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Title : March 2003
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 3月 3日(月曜日) 文責:Tat

イラク、禁止されたミサイルを更に6基破壊処分

 イラクは禁止されたアルサムード2ミサイルを更に6基破壊処分した。国連査察団(UNMOVIC)ブリクス委員長より指定された処分開始期限の3月1日より、累計で16基の処分を行ったことになる。またイラクは間もなく、禁止されていたVX神経ガスおよび炭そ菌ガスの既処分量についての計量アプローチを報告するという。

戦争への懸念により、米国・欧州の経済予測引き下げ

 イラクとの戦争の可能性が高まる中、すでに控えめであった西側諸国の経済成長率予想を0.5%引き下げ、米国GDPを2.5%、欧州GDPを1.6%成長とした。国連欧州経済委員会(ECE)の欧州経済調査2003による。

イスラエル軍による無差別銃撃に呆然

 パレスチナ人地域で国連のパレスチナ難民支援機関UNRWAが運営する学校の教室の席で、12歳の少女が頭部を撃たれた事件を受け、UNRWAのPeter Hansen弁務官は市民地域でのイスラエル軍の無差別武力行使に色を失った、と表明した。少女は現在集中治療を受けている。

 3月 5日(水曜日) 文責:山本

深刻な水不足に直面:国連報告

 3月16日から23日までの日程で京都で開催される第3回世界水フォーラム(the Third World Water Forum)に向けて『世界水開発報告(World Water Development Report - Water for People, Water for Life)』が5日、発表された。報告書ではと水質汚染と予想される気候変化により、将来は深刻な水不足に直面することになると警告している。
 [第3回世界水フォーラム] http://www.worldwaterforum.org/jp/index.html

リベリア近隣諸国に干渉の抑制を要請

 安全保障理事会は5日、リベリアにおける人道的状況に懸念を表明し、隣接する西アフリカ諸国に同国への干渉を控えるよう要請した。

イラクの大量破壊兵器廃棄に関するタスクのリスト完成を期待

 国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は5日、国連が処分を要求している大量破壊兵器に関してまだ残っている29の問題を今週中にリストアップが終わることを期待していると語った。

イラクの戦後に関してまだ計画なし:事務総長

 アナン事務総長は5日、戦争後のイラクに対する統治に関して、国連は人道的な援助は行うが、まだ具体的な計画も文書もないと記者団に語った。

戦争不可避ならイランへのイラク難民の保護支援を実施

 ルベルス国連難民高等弁務官は5日、イラクにおける戦争が不可避となりイラク難民がイランに流入してきた場合は最大限の協力を行うとイランのハタミ大統領に伝えた。これに対しハタミ大統領は自分の責任を果たすと確約した。

安保理、ギニアビサウ政府に公正かつ透明な選挙実施を要請

 安全保障理事会は5日、ギニアビサウの政治的不安定状況に懸念を表明し、近づいている選挙(4月20日)に関して、公正かつ透明で信頼できる方法で実施することを要請した。

第27回国連高校生会議(UNIS-UN)を開催

 国連国際高等学校(UN International School;UNIS)主催の第27回国連学生会議(UNIS-UN Student Conference)が6日・7日の両日開催される。約500名の高校生が6日に国連本部に集まり、彼らが成長して直面するであろう課題について討議をする予定。今年のテーマは「危機に立つ青年(Youth at Risk)」。国連国際高等学校(UNIS)は国際連合の職員の子弟のために設立された学校。UNISが各国の高校生を招待し、国連本部で討議を行うのが UNIS-UNである。
[国連国際高等学校(UNIS)]  http://www.unis.org/

高校生による模擬国連開催

 高校生により国連の主な委員会を体験する模擬国連会議(The High School Model UN Conference)が5日から始まった。約2,100人の高校生が参加している。

中国の地震罹災者に援助

 2月20日に中国で発生し250名以上の犠牲者を出した地震で、現在もなお3,000人が厳しい冬空の下で住居もない状態であることを受け、国連人道問題調整室(OCHA)はノルウェーから拠出された資金で援助を申し出た。

中東情勢に対し懸念を表明:事務総長

 アナン事務総長は5日、エスカレートする中東における暴力に対し懸念を表明した。イスラエルとパレスチナの間の紛争で今年に入ってから既に176人のパレスチナ人と30人のイスラエル人が亡くなっている。

政治的な解決だけがパレスチナの経済を復興させる:国連特使

 ラーセン中東和平プロセス特別調整官は5日、パレスチナの経済を立て直し、イスラエルの攻撃から守るための唯一の方法は2つの国家間の政治的な解決の即時履行のみであると強調した。

キプロス情勢について10日にハーグで協議を開催

 アナン事務総長は5日、キプロス情勢を改善しEUに加盟できるようにするためにギリシャ系住民代表・トルコ系住民代表とイギリス政府に対し3月10日にハーグで協議を持とうとの提案を書簡で行った。

セルビア難民の帰還を促す

 シュタイナー事務総長特代表は5日、セルビア人の村 Sredska を訪問し、セルビア人難民に対し帰還するよう促した。

国連人権副高等弁務官、中央アジア訪問へ

 国連人権副高等弁務官の Bertrand Ramcharan 氏は、昨年10月のアナン事務総長の訪問の成果をさらに確固たるものとするため、3日間の日程で中央アジア諸国を訪問する。5日はタジキスタンを訪問し同国の Saidamir Zukhurov 副首相らと会談した。

先進国に飢餓とAIDS問題についてアフリカを支援するよう要請:事務総長

 アナン事務総長は5日、主要8か国(G8)の連絡会議に参加し、アフリカの食糧安全保障と保健問題、特にAIDSの蔓延について触れ、多彩な活動領域での根本的なアプローチを行うよう要請した。

「今日の一言」 − 旧ユーゴスラビア・マケドニア共和国 の「平和」−

 旧ユーゴスラビア・マケドニア共和国(FYROM;Former Yugoslav Republic of Macedonia)という国をご存知でしょうか。名前の示すと通り、ユーゴスラビア社会主義共和国連邦の一部だったのですが、一連のユーゴ紛争のおり(1991年)に独立を果たしました。スロベニアやクロアチア、ボスニア=ヘルツェゴビナなどに比べて、知名度は確実に低いと思います。それは重要でない地域だというよりは、ニュースにならなかったのです。あの時期にあの地域でニュースにならないということは、当時の指導者が苦心して紛争を回避してきたからという側面があるのです。

 

 当時のグリゴロフ大統領は自国が軍事的・経済的に不利な条件となる場合でも、徹底して紛争回避の方向へ舵取りをしたのです。独立の際の国名にしてもそうですし、新ユーゴ連邦創設の際の軍の装備の(新ユーゴ連邦への)撤収に関してもそうでした。国際的な体面は丸つぶれでしたが、ずっとこの国は紛争に巻き込まれずに済みました。(ただし、コソボからの難民を受け入れないなど、その行動は思想としてのものではなく、国の安定を維持するという実務的な策だったようですが。)

 さて、自分の国が紛争に直面したとき、「泣き寝入りしたら沽券に関わる」と介入していくのか、それとも、国際的な体面はともかく、とにかく紛争を回避して「平和」を確保するのか。旧ユーゴスラビア・マケドニア共和国の振る舞いを通して考えてみてはいかがでしょうか。
 詳しくは『なぜ戦争は終わらないか』(千田 善;みすず書房)をどうぞ。

 3月 6日(木曜日) 文責:阿部

安保理反テロ委員会が特別会合を開催

 国連安保理の反テロ委員会(CTC:Counter-terrorism Committee)が特別会合を開催し、アナン事務総長が演説。世界に対して、大量破壊兵器がテロリストの手にわたるのを防ぐために力をあわせるよう要請。

事務総長、ガザでのイスラエル軍の武力行使に遺憾の意を表明

 ガザ難民キャンプでのイスラエル軍の武力行使について、アナン事務総長は声明を発表し、当該武力行使は過剰(disproportionate and excessive)であると深い遺憾の意を表明。

国連環境計画、スポーツを通じた環境保護キャンペーンをスタート

 国連環境計画(UNEP:the UN Environment Programme)は、スポーツを通じて環境保護に対する若者の意識の啓発活動に取り組んでいくこととしており、ケニアのナイロビで4千人の子どもたちを集めたイベントを行い、キャンペーン "Play for the Planet"をスタートする予定。

「今日の一言」― 国際法 ―

 7日、英ガーディアン紙に、ジェームズ・クロフォード、ピエール・マリー・デュピュイら著名な国際法学者16名による連名の抗議声明が掲載されました。国連決議で拒否権が発動されてもこれを無視するというブレア首相の発言を非難する公開書簡です。
 このような著名な国際法学者の連名による抗議というのは異例なもので、米英の行動が国際法そのものを掘り崩しかねないという危機感を表しています。と、同時に声明文の最後には、合法的手続を経たとしても正当な戦争ではないという一文がつけ加えられていることに注目したいと思います。(文責:Jo
http://www.guardian.co.uk/letters/story/0,3604,909275,00.html
以下は、その暫定訳です。

【声明文】

戦争は違法です

我々は、国際法の教師です。公式に知りうる情報に基づけば、イラクに対する軍事力の行使についていかなる国際法上の正当化事由もありません。国連憲章は、二つの例外を除いて武力の行使を禁止しています。すなわち、武力攻撃に対する反応としての個別的又は集団的自衛、及び平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為に対する集団的措置として安全保障理事会によって容認(authorize)された行動のみです。現在、自衛権について、軍事力を行使しようとする主張には、いかなる根拠も存在しません。仮説的な将来起こりうるかもしれない攻撃に対する先制自衛ドクトリンは、国際法上の根拠がありません。安保理決議1441にしろ、それに先行するいかなる決議にしろ、現在の状況において提案されている武力の行使を容認していません。

 イラクに対する軍事行動が合法的に引き受けられる前に、安全保障理事会がその明示的な同意を示していなければなりません。いまだ、それはなされていないのです。決議に拒否権が発動されれば、いかなる同意も与えられないことになります。ある種の状況では拒否権は「不合理なもの」となり、無視されるかもしれない、という首相の主張は、全く国際法上の根拠を有しないのです。英国は、1945年以来、32件の安保理拒否権を発動してきました。こうした拒否権を、それらが「不合理なもの」であることを根拠に無視しようとすれば、国連憲章27条に基づいて英国が拒否権を行使する権利の受け入れがたい侵害として、遺憾とされていたことでしょう。

 適切な安保理の容認(authorization)無くして、イラクにおける軍事行動を引き受ける決定をすれば、国際的な法の支配を深く傷つけることになります。もちろん、そのような容認があっても、深刻な問題が残ります。合法的な戦争は、必ずしも正当な、賢明な、又は人道的な戦争ではありえません。

ウルフ・ベルニッツ教授, ニコラ・エスペホ・ヤクスィク博士,アグネス・ハーウィッツ, ヴォーン・ロー教授, ベン・ソウル博士,カーチャ・シーグレル博士(オックスフォード大学)
ジェームズ・クロフォード教授, スーザン・マークス博士,ロジャー・オキーフ博士(ケンブリッジ大学)
クリスティン・チンキン教授 ,ジェリー・シンプソン博士, デボラ・キャス(ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)
マシュー・クレイブン博士(ロンドン大学 スクール・オブ・オリエンタル・アンド・アフリカン・スタディーズ)
フィリップ・サンズ教授, ラルフ・ワイルド(ロンドン大学)
ピエール・マリー・デュピュイ教授(パリ大学)

 3月 7日(木曜日) 文責:阿部

コソボの自治に、国連コソボ暫定行政ミッションから地方政府に移管

 国連は、今年1年かけて、コソボの自治に関する実質的な責任を、国連コソボ暫定行政ミッション(UNMIK:the UN Interim Administration Mission in Kosovo)から、地方政府に譲ることとしている。

事務総長、キプロスのギリシャ・トルコ両系指導者と会談

 アナン事務総長は、キプロスのギリシャ・トルコ両系指導者と会談するため、ハーグ入り。2月28日に自らが行った解決案に対する双方からの返答を受ける予定。

イラクは、アルサムード2ミサイルと弾頭を廃棄

 国連査察団が活動を継続している中、イラクは、2基のアルサムード2ミサイルと11の弾頭を廃棄。これまでに廃棄されたアルサムードは計46、弾頭は計16となる。

国連監視検証査察委員会委員長、安保理閣僚級会合で報告

 国連監視検証査察委員会(UNMOVIC:the UN Monitoring, Verification and Inspection Commission)のブリクス委員長は、安保理閣僚級会合でイラク兵器査察状況に関する報告を行い、多くの課題はあるが、この1ヶ月間の査察に対し、アルサムード2ミサイルの廃棄を開始するなど、査察プロセスが進展していると指摘。

英・米・スペイン、安保理にイラク問題に関する修正決議案を提出

 イラク問題について、英・米・スペインは、安保理に修正決議案を提出。これは、イラクに対し3月17日を最終期限として武装解除を要求するもの。

事務総長、コンゴ民主共和国の紛争当事者の合意成立に対し歓迎

 コンゴ民主共和国の紛争当事者が暫定憲法草案に関連するすべての残る課題について合意を成立させたことについて、アナン事務総長は歓迎の意を表明するとともに、同国における最近の権力抗争が新たな民族間の暴力につながりかねないと警告。

「今日の一言」― 国際法(2) ―

 前号では、米国に協力するブレア首相に対する、英国の国際法学者による抗議声明を紹介しましたが、11日には、ラムズフェルド米国防長官が、英国抜きでも対イラク攻撃に踏み切る用意があると発言するなど、米国のユニラテラリズム(単独行動主義、一方的外交)が一層鮮明になってきました。
 こうした安否理を巡る攻防は、日本の新聞でも連日大きく取り上げられていますが、その同じ日に、ハーグで国際刑事裁判所(ICC)の発足式典が開かれたことは、ほとんど報じられていません。(http://www.icc-cpi.int/news/details.php?id=1
 国際刑事裁判所は、ジェノサイド(大量虐殺)や戦争犯罪を裁くために、昨年7月に発効したローマ条約に基づく国際裁判所ですが、11日に、裁判官18人が宣誓し、はじめてその姿を国際社会に現したのです。(http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/nm/20030311/wl_nm/dutch_warcrimes_dc_3
 もちろん、このローマ条約には、米国、中国、インドなど主要国が署名せず、米国にいたっては、20ヶ国以上と個別に訴追免除協定を結ぶなど、ICC潰しに動いているのが現実であり、大きな問題を抱えていますが、一方、既に139ヶ国が署名し、89ヶ国が批准、条約が発効し、この発足式典を迎えることができたのです。

 国際社会の中のスーパーパワーである米国の「覇権」を、その行動を監視していくには、世界中で繰り広げられているデモンストレーションも有効ですが、中長期的には、しっかりした国際司法システムを確立していくことが不可欠ではないでしょうか。

 3月11日(火曜日) 文責:けい

キプロス:交渉合意せず、'行き詰まり'に達したと事務総長

 ハーグでの長時間に渡る交渉を受けて、アナン事務総長は本日、統一キプロスのEU加盟問題に関して、ギリシャ系キプロスとトルコ系キプロスの指導者達は、統一キプロスが本年後半にEUに加盟できるようにする事務総長の案に結局合意に失敗した後、'行き詰まり'になってしまったと述べた。

イラク:事務総長、安保理の協調を訴える

 アナン事務総長は本日、イラクの大量破壊兵器の廃棄に向けて、安保理理事国が異なるアプローチを主張している状況に対して安保理の協調と一体性を主張する声明を発表した。事務総長は繰り返し、戦争は最後の手段としてのみあるべきだと繰り返した。

イラク:安保理40ヶ国以上の非理事国からイラク軍縮について意見の聴取を開始

 イラクの大量破壊兵器の廃棄に向けて異なる意見を真っ正面から戦わせている15ヶ国の理事国のメンバーは、本日、非同盟運動(Non-Aligned Movement:NAM)諸国の要請を受けて理事国以外のメンバーの意見を聴取する会合を開いた。40ヶ国以上の国々が発言を希望しており翌日も開催される見通し。

国際刑事裁判所、開設式

 世界初の常設国際戦争犯罪法廷である国際刑事裁判所(International Criminal Court:ICC)本日ハーグで18名の判事による宣誓によって開設された。アナン事務総長はこの式典を国際司法と基本的自由を守り促進するための世界的コミットメントの決意を示す歴史的な1日であると歓迎の意を表した。

IAEA、テロリストに'放射能を帯びた爆弾'が渡ることを防ぐための緊急の対策を要請

 IAEAのエルバラダイ事務局長は本日ウィーンで開催された核兵器、放射能テロに関する可能性についての国際会議で演説し、国際社会に、テロリストが"dirty bomb"(放射能を帯びた爆弾)を手に入れることを防ぐために緊急の対策を取るよう要請した。また、特に旧ソ連において放射性物質の管理が現在不十分である点に警鐘を鳴らした。

今日の一言 −先週末のこと。サッパリ分からないので−

 かなり久しぶりの配信ということになりました。この1ヶ月はあまりにいろんなことがありすぎて、正直世界情勢よりもとにかく自分の生活こそが重大事でした。「ああ、こういう状況になると世界の情勢を気にする余裕もなくなるものか」と(自戒を込めて)。日頃的はずれな事ばかりを書いているのが災いしてか、読者の方からダイレクトに反応を頂くことがない事もあって、結構不安というか配信することに臆病になってしまう状況でしたがなんとか頑張っていこうと思います。

 さて、先週の金曜日(だったかな?)、深夜から延々NHKで安保理の中継をやってましたが、ご覧になった方も結構いらっしゃったのではと思います。私も聞き取りづらい音声(わがままな要求ですがどうせなら同時通訳は副音声でやってもらえた方が聞き取りやすかったかも)に耳を傾けておりました。ブリクス委員長の報告はある程度予想のつくものでしたが、米国支持側(英・スペイン)やフランス・ロシアなんかの発言をかなり興味深く聞いておりました。

 武力行使反対の立場を取る国々(査察延長を含めて)や国連の立場や意見というのは、結構分かりやすいのですが、武力行使推進国(含む我が国)のきっちりした根拠というのが、お恥ずかしいことに実はサッパリ分からなかったのです(勿論、米国の兵器産業とか石油産業の圧力という'分かりやすい'理由はあるんですが…それは別とした表向きなものとして)。それで、上記の中継を聞いて納得したかといえば?という感じでしたし…。
 そんな中、9日の読売新聞に載っていた田中明彦教授のインタビューを読んでひとつそれらしい理由かなと思ったのは、「イラク(や北朝鮮)からテロ組織に大量破壊兵器が渡ると非常に大きな脅威になる」という理由でした。確かにイラクがもし大量破壊兵器を所有していて、意図的にせよそうでないにせよ、テロ集団に提供しようものなら、9・11の悲劇が繰り返される可能性は高いと思います。でも、どうしても自分の頭の中では、上記の理由とイラクから大量破壊兵器を取り上げることと、ましてや武力行使することが結びついてくれないんですよね。
 私のようなフツーの人間の考えることと、政治家や外交官や軍の司令部が考えることにはものすごい隔たりがあるものなのでしょうか?本当にサッパリ分からないままの週末でした。

 3月12日(水曜日) 文責:山本

セルビア首相暗殺

 セルビアのジンジッチ首相が暗殺されたことに対しアナン事務総長は衝撃を受け、加害者が逮捕され、裁判にかけられることを要請した。

イラク問題に関し、各国から意見を聴取:安保理

 安全保障理事会、イラク問題について公開協議を開き、各国からの意見を聴取した。12日はEUの代表としてギリシャ、アフリカ代表としてマラウィなどが意見を表明した。

さらに3基のミサイルを廃棄:イラク

 国連武器査察チームは12日、さらに3基のミサイルの廃棄を確認した。これにより破壊された Al Samoud 2 ミサイルは85基となった。

UNIKOMの要員を国境付近から移動

 イラクとクウェートとの国境付近の非武装地帯(DMZ;demilitarized zone)の監視任務にあたっている国連イラク・クウェート監視ミッション(UNIKOM)は、最低限必要な人員だけを残して大半の要員と設備をクウェート市まだ移動したと12日に発表し た。

北朝鮮に緊急援助が必要:ユニセフ

 ユニセフの Mehr Khan 東アジア・太平洋局長は朝鮮民主主義人民共和国の人道状況の視察から戻り、現在同国では人道的支援の量が激減しており、薬品や備品の供給が思わしくなく、診療施設を閉鎖するしかないような状況になっており、緊急の援助を要請した。

ソマリアの武力衝突を非難:安保理

 安全保障理事会は12日、ソマリアで継続する武力衝突に深い遺憾の念を表明し、関係諸勢力を非難、紛争の即時終結と人道的援助の安全なアクセスの確保を要請した。

ソマリアへの支援アクセスが停滞

 国内で勃発した武力衝突によってソマリアにおける人道援助が滞っている状態に対しソマリア担当居住・人道調整官の Maxwell Gaylard 氏は懸念を表明した。

合衆国はアルカイダ活動家に憲法による保護を与えず

 国連人権委員会法の独立担当特別報告者の Dato' Param Cumaraswamy 氏は、コロンビア巡回区控訴裁判所(Court of Appeals for the District of Colombia Circuit)が11日にグアンタナモ基地(キューバ)に拘留されているアルカイダ活動家と見られる被疑者には合衆国憲法による保護は与えられないとの見解を示したことに対して、危険な前例となると警告した。

東ティモールで水死した平和維持活動要員を追悼

 国連は12日、東ティモールで3月6日に増水した河川を車で渡河中に急流で流されて死亡した韓国の平和維持活動要員4名を追悼する式典を行った。

世界的なIT機器のリサイクルを検討:ユネスコ

 ユニセフは12日、パリで「情報通信機器のリサイクルのための新しい相乗効果(New Synergies for the Recycling of Information Technology Equipment)」と題した会合を開催し、毎年「時代遅れ」となる情報機器をリサイクルして開発途上国で有効利用するための協力について、14日・15日の両日にわたって討議する予定。

日本でアフリカの平和に関する会議が開催

 日本で開催中の国際会議「アフリカにおける平和の定着を求めて(In Search of Consolidation of Peace in Africa)」に対しアナン事務総長はメッセージを送り、アフリカにおける平和の確保が紛争の阻止だけでなく、より広範な社会的挑戦を可能にすると強調した。

国際内陸国開発会議の南米地域準備会合開催

 8月28日・29日の両日にわたってアルマトイ(カザフスタン)で開催される、通過輸送協力に関する国際内陸国・通過国・供与国・国際金融開発機関間閣僚級会議(International Ministerial Conference of Landlocked and Transit Developing Countries and Donor Countries and International Financial and Development Institutions on Transit Transport Cooperation)の南米地域準備会合がアスンシオン(パラグアイ)で12日・13日の両日にわたり開催。内陸国が貿易をするために通過国に支払っている額は内陸国の輸出所得の14%にも達しており、内陸国の経済発展のために協力が必要とされている。

最大の水消費者として農業の役割に注視を:FAO

 来週、日本で開催される「世界水フォーラム」に先立ち、国連食糧農業機関(FAO)の吉永健治土地・水開発部長(Director of Land and Water Development Division)は12日、「水問題において最大の消費者である農業についてその役割を見落とす傾向がある」と警告した。水の消費量のうち70%が農業用水であると見積もられている。

非定型肺炎の蔓延を警告:WHO

 世界保健機関(WHO)は12日、ベトナム・香港・中国の広東州の病院勤務者の間で広がっている非定型肺炎(atypical pneumonia)について警告を発した。ベトナムでの例はハノイに上海と香港から急性呼吸障害症候群(acute respiratory syndrome)の患者を搬送した直後から始まり、約20名の病院勤務者に類似の症状が見られた。中国では非定型肺炎で5名が死亡している。現在のところ感染は病院に限られているが、WHOでは調査と報告を各国に要請している。

「今日の一言」 − Murder shows warlords still rule in Serbia. −

 一般紙やテレビでも報道されているように、セルビア共和国のジンジッチ(Zoran Djindjic)首相がべオグラード中心部の首相府前で銃により暗殺されました。犯人は1990年代の内戦中の特殊警察部隊のルコビッチ元司令官を指導者とする最大の犯罪組織のメンバーとされ、追跡中とのことです。
 ジンジッチ首相は、どちらかといえば「西より」(…とは冷戦後の今となっては妙な言い回しなのですが、海外メディアでは "Western-style" の法体制や制度を導入して改革を進めていた、という表現がなされています)で、ミロシェビッチ元大統領の国際刑事裁判所への送致を進めるなど、国際協調路線をとっていると言えるでしょう。ユーゴにおける内戦終結後、その当時の戦争犯罪を追求する動きが強くなっており、特にジンジッチ首相はそれに熱心でしたから、元兵士らの集団からは目障りな存在であったのかも知れません。先月も首相の乗った車に衝突させようと車が突っ込んでくるという事件もあり、危険な状態であったのでしょう。
 英国のガーディアン紙ではこの状態を指して「暗殺はセルビアではまだ将軍が支配していることを示している(Murder shows warlords still rule in Serbia.)」と表現しています。セルビア共和国は先日、共にユーゴスラビア連邦共和国を構成していたモンテネグロ共和国と国名変更に合意し、「セルビア・モンテネグロ連邦」が誕生したばかりで、これを境に民族主義的な動きが活発になり、再びこの地域が不安定化する危険もあり、予断を許さない状況であります。

英ガーディアンの記事: http://www.guardian.co.uk/serbia/article/0,2479,912960,00.html

 3月13日(木曜日) 文責:阿部

事務総長、イラクの問題について安保理の統一した行動を要請

 国連安保理15ヶ国がイラク武装解除問題について協議を継続する中、アナン事務総長は、「重要なことは各国が共に行動する方策を見つけ出すことである」とイラクの大量破壊兵器の廃棄に向けて、安保理の統一した行動を再度呼びかけた。

コンゴ民主共和国の自然資源不法開発に関する専門家パネル、大湖地域を訪問

 コンゴ民主共和国(DRC:the Democratic Republic of the Congo)の自然資源の不法開発に関する専門家パネル(5人で構成)は、今月、大湖地域を訪問し、最新の報告で不法開発に関わると指摘を受けた企業、個人、政府との一連の会談を行う予定。

人権委員会の第59回年次会合が開幕

 人権委員会(Commission on Human Rights)が3月17日に第59回年次会合(会期は4日間)を開幕し、初日にハイレベル会合を開く予定。人権委員会の場に各国政府首脳が集まり人権問題について討議するのは初めて。

事務総長、グローバル・エイズ基金のトンプソン委員長と会談

 アナン事務総長は、グローバル・エイズ基金(the Global Fund Against AIDS, Tuberculosis and Malaria)のトンプソン委員長と会談し、エイズ危機に対する諸策への支援拡大をめぐり意見交換。

国連総会、第58回総会の開幕日を9月16日とする決議を採択

 国連総会は決議を採択し、第58回総会の開幕日を9月16日とした。一般演説は、9月23日から10月3日まで。

「今日の一言」― 国際法(3) ―

 対イラク武力行使については、昨年の安保理決議1441以来、単独行動も辞さないとする米国と、拒否権の行使も視野に臨むフランスとの間で激しい外交戦が繰り広げられてきましたが、昨日17日、米、英、スペインの各国連大使が新たな決議案を取り下げると発表しました。この結果、フランスによる拒否権の行使という、国際社会にとって最悪の事態は避けることができましたが、今後は、新たな安保理決議なしでの対イラク武力行使について、国際法上どのように解釈すべきか、各国の立場の違いが鮮明になってきそうです。
 米国は、同時テロ9.11の標的となった当事国であり、その恐怖は他国民にはわかり難いものです。今回の武力行使は、自衛権の行使であれ、安保理決議1441に基づくものであれ、正当性に疑いはないと考えています。英国は、米国の最大の同盟国として立場と同じくしていますが、国内は一枚岩ではなく、クック下院院内総務(閣内相)は国連決議なき参戦に抗議し同日辞任、ショート国際開発相も辞意を表明しています。
 日本は、新たな決議は必要ないとの立場ですが、既に決議1441だけでは武力行使はできないとの公式見解を表明してしまっているため、90年の決議678と91年の決議687を持ち出し、湾岸戦争の停戦条件が満たされなくなったと説明しています。

 国家にとって、国際法は、その行動を規律するものではなく、国益の観点から決定した行為に正当性を与えるための飾りでしかないのかもしれません。飾りであれば、邪魔なら外せばいい。元首たちにとっては当たり前のことなのかもしれません。

 3月14日(金曜日) 文責:阿部

国連難民高等弁務官、ボスニア・ヘルツェゴビナでの帰還者殺害に懸念を表明

 ボスニア・ヘルツェゴビナで、戦争前の自宅に帰還した8人が殺害された事件を受けて、国連難民高等弁務官(UNHCR:the UN High Commissioner for Refugees)は、スポークスマンを通じて、帰還者が引き続き危険に直面していることに懸念を表明。

事務総長、中東和平ロードマップに関する米大統領のステートメントを歓迎

 アナン事務総長は、国連・合衆国・ロシア・EUの4者(the Quartet)による中東和平ロードマップ(Road Map)について、米国のブッシュ大統領が行ったステートメントを歓迎する意を表明。

国連とカンボジア政府、クメール・ルージュ特別法廷に関して会談

 国連のHans Corell法律顧問とカンボジア政府は、プノンペンで、旧クメール・ルージュ(Khmer Rouge)の大量虐殺や人道犯罪を裁く特別法廷に関する合意書草案について、会談を開始。

安保理、コートジボワール和解政府の発足を歓迎

 国連安保理は、コートジボワール和解政府(the Government of National Reconciliation in Cote d'Ivoire)が発足し、初めての会合を開催したことについて、歓迎の意を表明。

「今日の一言」― War Council ―

 ブッシュ大統領と英国のブレア首相、スペインのアスナ−ル首相が、大西洋中部アゾレス諸島に集まり、17日が国連安保理にとって決着の時となる、と宣言しましたが、その3首脳の会談は、"War Council" (つまり「戦争会議」)と呼ばれています。
 例えば、17日付ファイナンシャル・タイムズ紙は、"War council in the mid-Atlantic" と題する社説を掲載し、米国はイラクとの戦争には容易に勝てるだろうが、その後の平和を勝ち取るためには、世界の支援が不可欠であると指摘しています。(http://search.ft.com/search/article.html?id=030317000830
 当に上記会談により、対イラク戦争がおそらく今週後半にも始まることをほぼ確実にしたのですから、こう呼ぶのは正しいかもしれません。しかし、社説も指摘しているように、米国がイラクとの戦争に勝てるとしても、世界の支援と協力なくして、イラクの平和を、イラクの人々の安泰を勝ちとることはできません。

 今後の世界に必要なのは、「戦争会議」ではなく、「平和会議」であり「復興会議」であり、また「人権会議」であることは確かです。今回のことで、各国が国連離れを加速することだけは何としても回避し、国連を舞台にして、各国が共に行動することが肝要だと思います。

 3月15日(土曜日) 文責:山本

武器査察団、ミサイル破壊を監視:イラク

 イラクでは15日、国連武器査察団の監視のもとでアル・サマウド2ミサイル3基を新たに破壊した。また14日にはイラク政府が査察団に対し、過去の化学兵器開発従者183名のリストを渡すなど査察活動は継続中。ただし国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)では325名以上が関連の研究に従事していたと見ている。

旅行者に伝染性肺炎を警告:WHO

 数週間前からベトナム・香港等で蔓延の兆しを見せていた非定型肺炎が猛威を奮いだし、150名まで患者が増えている。これを受けて世界保健機関(WHO)は15日、この肺炎を「重症急性呼吸障害症候群(SARS;Severe Acute Respiratory Syndrome)」と名付けて旅行者に警戒を訴えた。15日早朝にもニューヨークからフランクフルトまで旅行した数名が入院した。

 3月16日(日曜日) 文責:山本

17日にもイラク問題に関して非公開協議:安保理

 安全保障理事会はイラク情勢に関するフランス・ドイツ・ロシアの共同提案を審議するために17日にも非公開協議を開催する予定。

「今日の一言」 − "George W. Queeg" −

 緊迫するイラク情勢は、17日の安保理協議で英米の主張が通らなかったことを受けて現地時間午後8時(日本時間18日午前10時)に、48時間以内にフセイン大統領が亡命しなければイラクを攻撃すると発表しました。
 この、戦争にむけたブッシュ政権の動きを、14日付のニューヨークタイムズで、MITのP.クルーグマン教授が、"George W. Queeg" と題して、もはや、現政府は現実の認識を過ち、ブッシュ大統領は「この仕事をするのに適さない("Mr. Bush is the wrong man to do the job.")」と見られていると非難しています。 その本文中では説明されていないのですが、タイトルがふるっています。Queeg とはおそらく映画『ケイン号の反乱』に出てくる厳格な艦長の名前で、言行がだんだん異常さを増し、自分の指示に固執し、危うく船を沈没させかねないところで反乱がおきるというストーリーです。今後、展開されてしまう武力行使による犠牲が少ないことと、合衆国がこのクルーグマン氏の「予言」通りにならないことを祈ります。

 3月17日(月曜日) 文責:山本

イラク武装解除への決議採択を求めず:米・英・西

 英国・合衆国・スペインは安全保障理事会においてイラクに対する最後通牒を出す決議案に対する採決を求めず、イラクの武装解除への段階を踏むと発表した。

国連スタッフのイラクからの避難を指示:事務総長

 安全保障理事会における団結した行動を達成する努力が失敗に終わったことを受け、武器査察チームのメンバーをイラクから撤退させるとアナン事務総長は発表した。しかし「これがそのままイラクに戦争が訪れることや、国連がイラクの民衆に対して何も支援をしないということを意味するわけではない」と強調した。

なお続く査察活動:イラク

 国連武器査察チームのメンバーは、イラクからの撤退を指示されそうになっているにも関わらず査察活動を続け、17日もアル・サマウド2ミサイル2基の廃棄の監視を行っていた。これで3月1日から合計72基を破壊した。

安保理が水曜日にイラク問題について土壇場の会合を予定

 イラクの武装解除を求める共通の決定をもはや見出せなくなったにも関わらず、安全保障理事会は武器査察官からの報告を聞くために19日に会合を予定した。

国連とカンボジアがクメール・ルージュ裁判に関して合意

 国連とカンボジア政府は、民主カンプチア(Democratic Kampuchea)時代のクメール・ルージュ(Khmer Rouge)の犯罪を裁く法廷の設置に関する文書案に関して合意に達した。

国連人権副高等弁務官の中央アジア諸国への歴訪終了

 国連人権副高等弁務官の Bertrand Ramcharan 氏の中央アジア諸国への歴訪から帰還し、政策決定者に対し人権保護機関や人権活動家への協力を強化するよう要請した。

中央アフリカ共和国でのクーデターを非難:事務総長

 中央アフリカ共和国で先週末に発生した軍事クーデターとそれによる暴力・略奪についてアナン事務総長は17日、強く非難した。

コンゴ民主共和国北東部における紛争に懸念を表明:事務総長

 コンゴ民主共和国北東部で継続いている紛争の状況が急速に悪化していることに対しアナン事務総長は17日、深い懸念を表明し、関係諸勢力に対し永続的な平和構築のために協力するよう要請した。

ガザ地域の最近の情勢に遺憾の意を表明:事務総長

 ガザ地域にイスラエル軍が投入されたことにより、ブルドーザで合衆国の平和活動家の女性がひき殺されたり、4歳の少女が銃で撃たれたり、16日だけで12名が殺されたことに関して、アナン事務総長は17日、深く遺憾の意を表明した。

AIDSや飢餓・テロが世界の安全の脅威に:国連人権高等弁務官

 第59回人権委員会が17日ジュネーブで開催され、ビエラ・デ・メロ国連人権高等弁務官は「世界の安全は、新聞の見出しを賑わせている事柄だけでなく、AIDSや飢餓、無辜の人々の突然の悲鳴を引き起こすだけのテロリストの復讐などにより脅威にさらされている」と演説した。

北朝鮮に人道的援助のための特使を派遣

 事務総長特使の Maurice Strong 氏は3月18日から22日までの日程で朝鮮民主主義人民共和国を訪問し、人道的援助に関する問題について同国首脳と協議を行う予定。

ミャンマーの政治的自由の評価に特別報告者を派遣

 ミャンマー人権状況特別報告者の Paulo Sergio Pinheiro 氏は3月19日から26日までミャンマーを訪問し、同国における政治犯の状況や政治的な自由の状況について評価する。

SARSに関する国際的な協力始まる

 現在、世界で急激に患者が増加している重症急性呼吸障害症候群(SARS)については未だ発生源が特定されておらず、十分な予防措置が取れないため、世界保健機関(WHO)の感染症勃発警戒および対策ネットワーク(Global Outbreak Alert and Response Network)では原因究明と効果的な治療に関する国際的な協力の調整を開始した。

事務総長夫人、世界水フォーラムで衛生教育の重要性を強調

 Nane Annan 事務総長夫人は17日、京都で開催される第3回世界水フォーラムの「公衆衛生・上水供給と水質汚染」セッションに参加した。席上、彼女は講演を行い世界では1日あたり約6000人の子どもが下痢性疾患(diarrhoeal diseases)で亡くなっておりその大半は予防可能だとして、衛生教育の重要性を強調した。

「今日の一言」 − War is always a catastrophe. −

 武器査察チームのイラクからの撤退を発表した事務総長は、こう続けます。

「戦争はいつもカタストロフィーである。
 戦争は多くの悲劇をもたらし、多くの人々から家を奪い去る。
 誰もそんなものを望まない。
 だからこそイラク指導部が完全に協力し、武力行使なく解決に至ると期待していたのだ。
 けれども我々にもたらされていた窓はあまりにも早く閉まってしまった。」
と。
 戦争が軍事基地や戦略設備や都市や政権だけではなく、まだほのかにあった期待や信頼やそういったものまで破壊してしまいます。それゆえに事務総長の言葉は重く響きます。

 「戦争は常にカタストロフィーである。」
  "War is always a catastrophe."

 3月19日(水曜日) 文責:山本

イラクの武装解除と支援について討議:安保理

 イラクに戦争が差し迫る中、安全保障理事会では同国の武装解除及び人道援助の重要性について討議を行った。ドイツのフィッシャー外相が「断固として戦争に反対する。戦争によって武装解除を進めす方法と信じることはできない。」と発言するなど、戦争に反対する意見が多く聴かれた。

イラクからの国連要員撤退完了

 国連の発表によると、イラクからの国連要員の撤退は19日に完了した模様。

難民の苦境を忘れないで:国連難民高等弁務官

 数日以内に戦争が予測されるイラク情勢について、ルベルス国連難民高等弁務官は19日、家を追われ、恐怖と破壊にさらされる難民のことを念頭から離さずにいることを国際社会に要請した。ここ3年間で10万人以上のイラク人が他国へ亡命を申請している。

ブリクス査察委員長、安保理で報告

 国連イラク武器査察委員会のブリクス委員長は19日、安全保障理事会でこれまでの査察活動について概括し、査察のための時間の短さを慨嘆した。これによって議長を務められたそのミーティングの発端においての評議会に言った。

イラクの子どもへの悲惨な影響を警告:ユニセフ

 ユニセフのベラミー事務局長は19日、戦争によりイラクの子どもたちに悲惨な状況に直面し、戦争の影響から生き残れない子どもも出るであろうと警告した。

イラクの人道的状況に支援を要請:事務総長

 アナン事務総長は19日、戦争が差し迫っているイラクの人々の人道的状況の危機を訴え、世界的な救済支援を各国に要請した。

河川が国際紛争の潜在的原因になる危険性を示唆:国連報告

 国連環境計画(UNEP)と国産食糧農業機関(FAO)とオレゴン州立大学は19日、世界水フォーラムにおいて共同研究の成果として「国際浄水合意地図(Atlas of International Freshwater Agreements)」を発表し、国境となっている263の流域のうち158河川流域については河川利用に関する協力的な協定が締結されていないことを指摘し、水の不足が危惧される将来において潜在的な紛争の原因となることを強調した。

人権の実現に水は重要な役割を果たす:国連人権高等弁務官

 ビエラ・デ・メロ国連人権高等弁務官は日本で開催中の国際水フォーラムにメッセージを送り、水は尊厳のある生活の追及には必要不可欠であると同時に限られた資源であるとし、人権的状況を維持するためにも水の果たす役割は重大であると強調した。

中東和平ロードマップが進展:中東情勢

 ラーセン中東和平過程特別調整官は19日、安全保障理事会において中東情勢について報告し、国連・合衆国・ロシア・EUの4者(the Quartet)による中東和平ロードマップに従う意図がパレスチナ・イスラエル双方に見えてきたことを指摘し、平和への歴史的機会だと語った。

アフガンの女性の教育と健康への継続的投資を要請:ユニセフ

 ユニセフは19日、アフガニスタンの情勢について言及し、進歩の兆候は見られるものの、特に少女の教育と女性の健康に関する国際的な継続的支援の必要性を強調した。同国でユニセフは「学校へ戻ろう(Back to School)」キャンペーンを行っていたが300万人の生徒の3分の1が女子だと推定されているが、その就学数は認めがたいほど少ない。

UNAMSILの活動期限の6か月延長を勧告:事務総長

 アナン事務総長はシエラレオネ情勢に関して最新の報告を行い、まだ同国が自力で安全を確保し得ないことに言及し、国連シエラレオネミッション(UNAMSIL)の活動期限の6か月延長を勧告した。

エジプトの人権運動家の釈放を歓迎:国連人権高等弁務官

 ビエラ・デ・メロ国連人権高等弁務官は19日、人権活動家を再審の後に無罪としたエジプトの法廷の判決を歓迎した。

SARS対策で海外渡航禁止は勧告せず:WHO

 現在、世界的に流行しつつある重症急性呼吸障害症候群(SARS)への対策としては世界保健機関(WHO)はいかなる地域に対する旅行制限も行わないことを発表した。

「今日の一言」 − 合衆国が戦争をやめるとき −

 歴史上、帝国が領土外にちょっかいを出すときは、領土(というか影響圏)を広げたくて広げたくて仕方がないときか、領土(影響圏)を広げておかないと怖くて怖くて仕方がないときかのどちらかのような気がします。私は20世紀以降の合衆国は後者ではないのか、と最近考えるようになりました。あの国は逆説的な意味で恐ろしく「内向き」な国なのではないか、と。政治思潮やとりうる政治手法は様々はあるにしても、結局、それは合衆国の国益を守るという一点において共通した基盤を見出し得ると思います。「自由と民主主義を守る」のが目的なのではなくて、世界がそうなってくれないとオイラは枕高くして寝れねぇ、みたいな言い分を主張の背後に感じるのです。
 それと「内向き」と書いた理由はもうひとつ。おそらく合衆国のどんな政権も、国際世論なんてなんとも思ってない。国連に対しても、合衆国の主張が通るなら存在意義があるとみなしているようなフシがあります。けれども合衆国国内の世論に対しては敏感に反応する。ベトナム戦争だって、国内世論に「負けた」という一面があると言えるでしょう。

 合衆国に戦争をやめさせたかったら、日本で政府や合衆国大使館にデモをしかけるよりは、合衆国国民に対して、その世論を変えさせる(いろんな世論調査では合衆国ではブッシュ支持が優勢)戦術を考えたほうが効果的なのではないでしょうか。

 3月20日(木曜日) 文責:阿部

事務総長、イラクの人々を支援するため、あらゆる措置を講じる用意があると表明

 アナン事務総長は、ビデオ収録メッセージにおいて、国連は、イラクの人々に対する援助と支援を提供するため、あらゆる措置を講じる用意があると表明するとともに、紛争全当事者に対し、国際人道法(international humanitarian law)を遵守するよう要請。

人道援助活動を担当する国連幹部、最も弱い立場にある人々の保護を要請

 イラク戦争の開始にあたり、ビエラ・デ・メロ人権高等弁務官やユニセフのベラミー事務局長など人道援助活動を担当する国連幹部職員は、人権を尊重し、最も弱い立場にある(the most vulnerable population)子どもたちを保護し、また、紛争を逃れる難民に国境を開放するよう要請。

事務総長、イラク石油食糧交換プログラムの修正を提案

 アナン事務総長は、戦争中あるいは戦争後も、イラクに対する人道援助継続を可能にすべく、石油食糧交換プログラム(UN Oil-for-Food programme)に修正を加えることを提案する書簡を安保理に提出。

安保理、中央アフリカ共和国で起こったクーデターを強く非難

 安保理議長であるギニアのMamady Traore大使は、報道声明を発表し、中央アフリカ共和国(CAR:the Central African Republic)で15日に起こったクーデターとそれに伴う暴力、略奪事件を強く非難。

安保理、事務総長に対し、コンゴ民主共和国の現地情勢監視を支援するよう要請

 安保理は決議を全会一致で採択し、事務総長に対して、コンゴ民主共和国(DRC:the Democratic Republic of the Congo)の現地情勢の監視を支援すべく、国連軍事監視員及び人道援助要員の増員をはかるよう要請。

「今日の一言」― SHOCK AND AWE ―

 米英軍によるイラク攻撃は、現地時間の21日本格化し、米国防総省が「衝撃と恐怖」(shock and awe)と呼ぶ大規模空爆が始まりました。一部の米マスコミは、戦意喪失に陥るほど大きな心理的打撃を狙ったこの作戦について、広島、長崎の原爆や東京大空襲など無差別爆撃に言及しながら、その効果を説明していますが、ラムズフェルド米国防長官は、21日の記者会見で、精密誘導兵器を使ったピンポイント攻撃であり、第二次大戦の爆撃との類似点はない、と反論しています。(http://www.defenselink.mil/news/Mar2003/t03212003_t0321sd1.html
 しかし、TV等に映し出されるバグダッドの光景を見るにつけ、イラクの市民への甚大な被害は避けられそうにありません。
 今回の対イラク戦争は、ブッシュ大統領による対テロ戦争の一環として始まったわけですが、その発端となった9.11同時多発テロの遺族グループ、 "September 11th Families for Peaceful Tomorrows" の声ほど重みのあるものはないと思います。

We know how it feels to experience "shock and awe," and we do not want other innocent families to suffer the trauma and grief that we have endured.
http://www.peacefultomorrows.org/

 3月21日(金曜日) 文責:阿部

事務総長、国際人種差別撤廃デーに当たってのメッセージを発表

 アナン事務総長は、国際人種差別撤廃デー (the International Day for the Elimination of Racial Discrimination)に当たってのメッセージにおいて、偏見が多くの社会の経済社会政治構造の中に深く根ざしており紛争を引き起こしており、人種差別は依然として極めて深刻な問題であると指摘。

イラク石油食糧交換プログラムについて安保理専門家チームが検討を開始

 安保理議長であるギニアのMamady Traore大使は、アナン事務総長がイラクに対する緊急人道援助として、石油食糧交換プログラム(UN Oil-for-Food programme)に修正を加えるよう要請したことを受け、専門家チームが検討を開始すると表明。

事務総長、国連の人道問題関係機関のトップを集め会談

 アナン事務総長は、来週水曜日にも、国連開発計画(UNDP:UN Development Programme)のBrown事務局長、世界食糧計画(WFP:World Food Programme)のMorris事務局長、ユニセフのBellamy事務局長、そしてLubbers難民高等弁務官(UNHCR:UN High Commissioner for Refugees)と会合を開催し、イラクへの今後の人道支援について協議する予定。

国連難民高等弁務官、米国の難民政策に懸念を表明

 Ruud Lubbers国連難民高等弁務官(UNHCR:the UN High Commissioner for Refugees)は、米国政府に書簡を送り、新しい米国の難民政策が国籍によって政治亡命者(asylum seekers)の拘留を求めていることに懸念を表明。

WHO、SARS(重症急性呼吸器症候群)の診断方法に前進と発表

 世界保健機構(WHO:World Health Organization)は、東南アジアを中心に、既に350人が感染し10人が亡くなった原因不明の肺炎である重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome)の診断方法の研究に前進があったと発表。

「今日の一言」― legitimacy ―

 今回のイラク戦争については、大きく2つの点で、その legitimacy(正当性)に疑問が投げかけられています。

 一つは「先制行動」の是非です。国連憲章が認めているのは、1)武力攻撃を受けた後の自衛権の行使か、2)安保理決議に基づく行動、のいずれかですが、今回の米英軍による戦争が、いずれに該当するのか、明らかではありません。
 もう一つは、「政権転覆」の是非です。米英軍は明確にフセイン打倒に動いていますが、これは、いわゆる内政干渉として国連憲章も禁止しているし、米国は、大統領令により海外での要人暗殺を禁止しているのです(76年、フォード大統領)。
 いずれも、「自衛」だ「戦時下の自衛措置」だ(フライシャー報道官)と言えば、それも説明かもしれませんが、相当乱暴で説得力に欠けます。だからという訳ではないでしょうが、イラク攻撃が開始されて以来、多くの米英軍兵士が戦闘ではなく 事故で命を落としています。

 だれでも、納得のいかない仕事をさせられたら、満足に仕上げられないでしょう。もし、こうした事故が、米英軍の兵士の多くが戦争に疑問を感じていることに遠因しているとしたら、事態は本当に悲惨だと思います。
 イラクを舞台にして、健気な多くの兵士と市民に犠牲が拡大しないうちに、一刻も早く、戦争を終結させるべきだ。改めてそう感じています。

 3月22日(土曜日) 文責:山本

イラクへの人道支援のための決議案採択にむけた活動が開始

 イラクに対する人道支援活動に関する新たな安保理決議の採択のための活動が活発化。アナン事務総長はイラクに対する人道支援の調整のために関連機関のトップらと協議を開く予定。

イラク北部では国内避難民が帰還

 国連の活動により、イラク北部地域に国内避難民が帰還し、市場が開かれるなど日常生活が再開され始めている、と報道官が22日に発表した。

「エデンの園」の保護を要請

 イラク南部の湿地帯が過去2年で3分の1が消失していることについて国連環境計画(UNEP)は22日、警告を発し、この地域の戦後の活動で十分な野生動植物の保護を行うべきであると訴えた。イラクのメソポタミア湿地帯周辺は「肥沃な三日月("fertile crescent")」地帯と呼ばれ、聖書における「エデンの園(the Garden of Eden)」はこの地域を指すと主張する人もいる。

浄水の確保のための「青い革命」を:世界水フォーラム

 世界水の日を記念してアナン事務総長は、日本で開催中の世界水フォーラムにメッセージを送り、水不足と危機を武力紛争に結びつけるのではなく、世界の人々を結びつけて協力して管理する、「青い革命("blue revolution")」を呼びかけた。

 3月23日(日曜日) 文責:山本

危険を増すイラクでの文民の保護を要請

 イラク国内における軍の活動により危険が増す中で、国連は23日、関係者に無辜な文民を戦争の影響から保護するよう要請を繰り返した。

「今日の一言」 − 捕虜の扱い −

 カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは、イラク軍によって捕虜とされて米兵士の映像を放映した(ただしこれは「イラク国営テレビが収録した画像」としている)のですが、これに対し合衆国のラムズフェルド国防長官は「ジュネーブ条約違反だ」と非難したと報じられています。

 ジュネーブ諸条約の第3条約(捕虜の待遇に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約)では捕虜の身分と扱いを定めてあり、第13条〔捕虜の人道的待遇〕の第2項で「捕虜は、常に保護しなければならず、特に、暴行又は脅迫並びに侮辱及び公衆の好奇心から保護しなければならない。」と定められているため、テレビで捕虜の映像を流すことは「公衆の好奇心からの保護」に反する、という判断のようです。しかしながら、相手は異なるのですが、合衆国はタリバン兵士の投降者などに対し「捕虜ではない」として、この第3条約における保護は適用されないと主張しているわけで、自分の都合のいいときに自分の都合のいいものを適用するなぁと思ってしまいます。

 3月24日(月曜日) 文責:山本

イラクの民衆にできる支援は何でも行う:事務総長

 国際赤十字委員会からの報告によりイラクのバスラ周辺では長い間、電気も水道もとまったままで人道的に危機的な状況であると知ったアナン事務総長は24日、これまで国民の60%が石油食糧交換プログラム(Oil-for-Food programme)による支援に依存しており、それがなぜかを忘れるべきではないとして、できることは何でも行うと発表した。

バスラでの水不足が懸念

 ユニセフはイラク第2の都市バスラの水不足を深く懸念し、国境付近まで水を供給する体勢を整えつつある。バスラは170万人の人口を擁し、そのうち約10万人が5歳以下の子どもである。

アフガニスタンで学校の始業式

 週末にアフガニスタン各地で学校の始業式が行われたが、そのうちアマニ高校の始業式にブラヒミ事務総長特別代表がカルザイ議長らと出席し、学校に対する攻撃行為に遺憾の意を表明し、このような蛮行に対してアフガニスタンの人々は団結して反対することを要請した。

ブーゲンビルにはなお和平推進が必要

 アナン事務総長は24日、ブーゲンビル情勢に関して最新の報告を行い、和平プロセスは進展しているもののなおいっそうの推進が必要であると強調した。ブーゲンビルは周辺諸島からの独立を目指して1998年に仲介を受けるまで10年間独立戦争に訴えていた。国連は昨年11月に国連ブーゲンビル政治事務所(UNPOB;UN Political Office in Bougainville)を設置し、自治・国民投票・武装解除を目指している。

カシミールでの虐殺を非難

 23日にカシミール地方で発生した虐殺(24名が死亡)に対しアナン事務総長はテロリズムの卑劣な行為と強く非難するとともに遺族に心からの弔意を表した。

リベリアの文民保護状況に懸念:UNHCHR

 リベリアで継続する武力衝突に関してフィエラ・デ・メロ国連人権高等弁務官は24日、深い懸念を表明し、関係諸勢力に文民の保護を訴えた。

任務中に行方不明となった国連職員を顕彰

 国連は「抑留または行方不明職員との連帯に関する国際デー(International Day of Solidarity with Detained and Missing Staff Members)」である25日、任務の途中で拘留・誘拐などで行方不明となった国連職員を顕彰すると発表した。これまでのところ少なくとも39名が行方不明となっている。

世界気象デー

 世界気象デー(World Meteorological Day)である23日、国連総会の Jan Kavan 議長(チェコ)はメッセージを発表し、気候変動の影響を緩和するために専門的な技能を共同で結集し、そのために出資することを要請した。

世界結核デー

 世界結核デー(World Tuberculosis Day)である24日、アナン事務総長はメッセージを発表し、結核は治療可能でもあり、予防することもできるとし、2005年までに罹患者の70%を検出し、その85%を治癒させるとの目標にさらなる努力を要請した。

パルテノン神殿の大理石彫刻の返還をめぐる協議に調停:ユニセフ

 ユニセフは大英博物館が所蔵しているパルテノン神殿の大理石彫刻(the Parthenon Marbles)の所有と返還に関する英国とギリシャの間の見解の相違に関して調停を支援する旨の発表を行った。

ミャンマーの人権状況実態調査を中断

 ミャンマー担当人権特別報告者の Paulo Sergio Pinheiro 氏は24日、同国の人権状況の実態調査に来ていたが、同氏の訪問先であった刑務所でのインタビューに用いた部屋のテーブルに無線マイクが仕掛けられているなどの問題が発生したため、調査を切り上げて帰還することとなった。

「今日の一言」 − アメリカ・ジャイアン・アル=カポネ −

 アメリカって、相手が持っているものを不相応だと言って取り上げる、ジャイアンみたいな国だ(「ノビ太のくせに生意気だ!」)と常々思っていたのですが、先日、NewsWeek(2003.3.26号)を読んでいると、ラムズフェルド国防長官がイラク情勢について、ある人物の言葉を引用してこんなことを発言していたと書いていました。

 「優しい言葉だけより、優しい言葉と銃を一緒に使うほうが多くを手にできる」

 この発言、禁酒法時代のシカゴで名を馳せたアル=カポネの言葉だそうです。
 そうか、アメリカってギャングだったんだ!

 3月25日(火曜日) 文責:けい

イラク:安保理、戦争後初の会合を開催

 国連安保理は、イラク戦争勃発後、はじめてイラク問題に関する協議を水曜日に開催する。この会合ではOFF計画(Oil-For-Food Programme:イラク政府に石油の販売利益で人道物資の購入を許可するプログラム)の停止に伴いイラクに対する人道援助の促進についての合意形成を模索する。

イラク:事務総長、ライス米大統領補佐官と会談

 アナン事務総長は本日ライス米大統領補佐官(安全保障担当)とイラクの人道状況やイラクの民衆の援助のための条件などについて会談を行った。

イラク:国連関係機関、バスラでの人道的危機に関して会合

 アナン事務総長は明日、イラクでの人道的危機に関して国連援助機関の長と会合を行う。イラク人道支援調整官(the UN Humanitarian Coordinator in Iraq)は同日、イラク南部のバスラでこの4日間水不足から170万の住民が危機状況にあることについて警鐘を鳴らした。

国連報告:ボスニアで発見された武器に劣化ウラン

 国連環境プログラム(The United Nations Environment Programme:UNEP)は、1994〜1995年にボスニア・ヘルツェゴビナで使用された武器から流失した劣化ウラン(depleted uranium:DU)が、水道から検出されたことが明らかになった。この件に関してUNEPは、至急の危険ではないが定期的な監視を推奨している。

WHO、原因不明の呼吸器疾患に関する報告

 東南アジアなどで見つかった原因不明の呼吸器疾患(Severe Acute Respiratory Syndrome:重症急性呼吸器症候群)の発生から10日、国連世界保険機構(WHO)は本日、2種類のウィルスが死に至るような症状を引き起こす可能性があると報告した。詳細は感染症情報センター(http://idsc.nih.go.jp/others/urgent/update10.html)

今日の一言 敢えてぶっちゃけてみる。

 3/20にとある所に書き込んだ内容、かなり過激なのですが、敢えてここに転載します。

「後、降って沸いたように戦争反対って声を上げるのはどうなの?そういう人たちにとっては本当に一時的な反戦の主張のフリをして自分は心を痛めてますなんて感傷に浸るだけなんでしょう?だったらここ数年のイラクの状況に関して能動的に情報を得て、イラクの人道援助の問題や政治的な問題について認識しとけよと。そういう意見や意志を国会議員や首相や政府にいっとけよと。」
(原文ママ)

 随分と酷いことを私は言っていますが、今、反戦の意志を示したり行動することは確かに大切なことだと思います。尊い行動だと。でも、現実問題としてブッシュ政権はこの世論を受け入れて即時撤退を行うでしょうか?
 その可能性は高くないと言わざるを得ません。
 例えば、普段からほんのちょっとでもいいから国際欄に目を通しておく。普段の政府や政治家の発言を気にとめておく、そして自分の持っている選挙権を確実に行使する。政治家に投書してみる。面倒かもしれないし、それは相当回りくどいことかもしれない。でも、そういったことを怠ってきたツケが、今、表面化しているのかもしれません。
 自戒を込めて。

 3月26日(水曜日) 文責:山本

開戦後初のイラク情勢に関する討議:安保理

 イラクに対する軍事行動が開始されて2週目になるこの時期、安全保障理事会は26日、アラブ連盟(the Arab League)と非同盟運動(NAM;Non-Aligned Movemen)からの要請でイラク情勢に関する協会協議を行った。
 マレーシアの Rastam Mohd Isa 大使は非同盟運動の代表として発言し、国家間の問題については国連憲章と国際法の原則に従い、安全保障理事会からの適切な承認なしの加盟国の主権・領土保全・独立に対する単独軍事行動は認められないと語った。アラブ連盟の代表として Yahya Mahmassani 氏は3月23日に開催された大臣級会議で、イラクに対する侵略が国際平和と安全に関する脅威であり、国際法と国連憲章の原則への違反であるとし、英米軍の即時撤退を要請した。

バグダッド空襲で市場に被害

 国連イラク人道調整官(UNOHCI;UN Humanitarian Coordinator for Iraq)の Ramiro Lopes da Silva 氏は26日、バグダッドにおける空襲で民間のマーケットが攻撃を受け、多数の死傷者が出たと報告、民間施設への攻撃は国際人道法への違反であるとし、深い懸念を表明した。

イラクの民衆支援に協力を

 アナン事務総長は26日、イラクへの武力行使における死者への悲しみと生者への苦しみの意を表し、イラクの民衆のために迅速かつ豊富な人道援助を行うよう、安全保障理事会に要請した。

事務総長、イラクの民間人死傷者続出に懸念を表明

 アナン事務総長は26日、イラクにおいて民間人の死傷者が多数でていることに関し懸念を表明し、軍事行動が終了後直ちにイラクに入り支援活動を再開するよう関係機関に要請した。
 イラク国民の60%が石油食糧交換プログラム(Oil-for-Food programme)による支援に依存しているが、そのプログラムは3月17日に国連職員を国外に避難させてから中断している。

北東部はほとんど大惨事の状態:コートジボアール

 ユニセフは27日、コートジボアールの北東部で悪化している対立状況により、特に子どもたちが大惨事ともいえる状況にさらされていることに対し懸念を表明した。同地域では医療関係者の大部分も避難し、医者が居ても薬品がないなど医療システムは崩壊している。

人権委員会、開発における人権について協議

 国連人権委員会の Arjun Sengupta 独立専門官(Independent Expert)は26日、ジュネーブにおいて開始された開発における人権の問題に関する協議で、グローバリゼーションのプロセスが人権に適ったものとなるように行うことの必要性を強調した。

国連人権委員会、人種差別の新しい形態を警告

 国連人権委員会では25日、人種差別問題に関する協議が開催され、Doudou Diene 特別報告者は新たな形態の差別が勃興しており、民族間・地域間・国家間で対話と尊敬の文化がなければ差別に対する戦いに勝利できないと警告した。

中国のSARS罹患者は約800人

 世界保健機構(WHO)の専門家チームは週末に中国を訪れ、重症急性呼吸障害症候群(SARS)と識別された患者が、中国政府が発表した数の2倍の約800人に達することが判明した。

ICCの主任検察官を選出

 世界で唯一の戦争犯罪を裁く常設裁判所である国際刑事裁判所(ICC)の主任検察官としてアルゼンチンの Luis Moreno Ocampo 氏を選出した。

クロアチア政府に前将軍の逮捕を要請:ICTY

 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)は Janko Bobetko 将軍を起訴し、クロアチア政府に対し84歳になる容疑者の逮捕と、移動に耐えうる度合いの健康の確認の上、移送することを要請した。

食糧増産に官民の協力を:FAO

 ローマで開催されている高官級会議「全地球的食糧安全保障と持続可能な豊穣の役割("Global Food Security and the Role of Sustainable Fertilization")」の席上、国連食糧農業機構(FAO)の David Harcharik 事務局次長は農業生産を増加し、土地の枯渇化を防止することによって飢餓をなくしていくことに関して、政府と民間とが協力していくことを要請した。

「今日の一言」 − 大声を出すのは −

 20世紀初頭のニューヨークに生まれ、正規の学校教育を一切受けず、40歳前後からサンフランシスコの港湾労働者として働く傍ら、図書館に通い思索を続けた哲学者が居ます。彼の名前をエリック・ホッファーと言います。彼の思索は生身の−言葉を選ばずに言えば社会の底辺の−人間の生活の息吹に根ざしたもので、読むほどに胸にぐさりぐさりと刺さってきます。

“大声を出すのは寂しいからである。これはイヌと同様、人間についても真実である。”
(E.ホッファー 『魂の錬金術』)

 「正義」を声高に叫ぶ者こそを疑え。
 このアフォリズムを読んで、アメリカが自国の「正義」を叫ぶのは「寂しい」からではないのかと、ふと思いました。

 3月27日(木曜日) 文責:阿部

安保理、開戦後初のイラク問題に関する公開会合を開催

 安保理は、3月19日の開戦後初めてのイラク問題に関する公開会合を終了。70近くの国々が討論に参加し、軍事行動に関する意見の相違を超えて、イラクの人々に対する人道援助の重要性を指摘。

国連諸機関3400人の現地職員がイラク市民への援助活動を継続

 イラクにおいては、ユニセフや世界保健機構(WHO)など国連諸機関3400人に上る現地職員が、現在も、同国市民に対し援助を提供すべく最善を尽くしていると発表。

ブリクス委員長、イラクが射程150キロ超のミサイルを使用した証拠ないと指摘

 イラクが今戦争で射程150キロを超えるミサイルを使用したと伝えられることについて、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長は、その証拠はないとするとともに、生物化学兵器の使用についても、その可能性はないだろうと指摘。

人権高等弁務官、人権委員会でイラクの人々の状況に憂慮を表明

 フィエラ・デ・メロ人権高等弁務官は、人権委員会(Commission on Human Rights)において、イラクの人々の状況に憂慮を表明するとともに、当事者に対し、その人権の尊重を改めて要請。

事務総長、モイニハン上院議員の訃報に哀悼の意を表明

 米国のダニエル・モイニハン上院議員(元・米国連大使)が死去したことを受け、アナン事務総長は、同氏が国連の理想の唱道者であったとして、哀悼の意を表明。

「今日の一言」― 歴史の中の現在(1) ―

 最後に、米国のモイニハン上院議員が亡くなったとのニュースがありますが、どこかで聞いた名前だと思われませんでしたか。日本では、引退するモイニハン上院議員の選挙地盤をヒラリー・クリントンが引き継いだことで有名になりました。2000年のことでした。
 モイニハン元上院議員は、76年から4期24年にわたって上院議員を務めましたが、それに先立って、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォードという4人の大統領の下で政権に参画、インド大使、そして国連大使を最後に上院議員に転じました。
http://www.iht.com/articles/91238.html
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A34357-2003Mar26.html

 今、イラク戦争に関連して、米国単独でのイラク攻撃も辞さないと主張、戦争を主導してきたラムズフェルド国防長官、ウルフォウィッツ国防副長官らの、いわゆる新保守主義=ネオコン(neoconservatives)に注目が集まっていますが、モイニハンは、まさにそのネオコンの先駆けです。
 但し、モイニハンは、最近のネオコンとは、その経歴、信条において、格段の差があると感じます。都市問題、社会保障問題に通じており、公民権運動全盛期を生き抜いた彼に、79年の「ネーション」誌は「新保守主義の良心(The conscience of a neo-conservative)」の名を冠しました。(http://www.nixonfoundation.org/nrc/030327aMoynihan.shtml
 アナン事務総長は、追悼メッセージで、モイニハンを「国連の理想の唱道者」と表現しましたが、日々の情報の洪水に右往左往するだけでなく、少し時間を割いて、国益と多国間主義とのバランスに心砕いた国連大使モイニハンの生涯を振り返ってみたい、そう思います。(http://www.un.org/apps/sg/sgstats.asp?nid=296

 3月28日(金曜日) 文責:阿部

国連、イラクの人道援助のための緊急支援を国際社会に要請

 国連のLouise Frechette副事務総長は、イラク戦争が始まって1週間以上が経過し、多くのイラクの人々が困難な状況に陥っていると指摘するとともに、イラクの人道援助を今後6ヶ月にわたって行うために、22億ドルの緊急支援を国際社会に要請。

事務総長、イラク石油食糧交換プログラムに関する安保理の迅速な対応を歓迎

 アナン事務総長は、イラクの人道援助のために国連は迅速に動かなければならないと指摘し、国連安保理がイラク石油食糧交換プログラム(oil-for-food programme)に関する権限を事務総長に付与することを承認したことに歓迎の意を表明。

事務総長は、赤十字国際委員会要員の惨殺についてアフガニスタンに責任究明を要請

 アナン事務総長は、アフガニスタン南部で、赤十字国際委員会(ICRC:International Committee of the Red Cross)の援助要員が惨殺されたことを受け、アフガニスタン当局に対し責任追及に全力をあげるよう要請。

国連安保理、ルワンダ国際刑事裁判所判事の指名期限を延長することを決定

 国連安保理は、ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR:The International Criminal Tribunal for Rwanda)の判事の指名期限を延長することを決定。これは、指名された判事候補の数が必要数に満たなかったことを受けた措置。

安保理、国連シエラレオネミッションの任期を6ヶ月延長

 国連安保理は、マノ川地域(the Mano River region)の安全保障面の状況が懸念されることから、国連シエラレオネミッション(UNAMSIL:UN Mission in Sierra Leone)の任期を6ヶ月延長することを決定。

「今日の一言」― 歴史の中の現在(2) ―

 イラク戦争は「新しい戦争」であり「対テロ戦争」であるとのプロパガンダの下、ブッシュ政権には、世界が二度の大戦の反省から築き上げてきた国際規範を軽視する傾向があるように思われます。
 こうした風潮に関し、ハーバード大学の入江昭教授(歴史学)が25日付の日経新聞にユニークな論稿を寄せられていますので、ポイントを紹介したいと思います。教授とは、ニューヨークの国連本部近くでお会いしたことがあり、改めて、その視点の鋭さに感銘している次第です。
 教授は、英国の歴史学者ジェームズ・ジョルの名著「第一次大戦の起源」を参照しながら、6つの観点から、イラク戦争は、単なる「新しい戦争」ではなく、第一次世界大戦と類似している、と指摘しています。すなわち、1)覇権を巡る争い=パワーポリティクスの存在、2)軍備の拡張、3)愛国心にアピールする内政上の必要、4)経済活動のグローバル化(に逆行するにも関わらず開戦)、5)帝国主義の存在、6)ナショナリズムの高揚、の6つです。
 もう少し具体例を引けば、第1次大戦も、1914年、オーストリアの皇太子の暗殺という「テロ」を引き金に、オーストリアがテロリストをかばう小国セルビアに調査団を派遣しようとし、セルビアが拒否したことを口実に、大国側が宣戦布告したのです。こうした歴史認識から、教授は、「現代の戦争が世界大戦にならないとは限らない」、と警告する一方、第一次世界大戦時代との違いは、組織化され世界規模で連帯する、国際世論の力強さであるとし、「六十億人の形成する国際世論」こそ歴史を創る力であると、一人ひとりの人間への期待を表明されています。(http://www.fas.harvard.edu/~rijs/faculty_iriye.html

 3月31日(月曜日) 文責:Tat

イラク国境に国連人道援助派遣

 イラク国境沿いに配備している国連WFPはトルコからイラク北部に敵対行為が勃発して以来最初の国連食糧援助を搬送した。さらにUNICEF、UNHCR、UNESCOなどの援助機関も人道援助をイラクに積送する方法を調査している。

アナン事務総長、イラク情勢についてアラブ諸国と会談

 国連のアナン事務総長は、今週国連メンバー国の地域グルーピングについての一連の会合に先立って、イラク情勢について報告し意見を聞くためアラブ諸国と会談。

ミャンマーのケシ栽培撲滅のため日本が拠出

 ミャンマーのあるケシ栽培地域での国連の麻薬管理努力を支援する目的で、日本政府は120万ドルの拠出をする。これはプロジェクトがケシ農家の食糧確保増進、生活水準改善、ついには麻薬・ケシ栽培の撲滅に貢献すると期待されている。

イスラエルでの自爆テロを国連大使非難

 国連中東和平プロセス担当ラーセン特使は、週末に30人ものけが人を出したイスラエルNetanyaでの自爆テロを「非道かつ卑劣」と強烈に非難。

ソマリアへの武器輸出違反者に対し制裁を勧告、国連専門家

 ソマリアへの武器輸出に一貫したパターンがあることを発見し、国連専門家パネルは、将来のすべての違反者は制裁を受けると安保理が明確な信号を送るよう勧告。

今日の一言:直感の正しさ

 ニューヨークに住んでいるおかげで、イラクでの戦闘について違った人種的・宗教的背景を持った人たちと話す機会に恵まれています。
 反戦を明確に口にするのはアメリカ以外の国からの人たち。「非暴力、それがベストだ。暴力は悲劇しか生まない。」というイスラエル人の言葉には大変な重みがありました。一方アメリカ人の反応は意外と様々です。「あれは愚かね、完全に」とか「早まったことをしてしまった」というのは割合多い反応。「これはほぼ侵略(Invasion)だよ・・・」と言ったまま絶句する青年も。また「俺はブッシュは嫌いだが戦争は支持している」というアメリカ人もいます。また「多くのアメリカ人は戦争は過ちだと感じている。だけどそれを口にできない。愛国心や勇敢さの欠如を責められるからね。だから戦争賛成のふりをしている人も多いんだ。」という分析は非常に地に足の着いたものだと思いました。
 私の周囲に限って言えば、女性はほとんど戦争反対、男性も一人一人話してみると決して全面的には賛成していない。直感的に「これはおかしい」と多くの人が思っているのでしょう。私はその直感の力を信じます。言葉に上手くできないけれども「何かおかしいぞ」と思うこと、「私は納得していない」と声を出すこと。それが民主主義の社会では重要です。その正直な気持ちをデモという形で表現することは大変に健全なことです。たとえその論証が不完全であっても、重大な問題について語りあうこと、共に情報を集め考えることに偉大な価値がありますし、為政者に影響を及ぼすこともあります。また詳細な分析をしていろいろな理由を挙げてみても、結局は直感で得た結論が正しかった、ということは多いものです。したがって私は、冷静な現実分析を尊重すると共に、多くの庶民が直感で感じている「声無き声」を声にする試みを支持します。

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Updated : 2007/02/18