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Title : December 2002
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12月 2日(月曜日) 文責:Tat

事務総長、ガザ地区の国連食糧庫破壊につきイスラエルに調査要請

 ガザ地区の国連食糧庫がこの週末破壊されたことを受け、アナン事務総長はイスラエルに当事件の調査を要請した。

WFPはイスラエル軍よるガザ地区倉庫破壊に対し補償を要求

 世界食糧機関(WFP)の倉庫が週末にイスラエル防衛軍(IDF)に破壊されたことを受け、WFPは今日強硬な抗議を発表、イスラエル政府に施設の損害を補償するとともに人道原則を遵守するよう要求した。

イラク:国連査察団ミサイル開発施設を検査

 国連の専門家は今日もイラクの武器査察を続行、主要なミサイル開発施設のひとつを訪問した。

事務総長、パンアメリカン保健機構(PAHO)の世紀にわたる努力に賛辞

 アナン事務総長は今日、パンアメリカン保健機構(PAHO)は過去一世紀に渡る貢献を統合化・民主化された勢力と称し、多くの人々に希望を与えた、と賞賛した。

アフガニスタン:ボン協定一周年、国連大使進歩と挑戦を語る

 アフガニスタン内の数々の派閥が、戦禍に荒らされた国の政治的過渡期の道を敷く記念碑的協定にサインして約1年、国連大使はそれ以来達成された成果を歓迎し、安全維持の課題が今も続いていることも強調した。

12月 3日(火曜日) 文責:けい

兵器査察団、大統領関連施設を抜き打ち調査

 UNMOVICとIAEAからなる国連の監視チームは、本日、イラクに8つある大統領関連施設のうちのひとつに抜き打ちでの調査を行った。

事務総長、キプロスのEU加入問題について発言

 アナン事務総長は本日、キプロスがまもなくEUへの加入を認められるだろうとの期待を寄せ、レポーターに彼のこの島に対するビジョンを聞かれた際、「私の夢は統一キプロスがEUに認められて、EUに加入し、ひとつの国家として繁栄することだ」と答えた。

アフリカ:安保理、未曾有の飢餓状況であるが政治意志によって食い止められる

 3800万人のアフリカの人々は、空前の飢餓状況の危機にある― 世界食料計画(the UN World Food Programme :WFP)のモーリス事務局長は、本日安保理で報告を行い、十分や政治意志と物資が押し寄せる飢饉の波を食い止めることができる点を強調した。

イラク:事務総長は査察の順調な進行を歓迎

 アナン事務総長は本日、国連の兵器査察団が順調に彼らの職権を行使している事実を歓迎した。今朝、国連本部に登庁する際、記者団の質問に答えたもので、本日の大統領関連施設への査察が、査察官たちが彼らの職権を実効的に行使していることを示していると発言した。

国連総会:一連の決議によってパレスチナの援助を切望

 国連総会は、年次討論でパレスチナと中東に関する問題を討議し、本日、圧倒的な賛成でこの地域における国連の活動とパレスチナの人々の窮状に焦点を当てた一連の決議を採択した。

国際障害者デーに寄せてWHOが報告書を発表

 本日、世界保健機関(WHO)から発表された報告によると、共同体をベースとするリハビリテーション計画は障害を持つ人々に非常に前向きな影響を与えているが、発展途上国のより多くの人々の生活に対して質的に効果を上げるには、その規模は非常に小さいものであり、資源不足であるとのこと。
 この報告はスウェーデン障害者国際援助協会(the Swedish Organizations of Disabled Persons International Aid Association)とWHOの共同プロジェクトで、ガーナ、ガイアナ、ネパールでのインタビューに基づいている。

ブルンジ:事務総長、ブルンジ政府と反政府ゲリラの平和条約の締結を歓迎

 アナン事務総長は、本日ブルンジの暫定政府と反政府組織CNDD-FDD間で合意に達した停戦協定に対して歓迎の意を表明した。

今日の一言−ネット上での「情報の構造化」と検索精度(4)

 過去3回分はSUNのDaily Highlightsの11月分を参照のこと。

 前回までの話で、インターネット上の文書の検索精度を高めるためには、文書の構造をHTMLという規格にしたがって明示することが重要で、そのためにHTMLには「タイトル」や「見出し」という要素を設定するタグがあるということはおわかり頂けたかと思います。今回は実際の検索エンジンについてのお話です。
 見出し(htmlでは重要度に応じて〜というタグで設定する)や、文書のタイトル、キーワード情報というのは普通の本文よりも当然重要度が高いはずです。したがって、多くの検索エンジンのプログラムでは同じキーワードに対して、それが「見出し」や「タイトル」として設定されている方をより重要(検索結果として表示される順番が先)と見なしています。
 しかし、この性質を利用して文書の中に多くのキーワードを見出しとして設定して(その文書とはあまり関係のないキーワードであっても)、よく使われる言葉の検索結果でより上位にランク付けされることを露骨に狙ったサイトが急増しました。しかも個人のサイトだけでなく、IT関係の企業などが商業的効果を狙ってです。
 また、検索結果の最上位という「場所」を広告スペースとして手に入れられる(現在では、検索結果ではない「広告」に関しては広告だという明示がされるようになってきていますが)サービスなどが登場し、本来の「文書構造が適切でキーワードに対して適切なサイト」が出にくくなるような状況が一時期起こりました。

 幸い、googleなどでは「PageRank」という新しいシステム(簡単にいうと、多くのサイトからリンクされているページは重要度が高い、またそのような人気のあるサイトからリンクされているページも同様に重要度が高いという仕組み)や上記のような検索結果上位を狙ったページを「不適切」と判断して除外する仕組みなどが導入されたことにより、上記のようなスパムまがいな状況も改善されつつあります。
 かなり長くなってしまったので、次回、おまけとして今までのことを踏まえてホームページを作るときにどういうことに気を付ければよいのかを述べて終わりにしたいと思います。こんな長い文章に最後までつき合って頂いて本当にありがとうございました。

12月 4日(水曜日) 文責:山本

「国連文化遺産年」終幕

  総会は国連文化遺産年(UN Year for Cultural Heritage)の終幕にあたり、各国の遺産を保護するための国際的協力と財政的支援の必要性を強調した。文化遺産はそれ自身の価値とアイデンティティの象徴であることからしばしば破壊の対象となっており、遺産の保護と未来の世代への受け継ぎは緊急の課題となっている。

パレスチナ難民支援国会議開催

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は4日、ニューヨークで支援国会議を開催し、来年度分として合計4700億ドルの資金拠出誓約を確保した。

ガザ地区で新たに通行制限強化

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は4日、イスラエルに対し、ガザ地区における新たな通行制限に対し正式に抗議した。

大量破壊兵器査察続く:イラク

 イラクにおける大量破壊兵器査察は続いており、4日はバグダッド北部の元化学兵器工場を査察した。前回の査察で使用不可能としたが、設備の再建などの措置がとられていないかを確認した。

oil-for-food スキームの期限を6か月延長:イラク

 安全保障理事会は4日、期限が差し迫っていたイラク石油限定輸出プログラム(oil-for-food)の明日から180日間の期限のスキームへの拡張を承認した。

和平進展するも国連の支援はさらに必要:ブルンジ情勢

 南アフリカ共和国の Jacob Zuma 副大統領は4日、ブルンジ情勢について安全保障理事会で状況説明を行い、同国の情勢は安定化に向かっているが国連からの支援はこれからも不可欠であると強調した。

反政府勢力が人道支援活動者の安全を保障:コンゴ民主共和国

 国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)は4日、反政府勢力・コンゴ愛国者連合(UPC;Union of the Congolese Patriots)の代表がIturi地区における人道支援活動者の安全を保障することを約束したと発表した。

MONUCの平和維持部隊増員を決定

 安全保障理事会は4日、コンゴ民主共和国情勢に関する決議を採択し、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)の平和維持部隊を現在の4,250名から8,700名に増員し同国東部に拡大展開することを決定した。

MINUGUAが大統領警備隊への予算移転を非難

 国連グアテマラ監視ミッション(MINUGUA)は、同国大統領が議会の承認なしに大統領警備隊への予算確保・移転したことを非難した。グアテマラでは社会の安定のために全国の国民が必要とする社会サービスが適用できるようになるまで、そのための基盤整備に活用する分の予算を大統領警備隊の予算を停止することで確保するはずであったものに反する行為であった。

シエラレオネからのダイヤ原石輸出禁止を延長

 安全保障理事会は4日、シエラレオネ情勢に関する決議を採択し、2000年7月から開始されている同国政府による原産地証明確認体制(Certificate of Origin regime)の施行期限を6か月延長することを決定した。

スワジランドで法の支配が悪化

 法曹の独立に関する特別報告者(Special Rapporteur on the independence of judges and lawyers)である Dato' Param Cumaraswamy 氏は4日、ジュネーブで声明を発表し、スワジランドにおける法の支配の悪化について重大な懸念を表明した。

ディリで600人規模の暴動発生:東ティモール

 東ティモールの首都ディリで600人規模の暴動が発生し、国連平和維持部隊と警察が鎮圧に派遣されたが、学生1人が死亡、議員1名が負傷した。

アナン事務総長夫人、合衆国中西部を訪問

 事務総長夫人の Nane Annan 氏は世界的な HIV/AIDS 危機への認識を高めるために4日・5日の両日、ミネアポリス・セントポール・ミネソタ・シカゴを訪問し、地域の指導者や児童病院を訪問、啓発イベント等に参加する。
 今回の訪問は国連財団と合衆国国連協会が後援したもので、「無関心が死を招く」キャンペーン("Apathy is Lethal")の一環で開催された。

「河川盲目症」の撲滅宣言へ:WHO

 世界保健機構(WHO)は4日、西アフリカ地域で約30年間、公衆衛生への脅威とされてきた河川盲目症(river blindness disease)の撲滅にほぼ成功し、この6日に公式に撲滅栓宣言されるであろうと発表した。この病気は回旋糸状虫症(onchocerciasis)とも呼ばれ、河川周辺に住むブヨなどに刺されることで回旋糸状虫に寄生され、症状が悪化すると視力を失うことになる。撲滅キャンペーン開始時には対象地域の人口の10%が完全に盲目で、30%が重度の 視力障害をもっていた。

来年度分の拠出誓約が順調:UNHCR

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は来年度の支援必要予想額である約10億ドルに対し、拠出誓約が予想以上に多く、すでに約3分の1の3億1700万ドルの誓約がなされていると発表した。

戦時における文民の保護:事務総長報告

 アナン事務総長は4日、安全保障理事会に戦時の非戦闘員の保護に関する報告書を提出し、性的搾取・天然資源の略奪・テロリズムへの対処が大きな課題となっていることを指摘した。また「テロは無条件で非難されなければならない(terrorism must be condemned without reservation.)」とし、文民を目標とした攻撃や圧倒的な勢力による軍事力行使は国際人道法に違反していると強調した。
 [報告書](PDF)
 http://ods-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/N02/712/97/PDF/N0271297.pdf

◆「今日の一言」 − "Apathy is Lethal" −

 自分は問題の一部ではないという認識が、自分を問題の一部から逃さない。そしてそれがもとで死を招くことすらある。その意味ではきわめて端的で衝撃の強い表現であり、考えさせられるキャンペーン名と言えると思います。問題を問題と認識することで初めて問題は問題として立ち表れ、解決の緒につくわけですから。

☆   ☆   ☆

  ダリューンがテーブル上の茶碗を横へ押しやった。
  「ナルサスよ、無関心は悪の温床であって善の見方ではない、という
   立派なせりふがあるのだがな」

(田中芳樹:『アリスラーン戦記(1) 王都炎上』)

12月 5日(木曜日) 文責:阿部

国連、キプロス問題解決案について当事者からの回答を待っているところ

 アナン事務総長が11月に提示したキプロス問題解決案について、国連は現在、当事者からの回答を待っているところであると、国連キプロス平和維持隊(UNFICYP:UN Peacekeeping Force in Cyprus)のスポークスマンが指摘。

ユニセフ、エチオピアでビスケット百トンを配布する計画を発表

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF:the United Nations Children's Fund)は、干ばつに襲われたエチオピアで栄養不良状態にある子どもや妊産婦に対して、ノルウェーが提供した高エネルギー・ビスケット百トンを配布する計画を発表。

12月 6日(金曜日) 文責:阿部

イラク、国連査察委員会及び国際原子力機関に兵器プログラムに関する申告実施

 イラクは、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC:the UN Monitoring, Verification and Inspections Commission)及び国際原子力機関(IAEA)に対し、同国の兵器プログラムに関する申告を行った。文書とCD-ROMからなるこの申告は、バグダッド市内のキャナル・ホテルで査察団に手交された。

安保理理事国、兵器拡散を促進しないよう国連査察団に申告を精査するよう要請

 イラク問題に関する安保理非公式協議の後、安保理議長であるAlfonso Valdiviesoコロンビア大使は理事国を代表して報道声明を発表し、イラクが週末提出する申告が兵器拡散を促進することになりかねないとの懸念を払拭すべく、国連査察団が申告を精査するよう要請。

イスラエル政府のガザ難民キャンプへの攻撃で国連職員を含む10人が死亡

 イスラエル政府がガザの難民キャンプに対し軍事攻撃を行い、国連援助職員2人を含む10人が死亡した事件を受けて、アナン事務総長はイスラエル政府に対して、自制と国際人道法に沿った行動を要求。

事務総長、二氏に対しキャンドルライト賞を授与

 アナン事務総長は、ニューヨークに本部を構えるNGO、Carriage Houseに代わって、企業家Maurice Strong氏、「われら共有の未来(Our Common Future)」の著者Jim MacNeill氏に対し、キャンドルライト賞(Candlelight Award)を授与。

「今日の一言」― You can choose ? ―

 一つ目のニュースにあるように、イラクは、UNMOVIC及びIAEAに対し同国の兵器プログラムに関する申告(Weapons Declaration)を行いました。
 本来この申告書の分析は、本来国連の手により行われるべきものですが、8日夜には安保理が常任理事国5ヶ国が申告書を直接入手することを認め、9日には、米国がイラク政府の申告書を入手したとのこと。
 これにより、米国は膨大な費用と専門家を動員し、短期間で独自の文書分析作業を行い、申告書の「虚偽」を指摘することができるのです。反テロ戦争はある意味で「情報戦」ですから、米国は大きな情報優位を確保したわけです。
 今回の反テロ戦争で、私たち一般の市民が感じる「気分の悪さ」の一つは、米国等の振る舞い是非を判断する情報を、私たち自身がほとんど持ち合わせていないことです。

フライシャー大統領報道官は、会見でこのイラクの申告書に関し、

"President Bush has said Iraq has weapons of mass destruction.
Tony Blair has said Iraq has weapons of mass destruction.
Iraq says they don't. You can choose who you want to believe."
と述べていますが、この情報不足の中でどうやって判断しろというのでしょうか。
http://www.usatoday.com/news/world/2002-12-05-declare-usat_x.htm

 戦後ながらく続いた冷戦構造はもっての他ですが、一方で、現在の米国のように、カウンター・パワー不在の覇権構造は、やはり不健全としかいいようがありません。

12月 9日(月曜日) 文責:Tat

安保理、イラクの兵器申告書類を理事国に開示決定

 イラクの兵器プログラムにつき申告した12000ページの申告書類がニューヨークの国連本部に到着。武器拡散のリスクその他の機微な情報を評価する専門能力を有する安保理メンバーに文書を開示すると安保理議長は決定した。

アフリカのエイズは女性に蔓延、事務総長が伝染防止を要請

 アフリカでのエイズは劇的にそして極端に女性たちに蔓延している、それはまさに飢餓防止の援助を求めアフリカの開発を待っている人たちである、とアナン事務総長は今日語った。

事務総長ブラジル大統領と会見

 アナン事務総長は今日ニューヨークでコルドソ(Fernando Henrique Cardoso)大統領と会見、主要な問題点と関心事を概観した。

事務総長キプロス提案書の近日中改訂を希望

 アナン事務総長は11月11日のキプロス問題合意提案書につき、両当事者からのコメントを踏まえた改訂が近日中になされることを希望した。

アンゴラ:安保理がUNITAへの制裁解除

 安保理は今日、アンゴラの市民戦争以来9年に渡ってUNITA(アンゴラ全面独立民族同盟)に課された制裁を解除した。

12月10日(火曜日) 文責:けい

特別代表、和平改正案を両当事者に渡す

 キプロス担当の事務総長特別代表のAlvaro de Soto氏は本日、事務総長によって修正された和平案の文書をギリシア人系のキプロス指導者であるGlafcos Cleridesとトルコ人系のキプロス指導者のRauf Denktashに渡した。

安保理は武力紛争下における市民の保護のための手段を討論

 武力紛争下における市民の保護のための手段についての安保理での討論において、アナン事務総長は市民個人の安全を改善し、戦闘が終了した後に市民に安全を保障する現実的な方法を見いだすことが緊急の課題である旨強調した。

中東:UNRWA、ヨルダン川西岸地域とガザ地区援助のため9400万ドルの拠出を求める

 国連パレスチナ難民救済事業機関(The United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees: UNRWA)は本日、来年初頭にもパレスチナ占領地での緊急援助活動を実行するために必要な9400万ドルの拠出を求めるアピールを行った。

事務総長、ユーゴスラビアとクロアチア間のプレブラカ半島に関する協定を歓迎

 アナン事務総長は本日、ユーゴスラビアとクロアチア間で合意に達したプレブラカ半島に関する協定の調印を歓迎した。両国は長期間に渡ってこの戦略的な要衝を巡って対立していた。

東ティモール:UNMISETは先週の暴動の発生を受けて、警察機構のてこ入れ措置を発表

 先週発生した東ティモールでの暴動に関する調査を受けて、東ティモール支援団(the UN Mission of Support in East Timor: UNMISET)のKamalesh Sharma代表は、本日、東ティモールの警察機構の強化のための即座の措置を発表した。

来週までにはイラク申告の最初の分析報告が発表される模様

 UNMOVICのブリクス委員長は本日、現在、国連の専門家によって審査されているイラクの兵器プログラムに関する申告書の最初の評価が来週頭には安保理に発表されるであろう見通しを述べた。

さらなる査察団が調査のペースアップのためにイラクに到着

 本日は、新しい査察団メンバーが支援のために到着したため、イラクにおいて兵器査察団が活動を再開してから最も忙しい一日になったと国連スポークスマンは述べた。 

12月11日(水曜日) 文責:山本

ミサイルとタンク部品工場等を査察:イラク

 国連武器査察団は11日、バグダッド郊外にあるミサイルの誘導制御部品工場とT-72型戦車の部品工場を査察した。また他の査察チームは医療研究センターやウランを抽出していた工場を査察した。

UNRWA職員が殺害

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は Tulkarem における職員1名の死を確認した。去る3日に自宅でイスラエル軍兵士によって殺害された模様。UNRWAでは過去3週間で4名の職員が亡くなっている。

道路復旧に着手:コンゴ民主共和国

 国連食糧農業機関(FAO)は11日、飢餓に苦しむ人々に食糧を運搬したり、農業生産を引き上げるための重要なステップとしての道路再建に着手したと発表した。道路がないことにより地方の農業従事者は都市部の市場に生産物を提供して収入を得ることができず、一方都市部では農業生産物が提供されないことで価格が高騰し、全体として飢餓を拡大させているため。

ジンバブエにおけるAIDS情勢を報告:WHO

 世界保健機構(WHO)がジンバブエにおけるAIDSの影響を調査した報告書を発表し、青年・壮年層がAIDSで亡くなり、孫の世代を高齢者層が世話をしているという状況が多く見られるにも関わらず、支援が十分にいきわたっていないと警告した。調査は2001年、ジンバブエの6つの州、685名に対して実施された。

「子ども白書」を発表:ユニセフ

 ユニセフは11日から開始された年次総会で「子ども白書2003(State of the World's Children 2003)」を発表し、子どもたちに影響を与える決定に関してはさらに子どもたちの声を反映させたものにすべきであると指摘した。
 [世界子供白書 2003] http://www.unicef.org/pubsgen/sowc03/sowc03.pdf (PDF)

東ティモールによる移民労働者条約の採択を賞賛

 Gabriela Rodriguez Pizarro 国連移民労働者の権利に関する問題特別報告者(UN's Special Rapporteur on the question of the human rights of migrants)は11日、東ティモールが「あらゆる移民労働者とその家族の権利保護に関する国際条約 (International Convention on the Protection of the Rights of All Migrant Workers and Members of their Families)」を採択したことを賞賛した。
 本条約は1990年12月18日に国連総会で採択されたが未発効である。

第4回政府再構築グローバルフォーラム開催

 モロッコで11日から開催される第4回政府再構築グローバルフォーラム(the Fourth Global Forum on Reinventing Government)の開会にあたってアナン事務総長はメッセージを送り、よりよい世界構築のために国際社会は民主主義・行政・健全な統治機構に多くの注意を払うべきであると強調した。

事務総長、国連財団の貢献を歓迎

 アナン事務総長は11日、事業家であるテッド・ターナー氏によって設立された国連財団(UN Foundation)の設立5周年式典に参加し、5年間の国連への貢献を歓迎した。
[国連基金] http://www.unfoundation.org/

「今日の一言」 − 今日の訳語 −

 今日はとても訳出に困ったというか悩んだ言葉が2つあります。

 1つは6番目の記事の"Migrant Workers"です。Migrantがなければ「移民(者)」で意味がわかっていただけると思うのですが、Workersがあることで少々意味が多重になります。職を求めて移動する労働者(季節労働者、出稼ぎ)という意味もあるのですが、移動を余儀なくされている人々が生活のために劣悪な環境で労働をしていることをも指し、彼ら(というのは前者も、という意味です)に対する支援を行う活動が世界中でなされているという背景があるためです。ところが日本語の訳としては、「移民労働者」「移住労働者」があり定訳がありません。とりあえずここでは外務省訳を採用しています。

 もう1つは7つめの記事の"Reinventing Government"です。通常英語でこういえば1993年に時のクリントン政権が開始した、ITを活用した公共業務の効率化運動のことを指します。これを「行政改革」と日本語で書いてしまうと(おそらく対応する英語は"administrative reform")、行政評価(Government Performance)を的確に行い、行政の仕組み・業務のあり方を根本的に作り直そうという方針が表現できていないような気がするし、以前に流行した「リエンジニアリング」や、言葉どおりの意味での「リストラクチャリング」も微妙に違うように思います。とりあえずここでは「再び re-」「作り出す invent」から「再構築」と訳しましたが、この政策 "Reinventing Government" も定訳がありません。

 映画の字幕ではないので、とりあえず訳出しておいて、説明の追加(言い訳?)を行えるので少々救われてはいますが。。。

12月12日(金曜日) 文責:阿部

イラク外相、国連調整官の同国訪問を歓迎する意向を表明

 イラク国連大使は、クウェート人行方不明者問題に関する国連ハイレベル調整官(the High-level Coordinator)に書簡を送り、イラク外相が同調整官の同国訪問を歓迎する意向である旨を伝達。調整官が同国に招請されたのはこれが初めてと   なる。

北朝鮮、核施設凍結を解除する計画と国際原子力機関に通告

 朝鮮民主主義人民共和国(DPRK:the Democratic People's Republic of Korea)は、国際原子力機関(IAEA:the International Atomic Energy Agency)のMohamed ElBaradei事務局長に書簡を送り、同国が核施設凍結を解除(lift the freeze)する計画である、と通告。

キプロス問題事務総長顧問、事務総長の修正和平案について協議を継続

 キプロス問題事務総長顧問(Secretary-General's Special Advisor for Cyprus)であるAlvaro de Soto氏は、EUサミットが開催されているコペンハーゲンで、アナン事務総長が提示した修正和平案について集中的な協議を継続。

安保理議長、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッションへの協力に謝意を表明

 安保理議長であるコロンビアのAlfonso Valdivieso国連大使は、安保理公開会合で声明を読み上げ、年末に任期満了を迎える国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH:UN Mission in Bosnia and Herzegovina)の活動を成功に導いた協力的努力に深い謝意を表明。

副事務総長、ハーバード模擬国連会議で講演

 フレシェット副事務総長は、ボストンで開催されているハーバード模擬国連会議(the Harvard Model United Nations)で講演し、イラクの現状は、大量破壊兵器のない世界をつくるうえで、国連が果たすことができる、また果たさなければならない中心的役割を示している、と指摘。

「今日の一言」― axis of evil ―

 イラクに北朝鮮、そしてイラン。ブッシュ大統領が年頭に行った一般教書演説の中で“悪の枢軸”(Axis of Evil)と呼んだ国々における核開発プログラムに関するニュースが間断なくながれてきます。

 イラクについては、国連安保理決議1441に従い提出された1万2千ページに及ぶ申告書に重大な記載漏れがあったとする米政府関係者のコメントが報道されていますし、北朝鮮は、上記ニュースにある通り、核施設の凍結を解除すると発表しました。更にイランも、2ヶ所の大型核燃料サイクル施設で核兵器製造が予定されていると報道されています。(http://www.cnn.com/2002/WORLD/meast/12/13/iran.nuclear/index.html

 ブッシュ大統領は、ABCテレビのインタビューで“Not every issue requires a potential military response,”と、イラク以外に対しては軍事行動を避け、外交的努力で平和を維持する余地があると指摘していますが、当面の戦線はイラクに集中しいたいという判断が働いているものと思われます。
 アジアの両端で続く大量破壊兵器を巡る攻防。きな臭い年の瀬を迎えることになりそうです。(http://www.economist.com/agenda/displayStory.cfm?story_id=1500308

12月16日(月曜日) 文責:Tat

子ども兵士を使う国を列挙、事務総長報告

 紛争地域で子ども兵士を使用している国々の中でも、ブルンジ、コンゴ民主共和国(DRC)、リベリアそしてソマリアの政府軍や反乱軍が、アナン事務総長の新報告で取り上げられた。

中東:平和構想と流血の現実とのギャップを埋めるよう国連大使要請

 中東での紛争、流血、経済崩壊が激化し、二国間での解決の必要性がコンセンサスとなりつつある今、TerjeRoed-Larsen国連上級大使は安保理に報告、現実と構想とを調整する国際的努力を要請した。

イラク国連査察加速

 100人を超える国連兵器査察団は、イラクの兵器プログラムの査察ペースを加速している。

シエラレオネ戦争犯罪裁判所裁判長を選出

 シエラレオネの戦争犯罪につき審理するため設立された国連とシエラレオネの“混成”裁判所の主要な判事2名が彼ら自身により選出された、と国連とFreetown政府は発表した。Geoffrey Robertson 氏(英国)と Bankole Thompson 氏(シエラレオネ)がそれぞれ控訴審と予審の判事を務める。

イラン・イラクの国境地点、国連石油食糧交換プログラムに開放

 イラン・イラクの両政府は、両国の新しい国境地点が国連石油食糧交換プログラムのもとでの人道援助物資流通ルートに使用可能、と国連に報告。

12月18日(水曜日) 文責:山本

国際移民デー

 18日の国際移民デーにちなみアナン事務総長はメッセージを発表し、生国を去って苦難に遭っている人々に注意を払い国際的な努力を促進するよう要請した。
 彼らの多くは保健と教育のサービスを受けることが困難であり、特に女性や子どもは肉体的・精神的・性的虐待を受けていることも少なくないと言われている。現在、1億7500万人が自らの生国外での生活を強いられていると推計されている。

安保理、コンゴ民主共和国の和平合意を歓迎

 安全保障理事会は、プレトリアで署名されたコンゴ民主共和国における権力分担に関する取り決め合意を歓迎した。

安保理、ギニアビサウの政情不安定を憂慮

   安全保障理事会は18日、ギニアビサウにおける体制の行き詰まりと政治的な不安定に懸念を表明し、来たる選挙の準備を早めるように勧告した。

安保理、キプロス情勢安定化を賞賛

 安全保障理事会は昨今のキプロス情勢安定化に関するアナン事務総長の努力を賞賛し、さらに2003年2月28日までに完全な合意に達するよう協議を進めていくことを要請した。

武器査察チームは産業施設を査察:イラク

 イラクの武器問題で査察を続けている査察チームは18日、武器製造をしているとの疑いのある産業施設を査察した。バグダッド北西の鉄鋼工場ではデュアル・ユース(軍民両用)と思われる設備を識別しタグをつけた。一方パンのイースト工場へは細菌の専門家が赴き検査を行った。

安保理、イラクにクウェートの資産返還を要請

 安全保障理事会は18日、議長声明を発表し、イラクに対し1990年のクウェート侵攻の際に略奪した資産をクウェートに変換するよう要請した。

安保理、ブルンジの停戦を歓迎

 安全保障理事会は18日、ブルンジ政府と反政府グループが停戦合意に調印することを歓迎し、アナン事務総長に和製プロセスへの支援を要請した。

スーダンへ支援物資

 食糧農業機関(FAO)は18日、内戦で苦しむ人々に対し初めてアクセス可能となったスーダン南部に支援物資を運搬した。当地域では河川に豊富に魚がいるため釣具も大量に送られた。

各制裁委員会が安保理で状況報告

 各地の制裁監視委員会は安全保障理事会で状況報告を行い、平和の促進には貢献しているものの、有効性を高めるためにはさらなる努力が必要であると語った。報告を行ったのはイラク・アンゴラ・リベリア・アルカイダ及びタリバンへの制裁監視委員会。

人権高等弁務官、ICCへの協力を要請

 ビエラ・デ・メロ国連人権高等弁務官は18日、ハーグで開催された 国際刑事法ネットワーク(International Criminal Law Network)の年次会合に出席し、国際刑事裁判所の設立を祝福する一方で、国際法上の罪を犯した者が国内法によって訴追されないようなことがないよう各国に要請した。

2003年の穀物生産量は激減:FAO予想

 国連食糧農業機関(FAO)は18日、12月度の『食糧見通し(food outlook)』を発表し、2003年の世界の穀物生産量は激減し、世界の備蓄量は年頭の5億7600万トンが年頭には4億6600万トンになり、貿易量も500万トン下落すると予測している。同時にアフリカ東部・南部における重大な食料不足を警告した。

ホワイトヘッド副国務長官を褒章

 アナン事務総長は17日、合衆国国連協会の前会長であったホワイトヘッド副国務長官を、国連についての教育に関する貢献に対して褒章した。

国連の活動を紹介する番組を放送

 国連が進めている United Nations Works キャンペーンの一環として国連の活動を紹介する番組を合衆国で放送する予定。30分枠で2003年1月19日から10回シリーズ。

安保理、各国に国際刑事裁判所への協力を要請

 安全保障理事会は18日、議長声明を発表し、旧ユーゴスラビア及びルワンダの国際刑事裁判所の活動に対する協力の重要性を強調した。

来年3月に反テロ委員会

 2003年3月7日に開催が予定されている反テロリズム委員会(CTC;Counter-Terrorism Committee)に向けて安全保障理事会は17日、反テロの活動に貢献しうるすべての機関に参加と協力を要請した。

「今日の一言」 − 「敵を作るつもりなら永久に敵はなくならん」 −

 最近、手塚治虫の『海のトリトン』を読みました。私と同世代ならTVアニメで見た方も多いとは思いますが、若い読者もおられるでしょうか少々ストーリーを紹介すると、少年トリトンが、自分が滅びつつあるトリトン族の数少ない生き残りであり、トリトン族を滅ぼそうとするポセイドン族と戦い、ついには倒すという話です。
 …と書いてしまうとよくあるヒーローものアニメなのですが、よく読むと随所に重層的にさまざまなテーマが埋め込まれています。
 ストーリーの途中でトリトンがガノモスという巨大なカメと話をする場面があります。

     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆

 ガ:「トリトンよ 敵を作るつもりなら永久に敵はなくならん」
 ト:「ポセイドンとなかよくするくらいなら…… のたれ死んだほうがましだっ」

 ト:「ぼくにポセイドンなんかと握手しろなんてよくいえたもんだ」
   「そんなことトリトン族が皆殺しにあうまえにやつらにいってほしかった!」
 ガ:「にくいやつほどゆるすことが必要なのだ」

 原作では最後にはポセイドン族はトリトンとともに滅び、トリトンの子どもらが生き残るのですが。。。

12月19日(木曜日) 文責:阿部

国連監視検証査察委員会委員長ら、イラク兵器申告書に関する最初の評価を報告

 国連監視検証査察委員会(UNMOVIC:the UN Monitoring, Verification and Inspection Commission)のHans Blix委員長及び国際原子力機関(IAEA:the International Atomic Energy Agency)のMohamed ElBaradei事務局長は、安保理の非公開協議でイラク兵器申告書に関する最初の評価を報告し、申告書の内容が多くの疑問に答えていない、と指摘。

安保理議長、イラク申告書の評価報告を受けて報道声明を発表

 安保理議長であるコロンビアのAlfonso Valdivieso大使は、イラク申告書の評価報告を受けて報道声明を発表し、各理事国が分析を終える1月にも改めて協議会を開催するなど、この問題について、安保理が引き続き協議を行っていくと旨表明。

安保理代表団、コソボ、ベオグラードの視察結果に関する報告書を発表

 今月コソボ、ベオグラードを訪れた安保理代表団が、視察結果に関する報告書を発表。報告は、コソボにおいて大きな進展があったとしながらも、法の支配やマイノリティーの帰還の問題など多くの課題が残っていると指摘。

国連難民高等弁務官事務所、コートジボワールの国内避難民に関する報告を発表

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR:the UN High Commissioner for Refugees)は、コートジボワールの国内避難民(IDPs:internally displaced persons)の状況について最新の報告を発表。報告によれば、同国の国内避難民は数千人の単位で移動が続き、その規模も拡大するなど、人道的危機が続いていると指摘。

ハイチ、エイズ感染者治療のため、エイズ・グローバル基金から資金提供を受ける

 ハイチは、国内のエイズ感染者12百人以上の治療の資金として、エイズ・グローバル基金(the Global Fund to Fight AIDS)から、今後5年間に6,690万ドルの提供を受けると国連開発計画(UNDP)が発表。

12月20日(金曜日) 文責:阿部

事務総長、4者がまとめている中東地域のロードマップが展望を開くと指摘

 アナン事務総長は、米国のブッシュ大統領と会見し、中東問題に関する「4者(Quartet)」である国連、EU、ロシア連邦及び米国がまとめている中東地域の危機を解決するためのロードマップがイスラエルとパレスチナに展望を与えるものになるだろうと指摘。

イスラエルの行為を非難する安保理決議案に米国が拒否権を発動

 国連の援助要員を殺害するなど最近のイスラエルの行為を非難する、シリアが提出した国連安保理決議案について、12ヶ国が賛成したにもかかわらず、米国が拒否権を発動。

事務総長、国連の年次総会の主要な部分を終了

 アナン事務総長は、国連の更なる改革に向けて提案しきたアジェンダを支持する決議を採択するとともに、国連の年次総会の主要な部分を終了。Jan Kavan総会議長は、「この秋の会期の最も重要なイシューは、疑いなく、国連システムの強化に向けた討議であった」と総括。

国連安保理議長、コートジボワールの戦闘勢力に政治対話を要請

 国連安保理の議長であるコロンビアのAlfonso Valdivieso大使は、コートジボワールの危機的な状況について声明を発表し、戦闘勢力に対し、政治対話を通じて違いを乗り越えていくよう要請。

国連安保理は市民に向けられたあらゆる攻撃を強く非難

 国連安保理は、市民に向けられたあらゆる攻撃を強く非難するとともに戦闘勢力に国連憲章(the UN Charter)とその他の国際法を遵守するよう呼びかけ、紛争下にある武装解除された戦士を保護することの重要性を強調。

「今日の一言」― Road Map ―

 最初のニュースに、国連、米、EU、ロシアの四者(Quartet)がまとめている、中東地域の危機を解決するための「ロードマップ」についての記事があります。このロードマップは、9月の四者会議において発表されたもので、2005年までに最終的な解決を得るとの目標を設定したものです。(http://www.unfoundation.org/unwire/2002/09/18/current.asp#29010

 そのロードマップによれば、第1フェーズは、イスラエルの撤退と2003年に開催されるパレスチナ選挙の支援、第2フェーズでは、新憲法に基づいてパレスチナ国家樹立に焦点を当て、第3フェーズである2004年から2005年半ばまでに、永続的な解決に向けたイスラエルとパレスチナの対話を具体化する、としています。このロードマップ、EUは、今週にも採択するよう米国等に働きかけているのですが、米国は、イスラエルのシャロン首相が1月末の選挙を終えないとロードマップをセットできないとして、EU提案に反対しています。
 中東を巡る主要国の主導権争いは、当然、激しいものとならざるを得ませんが、このロードマップは、中東和平に向けた展望を与える重要な指針です。国連を中心にロードマップの採択を確実にし、中東和平を推進していくべきであると思います。

"We need a process that is both performance-driven and hope-driven.
Because we need both: performance and hope."
− UN Secretary General Kofi Annan −

12月23日(月曜日) 文責:Tat

IAEA北朝鮮の核施設監視施設除去に懸念

 国際原子力機関(IAEA)は今日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が寧辺(ニョンビョン)の核施設の監視施設と封印を除去すると決定したことに、懸念を表明。 ウィーンに本部を置くIAEAのスポークスマンMark Gwozdecky氏は北朝鮮が「核関連施設及び燃料棒がIAEAの許可無く勝手に立ち入り、開封などされないよう確認するためIAEAが付してきた封印につき、同各関連施設を再稼動したく封印除去の手続きを開始した。」と明言していると報告。同氏は「今やIAEAはそうした力を持っていない」と国連ラジオインタビューで語った。

国連兵器査察団、イラクの元乳児用ミルク工場を訪問

 国連兵器査察団は今日、バグダッド周辺のいくつかの現場に査察官を送った。そのうち乳児用乾燥ミルクを生産していた元工場は、鉱工業省に所有されており「以前申告及び監視されていた現場で、標識札がつけられ説明されていた乾燥機、ろ過圧搾機、圧力がまなどの多目的用途の装置を有している」とヒロ・ウエキUNMOVIC・IAEAスポークスマンはバグダッドで語った。

UNDP上級職員、地球的貧困撲滅のための基金設立を歓迎

 国連開発計画(UNDP)の事務局長MarkMallochBrown氏は、発展途上国における貧困との戦いを支援し、社会開発、人間開発を促進する基金についての総会決議を歓迎した。

イラクはクウェート資産を更に返還、国連報告

 イラクは、国家公文書には無関係のクウェート資産リストをクウェート政府職員に手渡した、と国連スポークスマンは語った。

アフガニスタンと周辺六カ国との不可侵協定サインを国連は歓迎

 アフガニスタンと近隣六カ国は不可侵宣言に署名した。 これはカブールの国連ミッションが長期の平和追求の更なる一つの画期的出来事としてきたもの。

今日の一言:北朝鮮情勢緊迫

 ここ数日で北朝鮮情勢の緊迫は頂点に達しようとしています。北朝鮮が核施設再稼動の動きを加速化させる一方、米政府はイラクと北朝鮮2地域で同時に戦争を遂行する能力がある、と言いました。米国と北朝鮮が正面対決する局面へと緊張が高まっています。 年末年始の休日気分も吹っ飛んでしまった感があります。
 こうした動きは米国と北朝鮮との「チキンゲーム」(バイクで壁まで突進するなどして臆病者を決めるゲーム)と評されることもありますが、これはゲームとして傍観できる状況ではありません。もしも同核施設への爆撃が実行された場合、隣接している日本・韓国国民は甚大な被害を被ることになってしまいます。状況を注視しなくてはなりません。また1990年代前半にしたように、日本は声を大にしてこうした動きに反対してゆかなくてはならないと思います。

 国際原子力機構(IAEA)は来月6日、緊急理事会を開いて、北朝鮮の核開発問題を議論する予定。もしも北朝鮮の態度に変化がない場合、国連安保理に正式に持って行く可能性もあります。ともかく国連という場も含めて、国際世論が平和を志向して対話による解決をはかり、庶民の生命が脅かされることの無いよう、祈ります。

12月25日(水曜日) 文責:山本

イラクでの査察活動進む

 イラクで活動を続けている国連の大量破壊兵器査察団は25日、武器製造の嫌疑が かけられている民間設備と軍関係施設を査察した。
 国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)からのチームは液化プロパンガス充填工場にある Al Taji 石油蛋白(SCP;Single Cell Protein)プラントを査察した。一方、国際原子力機関(IAEA)からのチームは Hatteen Fateh 爆薬工場等3箇所を査察した。

「今日の一言」 − dual use −

 連日、このSUNでもイラクの武器査察に関するニュースを取り扱っていますが、おそらく読者の中でも「どうしてこんなとこを調べるの?」と思われている方もおられるのではないかと思います。

 今日の記事の「石油蛋白」とは、「微生物菌体蛋白質」ともいい、石油を原料として酵母や細菌を用いて菌を増殖し、その菌から分離された蛋白質のことをいいます。いわば純然たる研究施設のように見えます。先日(23日)の記事では元乳児用ミルク工場を査察していますし、私の翻訳した中でも、先週分(18日)ではパンのイースト工場を査察しています。

 ここでキーになるのが dual use または dual use technology (DUT)と呼ばれる概念です。直訳すれば「2種類の利用方法のある(技術)」で、その意味で使われることも多いのですが、国際関係や軍がからむ文脈でこの言葉があれば「軍民両用」と言う意味です。当初は軍で開発した技術を民間にも移転・活用できるという名目で軍が研究予算を獲得するために提唱されたものでしたが、産業技術の発展により、最近では逆転現象がおこっています。(例えば米軍の自動追尾型ミサイルの「眼」となるセンサや自動焦点設定技術は日本の民生用のものがないと事実上機能しないらしい。)
 また、様々な製造機械も高度化してきたため、もともとは民生用に製作されたものでも十分に軍で使用する水準のものを作り出すことが可能となり、転用して武器を製作することも可能になってきているというわけです。例えば、効率よく菌を培養することができる設備が整っているなら、「その気」になればそこで強い毒素を持つ菌を培養する(→生物兵器に転用する)ことも不可能ではありません。だから「その気」になればよからぬことができる危険性のある施設を査察しているわけです。

12月26日(木曜日) 文責:阿部

国際原子力機関事務局長、北朝鮮による核施設再開を「核の瀬戸際政策」と指摘

 国際原子力機関(IAEA:the International Atomic Energy Agency)のMohamed ElBaradei事務局長は、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)が寧辺の核燃料再加工施設を再開する動きを見せたことについて「核の瀬戸際政策」(nuclear brinkmanship)にほかならない、と指摘。

カンボジア、クメールルージュ特別法廷の設立準備協議に参加することを決定

 カンボジアは、アナン事務総長からの招請を受け、クメールルージュ(Khmer Rouge)を裁く特別法廷の設立に向けて、来月にも開催が予定されている準備協議に参加することを決定。

コートジボワールの人権状況を視察する国連ミッション、同国を訪問

 アナン事務総長の要請により、国連人権高等副弁務官であるBertrand Ramcharanが率いるコートジボワールの人権状況を視察するミッションが同国を訪問。市民社会組織、女性グループの代表、人権専門家や外交団と会合。

「今日の一言」― brinkmanship ―

 北朝鮮の核開発問題のニュースが引っ切り無しに飛び込んでくる、とても不安な年の瀬となりました。

 一つ目のニュースにある「核の瀬戸際政策(外交)」、英語では"nuclear brinkmanship"という表現になります。北朝鮮の専売特許のように思われるかもしれませんが、今年の5月にインド・パキスタン間の緊張が高まった際にも、世界のメディアを駆け巡った言葉であり、更には、冷戦期の核の抑止論争に必ず登場する言葉です。
 パウエル米国務長官は29日に、米主要テレビ5局に相次いで出演し、北朝鮮の「瀬戸際外交」に対し、包括的な「封じ込め」策を取る方針を表明しましたが、こうした冷戦型の対応が、北朝鮮を不要に追い詰めはしないか、懸念はぬぐえません。
 韓国の金大中大統領は30日、「冷戦時代にも共産国家への抑圧、孤立化が成功したことはない」と、太陽政策を来年2月の任期満了まで堅持していく方針を改めて表明、ロシアも、非生産的で時期尚早であると、米国の方針に否定的な立場を表明しています。北朝鮮との首脳会談を実現した日本の小泉政権が米国の方針にどのような立場で臨むのか、重大な局面を迎えています。

12月27日(金曜日) 文責:阿部

北朝鮮、国際原子力機関に対し国連査察団の退去を要求する書簡

 朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)が国連査察団の退去を求めた書簡に対し、国際原子力帰還(IAEA:International Atomic Energy Agency)のMohamed ElBaradei事務局長は、安全保障措置遵守を確保するため、査察団の滞在が必要である、と回答。

事務総長、コンゴ民主共和国北東部における軍事攻撃に懸念を表明

 コンゴ民主共和国(DRC:the Democratic Republic of the Congo)の北東部において、反政府勢力の軍事攻撃が継続していることについて、アナン事務総長は深い懸念を表明。

事務総長は、副緊急救済調整官をコートジボワール担当の人道特使に任命

 コートジボワールの人道情勢の悪化を踏まえ、アナン事務総長は、副緊急救済調整官(the UN's Deputy Emergency Relief Coordinator)のCaroline McAskie氏を同国担当の人道特使に任命。

事務総長、グロズヌイにおける爆破テロ犠牲者の家族に弔意を表明

 グロズヌイ(Grozny)のロシア政府施設において、爆破テロが起こり死傷者がでたことについて、アナン事務総長は、犠牲者の家族に対し弔意を表明するとともに、こうしたテロ行為は、すでに多くを耐え忍んできた地域に新たな苦しみを与えるだけであると指摘。

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Updated : 2007/02/18