受けて国連人道問題調整事務所(OCHA)は、 Greater Darfur 地方の治安不安定はいまだ続いており、中には人道援助が途絶えてしまっているところもある。いずれにせよ新たな人道援助活動は困難を極めている、とニューヨークで声明を発表した。

西サハラのポリサリオ戦線、モロッコ人捕虜300人を解放

 西サハラのポリサリオ戦線は、モロッコ人捕虜300人を解放したと発表し、捕虜たちの本国帰還は赤十字国際委員会に委ねられる意向である、と国連報道官発表。

中国、モンゴル間、貨物列車による初の列車輸送開始

 中国、モンゴルの鉄道が、貨物列車サービスを開始する予定。これは北京東部の Tianjin 港とモンゴルの首都ウランバートルを結ぶもので、列車によるアジアとヨーロッパを結ぶプロジェクトの1つとして実行される予定。

「今日のひとこと」 確信を作れ!

 M.クンデラの「存在の耐えられない軽さ」という映画では、次々と発表されていく流行やイメージに軽く翻弄されていく現代人の受動的な生き方が鮮明に描かれています。自分で立ちどまって考え、中身を問うこともせず、ただ目の前を過ぎていく流行に取り残されないように必死になっている現代人。そうやって生きていくことで自分自身を失っていき、ただ物を買いあさる消費者に堕してしまう不安と苛立ち。現代人特有の心理をよく表現している良質の作品だと思いました。
 「消費者」としてではなく「自身」として生きる。ではそのためにはどうしたらよいのか?私個人としては、自分自身として生きるためには自分の言葉を手に入れる必要があるのではないかと思います。
 たとえばドイツでは徴兵制があり、若者は一定期間兵役に就かなければならないわけですが、何故自分は戦争に行きたくないのか。戦争は何故、またどこが悪なのかがきちんと説明でき、審査官に認められれば兵役を免除され、養護施設などで一定期間労働することで代替できるそうです。
 そのためドイツの中学、高校では戦争や平和の問題についてきちんと学ばれ、学生たちは真剣に討論し、「自分にとっての」戦争と平和という意識を作れるよう配慮されているそうです。
 ここで大事だと思うのは、イメージやムードに流されず、またステレオタイプ的な知識に追従することなく、1つのテーマについて「自分で」学び、それを「自分から」他者の意見とぶつけ、さらに「自分の」意見を修正深化させていくという積極的な姿勢です。こういったプロセスを経ていくことによって、戦争と平和の問題に限らず、出来合いの言葉ではなく、自分の言葉で物事を語ることができるようになっていき、またそれと同時に自分の外側に浮いていた知識や他者の意見を、そのまま受け入れる、または拒絶するのではなく、それを絶好の機縁として自分にとっての「確信」を作り上げることができるのだと思います。
 対話をする目的というのも、単に互いに知識を交換するだけでなく、この確信を作りあう、または深めあうことにその真髄はあるのではないでしょうか。対話には勝敗はなく、全員が勝者であると私は思っています。
 対話をしていく中で、共感、反発などさまざまな反応を経験していくことだと思いますが、フランスの啓蒙思想家ヴォルテールの至言、「私はあなたの言うことには反対だ。しかしあなたがそれを言う権利を私は死んでも守る」。これは民主主義についての言ですが、対話についてもそのまま当てはめられると思います。
 ともあれこれからも対話を重ね、自分の言葉、自身の確信を作り深めていきたいと思います。

11月12日(水曜日) 山本

ミャンマーの人権状況は悪化

 国連ミャンマー人権特別報告官(UN Special Rapporteur on human rights in Myanmar)の Paulo Sergio Pinheiro 氏は12日、総会第3委員会(社会、人道と文化)でミャンマーの人道状況について報告し、3月の訪問と11月の訪問を比較して同国の状況が悪化していると指摘した。

人権委員会特別報告官がイスラエルを非難

 国連人権委員会の Jean Ziegler 特別報告官(食糧への権利問題担当)は12日、7月にヨルダン川西岸地区とガザ地区に対する視察報告書を発表し、占領政策がパレスチナの子どもたちの滋養に与えている影響を考慮し、イスラエル当局を非難した。
 報告によれば、占領によて引き起こされた慢性の栄養失調によりパレスチナの5歳以下の子どもの9%が若干の脳障害が見られる模様。

事務総長、イラクにおける自爆テロの犠牲者に弔意を表明

 アナン事務総長は12日、Nasiriya(イラク)で自動車による自爆テロが発生し、多くのイタリア人とイラク人に犠牲者が出たことに対し弔意を表明した。

バグダッド国連本部爆破テロで調査を開始

 8月のバグダッド国連本部爆破テロに関する専門家チームが編成され、調査が開始された。責任者は前副国連難民高等弁務官の Gerald Walzer 氏で、来年1月中旬までに報告をまとめる。

ネパール国内で50名以上が抑留されている恐れ

 国連人権委員会の Theo van Boven 特別報告官(虐待問題担当)、Ambeyi Ligabo 特別報告官(表現の自由問題担当)及び Leila Zerrougui に関する作業部会主席報告官(Chairperson-Rapporteur of the Working Group on Arbitrary Detention)は12日、ネパールにおいてジーナリストを含む56名がどこかに抑留され拷問やその他の苦痛にさらされている危険があると指摘した。
 ネパールでは8月27日に政府とネパール共産党(CPN;Communist Party of Nepal)との間の停戦が破られて以降、双方とも人権侵害をしているとの報告もなされている。

OCHA所長コンゴ民主共和国を訪問

 国連人道問題調整事務所(OCHA)の Jan Egeland 事務次長は、現在世界で最も人道的な危機に瀕しているコンゴ民主共和国東部の状況を把握するために同国を訪問している。
 同国東部のルワンダ・ウガンダ国境地域では350万人の難民がいると推定され、多くの戦争犯罪やレイプ、射殺などが横行している。

事務総長、クスコを訪問

 南米4か国を公式訪問中のアナン事務総長は12日ペルー原住民の指導者と会見を持つ予定。事務総長とペルーのトレド大統領は首都リマを離れ高地にあるクスコに飛行機で移動した。ペルーの後はボリビアを訪問し、歴訪を終える予定である。

世界情報社会サミット開催

 世界から50か国以上の代表が集まって情報通信技術に関する、初の世界情報社会サミット(WSIS;World Summit on the Information Society)が12月10日〜12日の日程でジュネーブで開催される。この会合は国際電気通信連合(ITU; International Telecommunication Union)によって運営される。内海善雄ITU事務局長は会合の重要さを指摘し、積極的な参加を要請した。
 サミットで発表される行動計画の素案では2015年までに世界のすべての村に情報通信技術を導入し、その日までに世界の住民の半数を接続するという目標である。

パバロッティ氏の寄贈したフェリーがアンゴラ難民救援に活躍

 オペラ歌手のルチアーノ・パバロッティ氏が昨年の5月に開催したアンゴラ難民のための慈善コンサートの収益金を基に寄付されたフェリーが、雨期のザンベジ川を就航し難民への食糧援助に活躍している。このフェリーは60トン以上の貨物を運搬でき、ザンビア西部に避難している26,000人以上のアンゴラ難民に食糧を提供している。

11月13日(木曜日) 阿部

安保理、国連コートジボアール・ミッションの任期延長を決定

 国連安保理は、コートジボアールに関する決議を全会一致で採択、同国情勢がが引き続き国際の平和と安全に脅威を与えているとして、国連コートジボアール・ミッション(MINUCI)の任期を来年2月4日まで3ヶ月間延長。

人権活動擁護活動家問題担当事務総長特別代表、総会第3委員会に報告書を提出

 人権活動擁護活動家問題担当の Hina Jilani 事務総長特別代表(the Special Representative of Secretary General Kofi Annan for Human Rights Defenders)は、国連総会第3委員会に報告書を提出し、対テロ法制や緊急事態が人権遵守義務放棄や人権擁護活動家の迫害を許す隠れ蓑として使われていると指摘。

平和維持活動担当事務次長、安保理で公開ブリーフィング

 平和維持活動担当の Jean-Marie Guehenno 事務次長(the Under-Secretary-General for Peacekeeping Operations)は、安保理で公開ブリーフィングを行い、地雷除去活動が平和維持活動の重要な構成要素であると指摘し、地雷除去専門家による早期計画が平和維持活動を効率的に遂行するうえで不可欠であると主張。

国連難民高等弁務官、スーダンのエリトリア難民を帰還

 アフリカ4ヶ国を歴訪中の Ruud Lubbers 難民高等弁務官(UNHCR:the UN High Commissioner for Refugees)は、スーダンのエリトリア難民900人近くを先導し祖国へと帰還させた。

「今日の一言」― Very Hard to Find a Formula ―

 既に新聞等を通じて報じられていますが、イラクの米英占領当局(CPA)のブレマー文民行政官は、来年6月までに暫定政権を発足させて主権を移譲し、米国などによる占領統治を終結させることを決めました。
 ブレマー文民行政官による当初の民主化構想では、主権移譲を民主化作業の最終ステージとしていましたが、早期に主権移譲を行うことにより、米国による占領色を薄めてテロを沈静化したい、そうした意図が背景にあります。
 しかし、暫定政権をそれほど容易につくれるのでしょうか。現在の統治評議会はなんとか平穏を装っていますが、暫定的な指導者を選出するとなると、民族や宗派のバランスが崩れ、新たな不満や権力闘争が巻きおこるのではないか。
 一刻も早く、米国は、国連主導によるイラク統治を確立し、国際的な正統性を付与していく必要があるように思われます。

「イラクの安定化を図る上で、治安問題以上に重要なのは、イラクを特定の政治制度の下で一つにとりまとめる方法を見いだすことができるかどうかだ」
マリナ・S・オッタウェイ
カーネギー国際平和財団
(外交問題評議会インタビュー)
http://www.foreignaffairsj.co.jp/source/CFR-Interview/ottaway.htm
11月14日(金曜日) 作増

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、イラクにて引き続き強制帰還の禁止を要請

 基本物資の不足、高い失業率、深刻な住居不足、無秩序状態の継続といったイラク国内の不安定な状況を受けて、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、拒絶された亡命者も含む強制帰還の禁止を繰り返し要請した。

国連による100回目の難民本国帰還護送団、アンゴラに帰還

 国連による100回目のアンゴラ難民の本国帰還護送が今週行われた。これによって、今年に入ってこれまで直接国連から援助を受けた難民の数は67,000人にのぼり、来年は145,000人にまでペースを上げていく予定。

アナン事務総長、キプロス島における国連平和維持軍6ヶ月延長を要請

 キプロス島での停戦ライン沿いでは驚くほど交戦事件も少なく、状況が安定しているとはいうものの、包括的な和解のみが問題を終結させることができるのであり、40年続いている国連平和維持軍はいまだ必要とされるだろう、とアナン事務総長は最新報告の中で述べた。

アナン事務総長、アンデス地方は更なる援助が必要

 アナン事務総長は、ボリビアで国際社会はアンデス地方の国々にもっと支援を与える必要がある、と発表した。事務総長はボリビアのサンタクルスで開かれた第13回 Ibero-American サミットでの冒頭陳述で、この地域の人々を自力のみでさまざまな問題に対処させるままにするのは大きな誤りである、と述べた。

国連人道問題調整事務所(OCHA)、リベリア人キャンプにはより良質の設備必要

 国連人道問題調整事務所(OCHA)は、リベリア人キャンプ内での保護施設、十分な水や衛生設備が不足しているのを受け、リベリア国内の避難民に対する援助増加を図った。

「今日のひとこと」 援助のあり方

 イラク復興援助がうまく進んでいないようです。援助するということは、国が単位になると政治的意思が働くためか、よけいに複雑なものになってしまうようです。イラクに対し、国際社会はどういった援助をするべきなのか、もう一度考えてみる必要があるように思います。
 たとえば参考までに、日本の援助に関する歴史を振り返って見ると、なんと1954年のビルマに対する戦後賠償交渉に行き着くことが分かってきます。援助というと人道的援助などから連想される‘無償の行為’といったイメージがすぐに浮かんできますが、実に当初その動機は義務的なものであったわけです。
 またこの戦後補償はビルマだけに限らず、対日請求権を放棄したタイ、ラオス、カンボジア、シンガポール、マレーシアといった国にも準賠償という形で行われていくわけですが、その賠償額は膨大なものになっていきました。
 にもかかわらず日本がこうした賠償行為を実行したのは、日本初のコンサルタント会社「日本工営」を設立した久保田豊氏の尽力に負うところが大きかったようです。
 その氏の持論。「賠償は一種の前払金と思えばいい。技術、商品をこれにあてれば、将来、貿易の呼び水になる」。こういった考えが当初の日本の援助の中心にはありました。その後日本の経済力の大幅な増加や環境問題の現出など、周りの状況が変化していき、多少の変化はあったものの、この自国への利益還元という意図が日本の援助理念にはいまだ色濃く反映されているように思います。
 もちろん自国の利益を追求することを全否定するわけではありませんが、援助する国の利益と自国の利益のどちらに優先順位を与えるかによって結果も大きく左右されてくるのではないかと思います。
 最近のイラクでの米軍や国連部隊へのひっきりなしのテロ事件を見るにつけ、これは果たして本当にイラクの人々の幸福を最優先してきた援助の結果なのだろうか、と考えてしまいます。もちろんテロ行為には断固反対の立場をとりますが、イラク復興にいたるまでの道程で、イラク人の誇りや心の中にある何か大切なものまで陵辱してきてしまった報いともいえるのではないかとも思えてきます。
 マハトマ・ガンディーの言葉、「われわれは蒔いたものしか収穫できない」を思いださずにはいられません。イラク人たちが本当に望んでいるものは何なのでしょうか?
 「どうか僕を幸福にしようとしないでください。それは僕にまかせしてください。」(A.レニエ「半ばの真実」)
 イラク人を幸せにできるのはイラク人自身である。ここは絶対にはずせない点だと思います。これがイラク人の誇りと活力を呼び戻すポイントになるような気がします。イラク人の幸福を第一義とするのなら、もう一度復興援助の基本方針をイラクの民意に立脚したものに修正していく必要があるように思います。

11月19日(水曜日) 山本

石油食糧交換プログラム終結:イラク

 1996年に開始され、多くのイラク人に食糧を提供してきた石油食糧交換プログラム(Oil-for-food programme)が21日、7年間の活動を終了する。

安保理、コンゴ民主共和国における天然資源の略奪を非難

 安全保障理事会は19日、コンゴ民主共和国内における天然資源の略奪について非難した。この声明は同国における天然資源の違法略奪を調査する専門家パネル(Panel of Experts on the Illegal Exploitation of Natural Resources and Other Forms of Wealth in the DRC)が10月30日に発表した報告書に基づいたもので、このような略奪が武器取引の資金源になっている模様。

ルワンダ人兵士帰還に関して協議:MONUC

 国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)代表でもある William Lacy Swing 事務総長特別代表は19日、コンゴ民主共和国内にいる反政府のルワンダ人兵士の帰還に関して協議するためルワンダの首都キガリを訪問した。今週初めにもアナン事務総長がルワンダ民主解放軍(FDLR;Democratic Liberation Forces of Rwanda)のコンゴ民主共和国からルワンダへの帰還を賞賛したところ。

地雷除去作業を中断:アフガニスタン

 国連アフガニスタン地雷対策調整機関(MACA;United Nations Mine Action Centre in Afghanistan)は18日に南部の街 Ghazni −ここでは日曜日に難民支援活動者が殺害されている−で政府関係機関の車に対するカージャックが発生しており、適切な安全対策がとられるまで活動を停止することを発表した。

コートジボアールの人道的状況に警告:OCHA

 国連人道問題調整事務所(OCHA;Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)は19日、コートジボアールの人道的援助の必要量は、同国で展開している支援組織の活動量を上回っていると警告した。特に同国北部と西部の緩衝地帯の状況が悪化しており、数百人のマリ人とブルキナファソ人による放火と略奪が横行し、避難せざるを得ない状況になっている。

ギニアビサウ国連事務所の活動を1年延長

 安全保障理事会は19日、アナン事務総長の勧告に従い、ギニアビサウ国連事務所(UNOGBIS;United Nations Office in Guinea-Bissau)への活動委任期限を2004年12月31日まで延長した。

2004年には人道支援に30億ドル必要

 アナン事務総長が18日に2004年における人道支援について、21か国の4500万人に対し総額30億ドルの拠出が必要であると発表されたことを受け、個別の国連機関が資金提供国への活動を開始した。

中国初の国連関係機関の本部を開設

 中国政府と国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP;UN Economic and Social Commission for Asia and the Pacific)は、19日、農業工学・機械アジア太平洋センター(APCAEM;Asian and Pacific Centre for Agricultural Engineering and Machinery)を中国国際科学技術会議場(北京)内に開設することで合意した。中国国内に国連関係機関の本部が設置されるのはこれが初めて。

11月20日(木曜日) 阿部

事務総長、イスタンブールでの自爆テロを強く非難

 アナン事務総長は、イスタンブールで英国総領事館とHSBC銀行を狙った自爆テロが発生し26人が死亡したことを受け、このテロ行為を強く非難するとともに、トルコ政府及び犠牲者に哀悼の意を表明。

安保理、イスタンブールでの自爆テロを非難する決議を全会一致で採択

 国連安保理は、決議を全会一致で採択し、イスタンブールのユダヤ教寺院、英国総領事館、HSBC銀行を狙った最近の自爆テロを非難。

安保理、アフリカ大湖地域に関する国際会議の準備が進展していることを評価

 国連安保理は議長声明を発表し、国連とアフリカ連合(AU:the African Union)が共催するアフリカ大湖地域に関する国際会議(the International Conference on the Great Lakes)の開催に向けて、準備プロセスがスタートするなど、進展がみられることに満足の意を表明。

国際原子力機関のエルバラダイ事務局長、イランの協力姿勢を指摘

 国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)の理事会がウィーンで開催され、演説したエルバラダイ事務局長は、イランが安全保障協定義務の違反を犯したが、その後、協力姿勢を見せていると指摘。

事務総長、イラク統治評議会から書簡

 アナン事務総長は、イラク統治評議会から書簡を受け取ったことを、安保理メンバーとの月例昼食会後記者団に表明。当該書簡は、新しい政治取り決めを示唆するとともに、国連の支援を要請している模様。

11月21日(金曜日) 作増

アナン事務総長、善の推進力としてテレビの力を称賛するも‘コンテンツ格差’に対し警告

 世界がより単一の情報社会になりつつあることを受けて、アナン事務総長は、テレビ産業が相互理解と寛容性を促すことのできる唯一の位置にあると述べた上で、最近急速に進みつつある南北間の‘コンテンツ格差‘に対し、多様性を脅かすものとして警告を発した。

アジア・ハイウェー・ネットワーク、標識協定後大陸間に拡がる

 アジア・ハイウェー・ネットワークは、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の代表らが標識協定を締結した後、全大陸に渡る32カ国にまで拡がっていく予定。

アナン事務総長、温暖化ガス排出削減に公共機関の投資者必要

 アナン事務総長は、ニューヨークで行われた財政関係の協賛者の集まりで、将来的な温暖化ガス排出削減と、大企業の環境に対する取り組みには公共機関の投資者が決定的なインパクトを持ち得る、と述べた。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、北アフリカにおけるスペインの飛び領土の惨状に懸念

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、北アフリカにおけるスペインの飛び 領土、セウタ内で亡命者たちが極端な貧困状態を甘受している事実に対して懸念の 意を表した。

国連婦人開発基金(UNIFEM)、女性に対する暴力に最優先順位を与えるべき

 女性に対する暴力根絶に向けての取り組みは、多くの事例において頑強な抵抗と衝突しており、この問題は世界的問題群の中において最優先順位が与えられなければならない、と国連婦人開発基金(UNFIFEM)は発表した。

「今日のひとこと」 国境越えプロジェクト

 2番目の記事に関連して、かつて台湾海峡に海底トンネルを計画している中国・清華大学21世紀発展研究院の呉 之明教授のインタビュー記事を思い出しました。
 この海底トンネルは最短部分でも150キロという壮大な建造物になる予定で、確か完成目標は2030年だったと思います。
 もちろん技術的にも大変な難しさが伴うものと予測されますが、それ以上に問題とされるのが中国・台湾の統一という政治上の問題です。いまのところ両国間では直接の渡航、通商、通信が実現されていない状態であり、統一問題のタイムテーブルも見えてこないという、非常に難しい状況なのですが、当の呉教授は、思った以上に国内外の建築学者から賛同と勇気を得られた、と飄々としており、難しい問題が山積しているのは知っているがトンネルによって両岸の関係を発展させ、安定した将来が構築できるはず、と意欲を燃やしていました。
 実際問題として政府が主導、もしくは支援という形で計画に絡んでくるという可能性もありますが、とにかく国境を越える壮大なプロジェクトが多くの民衆の支持を受け、実際生活にマッチしていくならば政府以上に民衆が利されることは間違いないように思います。
 かつて聴いた言葉。「友好の橋は渡る人が多ければ多いほど頑丈になっていく。」
 民衆に支持されているという事実はとても重大なことで、これによって歴史上の大きなプロジェクトも達成されてきています。またこういった下から起こされた‘流れ’によって、中台問題のような複雑な政治上の問題も解決されていくということも十分あり得るように思います。
 アジア・ハイウェーによってアジアの民衆の心の距離がグッと近づくことを期待しています。

11月26日(水曜日) 山本

政治状況は改善するも人権状況は無視できない遅れ:コンゴ民主共和国

 アナン事務総長は26日、コンゴ民主共和国の情勢に関する最新の報告書を提出し、2年以内に実施される選挙のための支援組織が設立されるなど政治的な状況は改善しているものの、これと比較して同国の人道的状況は依然として無視できない遅れを記していると警告した。

チャドの難民キャンプ周辺地域の治安が悪化

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告によると、チャド東部のスーダンとの国境地域では、民兵がスーダン人難民キャンプを襲撃するなど、ここ数週間で状況が悪化している模様。
 一方、スーダン側でも暴力が継続しており、難民がチャド側にさらに流入する状況が続いている。

ソマリアの旱魃に支援を要請:WFP

 世界食糧計画(WFP)はソマリアのスール高原北部で20年以上も続いている旱魃と それに伴う食糧不足と栄養失調に対し、支援活動を継続することを発表し、緊急支援 資金の拠出を訴えた。

エチオピアに深刻なマラリア発生の兆し

 国連人道問題調整事務所(OCHA)は26日、ここ2年間深刻な栄養失調と旱魃に見舞われているエチオピアで、マラリアが大流行の兆しを見せていると警告した。特に同国南部でひどい状況になりつつあり、ユニセフは当該地域に70万ドル相当の薬品を配布する予定であり、世界保健機関(WHO)も薬品と検査所を提供する予定。

ドミニカの洪水被害に支援金:OCHA

 国連人道問題調整事務所(OCHA)は26日、ドミニカで先日発生した10名の犠牲者を出した洪水の被害に対し緊急支援のために4万ドルを送付したと発表した。ノルウェー政府も別に2万ドル送付した。

イランの核開発についてIAEAが警告

 国際原子力機関(IAEA)は26日、イランが核非拡散条約(NPT)の合意にもかかわらず深い遺憾の意を表明したが、イラン政府の最近の協力を歓迎するとともに将来に違反をしないように警告した。

国連郵政事務部で新切手サービスを開始

 国連郵政事務部(UNPA;UN Postal Administration)は26日、国連本部への訪問者が、自分の写真を切手にすることができる特別記念品の提供を開始した。アナン事務総長はサービス開始の式典に参加し、最初の顧客となった。1シート20枚の切手があり、$14.95 で入手することができる。

事務総長、欧州放送連盟のトップと会談

 アナン事務総長は26日、欧州放送連盟(EBU;European Broadcasting Union)の Arne Wessberg 総裁・Jean Stock 事務局長らと会談し、12月にジュネーブで開催される世界情報社会サミット(WSIS;World Summit on the Information Society)に関して討議した。

チュニジア人弁護士がハンガーストライキ

 人権擁護事務総長特別代表の Hina Jilani 氏は26日、ハンガーストライキを行っているチュニジアの弁護士が当局によって嫌がらせや物理的な襲撃を行ったとの報告をうけ、深い懸念を表明した。その弁護士はチュニジア拷問禁止協会(ALCT;Association de Lutte contre la Torture)の会長の Radhia Nasraoui 氏で、彼女のクライアントが弁護士を変えるよう強要されたことに対する抗議として10月15日からハンガーストライキに入っている。

特定通常兵器使用禁止制限条約修正第2議定書締結国会議

 ジュネーブで開催された特定通常兵器使用禁止制限条約の修正第2議定書の第5回締結国会議にアナン事務総長はメッセージを送り、今年の批准国が5か国しかないことを指摘し、更なる増加を呼びかけた。この修正議定書は1996年に採択され、対人地雷禁止条約の対象にならない地雷の脅威を取り除くことを目指している。現在の批准国は73か国。

HIV/AIDS に関する報告書を公表

 国連合同エイズ計画(UNAIDS;Joint United Nations Programme on AIDS)と世界保健機構(WHO)は12月1日の世界エイズデーにあわせ、合同でHIV/AIDSに関する最新の報告書『エイズ感染最新報告2003(AIDS Epidemic Update 2003)』を公開し、今年1年でサーベイランス開始以来最高の死亡者を出したことを警告した。2002年の感染者は480万人、うち275万人が死亡したが、今年は300万人死亡した。
 [World AIDS Day] http://www.un.org/events/aids/worldaidsday2003.html

類人猿保護の必要性を訴え:UNEP・ユネスコ

 パリのユネスコ本部で26日に開催された類人猿保護のための会議の席上、国連開発計画(UNEP)のテプファー事務局長は、絶滅の危機にある類人猿保護のための2500万ドルの拠出を要請した。

世界の食糧状況に関する報告書提出:FAO

 国連食糧農業機関(FAO)は25日、「世界の食糧不安定情勢2003(The State of Food Insecurity in the World )」を発表し、現在世界で8億4200万人が飢餓に直面しており、2015年までに栄養不良の人数を1990年代の規模から半減するという世界食糧サミットの目標は達成されない恐れがあると警告した。

11月28日(金曜日) 作増

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、イラク・ヨルダン国境に逗留する難民の状態に懸念

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、イラク・ヨルダン国境付近の難民キャンプで7ヶ月間に渡り立ち往生しているおよそ1,800人の難民の今後の行方に対し懸念の意を表した。さらにUNHCRは冬の到来と共にキャンプ内の状態が悪化していくことを憂慮し警告を発した。難民たちはシェルター(宿泊所)として帆布のテントしか与えられず、暖をとる為には調理用のストーブに頼らざるを得ない状態にある。

アナン事務総長、イスラエル・パレスチナ相手の出方待つ余裕なし

 アナン事務総長は、パレスチナ、イスラエル両国内での平和促進に向けた動きによって双方が和解に達することは可能であるということが示されつつあるものの、イスラエル政府、パレスチナ当局ともに相手の出方をけん制しあうよりも自らが先んじて行動に出るべきである、と述べた。

イスラエル、総会による障害物取り壊し要求に応じず

 イスラエルは、パレスチナ領土内におけるイスラエル占領地に築かれた障害物を取り壊すよう総会が要求したことに対し拒否の返答。現在の状況下での障害物の建設は一層の逆効果を生むだけである、とアナン事務総長が報告。

アナン事務総長、ノーベル平和賞受賞の桂冠詩人は国連や世界的な改革に関する討論に参加すべき

 アナン事務総長は、ノーベル平和賞受賞の桂冠詩人の国連や国際的システムの改革をめぐる現在の討論における役割を強調。ローマで開かれた第4回目となるノーベル平和賞受賞の桂冠詩人の世界サミットへのメッセージの中で事務総長は、人類の発展、人権、平和をめざす世界規模の取り組みに関して、国連を有益なツールとして常に見守っていて欲しい、と述べた。

コソボ、国際的な設立物に対する脅威いまだ残る

 国連コソボ暫定ミッション(UNMIK)は、コソボにおける国際的な組織や取り組みの設立実施に対していまだ潜在的な脅威が存在している、と述べた。コソボ平和維持部隊(KFOR)や警察部隊は予防策をとっているが、脅威が和らいだと判断されるまで続けられていく予定。

「今日のひとこと」 詩人に耳を傾けよ!

 生ましめんかな
                 栗原貞子


こわれたビルディングの地下室の夜であった。
原子爆弾の負傷者達は
ローソク一本ない暗い地下室を
うずめていっぱいだった。
生ぐさい血の匂い、死臭、
汗くさい人いきれ、うめき声
その中から不思議な声がきこえて来た。
「赤ん坊が生まれる」というのだ。
この地獄の底のような地下室で今、若い女が
産気づいているのだ。
マッチ一本ないくらがりでどうしたらいいのだろう
人々は自分の痛みを忘れて気づかった。
と、「私が産婆です。私が生ませましょう」と
いったのはさっきまでうめいていた重傷者だ。
かくてくらがりの地獄の底で
新しい生命は生まれた。
かくてあかつきを待たず
産婆は血まみれのまま死んだ。
生ましめんかな
生ましめんかな
己が命捨つとも

 毎日流される国連ニュース。紛争による死傷者やそれに伴う難民の苦境。それらの事実の一つ一つにどれだけ心をくだけているのか。想像力を働かせられているのか。失われた生命の重みを実感できているのか。
 現場に行くことのできない者にそれを悟らせてくれるのは、政治家でもなく、学者でもなく、魂の表現者である詩人しかいないのではないでしょうか。
 世界詩歌協会の高名な詩人(インドのグジュラール前首相婦人)が、過日、日本出身の世界桂冠詩人の平和への行動に対してうたった賛辞の詩。

「はて、どの者が 
たぎれる釜に立ち向かい
地獄の嵐から世界を救うか
学者は疑いの岸に繋留され
政治家は、群臣の養殖に腐心する
ただ一人、詩人のみが大陸を超え
人類愛の光線を放てり」

 4番目の記事でアナン事務総長が言っているように、世界は桂冠詩人たちの平和への熱い思いを待ち受けていると思います。詩によって世界中にある平和への祈りを結集させていく。こういった民衆のこころの連帯感が、平和を作るための一番大きな原動力になっていくと思います。

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Updated : 2007/02/18