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Title : July 2003
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 7月 2日(水曜日) 山本

イラク=クウェート国境の平和維持活動の撤退を協議:安保理

 安全保障理事会は2日、イラク情勢について協議し、クウェートとの国境の非武装地帯に展開している国連平和維持活動について段階的に撤退すべしとの事務総長勧告を3日に協議する予定。

イラク情勢で英外相と協議:事務総長特別代表

 フィエラ・デ・メロ事務総長個人代表は2日、ストロー外相(英)とバグダッドでイラク情勢について協議し、できるだけ早くイラク人自身の手による民主的な団体の設立する機会を与えるのが最善だと強調した。

支援活動再開:リベリア

 国連人道問題調整室(OCHA;UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)は2日、モンロビア(リベリア)周辺の不安定な情勢、窮乏する支援物資の中でも支援活動を再開したと報告した。治安の悪化で支援用の車両・燃料・医薬品の備蓄が盗難にあうなど、困難をきたしている。

南部アフリカ諸国支援を要請:WFP

 世界食糧計画(WFP)は2日、南部アフリカ諸国で、不規則な天候・悪化する経済情勢・猛威を振るうHIV/AIDSの影響で支援を必要とする650万人への援助資金3億800万ドルの拠出を呼びかけた。WFPでは来年6月までに54万トン近い食糧が必要となると推定している。特に危機的な状況にあるのはジンバブエ・モザンビーク・スワジランドなどである。

トロントに対する渡航延期勧告を解除:WHO

 世界保健機構(WHO)は2日、20日間新たなSARSの患者が発見されないことを受け、トロント(カナダ)を渡航延期勧告指定地域リストから削除した。

グローバル・コンパクトへの参加企業が1000社を超える

 よき企業市民と責任あるグローバリゼーション(corporate citizenship and responsible globalization)を目指すグローバル・コンパクトに関する最新の報告書によれば、参加企業が昨年の倍以上となり1000社を超えている模様。

先進国の農業助成金廃止を要請:ECOSOC

 国連経済社会理事会(ECOSOC)は2日、2001年のドーハ貿易会議でなされた、発展途上国の市場アクセスを容易にするために、先進国における農業助成金の廃止を再度要請した。

「今日の一言」 − 比較優位説 −

 読者の皆さんは最後の記事をどのように受け止められるのでしょう。

 農産物しか輸出可能な産物がない発展途上国の地方の生活を向上させるためには、先進国への市場アクセスへの障壁を低くするために、農業助成金を削除するというのは、(先進国の消費者も安い農産物を購入できるようになるわけですから)恩恵を受ける人の数は世界全体として向上するでしょう。けれども、先進国内で農業に従事されている方は憤慨なさるかも知れません。

 リカードの比較優位説(比較生産費説)的な発想に従えば、ECOSOCの要請を先進国は受け入れるべきですが、なんだか、これに反対すると「自分の国の農業を守るために途上国の農業従事者の生活が貧しいままでいいのかい?」と聞かれているようでなんだか居心地の悪い問ですね。

 7月 3日(木曜日) 阿部

難民高等弁務官事務所の救出船、リベリアのモンロビアへ

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の救出船 Overbeck は、シエラレオネのフリータウンを出発し、リベリアのモンロビアへ向かった。当地では、仮キャンプに収容している数多くのシエラレオネ難民の緊急避難作業を開始する予定。

安保理代表団、リベリア和解民主連合の指導者と会談

 安保理代表団は、8日間にわたる西アフリカ地域歴訪の最後にギニアを訪問し、同国の主要反政府勢力であるリベリア和解民主連合(LURD:Liberians United for Reconciliation and Democracy)の指導者と会談。

国連コソボ暫定行政ミッション代表、安保理でブリーフィング

 国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK:the UN Interim Administration Mission in Kosovo)のSteiner代表は、安保理でブリーフィングし、コソボにおいて、少数民族の帰還など多くの課題が依然残っていることを強調する一方、アルバニア系指導者がセルビア、モンテネグロ、マケドニアの難民/避難民に帰還を促したことについて、歓迎する意を表明。

安保理、国連イラク・クウェート監視団の段階的撤退を決定

 安保理は、決議を全会一致で採択し、10月6日までに国連イラク・クウェート監視団(UNIKOM:the UN Iraq-Kuwait Observation Mission)の段階的撤退を図ることを決定。

「今日の一言」― アメリカ ―

 法律雑誌ジュリストの7月1日号の巻頭に、樋口範雄東京大学教授による「マクドナルド肥満訴訟から見えてくるもの」との一文が掲載されていて、とても興味深く拝見した。

 今年の1月に日本でも報じられたので覚えてられる方も多いと思うが、米国ニューヨークに住む10代の女性2人がマクドナルドのハンバーガーを食べ過ぎて肥満になり、健康上の被害を受けたと訴えているのである。
 一見、バカげた訴訟のように見えるが、ニューヨーク連邦地裁のスイート裁判官は、「ユニークでチャレンジングな争点を提起する訴訟」であるととして、却下しつつも訴状修正の上で再提訴を認め、現在も係属中という。
 樋口教授の一文を読むと、その訴訟の中に、いかに重要な「個人の自己責任の領域と社会の責任を分ける線引き問題」が隠されているかが分かるのであるが、こうした問題に裁判所がどこまでも真摯に立ち向かう国が、アメリカ。
 背景には、規制当局(=行政権力)に対する不信があると思われるが、その一方で、戦争となれば、我々の理解できる範囲を遙かに超えて、人権抑圧的で広範な行政権力を受け入れるのも、アメリカ。
 これら両方を理解しなければ、アメリカ(=米国社会)を理解したことにはならないのかもしれない。

 7月 4日(金曜日) 作増

世界保健機関(WHO)、危機脱出にむけて医療品急送を要請

 世界保健機関(WHO)は、紛争によって病気発生率が急上昇しているリベリアに対し医療品の急送を要請した。首都における戦闘は沈静化したものの、戦闘によって土地を追われた数万人の人々はいまだ悪条件の中で生活をおくることを余儀なくされており、この問題に取り組まなければリベリアにおける人道上の問題を悪化させ、さらに多くの人の命を危険にさらすことになる、と事務局長 Harlem Brundtland 氏が警告。

国連世界食糧計画(WFP)、イラクに毎時1千トンの食糧を供給

 国連世界食糧計画は、現在毎時1千トンの食糧をイラクに発送しており、これは40年来もっとも大規模な援助作業になる。先月、WFPは戦闘によって荒廃した国用の食糧のうち75万トンを、15億ドルに及ぶイラク食糧支援の一部として発送した。

「今日のひとこと」 指導者の条件

 以前、講演をお願いしたことのある作家の故イ・ハギン(李學仁)氏は指導者の条件として以下の3点を挙げていました。

  1. 臆病であること
  2. 民を飢えさせないこと
  3. 詩心があること

 1.に関しては自分の弱さを自覚していること。それによって慢心や油断から引き起こされる問題を防ぐことができるということがその主旨だと思うのですが、特に臆病であることというのは、それによって細心の準備で事に臨むことが出来るからなのではないかと思います。
 2.は現在の世界情勢にもよく当てはまることだとは思いますが、指導者はどんな大義名分を持っていたとしても、民を飢えさせてしまう選択肢を取ってはいけないと、またそこから必然的な帰結として戦争は起こさないという方向性も含ま れてくると思います。
 3.は他者への想像力と軌を一にしているといえると思います。そこには人種や国家などでは線引きの出来ない人間というものへの洞察がなくてはいけない。それによって本当に人間にとって必要な政治が再構築されていくだろうと、そのようにおっしゃっていました。
 現在、リベリアのテーラー大統領は内戦終結に向け、ナイジェリアへの亡命を受諾しました。内戦が勃発した理由として、政治的信条の違いや行政上の問題などが挙げられるとは思いますが、今回の大統領の決断が上記の指導者の条件に適った英断であることを願わずにいられません。

 7月 7日(月曜日) Tat

リベリア:アナン事務総長、テイラー大統領の辞任決意を歓迎

 コフィ・アナン国連事務総長は、チャールズ・テイラー大統領が平和のために辞任しリベリアを出国する意向を歓迎。リベリア国民に対し、この機会に国家的調和の精神で共に働き、祖国に恒久的民主主義を取り戻すよう強く呼びかけた。

国連高官、コンゴ(DRC)の刑事罰特赦の文化に終止符をと強調

 安保理で平和維持活動担当国連事務次長と国連高等人権弁務次官がコンゴ(DRC)の政治、人権状況につき報告。キンシャサでの暫定政府設置は、戦禍に荒れたコンゴ民主共和国(DRC)北東部に法と秩序を取り戻すのを支援できるが、一方、真の発展と永続的平和はその地域の犯罪者が法の下に裁かれて初めて確固たるものになる、と二人の国連高官は訴えた。

アナン事務総長、パキスタン、ロシアでの悪質なテロ行為を強く非難

 コフィ・アナン国連事務総長は、週末にかけてパキスタンとロシアで起こったテロ攻撃を強く非難。それらの行為を悪質かつ全く正当化できない行為であると称した。

リベリア政府と反政府グループとの和平会談がガーナの首都アクラで再開

 リベリア和平会談がガーナの首都アクラで再開、政府高官と反政府グループが会談。会談は包括的解決に向けた方途につき討議するため一週間の間閉会されていたもの、と国連広報担当官。

IAEA、ウィーン国際会議で放射性物質の安全輸送強化を訴える

 国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長はウィーンで開催された国際会議で冒頭演説し、現行の放射性物質輸送に関する規制システムは優れた安全記録をもつ一方、核安全保障と核テロ防止への懸念が増大する今、我々はまだまだ課題を抱えている、と警告。

 7月 9日(水曜日) 山本

リベリアに治安維持軍の派遣を検討:安全保障理事会

 安全保障理事会はリベリアに治安維持軍の派遣を検討し始めた。
 同国における危険な状況と、人道的な危機を受け、先月末にアナン事務総長は多国籍軍の派遣を勧告していたが、安全保障理事会ではその後に派遣された視察ミッションの報告を待って決定をすることにしていた。しかしやはり情勢は急を要すると判断されたため、今回の検討となった。

事務総長、アフリカ諸国の指導者とリベリア情勢について協議

 アフリカ連合サミットへの参加のためにモザンビークを訪問中のアナン事務総長は緊迫するリベリア情勢についてアフリカ各国首脳と会見し、権力の平和的な移行と多国籍平和維持軍の派遣に関して協議した。

リベリア特使を任命:事務総長

 アナン事務総長はリベリア情勢の早期の収拾のためにリベリア事務総長特使として Jacques Klein 氏を任命した。彼はこれまで国連ボスニア=ヘルツェゴビナミッションの代表を勤めた経験がある。

ブルンジの諸勢力に和解を要請

 人権委員会ブルンジ特別報告者(Special Rapporteur of the Commission on Human Rights on Burundi)の Marie-Therese Keita Bocoum 氏は9日、ブルンジ国内で戦闘を継続している諸勢力に対し、住民への影響を考慮し、速やかに和解交渉につくよう要請した。

イラク難民の帰還が難航

 国連難民高等弁務官特使の Dennis McNamara 氏は9日、イラク国内で悪化している治安・生活必需品の欠如などがイラク難民の帰還を遅らせてと警告した。現在、400万人のイラク人難民が国外にいると推定されている。

ユネスコとインターポールが共同でイラク文化遺産を守る戦い

 ユネスコと国際刑事警察機構(INTERPOL;International Criminal Police Organization;いわゆる「インターポール」)はイラクで盗難された文化遺産の不正取引を検挙するための情報共有を進めることを決定した。

イランに追加の核安全装置の提供を要請:IAEA

 国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は9日、イラン政府首脳と会見、イランの核開発計画の査察について、以前の失敗を報告がしたあとさらなる証拠の提出を要請した。

コソボでは民間に33万丁以上の銃:UNDF発表

 国連開発基金(UN Development Fund)が9日発表したコソボにおける銃火器に関する報告書「コソボと銃・コソボにおける小型武器の基礎調査(Kosovo and the Gun, A Baseline Assessment of Small Arms and Light Weapons in Kosovo)」によると、コソボでは、現在、民間人の間に33万〜46万丁の小銃が保有されており、しかもその大半が未登録である模様。

強制収容所の指揮官の刑期を軽減:ICTY

 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)は、戦争犯罪のために9年の刑期を言い渡され、その3分の2の服役を果たした、強制収容所の指揮官の刑期の軽減を承認した。

遺伝子組み換え食品に関する品質基準を採択

 食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)は9日、共通下部組織であるコーデックス委員会が、昨今のバイオ技術の発達による遺伝子組み換え食品の危険性を判断するための新たな安全・品質基準を採択したと発表した。

[訳注]
 文中の「コーデックス委員会」の正式名称にある Codex Alimentarius とは、ラテン語で「食品規格」の意味で、1962年に設立された食品の国際規格を設定する機関です。日本では訳に挙げたように「コーデックス委員会」と呼ばれることが多いようですのでその名称を訳として採用しました。

「今日の一言」 − 「犯人」さがし −

 ここしばらく株価がじわじわと上がっていて、今日(9日)もまた日経平均株価が1万円を超えているようです。もしこのまま(たとえじわじわでも)上がり基調で推移するようなら、これまで、株価低迷を理由に政府の経済失政を追及していた野党や評論家はどういう言い訳をするんだろうと、妙な心配をしています。
 経済の専門家ではないので、ここしばらくの株価上昇の理由はよくわかりませんがかと言って経済の専門家(だと思われる人)の書いている理由も、「それほんと?」と言いたくなるようなものばかり。
 何かが起こってしまった後で、それがなぜ起こったのかを説明するのは「簡単」ですが、それが説得力を持つもの−同じ条件が成立すれば同じようなことが起こると納得できる内容のもの−か、というのは非常にアヤシイような気がします。

 今、日本では、長崎で起こった、4歳の男の子を連れ去り、裸にして駐車場から落として殺害した容疑者が12歳の少年であった事件の話題で持ちきりです。このような事件が起こると、いつも犯行に至らしめた社会や教育や育てられ方が原因だ、などと取りざたされるのですが、私個人はそれが原因とすることには賛成しかねます。あくまで、その少年については成立することなのかもしれないけれど、同じような状況に置かれた少年の圧倒的大多数が犯行に及んでいないという事実が説明できないからです。
 周囲の環境が無関係だとは言いませんが、容疑者の少年の詳細なプロファイリングを行ったところで、それが適用可能なのは本人に対してで、同じようなプロファイルを持つ少年が同じような犯行に及ぶなんてことは断言できるはずがないんですから。

 7月10日(木曜日) 阿部

事務総長、アフリカ連合サミットで演説

 アナン事務総長は、アフリカ連合サミット(African Union Summit)で演説し、アフリカの武力紛争を終結し、開発を進めることができるのは、アフリカ人自身であると指摘。

事務総長、ワシントンでブッシュ米大統領と会談

 アナン事務総長は、月曜日にワシントンを訪問し、ブッシュ米大統領や補佐官らと会談、アフリカ問題を含めた広範な問題について話し合う予定。

リベリアの国連及び援助機関要員の援助活動、困難に直面

 リベリアの首都モンロビア及び同市周辺は比較的落ち着いているが、国連及び援助機関要員は、人手や食糧の不足、悪い治安状況に直面し、千人単位の人々への援助活動が困難を極めている。

フィエラ・デ・メロ事務総長特別代表、イラクのHilla市を訪問

 イラクにおいて、フィエラ・デ・メロ事務総長特別代表(Special Representative)はHilla市を訪れ、様々な層の代表と会談。特別代表がバグダッドを離れ、他の都市を訪れるのは4度目。

安保理議長、ブルンジの首都で起こった反政府勢力の襲撃事件を強く非難

 安保理議長は理事国を代表して報道声明を発表、ブルンジの首都ブジュンブラ市及び周辺で起こった反政府勢力の襲撃事件を強く非難。同国における戦闘再開、人道状況の悪化に深い憂慮を表明。

「今日の一言」― 利己的な覇権国 ―

 米国のブッシュ政権が、多国間主義を放棄し二国間主義に傾いていることは周知のことで、本欄でもかつて、「Multilateralism の危機」と題して、米国が進めている、国際刑事裁判所(ICC)に米国人が訴追されないようにするための二国間協定について取り上げました。dh200208.html#01_hito

 14日付の Financial Times 紙は、特に貿易面で二国間協定主義を推進するゼーリック米通商代表らを厳しく批判するバグワティ・コロンビア大学教授とパナガリヤ・メリーランド大学教授の論文記事を掲載しています。("Bilateral trade treaties are a sham")

 曰く、米国は二国間交渉で、国内利益のために貿易とは無関係の問題を自由貿易協定に盛り込んできたが、これにより、途上国はWTOでこのような問題をとりあげることに反対できなくなっている。二国間自由貿易協定のプロセスは米国内利益に沿ってWTO体制を作り直すことが究極の目的となっており、詐欺に等しい、と。
 二国間協定数は昨年末で250に達し、交渉中の協定が締結されれば300に近づくと言われますが、米国は、多国間貿易体制の公益を訴える「利他的な覇権国」(チャールズ・キンデルバーガー)ではもはやなく、「利己的な覇権国」に成り下がったのかもしれません。

 7月11日(金曜日) 作増

特使、イラクにおける国連の更なる役割要求を受ける

 事務総長特別代表 Sergio Vieira de Mello 氏はイラク復興をめぐる広範囲な継続協議の一環としてバクダッド市外へ4度めの訪問を行った。Vieira de Mello 氏は、地元の指導者によって国事に対する国連の更なる役割が要求されている Hilla 市を訪れた。

ブルンジ、政府と反抗勢力との激しい攻防戦が首都にて激化

 国連の報告によると、ブルンジの首都ブジュンブラでは政府と反抗勢力との激しい戦闘によって20人の市民が死亡し、数千人以上の人が場所を追われている。ブジュンブラへと戦闘が広がったことは、ブルンジにおける著しい治安の悪化を意味している。現在、ブルンジにある17州のうち16州が散発的な戦闘、略奪、武装強盗などの被害にさらされている。

アナン国連事務総長、フランス語を話せる議会人に対し国連とのより密な協力を要求

 アナン国連事務総長は、世界のフランス語を話す議会人に対し国際紛争の解決と、選挙補助と民主化促進に関して国連とのより親密な協力を要求した。平和と発展は民主主義と良き統治が無ければ長続きしない、と事務総長は4日間に渡るフランス語を話す議会人の国際集会(OIF)へのメッセージの中で述べた。

コンゴ民主共和国、バングラデシュの軍隊、月曜にブニヤに最初の到着

 コンゴ民主共和国北東に駐留していた暫定多国籍軍の引継ぎのための最初の軍隊が月曜日にブニアに到着し始めた、と国連が発表。175人のバングラデシュの軍隊が、月曜日、最初に到着。今後3800人の分遣隊に先立って1665人のバングラデシュ軍が合流する予定。

国連、アフリカの指導者にエイズに対する本格的な対応を要求

 一日に1000人のエイズ死亡者が出ていることや6百万人の人が感染症による被害を受けていることを受けて、国連はモザンビークで開かれたアフリカ連合サミットにおいて指導者たちに感染症の防止と対策について取り組むよう要求した。

「今日のひとこと」 新概念

 緒方貞子著の「私の仕事」を読みました。そのなかでふれられていることなのですが、かつてインドシナ戦争で発生した大量のカンボジア難民をめぐる扱いについて、タイとの国境をまたいで大規模な難民キャンプをしくことになるのですが、難民の定義という点、国際法に定められた他国による内政不干渉という点から、当時難民高等弁務官だった緒方氏は批判を受けることになります。
 しかし国内紛争が主な問題となる国際状況、人権という概念を優先させようという国際風潮を追い風にして緒方氏は国連や国際社会から認可を取り付けることに成功します。ここではじめて、従来の国境を線(ライン)ではなく面(ゾーン)として扱うという新しい概念が認められることになるわけですが、こういったことは難民問題に限らず、さまざまな国際問題についても応用できると思います。
 時代の流れ、指導者の優れた人権感覚、現場から生まれた実践智、これらがうまくかみ合うようになった時、新たな有効手段が生まれ、国際問題のスムーズな解決が図られていくのだと思います。

 7月16日(水曜日) 山本

事務総長はサントメプリンシペでのクーデターを非難

 アナン事務総長は16日、サントメプリンシペで発生したクーデターを強く非難し、秩序の即時無条件の回復ならびに拘束した官僚の解放を要請した。

ブジュンブラから要員を撤退

 ブルンジの首都ブジュンブラ周辺で反政府勢力による衝突が発生、数10人が死亡、何千人もが避難をしていうるなか、国連は非必須の要員の撤退を決定した。

事務総長、ミャンマー外務次官と会見

 アナン事務総長は16日、国連本部でミャンマーの U Khin Maung Win 外務次官と会見し、同国の民主化リーダーのアウン・サン・スー・チー氏の安全と健康に対する懸念を表明し、早期の解放を要請した。

反政府勢力が新政府の一員に:DRC

 コンゴ民主共和国ミッションでは16日、新たな政府首脳の任命を明日にひかえ、4人の副大統領のうちこれまで反政府組織の指導者であった2人が参画するために首都に入った。国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)は同国の和平プロセスにとって歴史的なことであると歓迎した。

選挙支援チームをイラクに派遣

 事務総長特別代表のフィエラ・デ・メロ氏は16日、訪問中のシリアでアサド大統領と会見後、来年にイラクで実施する選挙を支援するためのチームを派遣することを発表した。

略奪されたイラクの核化合物は脅威ではない:IAEA

 国際原子力機関(IAEA)の査察チームが先月実施した現場検証の報告を提出し、略奪されたウラニウム化合物は少なくとも10キロと推定されるが、核の拡散という観点からは脅威ではないと発表した。

事務総長、米朝両国に平和的解決を要請

 アナン事務総長は合衆国と朝鮮民主主義人民共和国に対し、核兵器生産に端を発する情勢悪化の平和的解決を求めた。

ウリハムシ対策の合意に調印:FAO

 食糧農業機関(FAO)は16日、トウモロコシに巣くい、生産に対する脅威であるウリハムシ(western corn rootworm)を制御する活動のために226万ドルのプロジェクトを始動することを中東欧地域の7か国と合意に調印した。

グローバル・コンパクトの特別顧問を任命

 アナン事務総長はグローバル・コンパクトの特別顧問としてハーバード大教授であり、元国連事務次長(UN Assistant Secretary-General)の John Ruggie 氏を任命した。氏は事務総長にグローバル・コンパクトの活動全般についてアドバイスを行い、2004年6月に予定されている高官級指導者会議の準備、監督を行う。

「今日の一言」 − 「あなたが世界を変える日」 −

 最近、書店にいけば、おそらく新刊書のコーナーに表紙が絵本みたいな、『あなたが世界を変える日』(学陽書房)という本が積まれていると思います。これは1992年のリオで開催された国連地球環境サミットでカナダの12歳の少女セヴァン・カリス=スズキが行ったスピーチを翻訳したものです。
 日本における彼女の取り上げられ方はいかにも環境NGOが喜びそうな型にはまっていてやや鼻につく面もあるのですが、その内容は平易であると同時に、非常に考えさせられます。

 彼女は子どもの代表として、こう大人にお願いします、

“どうやって直すのか わからないものを、
 こわしつづけるのは もうやめてください。”

と。さあ、どう答えますか?

 彼女は大学を卒業し、NGO・Skyfish Projectを通して活動を続けているそうです。
(彼女については http://www.skyfishproject.org/skySevBio.html

 7月17日(木曜日) 阿部

事務総長、コンゴ民主共和国の4人の副大統領就任を賞賛

 アナン国連事務総長は、コンゴ民主共和国(DRC:the Democratic Republic of the Congo)に4人の副大統領が就任したことを、歴史的で画期的なことであると賞賛。

ハタミ大統領、イラク統治について国連の役割拡大が必要と指摘

 イランのハタミ大統領は、アナン事務総長の特別代表である Sergio Vieira de Mello 氏と会談し、イラクにおける米国等による統治について、国連がより大きな役割を果たすべきであると指摘。

安保理、エチオピアとエリトリア両国間の国境に関する合意を歓迎

 国連安保理は、国連エチオピア・エリトリア・ミッション(UNMEE:UN Mission in Eritrea and Ethiopia)の活動に関する最新の事務総長報告とエチオピアとエリトリア両国間の国境決定について最終合意に至ったことを歓迎。

中東和平プロセス特別調整官、イスラエル・パレスチナに相互信頼確立を要請

 ラーセン中東和平プロセス特別調整官(Special Coordinator for the Middle East Peace Process)は、イスラエル及びパレスチナに対し、和平へのモメンタム及び相互信頼を確立するよう要請。

「今日の一言」― 平和 ―

 ある新聞のコラムに、優れた哲学者、キリスト者であった森有正の「もしも真の平和を願うなら、「平和」という言葉から出発してはだめなのです」との言葉が紹介されていた。
 確かに、「平和」といい「人権」といい「文化」といっても、その言葉に内実を与えゆく行動がなければ、その言葉は、力を持たないし、悪くすれば、その言葉が一人歩きして、「真の平和」を見失わせることになる。
 「平和」といった普遍的理念に内実を与えゆく作業、すなわち、目の前で苦しむ一人の人間に正面から向き合い、同苦し、励ましていく中にこそ、意味のある、「平和」の基盤が出来上がるのだろう。

 私たちは、一度、「平和」という言葉を忘れた方がいいのかもしれない。

 7月18日(金曜日) 作増

アフリカの有名歌手 Cesaria Evora 氏、国連世界食糧計画大使に

 長年人道機関への協力を拒否していたアフリカの有名歌手 Cesaria Evora 氏が国連大使に任命された。氏は飢餓を撲滅していくため、主に学校給食プログラムを通して緊急食糧支援を必要としている4千万人のアフリカの人々への援助協力を行っていく予定。

アンゴラ難民、帰還への勢い増す

 数十年うちつづく内乱から逃れてきた40万人のアンゴラ難民の中で本国送還に向けた努力が勢いを増している中、先月隣国から帰還したアンゴラ難民は5300人以上にのぼる、と国連難民高等弁務官事務所が発表。

中国、事務総長に朝鮮核論争をめぐる成果を報告

 中国外交官は事務総長に、朝鮮民主主義人民共和国への中国特別使節団の訪問による成果を報告。これは核兵器製造に対するピョンヤン決議をめぐる平和的解決を図ったものであり、アナン国連事務総長は Zhang Yishan 大使との会見に臨み、外交的解決をめぐる中国のリーダーシップを賞賛した。

国連東ティモール支援ミッション、新指揮官任命

 アナン国連事務総長は国連東ティモール支援ミッションの平和維持軍新指揮官としてマレーシア出身の Khairuddin Mat Yusof 中将を任命した。Yusof氏は去年8月以来指揮官を務めたシンガポール出身の Huck Gim Tan 少将に代わって指揮官を務めることになる。

マンデラ氏85歳の誕生日を受け、事務総長より良き世界に向けて氏に倣っていく旨述べる

 ネルソン.マンデラ前南アフリカ大統領の85歳の誕生日に敬意を表して、アナン国連事務総長は、「人類に対する氏の貢献に対し真に感謝の意を表するにはただ誰もが日々の生活で氏に倣って働いていくことである」と述べた。

「今日のひとこと」 言葉による革命

 サラエヴォでの内戦が続いているとき、「サラエヴォ旅行案内」という一つのささやかな冊子が発行されました。これは世界的に有名なミシュランの観光ガイドブックの形式を真似ながら、実際は観光客などいるはずもない戦地サラエヴォの現地事情がユーモアたっぷりに書かれています。
 少し紹介してみると、「サラエヴォはやせた人ばかりだ。彼らなら最新のダイエット法について本が書ける。ダイエットに唯一必要なのは街を包囲させること。シェイプアップの秘策はそれだ。誰もがほっそりとしていた若い頃の服を着ている。サラエヴォ市民はおよそ4000トンの体重を減らした。彼らの挨拶はこうだ。気をつけてな!」

 多木浩二は自著「戦争論」の中でこの冊子にふれて、このジョークを悪ふざけではなくテロに打ち勝つための叡智であると評価したうえで以下のように語っています。

「ここから一つの教訓が得られる。権力の言説の罠にはまらないこと。戦争がこれこれの理由で生じたという権力の言説に対して反論するよりも、(戦争の現実を徹底的に知ることは必要だが)、それを超えて希望を見いだす言説を創造することがいっそう必要なのである。」

 戦争を引き起こそうとする権力の正当性を無化し、その愚かさを満天下に知らしめてしまうような叡智の言葉が民衆の中から生み出されていくことがいま最も求められていることなのかもしれません。言葉によって戦争を引き起こすことが可能ならば、言葉によって戦争を終わらせてしまうことも可能なのではないでしょうか。

 7月21日(月曜日) Tat

アナン事務総長、米軍占領の終結計画と共にイラク自治への早期復帰を要請

 国民の高まる不満を減少させたいのであれば、イラク人が自国を統治する日が早急に来なければならず、米軍占領終結にむけた具体的措置を含めた主権回復のための明確な計画表が不可欠である、とコフィ・アナン国連事務総長は最新の報告で言及。

リベリアは“希望と惨事”の狭間に、とアナン事務総長

 コフィ・アナン国連事務総長は、リベリアは“希望と惨事”の狭間にあると警告し、事態救援のための派兵が早急に求められる、と強調。

UNHCR、プントランドへのソマリア難民送還再開

 UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)は、ソマリア難民をケニアのダダーブ難民キャンプからソマリア北東部に位置するプントランドへの送還を再開。空輸資金不足により2ヶ月の送還活動を停止していた。

コンゴ民主共和国の国連ミッション、最近の二つの村での衝突事件を調査

 コンゴ民主共和国(DRC)で活動する国連ミッションは、情勢の不安定なブ二ア近郊の二つの村へ監視員を派遣。村で最近あった衝突事件の報告の調査を開始した。

腐敗防止条約成立への最終交渉、ウィーンで開始

 腐敗蔓延と戦うことを目的とした国連条約成立に向けた交渉が、ウィーンで最終段階を迎えた。110以上の国連加盟国が合意に達するため残りの相違点に関して討議する。

今日の一言: あなたの知らない人生

 国連ニュースもアフリカのニュースが多いので、ずいぶん前に、学生さんからお便りを頂いたのを思い出した。

「開発援助を勉強して、アフリカに行きたいです。いい方法を教えてください。」

 素直で好奇心にあふれ、快活な筆致がとても気持ちがよかった。伸びゆく学生との触れ合いはいつも楽しいものだ。
 こんな気持ちをもった青年が、どんどん増えて欲しいと思う。異国の人間に触れ、学ぶことは多い。世界には色んな人生がある。そう知っただけで夢はさらに広がる。しかし、悲しき境遇に苦しむ人々の人生を知ることもある。その時は心で涙を流す他は無いかもしれないし、十分な助けを与えられぬ自分の非力さが、ただ悔しいばかりかもしれない。しかしそんな経験も、人を助けるためには力が必要だということを学ばせてくれるし、目標を見出させてくれる。

「あなたの知らないところに
 いろいろな人生がある 
 あなたの人生がかけがえのないように
 あなたの知らない人生も
 また かけがえがない
 人を愛するということは
 知らない人生を知るということだ」

 大学時代、夏の陽射しの下、河原で読んだ灰谷健次郎の一節(「海に涙はいらない」収録)を思い出す。世界のニュースに触れ、世界を見聞しながら、その渦中にいる人の気持ちを感じ、共に喜び、共に胸を痛める。そんな豊かな感性を持った人の輪が、世界に広がることを夢見て、私は仕事をし、国連ニュースを読んでゆきたいと思う。
 今日はこの一言を書くのを励ましてくれた私の妹に感謝したい。

 7月23日(水曜日) 山本

イラクに医療物資搬入開始:UNFPA

 国連人口基金(UNFPA)はイラクにおけるリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)に関する医療サービスを復活させる努力を続けており、バグダッドにおける主要な産科病院とプライマリ・ヘルス・ケアセンターへの緊急支援物資の搬入を開始した。

[プライマリ・ヘルス・ケア]Primary Health Care
 地域社会または国が、開発の程度に応じて負担可能な費用の範囲内で、地域社会の個人または家族の十分な参加によって、彼らが普遍的に利用できる実用的で科学的に適正で、かつ社会に受け入れられる手順と技術に基づいた欠くことのできないヘルス・ケアのこと。

リベリア大統領のスイス銀行口座の資産凍結

 スイス法務省は23日、シエラレオネ特別法廷からの要請に従い、リベリアのテイラー大統領及びその近親者の銀行口座にある資産約150万ドルの凍結を行ったと発表した。

モンロビアの国連施設に多数の難民が保護を求めて押し寄せる

 リベリアの首都モンロビア周辺では反政府組織が攻撃を続けているため、何百人もの難民が保護を求めて、国連複合施設のある建物に押し寄せている。現地の国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のスタッフによると迫撃砲による攻撃で21日に数十人が死亡した模様。

カシミール地方におけるテロに懸念を表明:事務総長

 アナン事務総長は23日、最近頻発しているカシミール地方におけるテロ行為に懸念を表明し、インド・パキスタン両国に事態沈静化への努力を継続するよう要請した。

行方不明のアルバニア人遺体を本国に移送

 国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の行方不明者・鑑識部(OMPF;Office on Missing Persons and Forensics)が国連市民警察行方不明ユニット(MPU;UN Civilian Police Missing Persons Unit)・セルビア当局と進めているコソボ系アルバニア人の捜索で、Batajnica(セルビア)で確認された40体の遺体を本国に移送した。

アフリカ経済報告2003を発表

 国連アフリカ経済委員会(ECA;Economic Commission for Africa)は23日、報告書『アフリカ経済報告2003 (Economic Report on Africa 2003)』を30日に公表することを発表し、アフリカにおける農業取引改革の欠落が開発の遅れに影響を与えていると警告した。

 [報告書(PDF)] http://www.uneca.org/eca_resources/Conference_Reports_and_Other_Documents/ECAAnnualReport2003.PDF

サブサハラ地域で2,500万人に食糧援助が必要

 国連食糧農業機関(FAO)が23日に発表した最新の報告によると、アフリカ・サブサハラ地域の23か国で暴動・旱魃・国内避難・経済混乱のために緊急食糧援助を必要としている人が2,500万人いると指摘されている。

テロ対策委員会の報告:安保理

 安全保障理事会は23日、テロ対策委員会(CTC;Counter-terrorism Committee)からの直近90日間の状況報告を聞き、核・化学・生物兵器などがテロリストの手に渡らないような国際協力体制の増強を要請した。

 [テロ対策委員会 (CTC) ] http://www.un.org/Docs/sc/committees/1373/

中国雲南省で地震発生

 21日に中国雲南省でマグニチュード6の地震が発生、18,000万戸以上の家屋が崩壊し、少なくとも16名が死亡した模様。山岳地帯もあるため支援活動が難航しており、一部地域では馬でしか救援物資が運べないような状況である。

「今日の一言」 − 合衆国はドミノがお好き −

 合衆国がイラクを攻撃した背景の1つに、中東に親米の民主主義国家を1つ確保しておくと、それが橋頭堡となって順にこの地域全体がドミノの駒が倒れていくように民主化へとなだれ込んでいくという発想があるように思います。
 ところが、合衆国が「ドミノ理論」を言い出すのは今回が初めてではなくて、アイゼンハワー政権の時代にベトナムの共産化を許せば東南アジア全体が次々に共産化していくとの理由でベトナム介入が始まったのが最初です。結果はご存知のとおりです。

 イラクにしてみれば民主主義国家となるべき「解放」させられたわけですが、本当にイラク国民のためであったのかは、まだまだわからないことだらけです。

 “それにしても気の毒なのはイラクの民間人だ。彼らが最終的に「解放される」までには、これからまだずっと多くの苦しみを経験することになるだろう。”
(E.W.サイード;『裏切られた民主主義』;みすず書房)
 7月24日(木曜日) 阿部

ナイジェリア、リベリアに2部隊を派遣することに合意

 国連安保理、リベリア情勢を討議。同会合で情勢を説明した Jacques Klein 事務総長特別代表(Special Representative)によれば、同国への国際部隊派遣を求める声を受け、ナイジェリアが2部隊を派遣することに合意。

安保理、西アフリカ諸国経済共同体によるリベリアへの部隊の派遣を歓迎

 安保理議長は理事国を代表して報道声明を発表し、ナイジェリア部隊を含め、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS:Economic Community of West African States)による部隊の派遣を歓迎するとともに、国際社会に対し支援を要請。

子どもと武力紛争担当事務総長特別代表、リベリアへの国際部隊の緊急展開を要請

 子どもと武力紛争を担当する Olara Otunnu 事務総長特別代表(Special Representative for Children and Armed Conflict)は記者会見し、武装集団が国民を人質にとるなどリベリアが恐ろしい状況になっていると指摘し、同国への国際的な介入部隊の緊急展開を要請。

安保理理事国、キプロス紛争当事者に事務総長提案に基づく包括的解決を要請

 安保理議長であるスペインの Inocencio F. Arias 大使は、理事国を代表して報道声明を発表し、キプロス紛争当事者に対し、交渉を再開し、アナン事務総長の提案に基づく包括的解決を図るよう要請。

国連、国連レバノン暫定軍に関する事務総長報告を発表

 国連は、国連レバノン暫定軍(UNIFIL:UN Interim Force in Lebanon)に関する事務総長報告を発表。報告において、アナン事務総長は、イスラエルとレバノンが自制を働かせたことから撤退ライン情勢は比較的静穏であるが、両国間の緊張は依然高いとして、同軍のの任期の延長を勧告。

「今日の一言」― 自由の国リベリア ―

 今日(24日)のニュースは、大半が、その名も「自由の国」リベリア関係で占められてしまいました。残念なことです。

 リベリアは、19世紀初頭に、アメリカから解放された奴隷の移住地として発展、1847年にアフリカ最初の共和国として独立した国です。解放された奴隷はアメリコ・ライベリアンと呼ばれ、意識も生活様式もアメリカナイズされていたようですが、1980年に地元軍人のドゥ大統領の登場、89年の反政府軍の反乱蜂起、7年に及ぶ内戦と戦乱の時代が続きます。
 95年には、新たな和平プロセス日程に合意(アブシャ合意)、現職のチャールズ・テイラーが大統領に就任し、98年には国連監視団も任務を終え撤退したのですが、昨年、反政府勢力LURD(民主和解連合)が蜂起し政府軍との武力闘争が激化、今日に至っ ています。
 この7月26日はリベリアの独立記念日(156周年?)だったのですが、反政府勢力の攻撃によりここ8日間で1000人以上が死亡、同日、テーラー大統領は「国民のため、流血の事態が続くことをこれ以上許すわけにはいかない」と辞意を表明しました。更なる混迷は避けられそうにありません。

(関連情報)

 7月25日(金曜日) 作増

アンゴラ、100万人以上が緊急食糧援助必要

 およそ30年続いた紛争後、食糧生産が大幅に上昇したにもかかわらず、難民増加や復員兵の帰還などにより、アンゴラではいまだ100万人以上が緊急食糧援助を必要としている、と国連食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)が共同で特別報告を行った。

国連難民高等弁務官事務所、25000人のルワンダ人本国送還に同意

 ウガンダにおける約25000人のルワンダ難民が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とルワンダ、ウガンダ両政府との間で結ばれた三者間協定のもと自主的な本国帰還を開始した。しかしいまだに全難民の半数がアフリカに四散している状態。

前フィンランド首相、国連コソボ暫定行政ミッション新大使に

 アナン国連事務総長は国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK)の新大使としてフィンランドの前首相 Harri Holker 氏を指名した。氏は1987年から91年までフィンランドの首相を務め、また40年以上にわたって国内外の政治経済の分野における要職を歴任してきた。

リベリア、首都の戦闘激化に伴い数千人の命が危機にさらされていると国連警告

 首都モンロビア内外における戦闘の激化、国連施設付近への砲弾の落下をうけ、国 連人道問題調整事務所(OCHA)の Ali Muktar Farah 氏は、週を明けてもいまだ戦闘が収まらなければ、数千人のリベリア人が命を失うことになるだろう、と警告を発した。

国連使節団、暴動集会後の治安保証に向けグアテマラを訪問

 国連グアテマラ人権監視団は、政治集会で起きた暴動後、治安が人権尊重の厳格な要綱に沿って保証されるよう政府に対し緊急要請を発行した。国連グアテマラ人権監視団は、これらの暴力行為は死、侵略、脅迫などを招いてしまったが、これらは防ぎ得るものであり、また防ぐべきものであった、と声明を発表した。

「今日のひとこと」 目的と手段

 最近の国連ニュース上で見かける国内紛争の激化、難民の流出。また昨今ニュースを賑わせているテロ問題、アメリカの独断など、こういった大きな犠牲を伴う行為を決定した人に共通して見られる特徴として、「目的のためには手段は選ばない」といった信条があるように私には思われますが、果たしてこれは正しいことなのでしょうか?

 この点に関して、マハトマ・ガンディーが、目的のためなら暴力的手段を肯定するという青年とおこなった対話の中で興味深い発言をしているので、すこし紹介してみたいと思います。

「あなたは手段と目的との間にはなんら相関関係はないと信じていられるようだが、それは思い違いもはなはだしい。そうした思い違いをするものだから、宗教的と思われていた人たちまでが、とんでもない罪を犯してきたのです。あなたの論法は、毒草を植えても薔薇を花咲かせることができると言うのと同じです。・・・(中略)・・・われわれは、まさに蒔いたものを収穫するのです。・・・もしわたしがあなたから時計を奪おうと思うなら、きっとわたしは、そのために格闘しなければならないでしょう。あなたの時計を買い取ろうというのであれば、それ相当の額を支払わなければなりません。また、もし贈り物としてもらいたいのなら、そのことを懇願しなければならないでしょう。このように、私が採る手段によって、時計は盗品にもなれば、財産にも、贈り物にもなる。かくして、三つの相異なる手段から、三つの相異なる結果が生じたことがわかります。これでも、あなたはまだ、手段などはどうでもよいと言い張りますか?・・・」

「目的のためには必ず手段をえらばなければならない」

 指導者は必ずこの信条をもって意思決定をしていくとするならば、無駄な犠牲は無くなり、世界は真に人権尊重の世紀を迎えることができるようになるのではないでしょうか。

 7月28日(月曜日) Tat

リベリア反乱グループ、将来の指導的役割の資格を自ら失う、とアナン事務総長

 アナン事務総長はリベリアの首都モンロビアでの戦闘中止は尊重されるべきであると要求。致命的な武力行使はこの数週間の反乱軍からのものであるとし、主要な暴動的グループは将来のリベリアの指導的役割にたいする資格を自ら失っている、と語った。

安保理、コンゴ民主共和国(DRC)への国連軍派遣を延長・強化

 国連安全保障理事会はコンゴ民主共和国(DRC)への国連ミッションを更に1年延長、国連軍兵力を8700人から10800人へと増強、さらに同国東部のコンゴ武装グループおよび外国への武器禁輸を制度化した。

国連委員会、テロ脅威への無頓着を非難

 安保理によって設立された両委員会は重要な貢献をしたとしつつも、個々人はのん気に、国は無頓着になってきており、テロとの戦争にはまだ勝利していない、と安全保障理事会議長は表明した。

パレスチナ復興についてのアラブフォーラム、国連支援で準備会合

 占領されたパレスチナ地域の社会経済問題と窮乏につき、同地域の不安定な状況にもかかわらず国際社会で検討しつづける目的で、来年国際フォーラムへの準備会合を国連諸機関が協力して計画している。

イラク:国連特使、人権状況の改善を協議

 デメロ事務総長特別代表は、イラクの最新状況報告を安保理で行った後バグダッドに戻り、人権状況改善のための方途を協議するため非政府組織 Human Rights Watch の訪問団と会合。

今日の一言:I have a Dream!

 マーチン・ルーサー・キング博士の有名な "I have a Dream" スピーチから、まもなくちょうど40年を迎える。
 奴隷解放から100周年の当時、弱冠34歳のキング博士が25万人の聴衆の前で、「全人類の平等」「信念・信仰による闘争」という偉大なアメリカの夢、人類の夢を語ったのが1963年8月28日のことである。夢は語られたというよりも、そのスピーチはもはや雄叫びだといったほうがぴったりくる。16分38秒のスピーチの半ばでキングは原稿を横においてしまい、I have a Dream! と何度も叫び、世界中の人たちの心に灯を点した。
 その声の振動、万感の思いを込めた強さ、一人一人の労苦にしみわたるような思いやり、そして信念の存在に、魂が震える思いがするのは私だけではあるまい。当時の聴衆も割れんばかりの拍手と雄叫びで応えた。なけなしの金でやっと手に入れたそのテープを聞き、私も涙した。これこそが言葉を発するということだと教えてくれる、その簡潔かつ力強いスピーチを、みなさんもテープなどで是非聞いてみていただきたい。たった一人の偉大な夢と信念が、世界を変えたという偉大な史実を胸に刻みたい。

 「Now is the time! 今こそがその時だ!」とキング博士が叫んでから40年経った今、キング博士の夢は、現実のものとなっただろうか。キング博士が厳しい表情で、うなずくのが目に浮かぶ。しかし状況は完全には程遠い。
 では今、我々はどんな夢を見るのだろうか。そしてキング博士ならば、今どんな夢を、世界に向かって叫ぶであろうか。

 7月30日(水曜日) 山本

リベリア情勢に懸念を表明:事務総長

 アナン事務総長は、内戦によりきわめて危険な情勢になっているリベリア情勢について懸念を表明し、早急な国連による行動を要請した。同国では何万人もの人が国内避難しており、彼らに対する支援として準備されていた食料も底をつきかけている。

安保理、UNOMIGの活動委任期限を延長

 安全保障理事会は事務総長勧告を受け、国連グルジア監視ミッション(UNOMIG)の委任統治期限を6か月延長すると同時に、民間警察の強化を決定した。

ネパールの対立の永続的解決への努力を要請:事務総長

 ネパール政府と毛沢東主義の反政府グループの間の和平会談が難航している状況を受け、アナン事務総長は30日、両者に対し、対立の永続的な解決を見出す努力を続けるよう要請した。同国では1996年の衝突以来数千人の文民が亡くなっていたが、今年の1月になりようやく停戦合意が結ばれ、以降、和平会談が進められている。

イラク難民が帰還

 サダム・フセインの時代にサウジアラビアの砂漠のキャンプに追放され12年間すごしていた240名の難民が国連の支援でイラクに帰還した。今回の帰還は国連の支援による初めての帰還。ただし国連難民高等弁務官事務所はまだ数十万の難民の帰還準備が進められていないという警告も追加した。

国連議長、東ティモールから帰還

 今会期の国連総会議長である Jan Kavan 氏は30日、訪問していた東ティモールから帰還し、昨年5月の独立から、すべての局面で注目に値する進捗を示しており、非常に感銘を受けたと報告した。

子供の取引の非合法化を要請:ユニセフ

 ユニセフは30日、労働のための子供を取引に関する報告書『取引をやめよ!』("Stop the Traffic!")を発表し、最近増加している子供の取引をイギリス政府に非合法化するように要請した。
 【報告書】 Stop the Traffic! : http://www.endchildexploitation.org.uk/stopthetraffic/

国連大学がグローバリゼーションに関するフォーラム開催

 国連大学は30日、ユネスコと共同ですべての人類の利益となるグローバリゼーションを目指すフォーラム・「人間の顔をしたグローバリゼーション−すべての人びとのために(Globalization With a Human Face - Benefiting All)」を開催した。会期は2日間。
 http://www.unu.edu/hq/japanese/globalization-j/index2003.html

「今日の一言」 − 余裕 −

 先日、北海道大学での学会参加で札幌まで往復していたのですが、関西在住の私としては飛行機−まちがっても自家用じゃありませんよ−を利用しました。伊丹空港から新千歳空港まで1時間半前後で着くので、1月ほど前に旅行でヨーロッパまで行って帰ってきた身としてはあっという間という感覚でした。
 いつも飛行機や新幹線など、座席指定がされている交通機関になるときに気になっているんですけど、どうして、みんな、我先に乗ろうとするんでしょうね。自由席で席を取りたいのならともかく、いっせいに入って座ろうとするから混雑してかえって互いの行動がとりにくくなって余計に不便なのに、です。特に飛行機の場合はかなり時間的に余裕をもって搭乗案内しているのだから、なおさらです。精神的に余裕を持てば、空間的にも余裕が持てると思うんですがね。
 帰りの便でまともに団体客と同乗するはめになってちょっと辟易していたら、搭乗の際に、先に乗り込んだ方が自分の荷物を棚に入れようとして、まだまだ後ろの座席に行く旅客がいるにもかかわらず、ちょっと中断して通そうともしないという場面に出くわしてしまいました。
 すぐ終わるならまだしも、なかなか終わらない−どころか、「あんた、こっちに入れぇさ」とか相談を始めた−ので、私は「すみませんが、先に通していただけませんか?」と声をかけました。その方々は一向に動作をやめません。それに気づいた近くの乗務員も声をかけたのですが、それでも、変化なし。しかたがないので私はやや強い口調で「先に通してください」と言い、やや実力行使気味に足を進めました。それでやっと通路を空けてもらえました。
 自分の席についた私は、「なんでこう、オバチャンは集団になると周囲の状況が見えなくなるんだろう?」と思いつつも、ひょっとして自分が以前よりも気持ちに余裕がなくなったのだろうかという気もして、ちょっと考え込んでしまいました。

 7月31日(木曜日) 阿部

米国が安保理にリベリアへの多国籍軍派遣決議案を提出

 米国が安保理にリベリアへの多国籍軍派遣決議案を提出する一方、国連人道問題調整事務所(OCHA:the UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)によれば、リベリアの食糧/水供給事情等が極度に悪化し、人道援助活動が困難になっている状況。

安保理、西サハラ住民投票ミッションの任期を延長

 国連安保理は決議を全会一致で採択し、西サハラ紛争の政治的解決の必要を指摘するとともに、西サハラ住民投票ミッション(MINURSO:the UN Mission for the Referendum in Western Sahara)の任期を10月31日まで3ヶ月間延長。

国連、イラク統治評議会に対する政治支援を強化

 国連の人道援助諸機関が引き続き、イラクの治安の欠如に深く憂慮している中、国連は、イラクの新憲法の起草、選挙実施に向けて、イラク統治評議会(the Iraqi Governing Council)に対する政治支援を強化している。

旧ユーゴ国際刑事裁判所、セルビア系のボスニア人医師に終身刑を宣告

 旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY:the UN International Criminal Tribunal for the former Yugoslavia)は、セルビア系のボスニア人医者 Milomir Stakic に判決を下し、ムスリム系ボスニア人たちの殺戮や迫害した罪を問い、終身刑を宣告。

国内避難民担当事務総長特別代表、リベリアの国内避難民の状況に懸念表明

 国内避難民(IDPs:internally displaced persons)担当の Francis M. Deng 事務総長特別代表は、ジュネーブで声明を発し、リベリアの国内避難民が直面する状況の悪化に深刻な懸念を示し、その保護と支援のための迅速な行動を要請。

安保理、国連レバノン暫定軍の任期を延長

 国連安保理は、決議を全会一致で採択し、レバノン・イスラエル間撤退ラインの違反・暴力行為に深刻な憂慮を表明するとともに、国連レバノン暫定軍(UNIFIL:the UN Interim Force in Lebanon)の任期を2004年1月31日まで半年間延長。

アフガニスタン情勢に関する事務総長報告が発表

 アフガニスタン情勢に関する事務総長報告が発表され、アナン事務総長は、来年の選挙に向け和平合意実施は順調に進んでいるが、選挙を可能にする安全な環境はまだ整っていないと指摘し、国際社会に対し、今後数年間にわたって、安全に対する脅威に対処するよう要請。

「今日の一言」― Essence of Decision ―

 昨日日曜日は、梅雨も明けて強い日差しが照りつける中、2歳の息子を連れて久しぶりにプールに行きました。久しぶりだったもので、えらく日焼けしてしまいましたが、夜は、NHKスペシャル「核危機回避への苦闘“韓国”米朝のはざまで」や映画13デイズに、つかの間、日焼けの痛みを忘れほど見入ってしまいました。
 前者は、北朝鮮の核問題によって朝鮮半島情勢が緊迫する中、平和解決に向け模索を続ける韓国の2人の閣僚に密着取材したもの。後者は、言うまでもなく、いわゆるキューバ危機(1962年10月16日から28日の13日間)のケネディ大統領らホワイトハウスの人間模様を描いたもの。
 いずれも、外交上の緊迫する事態の中で、自ら正しいと信ずることのために戦う人間そのものに焦点を当てているという点で共通する内容を含んでいて、共感するところ大でした。

キューバ危機を扱った国際政治学の古典に、アリソンの『決定の本質』がありますが、北朝鮮を巡る緊張についても、近い将来に解決され、国際政治の内幕が、政治学のテキストの題材になる日が来るのかもしれません。

”対外政策問題の性格上、良識ある人間の間にも、問題をいかに解決するかについて根本的な相違が生ずる。問題の分析から相対立する勧告が生まれるし、特定の個人の責任分担が異なっているために、何を見、何を重要と判断するかについて各個人間に相違が生じてくる。
 しかし国家の行為は極めて重要なものである。選択を誤まれば、とりかえしのつかない損失を招く。かくして責任ある人々は自ら正しいと信ずることのために戦わざるを得ない。”
G. T. Allison (1971), Essence of Decision : Explaining the Cuban Missile Crisis,
宮里政玄訳 『決定の本質』中央公論社

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Updated : 2007/02/18