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Title : April 2003
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 4月 2日(水曜日) 文責:山本

4月は北朝鮮問題も扱う:安保理議長

 4月の安全保障理事会議長である Adolfo Aguilar Zinser 大使(メキシコ)は2日、安全保障理事会では引き続きイラク問題を扱うが、国際原子力機関(IAEA)からの報告を受け、北朝鮮情勢に関しても協議を行うと記者団に語った。

拷問犠牲者基金にもっと寄付を

 国連拷問犠牲者支援基金(UN Voluntary Fund for Victims of Torture)は2日、2003年の目標である1300万ドルの1割しか資金を確保できていないとし、さらなる資金拠出を呼びかけた。本基金は拷問の犠牲者及びその遺族への支援のために1981年に設立され、2002年だけで8万人の犠牲者に支援をしている。

イラク南部へ水の供給:ユニセフ

 暑さのためにイラク南部の子どもたちが犠牲になっているため、ユニセフはバスラの南の町 Safwan に水と緊急健康キットをトラック5台分(35,000リットル・1000人の3か月分の量)を搬送した。1日に Zubair という町についた運転手の話によればその周辺では約2万人がまだまったく支援を受けていないような状況であった。

イラクの情報提供者にはよい環境に:ブリクスUNMOVIC委員長

 国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は1日、国連ラジオのインタビューにおいて、イラクが国や秘密警察から解放されるにつれて科学者・軍・管理者などが罰せられる恐れなしに、(もし存在すれば)大量破壊兵器に関する情報を提供するようになるだろうと答えた。

ギニアにリベリア人難民が流入

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)からの報告によるとリベリア北東部で発生してた政府軍と和解民主リベリア人連合(LURD;Liberians United for Reconciliation and Democracy)の衝突のためにギニア国境付近のキャンプまで難民が流入している模様。現在把握されているだけで7,000人の規模である。

コンゴ民主共和国で包括的和平合意

 コンゴ民主共和国では2日、国内諸勢力が約5年の内戦を終結させ、共同政権の樹立と新憲法の制定に関する包括的な合意に達した。これに対しアナン事務総長はコンゴの人々にとって平和と和解に向けた最もよい機会だと賛意を表した。

コートジボアールでの新たな国連ミッションを提案:事務総長

 コートジボアールにおける様々な勢力が6か月の内戦の後遺症を乗り越えて国家を再建しようと朝鮮することを受け、アナン事務総長は和平プロセスの進展を支援する新たな国連ミッション・国連コートジボアールミッション(MINUCI;UN Mission in Cote d'Ivoire)の創設を提案した。

世界最大の同時レッスンを開催:ユネスコ

 ユネスコは「すべての人々に教育を」(EFA;Education For All)キャンペーンの一環として9日に世界の100か国以上からの参加で世界最大の同時レッスンを実施する予定であると2日に発表した。なおこれまでの世界記録は昨年3月に記録された英国での国語教室に28,801名が参加したもので、これはギネスブックにも登録されている。

資金拠出低減を警告:UNFPA

 31日に開催された人口開発委員会(Commission on Population and Development)の席上、国連人口基金(UNFPA)の Thoraya Obaid 事務局長は2001年の拠出額が2000年より減少しており、このままでは開発途上国に対する援助が低下し、1994年の人口会議(Population Conference)で採択されたカイロ行動計画が達成されないと警告した。

香港・広東への渡航延期を勧告:WHO

 世界保健機構(WHO)は2日、中国に端を発する重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行の危険のため、香港と広東への渡航延期を勧告した。中国国内では11月16日から1153人の患者を確認しており、そのうち40名が死亡している。世界全体では1日時点で17か国・1800人の患者、62名の死亡が報告されている。

「今日の一言」 − ヒュブリスの行く末 −

 古代ギリシアの詩人・ヘシオドスが残した説話の中に「5つの時代」があります。人類の種族にはこれまで金・銀・青銅・英雄・鉄の5つの種族があり、順に当初の輝きを失っていく…という話で、どこかで耳にされた方も多いかもしれません。その説話によると、第3の種族「青銅の種族」は、アレスの技(戦争)とヒュブリス(傲慢)の罪を行うことを楽しみにしていました。青銅の種族は頑丈で力が強く、誰も打ち負かすことができませんでした。が、この種族は自らの手によって滅び、ハデス(冥界)に入ってしまったとしています。

“かくも情け容赦なく、力はこれを所有する、あるいは所有していると思っているものを陶酔させる。力をほんとうに所有するものなどいない。”
S.ヴェイユ 『イリアス』 あるいは力の詩篇

 傲慢と武力でもってその力を鼓舞する者が、まさにその力によって滅ぶのは、神話の世界だけの話であるのか、それとも。。。。

 4月 3日(木曜日) 文責:阿部

事務総長、アルジャジーラのインタビューで停戦期待を表明

 アナン事務総長は、アルジャジーラ・テレビ(Al Jazeera television)のインタビューに応じ、イラク戦争がすぐに終わる見通しがあるとは言えないと指摘するともに、安保理によるアピールが停戦につながるよう期待を表明。

副事務総長、安保理の非公開協議でイラクの人道状況を説明

 フレシェット副事務総長は、安保理の非公開協議でイラクの人道状況を説明。協議の後、安保理議長であるAdolfo Aguilar Zinserメキシコ大使は理事国を代表し報道声明を発表し、イラクの人々に人道援助が届かないことに懸念を表明。

安保理議長、ブルンジ大統領から副大統領への権限委譲を歓迎

 安保理議長は、ブルンジのブヨヤ(Buyoya)大統領が、和平合意に従って5月1日をもって副大統領にその権限を委譲すると発表したことについて、報道声明を発表し歓迎の意を表明。

世界保健機構、「世界がん報告」を発表

 世界保健機構(WHO:World Health Organization)は、「世界がん報告」(World Cancer Report)を発表。報告は、がん罹患率は毎年50%拡大し、2020年には新たに1500万人ががんを患うと予測、煙草消費の削減、健康的な食事の促進など、世界的な公衆衛生の取り組みを要請。

国連、東ティモールにおける警察任務権限を同国当局に委譲

 東ティモールにおいて、国連は、警察任務権限を同国当局に委譲。今後、東ティモールにおける治安及び法執行は同国の警察当局が全責任を負うこととなる。

テロリズムを根絶する方法に関するアドホック委員会が条約草案に関する勧告

 テロリズムを根絶する方法に関するアドホック委員会(the Ad Hoc Committee on Measures to Eliminate Terrorism)は、テロリズムの定義など反テロリズム条約草案に関する論点整理や高級レベル会合の開催を勧告。

世界保健機構専門家、SARSが拡大している中国広東省に到着

 世界保健機構(WHO:World Health Organization)の専門家が 重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome)が拡大している中国広東省(Guangdong Province)に到着。

「今日の一言」― happy time? ―

 最後のニュースは、アジア各地で猛威を振るっている重症急性呼吸器症候群(SARS)について、WHOの専門家チームが広東省に入り調査を開始したことを報じてい ますが、なぜ、これほど対応が遅れたのでしょうか。
 SARSの最初の事例が発見されたのは、昨年の11月。中国当局も12月には新しいタイプの疾患の存在を認識していながら、3ヶ月以上も事態を放置していたことが、SARSの拡大を招いたと、中国政府への非難が高まっています。
 ワシントン・ポスト紙のインタビューに応えた中国当局者によると、1年で最もにぎわう旧正月(Chinese New Year)が近づいていたため、経済への影響を恐れたとのこと。呆れてものが言えません。似たようなことが日本でもありましたから、余計に悲しくなります。(http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A14967-2003Apr2.html

 "We didn't want to spoil everyone's happy time." これは広東省の保健当局者の弁ですが、表向きは "happy time" を装いながら、その実、破壊的な事態が進行している。これが現代社会の実相なのかもしれません。

 4月 4日(金曜日) 文責:阿部

国連児童基金事務局長、数千万の子どもたちが健康被害を受けていると指摘

 国連児童基金(UNICEF:the UN Children’s Fund)のCarol Bellamy事務局長は、世界保健デー(World Health Day)に当たり、毎年数千万の子どもたちが、搾取、虐待、暴力のために健康被害を受けていると指摘し、政府とコミュニティに保護を要請。

国連児童基金、女子の進学を促進するためのオンライン・キャンペーンを開始

 国連児童基金(UNICEF:the UN Children’s Fund)は、より多くの女子が学校に通うことのできるよう、欧州のエンターテイメント企業である Fox Kids Europe(FKE)と共同して、オンライン・キャンペーン "Go Girls! Education for Every Child" プログラムを開始。

人権委員会の年次レビュー、指導者が飢餓に無関心であることに懸念を表明

 人権委員会(the UN Commission on Human Rights)は、経済的、社会的、文化的権利についての年次レビューを開始。Jean Ziegler特別報告者は、世界の指導者が飢餓の実態に無関心であることに深い懸念を表明。

国連と南アフリカ政府、収賄に関する包括的な分析報告書を議会に提出

 国連と南アフリカ政府は、国民の10人に4人が汚職が最も重要な問題の一つであると考えていることを受けて、収賄に関する包括的な分析を行い、報告書を議会に提出した。

国連安保理、加盟国に反テロリズム報告書を提出するよう要請

 国連安保理は、反テロリズム委員会(CTC:Counter-Terrorism Committee)からの報告を受けた後、加盟国に反テロリズム報告書を提出するよう要請。これは、9.11同時多発テロを受けて採択された決議1373に基づくもの。

ミレニアム開発目標特別顧問、空前の人口爆発が最大の問題と指摘

 ミレニアム開発目標特別顧問(Special Adviser on The Millennium Development Goals)であるジェフリー・サックスは、空前の人口爆発は世界が直面している最大の問題の一つであり、人口政策が成功すれば、他の多くの問題の解決に繋がると指摘。

「今日の一言」― Are You Ready? ―

 米同時多発テロ以来、外務省から発出される「危険情報」が注目されています。最近では、SARS(重症急性呼吸器症候群)関連で、4月3日に香港及び中国広東省に 「渡航の是非を検討してください」が、翌4日には、マカオ、台湾、ベトナム(ハノイ)、中国(山西省)、シンガポール、カナダ(トロント)に一段低い「十分注意してください」が発出されています。当然、イラクには退避勧告が発出されています。(http://www.pubanzen.mofa.go.jp/

 一方、米国では、同時多発テロを受けて、ブッシュ大統領は国土防衛省を新たに創設、国家安全保障勧告シスム(The Homeland Security Advisory System)を整備し、常に米国におけるテロ攻撃の脅威のレベルについて、5段階評価するとともに、"Are You Ready?"と題する大部のガイドブックを公開しています。
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2002/03/20020312-5.html
http://www.whitehouse.gov/homeland/
http://www.fema.gov/areyouready/

 こうした警報システムを整備し、正確な情報を国民に知らせることは、国家の責務だとは思いますが、こうした警報システムが発動されなくて済むような世界を創ることこそ、大国の指導者の究極の責任だと思います。

 4月 7日(月曜日) 文責:Tat

アナン事務総長、イラク紛争後に国連の役割重要、と特別顧問任命

 紛争後のイラクにおいて、イラク人がその政治の将来を統制するのに必要な法的根拠をもたらすために国連が重要な役割を演じると予期し、アナン事務総長は今日特別顧問としてパキスタン人Ahmed氏を任命。国連を関与させて枠組みを描き、イラク危機の主要な参加者を訪問する。

国連援助機関はイラクでの大規模援助活動の厳然たる計画

 WHO(世界保健機関)、UNICEF(国連児童基金)、WFP(世界食糧計画)などの国連援助機関は困難と恐怖の動かし難い状況を描きながら、戦争でずたずたになったイラクでの大規模な人道援助活動が待っている、と強調した。

4千万人のアフリカ人が飢餓の崖っ縁に、安保理

 国際的な関心がイラクでの紛争による人道状況に集まる中、WFP(世界食糧計画)のJames Morris事務局長は今日安保理で4千万人のアフリカ人がさらにひどい飢餓の危難にさらされていることも忘れてはならない、と要請。

国連ILO職員、中国での職務中にSARSで死亡

 ILO(国連国際労働機関)の上級職員Pekka Aro氏が中国での職務中にSARSで亡くなった。SARS(重症急性呼吸器症候群)によりすでに世界中で90人以上が亡くなっている。

FAOがカリブでの最初のプロジェクトを立ち上げ

 飢餓撲滅のため基金を増加しているFAO(国連食糧農業機関)は今日、カリブでの食糧確保を促進するため最初の技術協力プロジェクトを立ち上げた。

今日の一言:次は北朝鮮?

 4月8日、9日の国連ニュースでも報道されていますが、今日国連安保理が北朝鮮核問題を議論。3ヶ月前にNPT(核不拡散条約)脱退を宣言してから3ヶ月が経ちます。4月10日には北朝鮮はNPTの履行義務を負わなくなります。
 北朝鮮はすでに「国連決議には従わない」と言ってしまいました。国連決議に従いIAEAの査察等を受け入れてもイラクと同じ運命だ、そんな疑心暗鬼があるのでしょうか。イラクと北朝鮮は歴史も宗教も全く違った国なのですが、重要な点で共通しています。それは、外国を信用せず国際的協調をしようとしていないこと、そして政治体制の自己改革が極めて困難という点です。
 それに対する米国の対応が重要。対イラクでは、イラクが国連査察にしぶしぶ応じていたのにアメリカは最後国連の枠組みを使わず。対北朝鮮では彼らが不可侵条約を求めて二国間交渉を求めているのにこれを拒絶、多数国間の枠組みで対応する、としています。つまり一貫していません。危機の高まりを極限でくい止めるために、私はアメリカと北朝鮮は二国間対話を行うべきだと思うのですが、今後のアメリカの出方は果たして、、。

 こうした文脈から見ると、北朝鮮の人民救済と体制破壊のため、というイラク攻撃同様の大義名分によって戦争、というシナリオが否定し切れません。「戦争は不可避でもないし、起こりそうでもないのだが、可能性は確かにある。」と国連事務総長特別顧問ストロング氏は記者会見で述べました(4月8日:http://www.un.org/News/briefings/docs/2003/storngbrf.doc.htm)。

 もちろん私はその最悪のシナリオを望まない一人です。北朝鮮核問題の対話と外交の力による解決、そして北東アジアの和平を切望してやみません。「イラク危機の結果として一つ良かったことは、北朝鮮問題の包括的・恒久的解決の道を用意したことだ。」とのストロング氏の言葉は、緊張がぎりぎりまで高まっていることを指摘すると同時に、最後の希望を見出しています。

 4月 9日(水曜日) 文責:山本

広東地域のSARS関連のモニタリング強化を:WHO

 中国で発生したと思われるSARS(重症急性呼吸器症候群)は監視と報告体制が準備されるなどようやく対策がとられ始めているが、世界保健機関(WHO)は9日、広東州の都市部以外の監視体制の強化を要請した。8日の時点で2,671名の患者が確認されており、うち103名が死亡している。

法と秩序の欠如で人道的な危機が迫る:イラク

 国連イラク人道調整官(UNHCOI;UN Humanitarian Coordinator for Iraq)は9日声明を発表し、イラクの各都市において略奪が横行し法と秩序が崩壊しており人道的な危機に陥っていると警告し、占領軍(the occupying military forces)が治安維持の機能を支援するよう要請した。

イラクに「国連にできることは何でも」支援を:事務総長

 アナン事務総長は9日、イラク情勢について声明を発表し、緊急医療支援を拡大するために国連にできることはなんでもせよ、と関係諸機関に要請した。

悪化するイラクの人道的状況に警告:国連人権高等弁務官

 フィエラ・デ・メロ国連人権高等弁務官は9日、イラク戦争における民間人の犠牲者の数の増加について報告し、その多さと支援から隔絶された子どもたちの運命について警告を発した。

イラクで増加するジャーナリストの犠牲を懸念:ユネスコ

 イラクにおけるジャーナリストの犠牲が増加している状況に対し、ユネスコの松浦事務局長は9日、懸念を表明した。

北朝鮮の核問題に関して協議:安保理

 朝鮮民主主義人民共和国の核非拡散条約(NPT)からの脱退成立期限前日の9日、安全保障理事会は同国の核問題に関して協議を開催した。

連日の空爆で被害者増大:ガザ地区

 8日夜の空襲でパレスチナ人7人が死亡、12人以上が負傷したばかりのガザ地区において9日朝早くにも攻撃がなされ、新たに7人が死亡した事態に対しアナン事務総長は深い懸念を表明した。

リベリア各地に支援の手が届かず

 国連人道問題調整室(OCHA)は、ここ数か月西アフリカで続いている暴力の波がリベリア全土を覆いつくしており、同国内の支援が必要な人たちに十分な援助が届いていないと警告した。町の東部で激しい戦闘が行われた Zwedru では、3月27日以降、その周辺で勤務していた人権活動家約200名の大半と連絡が取れないままである。Gbarnga という町からは約2万人、Ganta という町からは約3万人の住民が避難した。このようにアクセスが困難になっていることに加えて支援物資の枯渇という問題にも直面している。

「今日の一言」 − この戦争は終わることができるのか? −

 首都バグダットを始め、イラク国内の各都市が「陥落」して、合衆国はフセイン政権の崩壊を宣言(確かに報道官は "collapse" と表現)したわけですが、私はどうもいやな気がします。
 確かに英米が中心となってイラク全土にわたって攻撃をしている側が首都を制圧し圧倒的な力量の差で進撃してはいるのですが、戦闘における勝利がそのまま戦争における勝利とはなりません。なんらかの形で当事者同士が停戦協定を締結しない限り、戦争は終わったことになりません。ところが、今、イラク側の当事者(必ずしもフセイン政権を代表する者でなくてもその後継の政権と正統にみなせる相手であればいいのですが)がどこにいるのか、また誰なのかがわからない状況で、一方的に終結宣言はできても、実際には戦争を終わるに終われない危険性があるのではないかという気がするのです。
 「普通の」戦争とはそういうものだ、という私の「常識」がそう思わせるのかも知れません。しかしイラク側が焦土作戦をとり、「占領軍」が撤退を始めた、まさにその瞬間に反攻に転じる危険性−何しろ「停戦」してないことになるので−があるように思うのです。最近はイラク情勢ばかり報じられて、アフガニスタンのことなど忘れ去られているかのようですが、アルカイダ掃討作戦はまだ完了してないはずです。どれほど軍事的に優位に立とうとも、終わりようがないのと、イラクの状況は同様のような気がするのです。

 4月10日(木曜日) 文責:阿部

国連教育科学文化機関、イラクの文化遺産復元のための専門家会合を開催

 国連教育科学文化機関(UNESCO:the UN Educational, Scientific and Cultural Organization)は、イラクの文化遺産(cultural heritage)を復元するための緊急プランを検討するための専門家会合を来週にも開催予定。

事務総長、国連安保理がイラクの人々の福祉に責任を有すると表明

 アナン事務総長は、イラクにおいて政府が機能している様子がないと指摘するとともに、安保理は米英軍が制圧下に置いたイラクの人々の福祉に責任を有すると表明。

事務総長特別顧問、キプロス統合不成立の原因は政治的意思の欠如と指摘

 Alvaro de Soto事務総長特別顧問(Special Adviser)は、キプロスに関する安保理公開ブリーフィングにおいて、キプロス統合とEU加盟を可能にする合意が成立しなかった原因は政治的意思の欠如の問題が大きいと指摘。

後発開発途上諸国担当高等代表、列国議会同盟会合で演説

 後発開発途上諸国担当高等代表(OHRLLS:High Representative for the Least Developed Countries, Landlocked Developing Countries and Small Island Developing States)のアンワルル・カリム・チョードリ氏は、列国議会同盟(IPU:the Inter-Parliamentary Union)の第108回会合で演説し、各国の国会議員に対し、貧しい国々の議会制度を強化し、良い統治の実現を支援するよう要請。

国連難民高等弁務官事務所、リベリア内戦の激化により難民が帰還開始と発表

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR:the UN High Commissioner for Refugees)   は、リベリアの内戦が激化し、コートジボワールから同国に流入した難民たちが   祖国への帰還をはじめたと発表。

「今日の一言」― 文化を守るということ ―

 冒頭のニュースにもあるとおり、イラク戦争の結果、バグダッドなどイラクの主な都市の治安が悪化しています。略奪は国立考古学博物館にまで及んでいて、メソポタミア文明の貴重な展示品17万点が失われつつあるとのこと、心が痛みます。
 こうした事態を受けて、ユネスコの松浦事務局長は、11日に米英政府に書簡を送り、イラクの文化施設の保護対策を緊急にとるよう要請するとともに、周辺国に、70年の第16回ユネスコ総会で採択された「文化財の不法な輸入、輸出及び所有権譲渡の禁止及び防止の手段に関する条約」を尊重するよう求めています。
http://portal.unesco.org/en/ev.php@URL_ID=11158&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html
http://portal.unesco.org/en/ev.php@URL_ID=11238&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html

 第二次世界大戦においても、状況は違えど、ルーブル美術館の至宝がナチスの魔手に陥ちかけましたが、フランスには、それらを命がけで守り抜いた”文化の闘士”がいました。後にフランス学士院の会員となった芸術史家ルネ・ユイグです。ユイグは、芸術とは、目には見えない「人間精神」に「感知しうる外観を与えるための一つの巨大な努力」(「闇は暁を求めて」)であると語っていますが、文化・芸術の破壊は、即、人間精神の破壊につながります。国際社会は、イラクの人々の物質的な生活基盤とともに、精神の基礎を守り抜かねばなりません。

 4月11日(金曜日) 文責:阿部

国連安保理と地域諸機関、国際の平和と安全に対する課題に関する共同会合を開催

 国連安保理と地域諸機関は、「国際の平和と安全に対する新たな諸課題に直面して」("Facing New Challenges to International Peace and Security.")とのテーマの下、共同会合を開催。アナン事務総長は演説を行い、かつてなく不安定な世界において、人々や各国が国連に期待を抱いているとし、国連と地域機関に対し、国際法に基づいて平和を確保するという基本的な使命を果たすため、さらなる努力と協力を要請。

国連援助諸機関、援助活動が停止しないよう米英軍に速やかな行動を要請

 国連援助諸機関は、アンマンでの記者ブリーフィングにおいて、イラクにおいて法秩序の崩壊や略奪が人道状況に深刻な脅威を及ぼしていると強調し、米英軍に対し、一般市民への援助活動が停止することを回避するために速やかに行動するよう要請。

リベリアの2つの国内避難民キャンプ、武装グループに襲われ4人が死亡

 国連人道問題調整事務所(OCHA:UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)の発表によると、リベリアにおいて、2つの国内避難民キャンプが武装グループに襲われ、4人が死亡、千人単位の人々が避難。

事務総長、国連総会に対し国連開発計画事務局長の再任を承認するよう要請

 アナン事務総長は、国連総会に書簡を送付し、Mark Malloch Brownを引き続き、国連開発計画(UNDP:the UN Development Programme)の事務局長として承認するよう要請。

コンゴ民主共和国の政治移行支援のための国際委員会が初会合

 コンゴ民主共和国の政治移行支援のための国際委員会(the International Committee for Support to the Transition in DRC)は、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC:the UN Organization Mission in the DRC)の参加の下、キンシャサで初会合を開催。


◆「今日の一言」― Urbani SARS-associated coronavirus ―

 突然、長い英語名を見出しにしましたが、これは、米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に10日付で掲載された論文において、新型肺炎SARSの原因と思われる新種のコロナウイルスの名称として提案されたもので、日本語では「ウルバーニ・SARS関連コロナウイルス」ということになります。(http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/NEJMoa030781v2
 ここでウルバーニと冠してあるのは、新型肺炎を調査中に自ら新型肺炎にかかって亡くなられた世界保健機関(WHO)のイタリア人専門家、Carlo Urbani医師の任務に敬意を表して、その名前を戴いているのだと思います。
 ハノイで催された国連メモリアル・サービスでは、同僚の Jordan Ryan調整官が弔辞を述べましたが、その内容は、世界各地の第一線で命をなげうって国連の理想のために働く国連職員への賛辞と、イラク戦争以来勃興している「国連不要論」に 対する異議申し立ての精神に溢れています。(IHT紙に掲載;http://www.iht.com/articles/92680.html
 この弔辞は、次のような言葉で締めくくられていますが、世界で苦しむ人々のために命を捧げた一人の人生に思いをはせるとき、勇気づけられるのは私だけではないと信じます。

The testament Carlo leaves to his wife and
their young children is a world made better.
There is no finer legacy.

 4月14日(月曜日) 文責:Tat

事務総長、イラクについての首脳会議、欧州会議のためアテネへ

 アナン事務総長はヨーロッパ会議への招聘を受けアテネへ出発。イラクの開発・発展を含む多くの問題を協議するため、ブレア英首相、シュレーダー独首相、各国外務大臣等との首脳会議をもつ予定。

国連人権高等弁務官、「イラクでの国連の役割は米英軍の利益に適う」

 国連のフィエラ・デ・メロ高等人権弁務官は、戦後イラクの復興を国連主導で行うことは米英軍の利益に適うとし、当面米英軍は病院や人道援助施設を保護する義務がある、と語った。

事務総長特別顧問、戦後イラクでの対立を協議するためワシントンへ

 戦後イラクでの国連の役割につき枠組み作りをする事務総長最上級顧問が、ワシントンDCで米国政府高官と協議した。

国連援助機関、イラクでの支援活動に幾分かの進展、と報告

 国連の諸援助機関は主にイラク北部において活動に積極的な進展があったと報告。依然として無法状態が続いており国中の病院は完全に崩壊、もしくは不安定で遅々としかすすまない状態である。

世界の130万人が国連麻薬協定を支持

 十代青年の代表が国連麻薬委員会に署名簿を提出。麻薬協定を支持する60カ国以上からの130万人の署名である。

今日の一言:北朝鮮との対話実現へ

 12日土曜日に北朝鮮が、核問題解決に向けてアメリカが対北朝鮮政策を劇的に転換するなら形式にこだわらず対話できる、と表明し、日米韓は一様に歓迎しました。これは重大ニュースです。これまで北朝鮮は「アメリカが安全保障を脅かしているのでアメリカとの直接対話しかしない」との立場を主張していたのですが、これが突然変化し、多数国間の対話を受け入れる可能性を示したのです。これによってアメリカが主張してきた「多数国間外交による解決」に向け雰囲気が変わってきた感があります。すでに日本でも活発に報道されていますね。
 この背景としてイラクの敗北が北朝鮮を妥協に駆り立てた、と報じられていましたが、事情は簡単ではなく、ロシアと中国による外交が功を奏した面も大きいという分析もあります。また北朝鮮は多数国協議に日本とロシアは不要と言っていること、むしろ経済援助を期待してEUの参加を求めている向きもあることや、多数国間となると意志統一がむずかしく何事も決定するのに時間がかかってしまうこと、したがって多数国間協議開始は長い長いプロセスの始まりに過ぎず、二国間の交渉も依然として重要であることなど、今後注意して情勢を見てゆきたいところです。その文脈で、来月予定されている米韓首脳会談は、北風の力で押すタイプのブッシュ大統領と韓国で太陽政策を継承しようとしているノ・ムヒョン新大統領との始めての対談であり、注目されます。
 ニューヨークの長い冬(4月8日は大雪でした)もやっと終わり、春の陽気に桃の花などがちらほら見え始めました。冷戦で分断された最後の地、朝鮮半島にも、希望の春がやってくることを祈ります。

 4月15日(火曜日) 文責:けい

安保理、対アルカイダ制裁監視委員会の前向きな対応を評価

 安保理は、ビンラディン氏、タリバン、アルカイダに対して科された制裁の監視を行う、対アルカイダ制裁監視委員会の前向きな対応を賞賛し、加盟国に可能な限りテロ・グループやテロ行為と関係のある団体や人物に関するレポートを提出するように要請した。

OFF計画:イラクへの援助物資、4億ドル分を確認

 OFF計画('oil-for-food' programme)のイラク事務所は本日、先月28日の新たな決議を受けて45日以内で輸送できる4億ドル分の援助物資をこれまでに確認していると述べた。これらはイラクでの人道危機の悪化との勝負であり、他の6つの国連機関と協力して、特に優先順位の高い、食料・薬品・水などに関しては5月12日までには搬入を行いたい旨を述べた。

略奪による文化遺産の壊滅的な打撃を受け事務総長は文化遺産の保護を要請

 イラクの美術館・博物館などからの略奪行為による文化遺産の壊滅的な打撃を受け、アナン事務総長は本日、これ以上の略奪行為を防ぐための共同での保護と市民への略奪品の返還、そして周辺諸国へのこれらの盗難品の不正な流出を防ぐよう強く要請した。

UNESCOもイラクの文化遺産の保護を再度アピール

 UNESCOもまた、本日、拡大する博物館や図書館などでのイラクの文化遺産に対する略奪行為を早急に防ぐよう繰り返した。また、要請に応じて専門家による現地査察派遣の準備があることを明かした。

UNHCRの人道賞にソマリアで人道援助に従事するイタリア人女性

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、本日、30年以上に渡ってソマリアの国内避難民の人道的救援活動に従事してきたイタリア人女性 Annalena Tonelli 氏にナンセン難民賞(the Nansen Refugee Award)を贈ることを発表した。

国連人権委員会、パレスチナ・西サハラなどに関する決議を採択

 国連人権委員会(The United Nations Commission on Human Rights)は、自決権、人種主義・人種差別に関する課題に基づき、パレスチナ独立の再確認、西サハラでの住民投票(レファンダム)の支援、傭兵の使用禁止、宗教への偏見に対する遺憾についての4つの決議を採択した。

UNHCR、ギニアからのシエラレオネ難民の帰還へより一層の努力

 UNHCRは本日、シエラレオネ政府と協力して、ギニアにいるシエラレオネ難民の本国への帰還事業をより一層推進するための努力をしていくと述べた。

今日の一言 ネットジャーナリズム

 公私ともに多忙な時期をようやく脱し(たかなぁ)、配信に漕ぎ着けました。それにしても、15日はニュースが多く、全部で17件でした。ここではそのうち10件をヘッドラインとして取り上げ、7つを記事として載せました。結構私自身の関心が反映してしまったかもしれませんが、ご容赦の程を。

 湾岸戦争の際に、私たちはリアルタイムな映像をテレビ画面から見るという体験をしたわけですが、今回のイラク戦争において、それ以上に重要なことが起こっているかもしれないと、個人的に感じています。それは、表題にもあるように「ネット(Web)ジャーナリズム」というものです。
 湾岸戦争時の1990年代はじめと今回大きく異なるのは、そう、インターネットの急激な発展。私たちは、今、CNNやBBCだけでなく中東の新聞、現地の市民、ジャーナリスト、あらゆる人の意見をインターネットを通じて見ることができます。大手のマスコミでなくても衛星携帯電話と小型のノートPCがあれば個人ジャーナリストでも現地から情報を発信できるようになったわけです。
 だからといって、そういう人たちの情報が正しく、アメリカからの情報は操作されていると安易なことは言いませんが、これまでに比べて、更にいろんな角度から国際情勢を見ることができるようになったのは事実です。そういった潮流の中で、軍事専門家にそれらしいことを言わせるだけの日本のマスコミがなんだか「浮いて」感じられたような気がしました…あくまでも個人的な意見ですけど。

 4月16日(水曜日) 文責:山本

イラク問題についてヨーロッパ各国首脳と会談:事務総長

 アナン事務総長は16日、イラクの戦後復興に関する国連の役割について、英国のブレア首相を初めとするヨーロッパ各国首脳を会談した。

国連食糧支援、イラクに集中

 世界食糧計画(WFP)によるイラク支援の食糧運搬トラックが4つの方向から同国への搬送を始めた。東のヨルダンからは50台のトラックで1400トンの小麦を、西のイランからは5台のトラックで100トンの食用油を、北のトルコからは約100台のトラックで食糧が、南のクウェートからも5万トンの小麦粉を搬送する予定であ る。

中東和平の成功はイスラエルにかかっている:政治問題担当副事務次長

 Danilo Turk 政治問題担当副事務次長は16日、中東情勢について安全保障理事会でブリーフィングを行い、国連・EU・合衆国・ロシアの「4者(Quartet)」により提示されたロードマップの履行について、パレスチナ側は実行する準備を整えているため、その成否はイスラエル側にかかっていると強調した。

レバノン人抑留者の解放を要求:UNHCR

 国連人権高等弁務官事務所(UNCHR)は16日、イスラエルに対し現在抑留中の人々の即時解放を要請した。同時にチェチェン情勢に対しロシアの人権侵害に対しても警告を発した。

リベリア政府に文民の安全確保を要請

 マッカスキー副緊急援助調整官は16日、リベリアにおける国内避難民に対する攻撃が行われていることを避難し、紛争当事者たちに文民の保護を強く要請した。

北朝鮮・米・中の協議開催を歓迎:事務総長

 朝鮮半島情勢について、朝鮮民主主義人民共和国と合衆国・中国が多国間協議が開催されるとの連絡に対しアナン事務総長は16日、歓迎の意を表明した。

SARSの原因となるウィルスを特定:WHO

 世界的に猛威を振るっているSARS(重症急性呼吸器症候群)の原因について、これまで発見されたことのないコロナウィルスの一種であると特定した。4月15日の時点で3,235名に感染、うち154名が死亡している。

国連人口賞発表

 2003年の国連人口賞(The 2003 UN Population Award)の受賞者に、人口研究所(Population Institute)の Werner Fornos 所長とケニアの家族計画協会(the Family Planning Association)が選ばれた。  授賞式は7月に国連本部で行われる。

「今日の一言」 − Manifest Destiny −

 イラクにおける戦闘が一段落しても、合衆国はイラクで大量破壊兵器が見つからないばかりに「シリアへ持ち出した」とでも言い出しかねない雰囲気で、「次はシリアか」などという意見も飛び交っています。

 どうして、こう、アメリカはこういうことをしたがるのか…といろいろ考えていてふと、これは Manifest Destiny なのだという意識がどこかに潜んでいるのではないかという気すらしてきます。合衆国は歴史上初めて社会契約的に出来上がった国であり、過去と伝統を共有する人たちの集合ではなく、未来を共有しようと人たちの集合によって形成されている/されてきた国であるとみなしてよいと私は考えています。だからこそあの国はパワフルなのです、良くも悪くも。そして「人民の、人民による、人民のための政治を地上から絶滅させないため」なのも「神のもと」です。
 #リンカーンのいわゆる「ゲティスバーグ演説」にはそう書かれています。

 何かある種の宗教的使命感すら感じるのです。特に最近のアメリカの行動は。アメリカという国に自己相対化させるだけの健全な意識を働かせることが、世界の平和のために最も必要になってくるという危惧すら抱かざるを得ないというのが、最近の私の感想です。

 4月17日(木曜日) 文責:山本

悲惨なイラク各地の状況

 ユニセフの現地スタッフからの報告によると、現地の状況は「ひどい(horrible)」ものであり、ごみの収集がなされないために衛生状態が悪化して病気の危険が増していたり、病院で亡くなった人があまりに多いので庭に安置し、スタッフが埋葬しなければならなかった。特に病院では電力と浄水を除けば、液体酸素や抗生物質、麻酔薬なども欠乏している状況である。
 ある孤児院では子どもたちが白い紙に「私たちは孤児です。殺さないで。」と書いたものを持っていたという。

イラク北部で暴行が続発

 イラク北部で殺人や略奪、アラブ人に対する強制的な追放などが横行しているとの報告を受け、アナン事務総長は17日懸念を表明し、すべての人の基本的な人権を尊重するよう要請した。

イラクで略奪された遺産を回収するために禁輸措置を:ユネスコ

 ユネスコはイラクで発生した文化遺産の略奪の散逸を防ぐために、イラクからの緊急禁輸措置を講じて、発見次第保護するという方策を採るべきであると勧告した。その一方で、イラク国内における税関・警察署・美術商などが協力して遺産のリストを作成することを呼びかけた。

イラク戦争で生じた亀裂の解消を:事務総長

 拡大EU会議に参加したアナン事務総長は17日、欧州連合と国連はともに世界の利益のために働かなくてはならないと宣言して、イラク戦争によって生じた諸国家間の亀裂を修復することが肝要であると語った。

イラク制裁解除の決議案は未提出:安保理

 安全保障理事会の Adolfo Aguilar Zinser 議長(メキシコ)は17日、報道陣に対し、イラクに関する決議については熱心な討論が行われているが、イラクに対する制裁を解除するとの決議案については上程もされていないが、来週には提出されるであろうと語った。

イラク問題・SARSなどの影響でアジア・太平洋地域の経済成長が鈍化

 国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP;Economic and Social Commission for Asia and the Pacific)は17日、2003年の同地域の経済成長見通し("Economic and Social Survey of Asia and the Pacific 2003")を発表し、今年の第1四半期におきたイラク戦争とSARS騒動のために下方修正を余儀なくされ2%の成長にとどまると指摘した。

19日にナイジェリアで大統領選挙

 国連開発計画(UNDP)は17日、ナイジェリアにおける大統領選挙を効果的に実施するための支援のために1050万ドル規模のプロジェクトを実行すると発表した。4月19日に、ここ20年で初めてアフリカで最も人口稠密な国で文民の政府による投票が実施される。

国連の仲介で民兵組織同士が撤収:アフガニスタン

 敵対関係にある民兵組織同士が先週の木曜日に武力衝突したアフガニスタン北部の Maimana 市から国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA;UN Assistance Mission in Afghanistan)の仲介により撤退することに合意した。

中央アフリカ共和国で政治的な進歩

 中央アフリカ共和国における政治的な情勢が極めて進展していることを受け、安全保障理事会は、早期の選挙実施を含めた国内の対話の推進計画の強化を強調した。また、国連中央アフリカ平和構築事務所(BONUCA;UN Peace-Building Office in the Central African Republic)への支援を確認した。

権力委譲が進む一方で懸念すべき事態も:コソボ

 アナン事務総長は17日、コソボ情勢に関して最新の報告を行い、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)からコソボ人による統治への移行が進められているが、当地の指導者が国連の決議に反する立場を採ろうとしていることが懸念の種であると指摘した。

パレスチナ再建へ国際フォーラム開催を勧告:ESCWA

 国連西アジア国連経済社会委員会(ESCWA;UN Economic and Social Commission for Western Asia)は17日、閣僚級セッションを終え、パレスチナの再建と再興のためにアラブ圏の国際フォーラムの開催を勧告した。

国連人権委員会が年次会合

 国連人権委員会は年次会合を開催し、朝鮮民主主義人民共和国・トルクメニスタン・ミャンマーにおける人権蹂躙に対する懸念を表明する決議を採択した。

国連麻薬委員会の年次総会開催

 国連麻薬委員会(UNCND;UN Commission on Narcotic Drugs)の年次会合が17日ウィーンで開催され、不正薬物使用問題が世界的に健康や開発、安全に対する脅威となっており、これらを取り締まる措置の強化を勧告する決議が採択された。

事務総長、欧州各国を公式訪問

 アテネにおいてイラク問題に関するヨーロッパ首脳会議に参加しているアナン事務総長は、来週以降にオーストリア・スイス・フランスを公式訪問する予定。

「今日の一言」 − 「やられたら やりかえせ」か? −

 普段木曜を担当している阿部が多忙のためピンチヒッターで配信しています。予定では来週の木曜日も代配の予定ですので2回分を使ってちょっと読者に仕掛けておこうかなと思います。今回は宿題を出しておきますので、次週の木曜の配信までに考えておいてくださいね。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆
 あなたの子ども(子どもがいなければ、いとこでもいいですが、とにかく近親の小学校低学年くらいの子ども)が、どうも学校でいじめられてきたようです。
 さて、あなたは子どもにどう言いますか?

 「どうしてやりかえさないの?」 ですか?
   …ということはあなたは暴力を肯定するのですか?
 「どうしてイヤって言わないの?」 ですか?
 「やられたら自分も痛いけど、そのお友達の心も痛いんだよ」 ですか?
   …そう言えばいじめられなくなるのですか?

 闘争か逃走(fight or flight)という選択肢でいいのですか?
(以下、来週号に続く)
 あらかじめ書いておきますが、これには「正解」はありません。考えてもらうことに意味があります。

 4月18日(金曜日) 文責:Jo

黒海沿岸諸国の協力の質こそ合意達成に重要

 黒海沿岸諸国が、欧州及び世界の貿易体制への参加を求めて努力しつづけているが、広い範囲の問題を扱う上で、国家間の協力の度合いこそが、目標達成のうえで重要な要素になる、とアナン事務総長は述べた(18日アルメニアで開催された地域閣僚会議へのメッセージ)。
 事務総長は、黒海経済協力機構(BSEC;Black Sea Economic Cooperation Organization)が、組織犯罪、テロとの戦い、広範な経済、社会及び民主的改革に取り組んできた点を歓迎した。

世界保健機構、イラクの病院に対する略奪行為を懸念

 世界保健機構(WHO)は、バクダッドの主要な病院に対する略奪行為について、懸念を表明した。そこでは避難を余儀なくされた多くの患者らが、いまだに戻っていない。イラクの保健体制の状況改善に関する詳細な情報に基づいた新しい評価によれば、Yarmouk病院の700以上のベッドが略奪されており、わずか1割の職員だけが未だにそこで働いている、とWHOは報じた。

 4月21日(月曜日) 文責:Tat

国連援助機関がイラクの医療関係者を賞賛

 国連援助機関は、破壊と略奪にもかかわらず働きつづけているイラクの医師、看護士、その他の医療関係者を賞賛。一方機関は人々に食糧を供給し国家のインフラを建て直す任務の膨大さも強調。

イラク紛争後、行方不明クウェート人の確認に希望、事務総長

 アナン事務総長は安保理での最新報告を受け、1990年のイラクによるクウェート侵攻以来行方不明となっているクウェート人およびその他の国民は、現下のイラクでの紛争の後速やかに確認されるであろうと希望を表明。

国際刑事裁判所の初代検察官選出

 世界で最初の戦争犯罪のための裁判所を支持する国々がニューヨークの国連本部に参集、全会一致でアルゼンチンの傑出した弁護士 Luis Moreno Ocampo 氏を初代検察官に選出。

事務総長ヨーロッパ訪問を続行、オーストリアに到着

 アナン事務総長はウィーンに到着、オーストリアの首脳への公式訪問を開始した。今週後半にはスイスおよびフランスで会合に出席する。

国連人権委員会が対策を採択:キューバ、ベラルーシ、ブルンジ、コンゴに

 人権と基本的自由の侵害状況の世界年次調査において、国連人権委員会はキューバ、ベラルーシ、ブルンジ、コンゴ民主共和国(DRC)での人権状況につき対策を採択。

 4月23日(水曜日) 文責:山本

シリアによるイラク難民の強制送還に懸念を表明:UNHCR

 ルベルス国連難民高等弁務官は22日、シリア軍がイラク難民キャンプから難民をイラク側に強制的に送還したことに対し懸念を表明した。
 4月13日には12人が、21日には23人が送還された。いずれもフセイン大統領の出身地ティクリート出身者であるという。平和に対する罪・人道に対する罪等を個人が犯している場合には難民条約は適用されないという、いわゆる「除外条項」があり、シリア側はこれを主張したが、亡命者と難民に安全な避難場所を確保する義務を果たさなくてもよいということではないと弁務官は強調した。

Oil-for-Food programmeが再開

 アナン事務総長は、3月17日に一時止められていたイラクの石油食糧交換プログラム(Oil-for-Food programme)の進展状況がここ数週間でかなり改善していることを期待すると語った。本プログラムによる食糧を唯一の食糧源としているイラク国民が60%いると推定されている。

国際的な支援要員が5週間ぶりにイラクへ帰還開始

 イラク戦争直前にイラクを離れた国際人道支援活動家が23日から、4週間ぶりに同国国内へ帰還を開始した。

コソボの権限委譲の終了に反対:安保理

 コソボでは国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)から現地指導者たちへの権限委譲が進められているが、依然としてコソボ自治州内での民族間の対話を支援する機関は必要であるとし、UNMIKの任務終了に対し反対した。

Ituri 地区に平和維持軍増派:MONUC

 国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)は23日、治安状態が悪い同国北東部、Ituri 地区周辺に対し、平和維持要員を増員すると発表した。

コートジボアールに人道特使を派遣

 コートジボアールにおける新しい長期支援計画の推進のために、 Carolyn McAskie コートジボアール危機事務総長人道特使(Secretary-General Kofi Annan's Humanitarian Envoy for the Crisis in Co^te d'Ivoire)が8日間の予定で同国を 訪問し、現在の人道的状況を調査する。

本は平和のための戦いで顕著な役割:ユネスコ

 世界図書・著作権デー(World Book and Copyright Day)を記念して、ユネスコの松浦事務局長はメッセージを発表し、本は文化の多様性の推進に不可欠であったとし、平和のための戦いで顕著な役割を演じていると強調した。

「小さい頃からの交流で相互尊敬と寛容を」

 23日にトルコで開催された世界子どもフェスティバルに対しアナン事務総長はメッセージを送り、小さい頃から異なった文化に触れることは相互の尊敬と寛容を身に付けるのに役立つであろうと、その意義を強調した。この子どもフェスティバルは1979年からトルコラジオが始めたもので、世界から子どもをトルコに招き、異なる文化の相互理解の推進のために行っている。

北京とトロントに旅行延期勧告:WHO

 猛威を振るっているSARS(重症急性呼吸器症候群)に対する予防措置として、世界保健機関(WHO)は23日、北京・上海・トロントへの旅行延期勧告を出した。期間は3週間で、これは最大潜伏期間の2倍である。22日時点で25か国、3,947名が感染し、そのうち5%が亡くなっている。

世界で広がる慢性病

 食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)は、世界でがん・肥満・糖尿病を原因とする死亡率が高まっているという状況を受け、飽和脂肪・砂糖・塩を抑え、野菜と果物を多く摂り、適度な運動をするダイエットに関する報告書「ダイエット・栄養と慢性病の防止(Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases)」を発表した。
 報告書によれば、心臓病や糖尿病・がん・肥満といった慢性病は一部の豊かな国における問題ではなくなって来ており、これらの慢性病の防止のためには1日の食事のうち脂肪を10%以下にし、野菜は400g以上摂ることが望ましいとしている。

「今日の一言」 − 紛争解決のモード −

 他人が紛争(けんか)をしていたら「対話で解決を」と普段言っている人が、自分の子どもがいじめられた時に「どうして、やられたらやり返さないの?」なんて言っているようでは、その言葉の重みはありません。
 自分の近親者が攻撃を受けたのなら、怒るのも反撃するのも当然だと思うのであれば、そこには対話の余地はないし、他人が攻撃を受けて怒っているのをみて「対話で解決を」なんて言うのは矛盾でしょう。
 では、「相手も苦しいのだ」と解釈しても、こちらがそう思って昇華するだけで、その相手は決して変わりません。

 このように通常の反応としては闘争か逃走(fight or flight)」という選択肢になってしまいがちで、きっちりと解決するという選択肢もあるはずです。

 紛争解決(Conflict Resolution)というのは、身近なところから、世界情勢まで、いろんな水準で成立する話です。それを感じて、実行できるようになれればいいですね。

 4月24日(木曜日) 文責:山本

職場での安全確保という文化の定着を:ILO

 国際労働機関(ILO)は24日、職場における安全と健康に関する世界デー(World Day for Safety and Health at Work)に先立ち、報告書「みんなの安全」(Safety in numbers)職場での安全確保という新しい文化の定着を呼びかけた。報告書によれば、職場における事故や職業が原因と思われる病気で毎年約200万人が死亡、12億5千万ドルの経済損失が出ていると推定されている。

アフガニスタンにおける雇用機会増加を支援

 国連諸機関はアフガニスタン政府を雇用機会の増加という側面で支援を強化した。国連プロジェクトサービス機関(UNOPS;UN Office for Project Services)は世界銀行の資金を基に公共事業省と協力して労働集約的な仕事の雇用を増大させた。一方世界銀行と財務大臣はさらに国家緊急雇用計画(NEEP;National Emergency Employment Programme)を進めるための合意に先週署名した。

イスラエルで自爆テロ

  イスラエルの町 Kfar Sava で24日に自爆テロが発生し、1名が死亡、少なくとも13名が負傷したことに対し、ラーセン中東和平プロセス特別調整官は非難するとともに犠牲者の遺族に哀悼の意を表明した。

石油食糧交換プログラムの期間を延長

 安全保障理事会は24日、石油食糧交換プログラム(Oil-for-Food programme)の期間を6月3日まで延長することに全会一致で決定した。

UNEPがイラクへの緊急行動を要請

 国連環境計画(UNEP)は24日、イラクの環境の状況に関する報告書を発表し、戦後イラクの環境保護のための緊急行動を要請した。報告書について調査責任者の Pekka Haavisto 氏は「イラクにおける環境問題の多くは緊急を要し、即時の調査と浄化が必要である」とし、同国の持続可能な回復のためには統合された援助が必要と指摘した。報告書では、浄水供給やごみ処理施設が破壊されて公衆衛生が確保されていない場所への支援とともに、劣化ウラン弾の処置についても指摘している。

湾岸戦争時の行方不明者の探索を要請:安保理

 安全保障理事会は24日、全ての国・国際機関・個人に対し、1990年のイラクのクウェート侵攻で行方不明となったクウェート人を中心とする605名の行方の探索を要請した。

パナマ当局はコロンビア難民を強制追放

 21日にパナマの町 Alto Tiura の郊外にパナマ当局によって109名のコロンビア難民が強制的に放置されことに対し、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は非難した。UNHCRが難民にヒアリング調査したところ、パナマ軍兵士が、より安全な地域に移送するとのことで来た時に移動を拒否したら強制的にヘリコプターに乗せられた模様。しかもこの移動が自発的なものであることを示す書類への署名を強いられた。

ICTRの暫定判事を指名

 アナン事務総長は24日、ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)の暫定判事(short-term judges)の候補者35名のリストを安全保障理事会に提示した。裁判所規定では候補者の数は36名でなくてはならないため当初の期限を延長していたが、不足のままである。

事務総長、人権委員会で演説

 アナン事務総長は24日、ジュネーブで開催された国連人権委員会で演説し、戦争・テロ・政治的暴力によって人々の生命が奪われることが多くなり、人権委員会の使命はより重要となってきたと強調した。

事務総長、欧州滞在予定を切り上げ

 アナン事務総長は24日、イラク及びコンゴ民主共和国情勢を鑑み、欧州における予定を切り上げ、国連本部のあるニューヨークに引き上げた。

UNODCとASEANが薬物と犯罪に関して共闘

 国連薬物犯罪事務所(UNODC;UN Office on Drugs and Crime)と東南アジア諸国連合(ASEAN;Association of Southeast Asian Nations)は共に不法薬物と犯罪に関して協力するための包括的な協力に関する合意に署名した。

「今日の一言」 − 充分に検討せずに悪ときめつける性急さ −

 今週の木曜日も先週に引き続き、阿部のピンチヒッター(んー、打つわけじゃないのにな)で山本が配信しています。

 さて。
 News Week 誌は毎号、最初のページに風刺漫画が描かれているのですが、今週号はイラクで相変わらず大量破壊兵器(もしくはその存在の証拠)が見つからないことを踏まえて、ラムズフェルド長官が「大量破壊兵器の跡が発見された。しかし略奪された後だった。」とコメントしているものでした。
 どこの雑誌か失念しましたが、「そのうちに、米軍は自国の大量破壊兵器を持ち込 んで『ついに発見した!』と自作自演するんじゃないか」という主旨の漫画もありま したね。
 当初のイラク戦争の原因(?)だった、大量破壊兵器が見つからない限り、攻めた 側の「正当性」は確保されないのですが、いったいどうするつもりなのでしょう。

“充分に検討せずに悪ときめつける性急さは、傲慢と怠惰のあらわれである。
人は罪人を見つけようと欲して、罪状を検討する労を厭うのである。”
(ラ・ロシュフコー箴言集 267)
 4月25日(金曜日) 文責:Jo

ユニセフ・WHOがマラリアとの闘いに資金増を要求

 毎日、3000人以上のアフリカの子どもが死んでいるようにマラリアの死傷者数が依然として「異常に高い」ことに注意を喚起して、このたび二つの国連機関が、最も危険な状態にある人々に新しい効果的な治療を施すための資金を緊急に増やすよう、地球社会に向けて要請した。マラリアは、30秒に一人のアフリカ人の子どもを殺しており、依然として妊婦と新生児の健康に対する最大の脅威のひとつである、とユニセフのCarol Bellamyは言う。ユニセフは、WHOとともにアフリカ・マラリア・リポートを作成した。

マダガスカル南部で干ばつ、飢えにより数千人が避難

 世界食糧計画(WFP)は、マダガスカルにおける同機関の支援活動への後援を資金提供者に訴えた。マダガスカルでは、干ばつの悪化と栄養失調の増加で、数千人の人が食糧、水、仕事を求めて、南部地域の街から逃れざるを得なくなっている。

東ティモールがESCAPに加盟

 東ティモールは、このたびアジア・太平洋における協力と統合を通じた経済的社会的発展の促進に責任を有する国連の地域部門への加盟が認められた。バンコクにある国連アジア・太平洋経済社会委員会(ESCAP)は、東ティモールを完全なメンバーとして全会一致で承認した。

WFP、イラクへの新しい食糧輸送路を開通

 学校再開への援助の誓約や、国外への難民流出のための緊急準備から、その後の50万人の本国帰還に焦点が移るなかで、このたび世界食糧計画(WFP)は、イラクへの第4の食糧輸送路を開通した。

NPT再検討準備委員会、テロを懸念

 2005年の核不拡散条約(NPT)再検討会議のための準備委員会が、核物質が犯罪者やテロリストの手に落ちることに対する懸念の下に、月曜から二週間の会期をジュネーブで開催する。

国連拷問禁止委員会が、2003年次会期を開催

 国連拷問禁止委員会が、ジュネーブで第13年次会期を28日より開催する予定。委員会は、月曜、ジュネーブのウィルソン宮にて、二つの定期年次会期の一つ目を開催する。拷問行為を禁止し、処罰するための措置を検討する予定。

事務総長、東ティモールミッションの一年延長を要請

 アナン事務総長は、安保理に対して、国連東ティモールミッションの任務をもう一年延長するよう訴えた。東ティモールの安全状況の悪化が続くという。

国連持続可能な開発委員会、2003年会期をスタート

 国連持続可能な開発委員会の第11会期が、28日より5月9日まで国連ニューヨーク本部で開催される。持続可能な開発の三つの側面(経済成長、社会開発、環境保護)を統合する方法が検討される。

ベトナム、SARS封じ込めに成功

 ベトナムでは、SARSの新症例が17日間発見されておらず、この状態が4月30日まで継続すれば、ベトナムは、この病気を封じ込めた最初の国となると、WHOが報じた。 WHO/SARS

「今日の一言」〜二人のメッセージ〜

 先週、米英の武力行使に反対する二人の有名人の日本に対するメッセージに、ふと遭遇し、びっくりすることがありました。

■「SmaStation-2」に出ていたマイケル・ムーアのメッセージ

 「…日本で『ボウリング・フォー・コロンバイン』と『アホでマヌケなアメリカ白人』に対する反響が凄いってことにね。日本は完全に変わった。いつかアメリカが日本の足跡をたどることを願うよ。50年やそこらで変わったんだ。暴力が物事を成し遂げる手段だと信じていた国から、非暴力こそ世界が進むべき方向だと信じる国へ。我々がもっと日本人のようになりたいと願えばアメリカもいい国になると思う。日本が世界にしてくれたことに対して本当に感謝している。」
http://www.tv-asahi.co.jp/ss/72/michael/top.html

■オックスフォード大学ヴォーン・ロウ教授のメッセージ

 「…国際法システムは、恣意的でないだけでなく正統なものと見なられなくてはならない。そのためには、ある国には法を適用するが、ある国に対しては恒常的に違反を見逃すというようなダブル・スタンダードは認められない。例えばアフガニスタンであろうとイラクであろうと、イスラエルであろうとアメリカであろうと暗殺による政策の遂行は、人権基準とは両立しないものとされるべきだろう。それは法の支配の礎ですらある。ルールは恣意的に適用されるものであってはならない。…
 …国家は、われわれがともにこの地球を分かち合っているすべての人々に本当に何を必要としているのかを振り返って考え直さなければならない。そして、国際システムが実体的な正義をもたらすものかどうかを問い直さなければならない。日本は、こうしたプロセスにおいて、重要な役割を果たすのに絶好の地位にいる。日本には、高度の影響力、経済力、そして洗練された外交力があり、非常に能力の高い外務省を持ち、超大国の勢力圏から独立を維持している。今こそ、日本は自らの国際的な利益のためだけでなく、法の支配と国際システム全体のために、国連においてその影響力を行使する時である」(『外交フォーラム』177号(2003年4月))

 日本への痛いほどの期待、それとは裏腹の政府の行動、それに対する私の力のなさ。思わず私は恥ずかしさを覚えました。そんな私に友人が教えくれた言葉―
「微力だけど無力ではない」。

 4月28日(月曜日) 文責:Tat

国連食糧援助がイラクに集結、医療援助も奔走

 国連援助機関の報告によると、来月イラク国民27百万人の食糧を確保するため中東に食糧援助が集結。一方、現地の医療チームも国中に必要な医療供給に奔走している。

ベトナムはWHOのSARSリストから除外

 重症急性呼吸器症候群SARSが最初に認定された国ベトナムが、地域感染のリストから最初に除外される、と国連WHOが発表。

情報委員会、国連が重要とのメッセージを送るよう要請

 国連は重要であり、その発言は人々と文化がますます分断されている今、耳を傾けられなければならない、との強いメッセージを情報委員会は国連総会と世界に送らなければならない、と広報担当事務次長 Shashi Tharoor 氏が要請。

国連高等人権弁務官、拷問(Torture)の定義を拡大

 国際協定上の拷問(Torture)の定義が曖昧であると言明し、弁務官事務所は拡大定義を提示する予定、と国連高等人権弁務官が語った。その定義はどのような行為が迫害に当たるか、どのような行為が容認できないものであるか、はっきりと赤線を引くものである。

全人類のために持続可能な開発を保証する具体的行動を国連機関に要求

 国連の重要な持続可能な開発会議開催のためニューヨークに世界の環境・資源大臣が参集した今日、国連上級職員が全ての人々のために責任ある繁栄を達成にむけて具体的な行動が取られなければならない、と強調。

今日の一言:危機 − 危険と機会

 北朝鮮の核兵器問題は危機の度を高めています。
 4月28日付ウォールストリートジャーナルの報道によれば、北朝鮮はすでに核兵器を保持していることを自慢しそれを使用することも示唆して「悪の枢軸」としての足場を固めている、と書き出し、武器管理はもはや見せかけだけで機能しないことは 過去が証明している、として危機の高まりを強調しています。
 一方韓国のメデイアのトーンは私の興味を引きました。問題の北朝鮮の発言は1991年の朝鮮(韓)半島非核化宣言に違反していると非難し、先週行われた閣僚級会談でも問題にしたのに、正面から取り上げられなかった。にもかかわらず、北朝鮮の脅しをも含んだ提案が他方で核問題の一括妥結案を提示しているとも取れる、と報じられているのです。

 「危機(Crisis)」という言葉は漢字では「危険(Danger)」と「機会(Opportunity)」とから成ります。危機的状況の中で、危険だけでなく機会を見出すという発想は非常に東洋的なのかもしれません。南北朝鮮(韓)半島の問題は民族の悲願であり、何が何でも平和的に事態を打開するという執念すら感じます。韓国の新政権で賛否両論の「太陽政策」が継承されたのはひとつの勇気であると言えないでしょうか。アメリカでは、そんな見方は期待感によるものだ、と批判されている向きもありますが、私は希望というのは意志の力でつかみ取るものであると思います。
 そもそも現状の危機が国の指導者の意志で創出されたものである以上、意志の力で危機を乗り越えられないことはないでしょう。その意味からも、これ以上ないという緊張の中で希望を見出そうとする意志の力で、平和への悲願が無血で成就することを祈りたいと思います。

 4月30日(水曜日) 文責:山本

中東問題解決のためのロードマップを提示

 中東問題に関する4者(The diplomatic Quartet;国連・合衆国・ロシア・EU)は30日、中東問題の恒久的解決のためのロードマップを提示した。

中東和平「ロードマップ」を歓迎:事務総長

 中東問題解決に向けた「ロードマップ」の提示を受け、アナン事務総長は歓迎の意を表明し、イスラエル・パレスチナ双方に対し、実現への方途は困難かも知れないがその履行に協力を、と要請した。

事務総長、パレスチナの新首相就任を祝福

 アナン事務総長はパレスチナの立法委員会(Palestinian Legislative Council)がパレスチナ政府の首相(Prime Minister of the Palestinian Authority)として Abu Mazen 氏が就任したことを祝福し、イスラエルとの協力の下、「ロードマップ」を履行して平和と安全の確保していくことへの期待を述べた。

国連人権高等弁務官、テルアビブの自爆テロを非難

 30日の早朝、テルアビブで発生した自爆テロによって3名が死亡、50名が負傷したことに対しフィエラ・デ・メロ国連人権高等弁務官は、無辜の市民が繰り返し犠牲になっていることを非難した。

事務総長、イラクの戦後処理について安保理の団結を要請

 アナン事務総長は30日、安全保障理事会に対し、イラクの処遇をめぐって過去において相違が見られたが、同国の復興に関しては団結して事にあたってほしいと要請した。同時に国連武器査察団の活動再開を要請した。

イラクで繰り返される略奪

 国連イラク人道調整機関(UNOHCI;UN Humanitarian Coordinator for Iraq)は30日、新鮮な食糧を供給するルートを確保し、イラク国内への支援活動を行う準備ができたと報告する一方、武装したグループが略奪した跡を復旧した設備などを再度武装グループが襲って略奪するなど、不安定な情勢が続いていると警告した。

イラクの略奪された文化遺産の回収で合衆国と連携:ユネスコ

 ユネスコは、イラクにおいて略奪された文化遺産を回収するために来月からイラク国内の博物館に査定ミッションを派遣するために合衆国と交渉を開始した。文化遺産の売買を防止するために、文化遺産のデータベースを構築することが急務である。

事務総長、ブルンジ情勢に懸念を表明

 ブルンジにおいて多数派のフツ族出身の大統領から少数派のツチ族出身の大統領に権力移行が進められるにあたり、停戦協定は結ばれているものの、不安定な環境であることに懸念を表明すると同時に、全ての勢力に対し戦争の停止と合意の履行を要請した。

コンゴ民主共和国で和平協定中に武力衝突

 コンゴ民主共和国の首都キンシャサで国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)仲介による、政府と反政府勢力との協議が開催中であるにも関わらず同国北東部で発生した武力衝突に対し、MONUCの Amos Namanga Ngongi 代表は遺憾の意を表明した。

コンゴ民主共和国で軍事裁判所が廃止

 コンゴ民主共和国政府は軍事裁判所(la Cour d'Ordre Militaire)及びそ付属の検察官事務所の閉鎖を発表し、これを受けて国連人権委員会は歓迎の意を表明した。

ウガンダで誘拐が頻発

 ウガンダの反政府勢力・LRA(Lord's Resistance Army)が同国北部で、停戦協定を破ったり、子どもや女性の誘拐を再開しており、これに対しユニセフは深い懸念を表明し、即刻の解放と治安の回復を要請した。対立が始まってから推定2万人(昨年だけで5千人以上)の少年・少女が誘拐され人間の盾または性奴隷として残酷に扱われている。また、停戦の破棄により再開された戦闘で80万人の国内避難民が発生している。

スーダン南部で水路を確保することに合意

 スーダン南部で対立を続けている政府と反政府組織・スーダン人民解放運動/軍(SPLM/A;Sudan People's Liberation Movement/Army)はナイル川を横断する水路を確立することに合意し、署名した。これにより同国南部への人道支援が可能になるとし、国連は歓迎した。これまでスーダン国内では20年以上も内戦が続いており、400万人以上が国内避難民となっている。

ブータンの「緑の廊下」保護へ

 国連開発計画(UNDP)とブータン政府は30日、ヒマラヤの森林と山地の生態系の保護と、絶滅の危機に瀕しているベンガルトラの保護のために、「緑の回廊(green corridor)」の維持・保護について協力することに合意した。

世界環境デーのイベントをレバノンで開催することを決定

 国連環境計画(UNEP)は30日、今年の世界環境デー(World Environment Day:6/5)の記念イベントをレバノンで開催することを発表した。制定30周年で初めてアラブ諸国で開催される。今年のテーマは「水 −20億人が危機に−(Water - Two Billion People are Dying for It)」である。

トロントへの渡航延期勧告を取り下げ:WHO

 世界保健機関(WHO)は30日、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行を防ぐために出されていた渡航延期勧告を、トロントで最後に感染者が発見されてから20日が経過していることを受け、同市に対する勧告を取り下げた。北京、香港と広東州・陝西州への勧告はそのままである。29日の時点で27か国、5,462人の感染者、353人の死亡が確認されている。

ポリオ撲滅のためのプロジェクトが始動

 2005年までにポリオを絶滅させるプロジェクトが進行中であることを受け、世界銀行は29日、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と国際ロータリー財団、国連基金と共同でナイジェリアに対し、経口ポリオワクチン(OPV;oral polio vaccine)の購入のための2,800万ドルを無利子で貸し出すことを発表した。

「今日の一言」 − 中東和平ロードマップ −

 この日(4/30)の中心的な話題は中東和平に関するロードマップの提示です。日本 では一般紙でも大きく扱われていました。
 「ロードマップ」の正式名称は「イスラエル−パレスチナ紛争に対する恒久的2国間解決への履行状況準拠ロードマップ(A PERFORMANCE-BASED ROADMAP TO A PERMANENT TWO-STATE SOLUTION TO THE ISRAELI-PALESTINIAN CONFLICT)」(仮訳)といい、7ページからなる文書です。
 内容は大きく3つのフェーズに分けられています。

 文書の正式名称にある "performance-based" というのは、ロードマップの各段階の達成目標・終了日時・履行の達成の可否の判断基準が明らかになっている(with clear phases, timelines, target dates, and benchmarks aiming at progress)ために、その「パフォーマンス」をきちんと評価し、それに基づいてロードマップを推進できることに由来するようです。確かに文書を読むと、誰がいつまでに何をするのかがかなり明確に書かれています。後はこれを実行するだけです。ただし、これが最も難しいのでしょうけれども。

 「ロードマップ」本文:http://www.un.org/news/dh/mideast/roadmap122002.pdf

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Updated : 2007/02/18