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Title : September 2003
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 9月 1日(月曜日) Tat

西サハラ:アナン事務総長、ポリサリオ開放戦線の捕虜釈放を歓迎

 コフィ・アナン国連事務総長は西サハラの事態の展開に反応、ポリサリオ開放戦線が、243名の戦争捕虜を釈放したことを歓迎した。戦争捕虜はICRC(赤十字国際委員会)によってモロッコへ本国送還された。

国連特使、コソボ・セルビア人への攻撃を強く非難

 国連コソボ上級特使は日曜の夜のセルビア人に対する攻撃を強く非難。この事件で、セルビア人1人が死亡、4人が負傷した。

FAO、SARSの原因究明求める

 FAO(国連食糧農業機関)は、原因が不明であり続ける限りSARS(重症急性呼吸器症候群)再発生は現実的であると警告、SARSに関する更なる研究を要請した。

WHO事務局長、アフリカのエイズ患者治療を強く要請

 WHO事務局長はアフリカのエイズ(AIDS)患者に対する緊急治療を、熱をこめて要請。アフリカでは今や3000万人以上の人々がHIV陽性である。

今日の一言:苦悩の中で光る希望

 日々の国連ニュースに、苦悩を感じざるを得ない。苦悩というのは、人の心を押しつぶす。それは何か暗黒の力のようだ。しかし、そのネガティブな力が極限まで凝縮されたとき、一瞬にして光を放つ存在に変わりダイヤモンドのように輝く。「希望」とはそうして生れるものなのか、と思った。

 非暴力の闘士ガンジー、キング牧師といった偉人達は、社会で構造化されてしまった差別や肉体的暴力にさらされる民衆の苦悩を一身に背負っていた。その想像を絶する苦悩の中で、彼らは決して攻撃する者たちと同じレベルで争わず、敢えて「非暴力」という英知を掴み取った。これほどの勇気、これほどの希望があろうか。苦悩の大きさゆえの偉大さ、人格の輝き。人間の生命にはそのような素晴らしい資質が内在しているという真実を、彼らは命を賭けて歴史に残してくれた。

 確かに世界は苦悩に満ちているかもしれない。しかし、苦悩を希望へと転換する力を、われわれ一人一人が絶対に持っているということを信じてゆきたい。我々の周囲にも、苦労したがゆえに輝いている素晴らしい人がいるのに思い当たるだろう。自分も輝きながら人を励まし、良き影響を与えあうとき、世界は本当に変わってゆくのではないか。

 9月 3日(水曜日) 山本

モンロビア周辺の衝突の状況を調査中:リベリア

 リベリアの首都モンロビア周辺で発生した武力衝突の状況調査のためにこれまでも調査チームが入っていたが、3日、新たに国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も加わり、特にといったTotota・Salala・Kakata 町の人道状況を調査した。Tototaでは約8万人が避難しており、Salala と katata の間には6千人以上の集団が避難民キャンプにいると推定されている。

コンゴ民主共和国南西部に救援物資を急派:OCHA

 国連人道問題調整事務所(OCHA)は反政府勢力によって包囲、略奪されて荒れ果てたコンゴ民主共和国南西部の Pool 地域に対し、人道的危機を緩和するためにテントや毛布、その他の生活必需品を急送するための作業を開始した。同地域では武力衝突が継続しており、支援要員もアクセスできず、略奪のために鍬や鋤、刀や斧まで奪われ、再建のための作業もできない状況である。

EUのコンゴ民主共和国への展開を賞賛:安保理

 安全保障理事会は3日、コンゴ民主共和国北東部のブニア地区周辺の人道的悲劇を避けるために派遣されたヨーロッパ、特にフランスを中心とする多国籍軍の活動を賞賛した。

イラク国民に早期に主権回復を:安保理議長

 9月の安全保障理事会議長を務める Emyr Jones Parry 大使(英国)は着任の抱負として、近日中に、イラクの人々にできるだけ早期に主権を回復できるよう支援をするための決議が必要であると語った。

武器査察は再開可能:UNMOVIC

 先月のバグダッドの自爆テロで被害を受けたにもかかわらず国連監視検証査察委員会(UNMOVIC;UN Monitoring, Verification and Inspection Commission)は活動を行えるだけの準備が整えられており、安全保障理事会の指示があればいつでも査察を再開できると、 Demetrius Perricos 委員長代理が安保理において報告した。

ポリサリオの捕虜解放を歓迎:安保理

 安全保障理事会は3日、月曜日に西サハラの反政府組織ポリサリオ戦線(POLISARIO Front;Frente Polisario para la Liberacion de Saguia el-Hamra y del Rio de Oro)が捕虜243人を解放したことを歓迎し、まだ拘束されている全ての戦争捕虜(POWs)の解放を求めた。

国連本部でイスラムと西洋に関する講義を開催

 国際的な対話と相互理解の枠組みを強化するための一環として開催されている事務総長主催の講義シリーズの第5回として、来る9月15日に Seyyed Hossein Nasr 教授(ジョージ・ワシントン大学)が「イスラムと西洋」と題して講義を国連本部で実施する。

核実験禁止条約の批准を要請:事務総長

 朝鮮半島における核開発問題が緊迫している状況をうけ、アナン事務総長は3日、包括的核実験禁止条約(CTBT)が有効となるために不可欠である12か国、特に朝鮮民主主義人民共和国に対し批准を要請した。

NGO会議の模様をウェブキャストで実況

 来週月曜日から2日間の日程で国連本部に2,000以上のNGOが参加して開催される国際会議「人間の安全保障と宣言:国連の約束の実行(Human Security & Dignity: Fulfilling the Promise of the United Nations)」の状況をより多くの人々に知ってもらうための努力として、ウェブキャストで公開する予定である。

http://www.un.org/dpi/ngosection/

「今日の一言」 − イスラムと西洋 −

 7番目の記事「国連本部でイスラムと西洋に関する講義を開催」を読んで、先日、私の手元に届いた大学生からメールを思い出しました。国際関係論で出された課題に対し、うまくまとめられないので何かサジェスチョンを、というような内容のものです。メールにはいくつか自分の意見を書いていたので、それに沿ったヒントをいくつか答えました。時節柄課題のテーマは「イラク戦争」で、全部で4問あり、そのうち2題答えればよいそうなのですが、その中で私の脳細胞を最も刺激したのは「イラクに民主主義は根付くか?」というものでした。
 ありうる立論としては

  1. 現実には困難だろうという立場。
  2. 民主主義とは根本的に欧米の政治思想・歴史・文化を反映したものであり、イスラム圏には適応されないと言う立場。
  3. 合衆国が望むそのままの形態ではないかも知れないが、イスラム流民主主義が成立する余地があり、それが根付くことになるだろう、という立場。
が考えれて、レポートとして書きやすいのは1、もっとも時代に迎合したウケを狙うなら2、最も困難だけれども、知的にも、おそらく歴史的にも意義があるのが3だと考えてます。
 「余白が少なすぎる」のでここでは書ききれませんが、「イスラム」と「民主主義」とを別々に検討しどちらかがどちらかを包含しうるかという立論ではなく、それらを貫く共通の−「普遍的」であるかはともかく−基盤を模索することから始め、欧米側にもイスラム側にも納得できる(少なくとも許容できる)解が見つかれば、互いの不信に寄る緊張度は低下すると思うのです。おそらくこの立場での思考が欧米側にとってもイスラム側にとっても望ましい未来を構築することにつながると思います。

 9月 4日(木曜日) 阿部

アフガニスタン地雷除去プログラム、報告書を発刊

 アフガニスタン地雷除去プログラム(the Mine Action Programme for Afganistan)は、報告書を発刊し、世界で最も地雷の多いアフガニスタンについて、地雷の除去作業を現在の水準で継続するとともに資金援助が維持されれば、10年以内に地雷の脅威を取り除くことができると指摘。

新しい人道問題担当事務次長、イラクでの活動を縮小せざるを得ないと表明

 新しく人道問題担当事務次長(the Under-Secretary-General for Humanitarian Affairs)に就任したノルウェー赤十字のJan Egelandは、ニューヨークの国連本部で会見し、国連人道問題調整事務所(OCHA:the Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)はイラクでの活動を維持するよう努力してきたが、治安の悪化から縮小せざるを得ないと表明。

国連難民高等弁務官事務所、リベリアの避難民に必要物資を提供

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国連児童基金(UNICEF)は、家を追われ、リベリア中央部を移動する5万人以上の避難民に対し、食糧、きれいな水などの必要物資を提供。

事務総長、マイクロクレジットに関する報告書を発表

 アナン事務総長は、来る国連総会に向けて報告書を発表し、マイクロクレジットなどの貧しい人々のための金融サービスが貧困の削減に重要な役割を果たすと指摘。

事務総長、パレスチナ人の不可侵の権利の行使に関する委員会にメッセージ

 アナン事務総長は、パレスチナ人の不可侵の権利の行使に関する委員会(the UN Committee on the Exercise of the Inalienable Rights of the Palestinian People)がニューヨークで開催した会議にメッセージを送り、中東における暴力の連鎖を断ち切るためには非政府機関(NGOs)の支援が不可欠であると指摘。

国連安保理、ルワンダ国際刑事裁判所の主席検事を指名

 国連安保理は、ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR:the International Criminal Tribunal for Rwanda)の主席検事にガンビア最高裁判事の Hassan Bubacar Jallow 氏を指名。

 9月 5日(金曜日) 作増

マレーシア、亡命者の国外退去に一時停止の要求

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、当局がアチェ特別自治州の紛争から逃れてきた人々の国外退去を進めつつあるという報告が続く中、マレーシアにおけるインドネシア人亡命者の国外退去に一時停止を要求した。高等弁務官 Ruud Lubbers 氏は、アチェ州からの避難者を命が危険にさらされるような状況におくり戻さないというマレーシア高官からの言質と報告が矛盾していることを指摘した。

国連、スリランカ北部で学校給食プログラム開始

 20年の紛争からの復興を目指すスリランカで、国連世界食糧計画(WFP)は元の戦闘地域の子供たち33000人への学校給食プログラムを開始した。来年には170000の子供たちへと拡大していく予定。

国連使節、国内避難民の状態査定にロシア訪問

 国内避難民に関する国連使節が来週ロシアを訪問する予定。アナン事務総長代表の Francis Deng 氏は政府高官、国際機関、非政府組織などと会談を行い、またイングーシやチェチェン内の避難民を抱える地域を訪問する予 定。

コソボ刑務所火事で5人死亡、17人ケガ、国連報告

 コソボで刑務所の条件改善をめぐって暴動を起こした囚人がマットレスに火をつけたことにより火事が起こり、5人が死亡、16人が火傷や煙を吸いこむなどして病院に運ばれた。

アナン事務総長、最新報告にてイラク戦争後の各国協調を要求

 2000年の国連ミレニアムサミットで設定された目標達成に関する最新報告で、アナン事務総長はイラク戦争をめぐって決裂した国際協調を再び築き、人類が立ち向かうべき主要な脅威について同意を得ていくことを各国に呼びかけた。

「今日のひとこと」 対話をしよう!

 哲学者の柄谷行人はキルケゴールの「死に至る病」に関して以下のように結論づけています。

「他者のないところで自己自身たらんとすることが「死に至る病」である。」

 そしてさらに「私に言えることは万人にも言える」として想定した他人といえども、それは他者といえるものではなく、結局こうした他者が自己意識に他ならないとして、独我論であると結論し、これを避けるには「教えるー学ぶ」という関係としての自分と異質な他者、あるいは考えのまったく異なる他者が不可欠であると強調しています。
 自分ひとりで殻に閉じこもり対話を避けてしまうのはあまりにも危険です。それは無の状態ではなくむしろ死に至る病(精神病の類)を発生させる温床となってしまいます。また気の合うもの同士からはじめ、さらには意見の異なる人たちとでも進んで対話ができるようになっていけば、真の意味で成熟した人間に近づいていくのではないかと思います。

 個人のレベルでも、国家のレベルでも、またテロなどの犯罪に関しても、対話のないところににはいかなる正義も存在しない、という思潮を広げ、それを万人の信条にまで昇華させいていく。こうすることによって対話なしの暴挙を皆が白眼視し、非難するようになれば、そうした暴挙の正当性や魅力を無化させていくことができるはずです。

 対話の秋、まずは自分からできるだけ多くの人と実りある対話を開始していきたいと思います。

 9月 8日(月曜日) Tat

事務総長:世界はイラク戦後の団結を、富める国は貧しき国を助けるべき

 2000年国連ミレニアムサミットで定めた目標の進捗状況報告を開始しつつ、アナン事務総長はイラク戦争後の安全保障問題で世界が団結を新たにするよう要請。またグローバル開発目標が達成されるべきであり、富める国が貧しき国への約束を果たす再びの献身をするならば、さらなる勢いを、と求めた。

リベリア国内難民キャンプ、今や“新しい戦場”と化す

 国内で行き場を失った人々(注)のキャンプがリベリアの新しい戦場となっている。国連報告によると、キャンプでは戦闘当事者が今や、援助機関からの不充分な援助物資を、失望した家族と取り合っている。そして何千人もの人々が緊迫したリベリア北東部から避難してきており、治安改善と緊急援助を嘆願している、という。

(注) Internally Displaced Persons (IDP)の訳。いわゆる国外に避難せざるを得ない状況となった国際法上の「難民」とは異なり、内紛などで行き場を追われているが国内に留まっている人々。

アナン事務総長、イラク状況進展の道を描くため安保理理事国との会合に希望

 アナン事務総長は、イラクの状況を進展させる途上での差異を縮める努力の一部として、今週末に国連安保理の5常任理事国の外務大臣と会談することを希望。

安保理のメンバー諸国拡大は正当性を高める、とアナン事務総長

 アナン事務総長は15ヶ国からなる安保理の理事国拡大を要請。理事国拡大はより民主的でより国際世論を代表するものにし、したがってより大きな正当性を付与する、と語った。特に最近のイラク情勢についての不一致の観点から。

中東:Abu Mazen首相辞任がロードマップを脱線させないよう希望、事務総長

 中東情勢の先週末の展開に反応し、アナン事務総長は最近の暴力を非難しつつ、パレスチナの AbuMazen 首相辞任が中東に平和をもたらす努力を失速させないよう希望を表明。

今日の一言: 9.11の雑感

 9.11から二年。ニューヨークは二年前のあの時と同じように、雲ひとつない晴天である。まぶしい朝の光を見上げながら、犠牲となった方々を想う。

 あの時現場からほんの数キロ先にいた自分も、命を落としていても不思議はなかった。こうして太陽の光に目を細めていることは、なんと有難いことであろうかとしみじみ思う。自分のような者が生きている。生きるからには、何か意味のある生き方をしたい。そんな風に切実に考えたのは、あの時が初めてだったかも知れない。死を目の当たりにして真剣に生を思った。それまでは若さゆえかカネやキャリアを追い求めてひた走ってきた。しかし、自分のためだけに生きて何の意味があろう。自己満足と傲慢とを得て、それで幸福に自分は死ねるだろうか。賢さを求めて努力しているつもりが、真に愚鈍であった自己を恥じ入った。

 今この場で命を落としたとしても、悔いのない人生を生きたい。一日一日を有意義に、大切に生きてゆきたい。人と関わり、人にとって善き存在でありたい。心の中に生きている、素晴らしき人生を飾った故人たちに、にっこりと微笑んでもらえるような自分でありたい。そして「亡くなられた人達の分まで、善く生きてゆこう」と心から思えた。故人への誓いとひた向きな行動、それが最善の追善供養ではないかと信ずるようになった。

 9.11。 このような思いをまた新たにした。

 9月10日(水曜日) 山本

スウェーデン外相襲わる

 アナン事務総長は Anna Lindh 外相(スウェーデン)に対する襲撃を非難し、彼女の早期の回復を祈願した。(訳注:その後11日に出血多量で逝去。)

アフガニスタンで国連支援活動者が襲わる

 アフガニスタン中央部 Ghazni 州の村で8日、国連の支援で救援活動への参加者が襲撃を受け死傷者が出た事件に対し、ルベルス国連難民高等弁務官は遺憾の意を表明した。襲撃されたのは難民への給水と公衆衛生確立のプロジェクトを推進している「アフガニスタン難民支援デンマーク委員会(DACAAR;Danish Committee for Aid to Afghan Refugees)」の職員と契約社員であった。

アフガニスタンの麻薬栽培・取引の取り締まり強化を要請:UNODC

 国連薬物犯罪事務所(UNODC;UN Office on Drugs and Crime)の Antonio Maria Costa 事務局長は10日、ブリュッセルで開催された会議(EAPC;Euro-Atlantic Partnership Council)で、アフガニスタンにおける麻薬取引が同国の安定性に脅威を与えており、国際治安部隊に麻薬の栽培と運搬を厳しく取り締まるように要請した。

Katata地域で武力衝突再開:リベリア

 Ross Mountain リベリア特別人道調整官は10日、リベリアの首都モンロビアの北東約50キロの Katata 地域で政府軍と反政府軍による散発的な武力衝突が再開し、支援活動を滞らせている事態を受け、この戦闘の終結を要請した。

ユネスコ事務局長がフィリピンでのジャーナリスト殺害を非難

 ユネスコの松浦事務局長は10日、フィリピンで過去3週間で3人、今年になってから既に6人のジャーナリストが殺害されている事実に対し、銃がジャーナリストの口に向けられている限り真の報道の自由はないと非難した。

新生・復興民主主義国際会議開催

 アナン事務総長はウランバートル(モンゴル)で開催された第5回新生・復興民主主義国際会議(International Conference of New or Restored Democracies)にメッセージを送り、いくつもの国で自分たちに影響のある決定を自分たちの手で定める代表者を選出する感覚を感じているが、古くからの民主国家では投票率が激減していることに触れ、「最大の脅威は形式は整っているものの、政府の実態が弱体化していることになるのかもしれない」と警告した。

富裕国は農業助成金の撤廃を

 Cancun(メキシコ)で開催中の世界貿易機構(WTO)の席上、後発開発途上諸国担当高等代表でもある Anwarul Chowdhury 事務次長はメッセージを発表し、富裕国内における農業助成金は後発開発途上国における人々の未来を甚だしく侵食しているとし、その撤廃を要請した。

シンガポールでのSARS新患者が他国へ蔓延する危険なし:WHO

 シンガポールで新たにSARS患者が確認された事例について世界保健機関(WHO)は10日、十分に隔離されており、他の国に危険を拡散することはないと発表した。

「今日の一言」 − 鼓腹撃壌 −

 中国古代の伝説上の皇帝・堯の治世が50年を超えたころ、ふと、天下はうまく治まっているのだろうかと疑問を持ち、こっそり街中に出て民の生の声を聞こうとしたことがあります。(ってこれも伝説ですが)
 そのときに老人がこま遊び(撃壌)に興じつつ、お腹をたたいて(鼓腹)リズムをとりながら

 日が出れば 働き 日が入れば やすむ
 井戸を掘って水をのみ 田を耕して食を得る
 帝の力なんて 自分には関係ない

と歌っていたのを聞いて帝堯が安心するという話です。これは『十八史略』に出てくる鼓腹撃壌の話で、様々に解釈があるようですが、最初にこれを聞いたとき(確か高校の漢文の時間だった)これが理想の政治だみたいな説明を受けて、「そんなはずはないだろう!」と感じた覚えがあります。
 一般民衆が四六時中政治のことを考えなきゃならない社会というのも困りものですが、まったく政治のことを考えない(ことがよいとみなされる)社会はさらに輪をかけて困りものというか、危険だと私は思うからです。

 6つめの記事を訳しつつ、ひょっとして先進国民は鼓腹撃壌しているおじいさんになりつつあるのかな、と思ってしまうのでありました。

 9月11日(木曜日) 阿部

国連平和維持活動局軍事顧問、平和維持活動の新しい時代を迎えていると指摘

 国連平和維持活動局(DPKO:the Department of Peacekeeping Operations)の Patrick Cammaert 軍事顧問は、リベリアにおける1万5千に及ぶ大規模な平和維持活動の展開に関連して、「平和維持活動の新しい時代」の中にいると指摘。

安保理制裁監視委員会、アルカイダに対する制裁対象者リストに20人追加

 国連安保理の制裁監視委員会は、オサマ・ビン・ラディン(Usama bin Laden)などアルカイダ(Al-Qaida)に対する制裁の対象者リストに、新たに20人の名前を追加。

人権委員会特別報告者、アウンサンスーチーらの釈放を要求

 ミャンマー情勢に関する人権委員会特別報告者)Special Rapporteur of the Commission on Human Rights on the situation in Myanmar)である Paulo Sergio Pinheiro は、民主化のリーダーであるアウンサンスーチー女史をはじめとする政治活動家を釈放するよう求める報告書を発表。

事務総長、常任理事国外相会談に先立ちイラク統治評議会メンバーと会談

 アナン事務総長は、国連安保理常任理事国5ヶ国の外相会談に先立ち、ジュネーブで、イラク統治評議会(the Governing Council of Iraq)のメンバーである Adnan Pachachi と会談。

事務総長、今日が対テロ協力を促す高らかな呼びかけとなるよう期待

 アナン事務総長は、2001年9月11日の同時多発テロ2周年にあたって、今日という日がテロリズムに対して闘う国際的協力を促す高らかな呼びかけ(a clarion call)となるよう期待を表明。

「今日の一言」― Victory Over Violence ―

 米国同時多発テロから2周年を迎え、米国の対テロ戦争は新たな段階を迎えつつあります。米英を中心とするイラク統治(戦争)が行き詰まり、舞台は再び国連安保理の場に移っていますし、日本では自衛隊のイラク派遣に向けた調査団がイラクに向けて出発しました。
 この節目となる時期に、改めて強調したいことは、やはり「対話」です。対テロ戦争が拡大する中で、テロを「戦争」によって抑え込もうとする米英によるキャンペーンに対抗して、「対話」こそが真にテロリズムを乗り越える方途であるとの主張を見聞きすることは、心強いことです。

 一つは、13日に放映された、NHKスペシャル「テロを止めた対話」です。スリランカで武装闘争を続けてきた少数民族タミル人組織「解放のトラ」とスリランカ政府との間で仲介に入ったノルウェーによる、4年半に及ぶ秘密交渉の記録です。対話によってテロを抑えこむことができるのか、とても考えさせられる番組でした。(http://www.nhk.or.jp/special/top.html

 もう一つは、9月11日付のジャパンタイムズ紙に掲載された池田大作SGI会長の特別寄稿です。"Challenge of building peace" と題し、テロに対するポジティブな対応の方向として、1)ICCをはじめとする国際法制度の強化、および2)平和のための対話と教育、の2つを掲げ、後者の具体例として、アメリカSGIによる "Victory Over Violence"(VoV)プログラムを紹介しています。(http://www.japantimes.co.jp/cgi-bin/geted.pl5?eo20030911a1.htm

 NHKスペシャル「テロを止めた対話」は、今日の深夜(午前0:05〜)に再放送されます。対テロ戦争という奔流に抗しながら、非暴力の「対話」に奔走する人々のいることを、私たちは、もっと知らねばならない、そう考えています。

 9月12日(金曜日) 作増

アナン事務総長、国連人道機関責任者らとイラクの安全問題を協議

 アナン事務総長は先月に起きたバグダッドの国連本部を襲った爆破テロを受けて、ジュネーブで国連高官らとイラクにおける安全問題について協議を行った。その中で事務総長はイラクの人々への援助と国際機関職員への安全義務とのバランスを図っていく必要があると強調した。

アナン事務総長、イスラエルに対しアラファト議長を追放しないよう要求

 アナン事務総長はイスラエルに対しパレスチナ指導者のアラファト議長を追放しないよう要求した。これに加え事務総長はこういった処置は地域の緊張と不安定化を激化させる危険性があるとして警告を行った。

エチオピア、エリトリア国連ミッション6ヶ月延長

 エチオピアとエリトリア国境境界線設定がうまく促進されたのを見据え、安全保障理事会はその地域における国連ミッションを6ヶ月間延長し、2004年3月15日までとした。

アナン事務総長、情報技術は途上国の生活改善に使用されるべきと主張

 情報技術は途上国の生活の質を改善するために用いられるべきであり、こうすれば2000年ミレニアムサミットで設定した目標を達成していく一助となる、とアナン事務総長は述べた。また事務総長はジュネーブで開かれた「ICTに関する国連タスクフォース」(UN Information and Comminications Technology Task Force)の第5回ミーティングで、「今やこの目標を支持し、我々を導いてくれる強力な提携が形成された。」とするビデオメッセージを送った。

北朝鮮、今後6ヶ月以上にわたり食糧不足の危機

 国連人道問題調整部(the United Nations Office for the Coodination of Humanitarian Affairs)の報告によると、北朝鮮は今後6ヶ月以上にわたりおよそ110000トンの食糧不足に陥る模様。

「今日のひとこと」 かんじんなことは、目に見えない

 童話「星の王子さま」に出てくる印象的な台詞。

「心で見なくちゃ、ものごとはよくみえない。かんじんなことは、目に見えない んだよ。」

 最近、対話の重要性について考えさせられる機会が増えていますが、大事なことはやはり相手に対して心を砕いていくということではないでしょうか。一人一人が異なる現実を生きている限り、自ずと主義主張も違ってきて当然だと思います。その相手がどのような現実を生きてきて、何を理解して欲しいのか。そこを踏まえない限り、誤解が先走るばかりで、同じ土俵で議論することなど到底できないと思います。大事なことは信頼を生むことだと思います。

 ここで更にもう一つ、印象強い「3人の宇宙飛行士」という童話を紹介してみた いと思います。

 ――――アメリカとロシアと中国が同時に火星へ向けてロケットを打ち上げた。ロケットにはそれぞれ一人の宇宙飛行士が搭乗していた。
 最初、3人は互いに「信用できない奴らだ」と思っていた。言葉も通じない。無事、火星に着陸した後も、近寄ろうともしなかった。
 ところが、夜になり、暗闇に浮かぶ地球を見ていると、3人ともホームシックになる。「マミー」「ママ」「マーマ」・・・。3人はそれぞれの言葉でつぶやいたが、このときばかりは、互いに思っていることが、はっきり理解できた。3人はいっぺんに仲良しになた。
 そこに、火星人が現れる。人間とはまったく異なる姿。不気味なうなり声。3人は驚き、武器を持つ。が、そのとき、思いがけないことがおきる。一羽の雛鳥が木の上から落ちた。寒さと恐ろしさで泣き叫ぶ雛鳥。かわいそうに・・・3人は胸を痛めていると、火星人は雛鳥に近づき、目から煙を吹いた。3人は、ハッと気づく。煙は涙、火星人は泣いているのだ。同じ”かなしみ”の心を持っているのだ―――。

 作者は最後にこう結んでいます。
  「たいせつなことは、おたがいに、わかりあうということだったのです。」

 対話をするということは、信頼関係を作るということだと思います。対話を避けるということは、相手への不敬と同じことだと思います。この目に見えない信頼というものを築くには、唯一心を使うしかないのだと思います。

 9月15日(月曜日) Tat

イラク:アナン事務総長、安保理合意推進に努力

 イラクの次なる段階へのコンセンサスづくり推進に努力しつつ、アナン事務総長は国連安保理の拒否権を持たないメンバー諸国と対談を予定。これは、先週末ジュネーブで行われた15ヶ国のうち拒否権保持する5ヶ国外相会談に続くもの。

国連中東特使、新たな暴力に直面しロードマップの強力な推進を要請

 中東は今や、再び平和的解決に向けて力を注げるか、もしくは広範囲な流血に転落するかの岐路に立っているとし、危機解決のためには断固とした国際社会の取り組みとロードマッププロセスの大胆な加速推進を、と中東上級国連特使Terje Roed-Larsen氏が要請。

この一年は国連にとって“苦しい(Trying)”年だった、と年次報告

 平和と安全という観点から、この一年は“苦しい”一年であった、とアナン事務総長は公表されたばかりの国連の職務に関する年次報告の中で述べ、イラクでの戦争が集団安全保障の原則と国連自体の活力を厳しく試すこととなったと報告。

事務総長、行き詰まった世界貿易交渉に断固たる再開を強く要請

 アナン事務総長は、最近の世界自由貿易会議の行き詰まりに対し遺憾の意を表し、すべての関係者に、“断固とした姿勢で再開し”来年度中には合意に達するよう、強く要請。

安保理、ギニアビサウ共和国でのクーデターを強く非難

 国連安保理は、アナン事務総長と共にギニアビサウ共和国でのクーデターを強く非難し、共和国内の憲法上の秩序の迅速な回復を要請。

今日の一言: 富士の如く

 

「将軍家の御指南役って、偉いんだろうね」
「うむ」
「おらも大きくなったら、柳生様のようになろう」
「そんな小さい望みを持つんじゃない」
「え。……なぜ?」
「富士山をごらん」
「富士山にゃなれないよ」
「あれになろう、これに成ろうと焦心(あせ)るより、富士のように、黙って、自分を動かないものに作りあげろ。世間へ媚びずに、世間から仰がれるようになれば、自然と自分の値打ちは世の人が極めてくれる」

 吉川英治著「宮本武蔵」の一節。武蔵が、幼き弟子の伊織に語った言葉には手加減というものが無い。若き弟子にも雄大な富士を仰ぎながら本気で語る師の姿はすがすがしい美しさがある。剣術を練磨することだけに満足せず、世の平和のための剣の道を求めてゆく武蔵の厳しき武者修業は、試合よりもむしろ一流の人物に出会い、教えを謙虚に請うことを目的としているような面がある。さらに山賊成敗などを通しても、濁悪の世から何かを学ぶことを忘れないし、村人から神同然に拝まれても 「わしの力じゃない。おまえ達の力だ。」と従容として言う。
 国連と世界平和を考える時、武蔵のそのような姿勢に多くの示唆があるように思う。心ある青年が将来何か平和に役立つことを、と努力しようとする時、やはり一流の人物を求めてゆくことが如何に大切かと思う。そして一流を基準とする時、政治家の人物の優劣、政治の方向性の正邪というものも鋭く見抜く力がついてくるのではないだろうか。そして志の真偽は、行動によってのみ証明される。

 9月17日(水曜日) 山本

人道支援活動のためのアクセス確保に関する合意に署名:スーダン

 スーダン政府と反政府勢力のスーダン人民解放運動/スーダン人民解放軍(Sudan Peoples' Liberation Movement/Sudan Peoples' Liberation Army ; SPLA / SPLA)は、同国内の Darfur 地域への人道支援活動のためのアクセス確保に関する国連との合意に署名した。これにより同地域の約50万人への支援が可能になる。

東ティモール情勢に関する最新報告:事務総長

 アナン事務総長は17日、東ティモール情勢に関する最新の報告書を国連総会に提出し、国連東ティモール支援ミッション(UMISET)は同国の安定と秩序の維持の支援に貢献しているけれども、ミッションの終結までに同国政府が必要な制度の構築と適切な人員配置がそれまでに完了するかについては微妙であると指摘した。

「55准将」特別法廷に移送:シエラレオネ

 人道に対する罪や国際人道法違反など、17の罪で起訴されており、「55准将(Brigadier 55)」として知られていた Santigie Kanu 被告人が17日、シエラレオネ特別法廷に移送された。

リベリアに食糧支援:WFP

 世界食糧計画(WFP)が17日発表したところによると、リベリアの首都モンロビアの南東100キロの港湾都市ブキャナンで荷揚げされた食糧がECOMIL(Ecowas Mission in Liberia)の平和維持軍の護送により、反政府勢力下の地域にも援助が可能となった。モンロビア周辺は交戦状態でここ数ヶ月は支援が停止していた。

核テロリズムへの対抗活動を強化:IAEA

 国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は、核テロリズムに対抗するため放射性物質の密輸や「悪意ある使用」の阻止活動のために2300万ドルの予算を計上し、さらに増額する必要があると、ウィーンで開催された第47次総会で発表した。

 9月18日(木曜日) 阿部

国連開発計画、スイスの保険会社等と気候変動の影響に関する調査を開始

 国連開発計画(UNDP:the UN Development Programme)は、スイスの保険会社である Swiss Re と米国ハーバード大学メディカル・スクールと協力して、気候変動などが健康や経済に及ぼす影響について調査するプロジェクトを開始。

国連合同エイズ計画とクリケット国際評議会、エイズについて協力合意

 国連合同エイズ計画(UNAIDS:Joint United Nations Programme on HIV/AIDS)とクリケット国際評議会(ICC:the International Cricket Council)は、エイズ啓発活動のために協力していくことに合意。

国連児童基金、児童虐待に関する報告書を発表

 国連児童基金(UNICEF:the UN Children's Fund)は、児童虐待に関する報告書を発表し、毎年、開発途上国において、15歳未満の子ども3500人が身体的虐待やネグレクトが原因で死亡していると指摘。

パレスチナ問題を討議する第10回緊急特別総会が再開

 第10回緊急特別総会(special emergency session)が再開し、パレスチナ問題を討議する。同特別総会は2002年8月に延会となっていたもので、イスラエルによるアラファト排除の動きを止めるよう求める決議案が否決されたことを受けて、アラブ/非同盟諸国が招請。

事務総長、国連リベリア平和建設支援事務所の閉鎖を決定

 リベリアにおいて、国連リベリア・ミッション(UNMIL:the UN Mission in Liberia)が設置されることを受け、アナン事務総長は、国連リベリア平和建設支援事務所(UNOL:the UN Peace-building Support Office in Liberia)の閉鎖を決めたことを安保理に通知。

 9月19日(金曜日) 作増

アナン事務総長、国際平和デーを記念して世界平和の鐘鳴らす

 アナン事務総長はニューヨークの国連本部で国際平和デーを記念しながら世界平和の鐘を鳴らした。この中で事務総長は平和への直接的な脅威としてテロや集団破壊兵器がある一方、飢餓、疫病、略奪や内戦なども存在している、と警告を発した。

国連環境計画、環境汚染に抗して中国に事務所開設

 国連環境計画(UNEP)は、世界最大規模の発展途上国である中国における環境への取り組みの大きな進歩を目指し、北京に事務所を開設した。これには環境汚染を食い止め、持続可能な発展を達成するための将来的な政策を支援する目的が課せられている。

国連、アンゴラで最大規模の200万人に緊急援助

 アンゴラでおよそ200万人の人が雨季に入る前の数週間の間農業緊急援助を受けることになった。国連食糧農業機関(FAO)は、今回の支援に対しアフリカにおける国連支援の中で最大規模のものになると発表した。

安全保障理事会、リベリアに16000人の平和維持軍認可

 安全保障理事会は満場一致で紛争で荒廃したリベリアに、15000人までの軍人と1115人までの文官警察から構成される新ミッションの設立を認可した。この新たな平和維持活動は12年の間紛争で切り裂かれた同国に向け新たに出発する。

安全保障理事会、シエラレオネ・ミッション6ヶ月延長

 安全保障理事会は満場一致で国連シエラレオネ・ミッションの6ヶ月延長を認め、また安全強化、全戦闘員の再統合、難民の本国送還、人権や法の尊重などの分野における西アフリカ諸国政府への継続的な支援の重要性を強調した。

「今日のひとこと」 心を使う〜聴く編

 最近ずうっとこのコラムで対話の重要性を語り続けていますが、むやみやたらに話すことを勧めているわけではなく、大事なことは対話を持つということがその人の心映えであるという点です。
 心映えというからにはまずは相手への関心、誠意、真心を持つということが前提になっているわけですから、そこにはおのずから相手の話を聴く、話すよりもむしろ優先的に聴くということが重要になってくると思います。
 対話をするということは信頼関係を作るということであると前回は書かせてもらいましたが、そこにいたるには相手の中の猜疑心や不安を取り除き、安心感を与えていかなければいけないと思います。相手は自分が受け入れてもらってるという安心感を望んでいるということを理解する必要があります。

 これに関連して、最後に茨城のり子の「聴く力」という詩を紹介して終わりたいと思います。

聴く力

ひとのこころの湖水
その深浅に
立ちどまり耳澄ます
ということがない

(中略)

その末裔は我がことのみに無我夢中
舌ばかりほの赤くくるくると空転し
どう言いくるめようか
どう圧倒してやろうか

だが
どうして言葉たり得よう
他のものを じっと
受けとめる力がなければ

 9月22日(月曜日) Tat

国連総会、エイズ(HIV)との戦いの進捗につきハイレベル会合

 国連総会は各国の国家元首・外相級のハイレベル会合を開催。国連加盟国が2年前合意したエイズの期限付き防止目標につき、アナン事務総長が世界中でのエイズ(HIV)との戦いの進捗報告を行った。

事務総長、イラクでの国連施設攻撃を受け、治安確保を強調

 バグダッドで起こった最近の国連施設攻撃につき、アナン事務総長は衝撃と悲しみとを表明しつつ、国連は状況を評価しており、運営が可能となるよう治安確保が必要と強調。

事務総長、ミャンマーの民主化指導者開放を求め特使派遣

 ミャンマー政府に対し、民主化リーダーのアウン・サン・スー・チー女史を解放するよう、事務総長は要求を繰り返しつつ、調整プロセスを回復させる道を模索するため来週にも特使を派遣する。

事務総長、イラクでの国連に対するテロ攻撃の独立パネルを指名

 新たなテロ攻撃がバグダッドの国連施設を揺さぶったが、アナン事務総長は元フィンランド大統領であり多くの国連ミッションのベテランである Martti Ahtisaari 氏に独立パネルの議長を依頼。同パネルは8月19日の衝撃的な爆破テロを受けてのイラクにおける国連職員の安全と警備のための独立パネルである。

テロとの戦いでは感情(Heart)でなく理性(Mind)を、事務総長語る

 テロとの戦争は感情的な反応でなく理性的な対処が必要だ。そして勝利は、人権を宣揚し、より良い世界を志向するより優れたビジョンを示すことによってのみ確実にすることができる。たとえそれが、まさにテロリストとの戦いの怒りの只中であり、失望の根源に取り組む時でさえも。と、アナン事務総長は国際平和学士院(The International Peace Academy)開催のセミナーで語った。

今日の一言: Use Mind, Not Heart

 上記最後のニュースにあるセミナーで、アナン事務総長は「テロとの戦いでは感情(hearts)ではなく、頭(heads)を使わねばならない」と語った。Heart は喜怒哀楽など感情の宿る心のことを言い、Mind は知性・理性の宿る心のことを言うから、同じ心を使うとしても感情が昂ぶるあまり理性を忘れて思考停止になるな、ということである。
 これは今のアメリカにはあまりにも耳の痛い教訓ではないか。ニューヨークで行われた国連総会の演説でも事務総長は正面からイラク攻撃・占領を非難した。これは単に国連無視の武力公使に対する義憤だけではなく、人種・宗教を問わず人権を守ろうとする信念ではないかと私は思う。アメリカはこのような国際世論に真剣に耳を傾け、イラクにおいても、北朝鮮に対しても、これからの外交に活かさなくては、世界を裏切り破壊することになる。それほどの愚を犯してほしくは無い。
 悪に対する義憤を燃やしながらも知性・理性の心で。これをイザという時に実行するのは並大抵のことではない。しかし重要な歴史の教訓がある。心して胸に刻み、イザという時に正しく行動できる人間でありたいものだ。

 9月24日(水曜日) 山本

各国代表の演説が続く:国連総会

 国連総会の24日のセッションでは各国首脳が演説を行った。
 Domitien Ndayizeye 大統領(ブルンジ)は貧困国が貧困と戦うための支援として世界的な金融・貿易のシステムの変更を要請した。
 Abdoulaye Wade 大統領(セネガル)は国連に替わるグローバル組織はありえないとその役割の重要性を強調した。

リベリアに公正の回復のための努力強化を:事務総長

 アナン事務総長は24日、安全保障理事会でリベリア情勢について演説し、同国の安定を確保するためには更なる資源と法の支配の定着及びその平和的施行のための努力が必要であると訴えた。

兵士の行動についてイスラエル政府に抗議:UNRWA

 イスラエル軍兵士がヨルダン川西岸の町 Qalqilya の病院で医療スタッフに患者を床の上に寝かせるように強要したことについて、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は24日、重大な国際法違反であるとイスラエル政府に抗議した。

総会の合間を縫って各国首脳と会談:事務総長

 アナン事務総長は昨日に引き続き国連総会への参加のために国連本部を訪れる各国首脳らと、総会の合間を縫って会談した。24日はシュレーダー首相(ドイツ)・シラク大統領(フランス)・クレティエン首相(カナダ)・カビラ大統領(コンゴ民主共和国)・ベルルスコーニ首相(イタリア)らと会談した。

国際犯罪防止条約への署名進む

 国連総会の合間を縫って、各国の代表が、国境を越えた不法活動の取り締まりの協力を要請する「国際的な組織犯罪の防止に関する条約(Convention against Transnational Organized Crime)」への署名またはそれへの法的手続きを進めている。

離別した難民家族の再会に関する EU 指令に警告:UNHCR

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は欧州連合(EU)の家族再統合に関する指令(directive)がある範疇の難民を排除する危険性があると警告した。
 EUが22日に制定した指令によると、ばらばらになった難民や移民が自分の子どもや配偶者と再会できる条件を定めており、難民認定を受けてから3か月以内は安定した収入源があることを証明しなくてもよいなど、緩和された部分についてはUNHCRも歓迎しているが、未成年の子どもや配偶者には再会できるも知れないが、成人した子供や年輩の親、その他の近い親類は必ずしもそうではないことや、再会を果たした家族は1年間は働くことができないなど不都合な点もあることを警告した。

ペルーの民族グループに肝炎の予防接種キャンペーンを開始:ユニセフ

 ユニセフはペルーのアマゾン奥地に住む民族グループ Candoshis 族と Sharpas 族に対し急性B型肝炎のワクチン接種キャンペーンを開始した。この2つの民族は合わせて3,000人程度しかおらず、もしこの措置が取られなければ12年以内に絶滅する危険があった。

ベトナム政府の貧困追放の努力を賞賛:UNDP

 ベトナムにおける活動開始25周年を記念して、国連開発計画(UNDP)は同国においては70%以上が貧困にあえいでいた1980年代半ばからの改革によって、29%まで低減させることができたことに関して同国政府を賞賛した。

道路安全に関する会議を開催:WHO

 世界保健機関(WHO)は20か国以上から道路安全対策の専門家を集めて交通事故による死傷者の低減を目指す会議をジュネーブで開催した。席上、李鍾郁(Lee Jong-wook)事務局長は、交通事故で年間120万人が死亡していると警告し、対策の重要性を訴えた。

「今日の一言」 − There cannot be real peace without justice −

 2つめの記事に関してですが、アナン事務総長はこうも語っています。

「公正のない平和はありえない。罪を犯しても罰せられないという雰囲気を終わらせることは、社会に対する信頼を回復させ、和平協定の履行に関する国際的な信用の確保にもつながる。」

 人間社会というのは究極のところ、信頼で成り立っていると言えるでしょう。
 「信頼できるのはお金だけ!」と言う人がいるかも知れませんが、お金だって、それを発行している主体(通常は国家だけど)の安定を前提にしているし、国がつぶれないにしても、他人がそのお金を受け取ってくれるという前提がないと受け取っても仕方がないでしょう?

 単純化して言えば、「悪いことをした人がきちんと捕まって罰を受ける」ということがきちんと実行されない社会では、安心して真っ当な暮らしを続けていけないし、「それならオレも」という不届き者を増殖させかねない。だから事務総長の強調した内容が重要なことになるわけです。
 信頼は、常に一貫した言動をとることと、そこから外れた際の自己修復能力を見せ続けることでしか得られないと思います。たとえ自分と思想信条や立場が異なっても、その立脚点から矛盾したことを行わないのならば、こっちは安心して相手ができるでしょう。そしてそこから離れた言動があったとき、もしくはそれまでの言動を覆す時には、その経緯を透明性を高くして明らかにすること。個人であっても、組織であっても、国家であっても。

 9月25日(木曜日) 阿部

事務総長、イラクからの国際職員の一時的な移動を命令

 22人の死者を出した先月のバグダッド国連事務所に対する爆破テロ事件後の国連国際要員縮小の一環として、アナン事務総長はイラクからの国際職員の一時的な移動を命令。

米国務長官、イラク新決議案について各国の意見がある程度集約されたと指摘

 安保理常任理事国5ヶ国とアナン事務総長の昼食会談が行われた後、パウエル米国務長官が、イラクに関する新決議案について、各国の意見がある程度集約された、と指摘するとともに、会談ではイラク政治プロセスにおける国連の役割や、それを決議案にどのような形で盛り込むかについても話し合われたと説明。

コンゴ民主共和国と近隣3ヶ国、相互の内政不干渉等に合意

 コンゴ民主共和国(DRC:the Democratic Republic of the Congo)とブルンジ、ウガンダ、ルワンダの近隣3ヶ国は、アナン事務総長の招請した会合において、相互の内政問題に干渉しないこと、コンゴ民主共和国東部の戦闘勢力に対する武器供与を防止すること等に合意。

イラク統治評議会のメンバーが銃撃され死亡

 先週土曜日にバグダッドで銃撃されたイラク統治評議会(the Iraqi Governing Council)のメンバー、Dr. al-Hashemiが本日死亡。アナン事務総長はこの襲撃を許されないものであると非難。

作家のエドワード・サイード氏が死去

 作家のエドワード・サイード氏が死去。アナン事務総長は、サイード氏がイスラエルとパレスチナの和平の展望を追及した情熱を称え、その死を追悼。

「今日の一言」― 追悼エドワード・サイード ―

 エドワード・サイードが亡くなったとの報。まだ67歳、若すぎる死に驚きを禁じ得ない。この欄でもこれまでに何回もサイードに言及してきたが、十分に紹介できたとは思えない。これを機に、改めてサイードの著作を読み直してみたいと思う。

 サイードは長く白血病に苦しみ、この25日にニューヨークの病院でその生涯を閉じたが、ちょうど同じ日に、イスラエルの新聞ハーレツ紙が、イスラエル空軍の予備役パイロットら27人がパレスチナ自治区での空爆命令を拒否する書簡を空軍司令官に提出したと報じた。多数の民間人が犠牲になっている「不道徳な命令」には従えないと軍上層部を批判しているという。
 エルサレムに育ち、ニューヨークでその人生の大半を過ごしたサイード、文明のはざまで発言し続けたサイードの死を心から追悼するとともに、中東、アジアの平和を、世界の平和を祈りたい。

 9月26日(金曜日) 作増

国連、アフリカ南部の異常なほど深刻な事態に緊急食糧援助

 異常なほど深刻な事態を受けて、WFP(世界食糧計画)はアフリカ南部に住む数100万人の人々が来月には資金不足により大規模な食糧不足に直面することになる、と警告を発した。特にジンバブエ、モザンビークの食糧事情は最大深刻を極めている模様。

ブルンジ、数万人の人々が戦闘により食糧援助遮断

 WFP(世界食糧計画)の報告によると、ブルンジの治安悪化に伴い、新しい戦闘によって追い出されてきた数万人の人々への食糧援助が遮断されている模様。WFPルワンダ事務所長 Zlatan Milisic 氏によると、多くの人たちは手荷物も持たず逃げてきた状態で、屋外で寝ざるを得なかったり、また地域住民によって保護を受けている状態が続いている。

WHO、水道設備の不備が香港におけるSARS拡大の大きな原因

 WHO(世界保健機関)率いる国際専門家チームによると、香港の居住ビル内においてSARS(Severe Acute Respriratory Syndrome)が蔓延した原因として、水道設備の不備による可能性が高いということが判明した。

コートジボアールの政情不安を受けて、多くのリベリア人が帰還の途に

 自国内の戦闘から逃れてきた数千人のリベリア人難民が、隣国コートジボアールの政情不安を理由に、比較的安全とされるリベリア東部地域への移動を開始した。

ギリシア、オリンピック休戦決議を総会に提出

 ギリシアは来年夏にアテネで行われるオリンピック開催期間中の休戦要求を盛り込んだ伝統的なオリンピック決議を国連総会に提出した。これを受けアナン事務総長は、この処置はオリンピック古の地でゲームが行われるということに更なる意義を加えることになる、と発表した。

「今日のひとこと」 心を使う〜話す編

 以前、山田太一脚本・笠智衆主演の「ながらえば」という老後の問題を主題にしたドラマを見ました。

 ストーリーとしては単純で、息子夫婦に預けられている老人(笠智衆)が、病気のため病院に入院していて会えない状態が続いている妻に何とかして一人で会いに行く、というものなのですが、最後なんとか病院にたどり着いた老人が妻に背を向け語る一言。

「わしは、お前と一緒におりたい。一緒におりたい!」

その明治男の武骨な、ぎりぎりいっぱいいっぱいの愛情表現が、とても胸に響いたのを思い出します。

 言葉というものは、意味や表現形式よりも心の思いが込められているかどうかが一番大事になってくるのだと思います。だからこのドラマのように口下手が故の説得力とでもいうようなものも存在しうるのだと思います。
 対話の秋、一言一言に心を込めていきたいと思います。心より出でたる言葉、願わくば汝の心にいたらんことを!

 9月29日(月曜日) Tat

治安悪化と遅延がイラクでの国連食糧プログラム終了に打撃

 サダム・フセイン政権下、イラク人の主な食糧供給源となっていた石油・食糧交換プログラム終了計画が、バグダッドでのテロによる国連本部爆破事件、その結果国際スタッフが大幅に削減されたこと、そしてアメリカ主導の共同暫定統治(Coalition Provisional Authority、CPA)の対応が遅れていることなどの理由で重大な打撃を受けている、と担当国連高官は語った。

国連総会第二週目、各国指導者は全世界の協力を要請

 世界の指導者がハイレベルな協議をする国連年次総会が二週目に入り、各国指導者らは地球的問題群に対する国際協力の必要性を強く訴えるとともに、効果的にそれらの難問に取り組むために迅速な国連改革を要請した。

ギニアビサウ、クーデター後危機の瀬戸際から脱する

 ギニアビサウ国内の民間・軍事グループはともに瀬戸際の危機を脱したようであるが、当国は今月初めに起こったクーデター後スムーズに文民統治に移行できるよう国際援助を必要とする、と国連高官が安保理で報告。

ユニセフ、カナダの貧困国向けのより安価なエイズ治療薬生産を賞賛

 ユニセフ(国連児童基金)事務局長は、カナダが自国の一般製薬メーカーにエイズ特許薬品のより安価なものをエイズ蔓延のひどい影響を受けている貧困国へ輸出を許可できるよう、法律を迅速に発効させたことを賞賛した。

ガイアナ、ベネズエラが国境紛争和解加速のため国連事務総長に支援模索

 ガイアナとベネズエラ両国は、およそ2世紀に渡る南アメリカ北部の両国間の国境紛争解決を目指し、アナン事務総長後援のもと協議の再活性化を模索している、と国連スポークスマン。

今日の一言:北朝鮮を巡る動き

 北朝鮮を巡る外交の展開を久しぶりにフォローしておきたい。北核問題は将来国連での議題となる可能性をはらんでいるし、国連ファミリーの中でも非常に政治色の強いIAEA(国際原子力機関)でも主要議題のひとつである。当然隣国に住む我々日本人も無関心ではいられない。
 北朝鮮の核開発問題につき8月末に開催された北京での6ヶ国協議の評価は対話が行われたこと自体に意義を認め、概ねポジティブといえるだろう。IAEA総会も9月19日、北朝鮮に核計画の即時放棄とIAEA査察再開を認めるよう求める決議を採択した。続いて次回の6ヶ国協議に向け、核問題の具体的解決策を調整するため日米韓3カ国の局長級非公式協議が9月29日30日、東京で開かれた。こうした動きからも国際世論が朝鮮半島の非核化を求めていることは明らかである。
 これと時を同じくして、北朝鮮が微妙なメッセージを発していることを見落としてはならないだろう。9月30日、訪米中の李根(イ・グン)・北朝鮮外務省米州副局長とカイザー米国務次官補代理(東アジア・太平洋担当)が、そろって出席したニューヨークでの国際会議で、個別の米朝高官接触をしたという。
 さらに重要なのは国連総会一般演説第7日目の9月30日、北朝鮮の崔守憲(チェ・スホン)・外務次官が登壇し、米朝間の核問題は「米による敵視政策によって生じたもの」と非難して、その「現実的な」解決策は両国が「同時に銃を下ろす」しかないと米側に敵視政策の放棄を求めたことだ。現状を「互いに銃を構え合っている」状態と表現し、米朝が同時に動くことしかないと主張した、というのは新しいと言えないだろうか。こうした微妙な機をとらえて、「銃を下ろすという行為には全く賛成であり、すべての当事者の利に適う」等と言って事態改善につなげられるかどうかが外交手腕の見せ所であろう。それを細部にこだわって「いや我々の方は初めから銃など構えていない。銃を使おうとしているのは君だけだ、君だけ銃を下ろしなさい」などと言ってしまっては、せっかくの機会を無駄にしてしまう。
 同じ事象を観てもまったく違う捉え方・リアクションが可能な外交の世界と言うのは本当に難しいと思う。それだけに、外交担当者には本当に賢くあって欲しい。

SUN Banner
Updated : 2007/02/18