|
Location : Home > Daily News Title : November 2002 |
![]() |
| 2002年11月 | ||||||
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
| − | − | − | − | − | 1 | 2 |
| 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
| 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
| 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
| 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
| 11月 1日(金曜日) 文責:阿部 |
■事務総長、ナイジェリアとカメルーン両国に会談を招請
アナン事務総長は、ナイジェリアとカメルーンが国際司法裁判所(ICJ:the International Court of Justice)で争っていたバカシ半島(the Bakassi Peninsula)の領有権を巡る係争について判決がでたことから、両国の指導者に対し、そのフォローアップ支援を行うために会談を行いたいと招請。
■事務総長、スーダン政府等が人道援助要員のアクセスを認めたことを評価
アナン事務総長は、スーダン政府と反政府勢力SPLM(Sudan People's Liberation Movement)が国連の人道援助要員に対し援助物資が届かず窮状に陥っている人々へのアクセスを認めたことを評価。
■UNHCR、ロシア連邦によるチェチェン人避難民キャンプ攻撃を憂慮
ロシア連邦(Russian Federation)がイングーシ(Ingushetia)のチェチェン人避難民キャンプに軍事攻撃を行っていると伝えられることについて、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は憂慮を表明。
■事務総長、ソマリアに関する報告書を発表
アナン事務総長は、ソマリアに関する報告書を発表し、当事者の責任を強調しつつ、同国情勢が未だ安定していないことから、国際社会に対して紛争終結のための支援を要請。
■事務総長、ミャンマーに関する報告書を発表
アナン事務総長は、ミャンマーに関する報告書を発表し、同国の和解プロセスが重要な段階にあるとし、同国政府と野党リーダーのアウン・サン・スー・チー氏との実質的対話を開始するよう要請。
◆「今日の一言」― 米中間選挙 ―
米中間選挙の投票が、本日5日に始まりました。今回の選挙は、下院の全435議席と上院100のうちの34議席、それに50州のうち36州の州知事が改選になりますが、民主、共和両党が全くの伯仲状態にある上院においてどちらが多数派を制するかが最大の焦点となっています。
この中間選挙は、実質的に、ブッシュ大統領の対イラク政策の信任投票とも言われていますが、既に米国民の多数が対イラク政策を支持していると言われており、対する民主党は、出来るだけ争点をそらし、有権者の関心を経済問題に引き寄せようと躍起になっている模様です。
いずれにせよ、伯仲状態にある上院に加え、時期大統領選挙を占う州知事選挙は、国際政治の中で圧倒的な覇権を握る米国の今後の政策を左右する重要な選挙です。他の国のことだと高を括らず、大いに関心をもって、開票結果を見守りたいと思います。
上院議員というと、日本の国会議員と同じように考える方も多いと思いますが、その強大な権限は日本の国会議員の比ではなく、単なる大統領のスタッフでしかない閣僚と比べても強力だという指摘もあります。
主な特徴を上げれば、任期は6年で解散なし、党議拘束がほとんどなく、法案の提出権を独占し(日本のような内閣提出法案はない)、スタッフは上院議員1人に約50名いるとの試算もあります。もちろん、議院内閣制の日本と大統領制の米国を比較しても始まりませんが、明日午後から徐々に明らかになる開票結果も、統治機構の違いを理解した上で観戦したいものです。
| 11月 3日(日曜日) 文責:山本 |
■アフガニスタンに1,250万ドル規模の支援
国連は3日、冬を迎えるアフガニスタンで支援を必要と推定される約170万人に対し、食糧や毛布・テントなど冬を越すための品物を提供する1,250万ドル規模の支援計画を発表した。
| 11月 4日(月曜日) 文責:山本 |
■アフリカ諸国が象牙貿易に関する協定に同意
ボツアナ・ナミビア・南アフリカ共和国・ジンバブエの4か国は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES:Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)」の締結国会議に先立ち、象牙貿易を厳密に監視する協定に合意した。 [CITES] http://www.cites.org/
■支援を必要とする国家群に関するサイトを公開
国連低開発途上国並びに内陸開発途上国、小島嶼開発途上国高等代表事務所(OHRLLS;Office of the High Representative for the Least Developed Countries, Landlocked Developing Countries and Small Island Developing States)は、事務所名にもなっている支援を必要とする3つの国家群にまつわる問題に関する包括的
なウェブサイトを公開した。
[OHRLLS] http://www.un.org/special-rep/ohrlls/ohrlls/default.htm
■コンゴ民主共和国内各勢力が和解の方向へ
Mustapha Niasse 事務総長特別代表は2日、共同記者会見に応じ、進行中のコンゴ民主共和国内各勢力間の非公式協議についてふれ、各勢力が受容できるような原則について合意に達したと発表した。
■コートジボアールの人道状況が悪化
国連人道問題調整部(OCHA;UN Office for the Coordination for Humanitarian Affairs)は3日、コートジボアールの人道状況は依然として張り詰めた状態で大規模な危機に瀕していると警告した。
■健康上の理由からミロシェビッチ裁判を延期:ICTY
旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)は健康上の理由からミロシェビッチ被告に対する審理の延期を発表した。
■アラブ諸国と共同で対 HIV/AIDS プログラム始動:UNDP
アラブ各国で蔓延しつつある HIV/AIDS の伝染を予防するために各国政府と国連開発計画(UNDP)は共同でプログラムを始動させると発表した。国連エイズ合同計画(UNAIDS)の発表によればアラブ諸国で約50万人の感染者がおり、昨年だけで8万人が新たに感染した。
■殺虫剤の使用に関する行動規約を更新:FAO
国連食糧農業機関(FAO)は4日、発展途上国における農化学物質による脅威を軽減させるために、殺虫剤の流通と使用に関する国際行動規約(International Code of Conduct on the Distribution and Use of Pesticides)を更新した。この行動規約は殺虫剤による健康と環境への負荷を最小化するために開発から廃棄にいたるまで
のライフサイクル全てを包含するものである。
世界保健機関(WHO)の発表によると開発途上国では毎年殺虫剤中毒により約2万人が死亡していると推定されている。
■内部監査部、調査結果を報告
国連内部監査部(OIOS;Office of Internal Oversight Services)は3日、年次報告書を発表し、歳費の無駄と横領を明らかにし、ファイナンスの効率を向上させれば約5,600万ドル節約できたであろうと警告した。
[年次報告書(PDF)]
http://daccess-ods.un.org/doc/UNDOC/GEN/N02/623/52/pdf/N0262352.pdf
■ガイドツアー開始50周年
「国連本部は世界の人々に向けて開かれている」との目標を示すために開始された国連のガイドツアーが50周年を迎えた。昨年は合衆国へのテロ後の安全体制の強化により例年より3割減であったが、月平均3万人程度の入場者であり、ツアー開始以来これまでに3700万人が本ツアーで国連本部を訪問したことになる。
[Guide Tour] http://www.un.org/tours/
◆「今日の一言」 − 印鑑 −
私の姓は「山本」で、ご覧のとおり画数の少ない、線対称と言える文字なので、印鑑にしても、そこに彫られた文字は「山本」とそのまま読めてしまいます。名のほうもかなり画数の少ない対称的な文字ですので、仮に格式ばって隷書で書いてみたところで楷書とほとんど変わらないので、実印とかその手の豪華な(?)印章を作ってみようとしたことも、作らねばならないような事態に直面したこともなく、銀行印程度しか持っていないので、わざわざ高い金額で印鑑を製作しようとは思わないのですがみなさんはどうなのでしょうか。
もしあなたが象牙の印鑑をお持ちなら、最初の記事と無関係ではなくなりますよ。
| 11月 5日(火曜日) 文責:けい |
■安保理はコンゴ民主共和国の不法搾取に関する報告について協議
安保理は本日、国連の専門家グループによって提出された、コンゴ民主共和国における天然資源やその他の財産の不法な搾取に関する報告の検討を再開した。
この報告書は10月24日にグループの代表であるMahmound Kassem氏によって提出されており、コンゴ民主共和国からの原料輸出に関する禁止措置が逆効果であり、懲罰的な手段を行うことによって、犯罪組織や個人による天然資源の不法な搾取を抑制することを推奨している。
■スリランカ:事務総長、最新ラウンドの和平交渉の成功に'勇気づけられる'
国連のアナン事務総長は、本日、スリランカと反政府勢力・タミール=イーラム解放の虎(the Liberation Tigers of Tamil Eelam :LTTE)間で行われた2回目の和平交渉が成功裏に終わったことを受けて、「非常に勇気づけられた」と語った。
参考:LTTEに関して→ http://www.eastedge.com/srilanka/ltte.html■ソロモン諸島:UNDP、分権化を加速
国連開発計画(The United Nations Development Programme: UNDP)は本日、最近政治的、民族的な緊張が見られる太平洋上の島国であるソロモン諸島での憲法改正・地方分権化への援助を目的とした新しいプロジェクトの立ち上げを発表した。
■イラク:国連の人道プログラム(OFF計画)下での原油輸出が上昇
ここ数ヶ月、イラクの石油販売額が不安定な中、原油輸出量は先週、国連のイラク石油食糧交換プログラム(oil-for-food計画:石油の利益を人道物資の購入に当てる)の下で明らかに増大している。先週が510万バレルであったのに対して、11月1日までの1週間は1930万バレルになっている。
■コソボ:全てのコミュニティ住民は帰還の権利を享受すべき−国連大使
コソボにおいて、あらゆるコミュニティの人々の故郷への帰還の権利を実現させることは、国際社会が直面している未だに実現されていない課題の中でもっとも重大なものだ−Michael Steiner事務総長特別代表は本日、ブリュッセルで開かれた、コソボ支援国の会合で語った。
◆「今日の一言」−ネット上での「情報の構造化」と検索精度(1)
今や日常生活に不可欠な存在となりつつある、インターネットを使った情報の検索。
勿論、私自身もこの原稿を書いている時点で様々な検索サイトなどを駆使して情報の確認を行っていますし、読者のみなさんも、仕事や学業などで利用されていることと思います。
みなさんが検索をする場合、多くはウェブ上で Yahoo や Google などの検索サイトを使って、所謂「ホームページ」を検索されると思いますが、これらの「検索される対象」である文書(ウェブページ)は、HTMLという規格で作られていることはご存じかと思います。「ホームページをつくろう」といった雑誌や書籍などもかなり普及したので目にされた方も多いでしょう。
このHTMLというもの特徴のひとつとして「情報の構造化」というものがあり、これは実際に、インターネットで情報を検索したりする際にとても重要になってきます。ただ、市販の書籍や雑誌ではなかなかこういった点に関して言及しているものが少ないと思います。そこで、何回かに分けてこの「情報の構造化」という問題についてここで述べさせて頂ければと思います。
| 11月 6日(水曜日) 文責:山本 |
■戦争及び武力紛争による環境搾取防止国際デー
「戦争及び武力紛争による環境搾取防止国際デー(International Day for Preventing the Exploitation of the Environment in War and Armed Conflict)」を記念してアナン事務総長はメッセージを発表し、戦争が環境に与える影響を考慮して、自然環境の意図的な破壊を制限するよう要請した。
■UNRWAが資金難に
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA;UN Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East)は6日、悪化する中東における人道状況に対処するために深刻な資金不足に直面していると発表した。1970年初頭には難民1人につき1年に200ドル使えたが、現在では70ドルにまで落ちこんでいる。
■イラク問題について非公開協議:安保理
安全保障理事会は6日、イラク問題について非公開協議を行い、米英により提出された、国連武器査察官の再入国を要請する決議案の検討を行った。
■アフガニスタンは妊婦にとって最悪の場所:ユニセフ調査
ユニセフ(UNICEF;UN Children's Fund)と合衆国疾病対策局(CDC;Centers for Disease Control and Prevention)は6日、共同でアフガニスタンの4つの州で実施した調査結果を発表し、妊娠または出産が原因での死亡が15歳から49歳の女性の死因の半分に達しており、同国が妊婦にとって世界でも最悪の場所となっていると警告した。
■アフガニスタンの人権状況保護に緊急援助を要請
Kamal Hossain アフガニスタン人権特別報告者(Special Rapporteur on human rights in Afghanistan)は6日、国際的な援助無しにはアフガニスタンにおける虐待を防止し、市民の自由を守ることはできないとし、緊急援助を強く要請した。
■キプロス問題について特別顧問と会談:事務総長
アナン事務総長は5日夕刻、国連本部で Alvaro de Soto キプロス特別顧問と会談し、進行中の住民間協議の状況説明を受けた。
■コソボにおける情勢の進展が鈍化
ジャン=マリ・ゲーノ平和維持活動担当事務次長は6日、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の最近の活動状況に関して報告し、最近の4か月間の進展は思わしくなく、和解への一層の努力が必要であると協調した。新たな機構の人員募集が捗らなかったり、業務の現場において民族間の緊張が十分に解けていなかったりしており、円滑な業務が進まないという現実もあると報告されている。
■リベリア復興にさらなる支援を要請:事務総長
アナン事務総長は6日、総会に、長年の紛争のためにリベリア国内においては、再建にむけた努力のために人道的な支援がさらに必要であると語った。また、同国における永年継続する不安定は、この国の将来に悪い影響を残す「永続依存症」をもたらしたと指摘した。
■地裁が1999年騒乱の責任でインドネシア士官を告訴:東チモール
東チモールのディリ地方裁判所重大犯罪特別パネル(Special Panel for Serious Crimes of the Dili District Court)は1999年に発生した騒乱における人道に対する罪などの罪状の容疑者として民兵組織のメンバー5人とインドネシア軍士官2人を告訴した。
■グアテマラの人権状況が悪化
国連グアテマラ監視ミッション(MINUGUA)による最新の報告によると、2001年7月から2002年6月までの間においては、和平協定の進展度合いと密接に関係して、人権状況も悪化しつつあると警告した。同国では民族間差別や社会的・経済的不平等が解消されないままの状況が続いている。
■国連本部のガイドツアー開始50周年記念の写真展示を行う
国連本部のガイドツアーが開始されて50周年を記念する写真展示会のオープニングセレモニーでアナン事務総長は、9.11のテロ以降の一般のアクセスを制限しようと考えられた時期であっても、多くの人に国連の業務を知ってもらうためにと開け放っていこうと語った。
■事務総長は今月末に欧州5か国を訪問へ
アナン事務総長はボスニア=ヘルツェゴビナ・ユーゴスラビア連邦共和国・クロアチア・オランダ・フランスの5か国を11月17日から26日までの日程で訪問する予定である。
◆「今日の一言」 − dependency syndrome −
援助というものは始めることよりも、終わらせることのほうが難しいのです。
例えば飢えた人が目の前にいたとして、その人にパンを与えることが「救う」ことなのでしょうか? 当座はそうかも知れません。でも、根本的な「救い」にはなっていないことがおわかりでしょうか。パンを与える人がいなくなれば生きて行けないしくみを固定化させるのではなく、自分でパンを手にできるようにお膳立てすることが必要なのです。
自分がいなくなっても生活していけるしくみを準備しない限り、その人はずっと誰かに依存し続けることになります。援助する側は、される側をどこかで突き放しその場を去ることで「救い」は完成するのです。
支援を続けることで自分に依存させ続けるのは、「愛と言う名の支配」に他なりません。
リベリアに関する記事で「永続依存症」と訳した原語は "perpetual dependency syndrome" です。あまりにも同国で長い間紛争が続いたために人道上必要な物資を調達できないで支援を受けているうちに、自国内で自力で生産・流通するしくみ自体が動かなくなり、もはや支援に頼るしか生きていけなくなってしまったことを指すのだと思います。
援助が必要な場合には必要なのですが、本当に必要な援助は何なのかを常に考えておかなければ、一層深刻な状態となってしまうことを忘れてはならないと思います。
p.s.
「愛という名の支配」については 森岡正博全集第16巻 『引き裂かれた生命』 第8章 http://www.kinokopress.com/mm/hikisa03x.pdf を参照のこと。
| 11月 7日(木曜日) 文責:阿部 |
■国連パレスチナ難民救済事業機関事務局長、パレスチナ難民の危機拡大と指摘
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA:UN Relief and Works Agency for Palestina refugees in the Near East)のハンセン事務局長は国連本部で会見し、パレスチナ難民の間で失業、貧困、栄養不良の割合が危機的に大きくなっていると指摘。
■中東和平プロセス特別調整官、シリア外相と会談
ラーセン(Terje Roed-Larsen)中東和平プロセス特別調整官(Special Coordinator for the Middle East Peace Process)は、ダマスカスにおいてシリア外相と会談し、中東地域で高まる危機的事態について討議。
■スーダン人権状況担当特別報告者、和平交渉が希望の光と指摘
Gerhart Baumスーダン人権状況担当特別報告者(the Special Rapporteur on human rights in the Sudan)は、国連本部で会見し、現在の和平交渉が同国の人権状況改善に希望の光を与えていると指摘。
■ミャンマー人権状況担当特別報告者、政府と野党の政治的交渉が不十分と指摘
Paulo Sergio Pinheiroミャンマー人権状況担当特別報告者(the Special Rapporteur on the situation of human rights in Myanmar)は、国連本部で会見し、同国政府と野党指導者との間の散発的な話し合いは依然として同国の将来に関する構造化された政治的交渉を生み出すには至っていないと指摘。
■事務総長、地雷除去支援に関する最新の報告書を発表
アナン事務総長は、地雷除去支援に関する最新の報告書を発表し、この一年間の活動において、進捗状況を確認できるロードマップを備えることの重要性など、国連はその多くのことを学び、体系的な取り組みが可能になったと指摘。
◆「今日の一言」― 交響楽 ―
本日10日付け聖教新聞の文化欄に「心は遺伝するか 双生児の研究からアプローチ」と題する安藤寿康慶応教授の論文が掲載されており、大変興味深く拝見しました。実は何を隠そう、私自身、一卵性双生児でして、全く同じのがもう一人いるのです。というと、「わ、すごーい」と微笑ましいと言ってくれる人もいますが、「げ、お前みたいなのがもう一人いるのか」と訝しがる人もいます。
それはともかく、教授の論を要約すると、
1)外向性や人なつこさなど心の働きにも遺伝子が大きく影響している
2)だからといって、寒々しい運命決定論と受け止める必要はない
3)同じ遺伝子も、無数のたんぱく質を作り出し、多様な「表情」「個性」と現れる
4)それは同じ交響楽でも指揮者によって異なる表情を見せるのと似ている
だから「人間」というのは面白いんだと思います。刻一刻と変化する自分自身と自分を取り巻く環境。その中で、どう自分を表現し、活かしていくのか。どう「人生」という交響楽の指揮をとっていくのか。その可能性はすべての人に開かれていると思うのです。
ここまで考えて、はたと国際政治も全く同じではないかと気付きました。国境や民族の違いを強調し、善悪二元論に単純化する傾向=「運命決定論」を排し、いかに人間社会の多様性、複雑性をありのままに捉えていけるか。そして、平和の文化に満ちた新世紀を築いていけるか。世界の政治指導者に名「指揮」が期待される所以です。
"The connection between poverty and famine and terrorism is a very complex one, and one shouldn't try to link it as an immediate cause-and-effect thing."
"One has to see how understanding the causes of poverty and famine translate into an advocacy of violence."
| 11月 8日(金曜日) 文責:阿部 |
■安保理、イラク兵器査察の復帰に関する決議を全会一致で採択
国連安保理は、イラク兵器査察の復帰に関する決議を全会一致で採択し、同国に対し、軍縮義務履行の最後のチャンスを与え、不遵守の場合には深刻な結果(serious consequences)を招くことになるとした警告。
■事務総長、イラク、国連、世界にとって今こそ試練のときであると指摘
アナン事務総長は、安保理の対イラク決議採択を評価し、今こそ、イラク、国連、世界にとって、試練のとき(a time of trial)であると述べ、イラク指導層に対し、同国の国民、世界の安全、秩序のために、この機会を捉えて、同国の孤立と国民の困窮を終わらせるよう要請。
■国連監視検証査察委員会委員長、11月18日にイラク入りする予定を表明
国連監視検証査察委員会(UNMOVIC:the UN Monitoring, Verification and Inspection Commission)のブリクス委員長は、対イラク決議採択後、記者団に対して、11月18日にイラク入りする予定を表明。
■安保理議長、中央アフリカ共和国でのクーデター未遂事件を非難
安保理議長である中国のZhang Yishan国連大使は報道声明を発表し、中央アフリカ共和国(the Central African Republic)で最近起きたクーデター未遂事件を非難するとともに、同国への国際部隊の早期派遣を要請。
■事務総長、今年2回目の執行委員会を開始
アナン事務総長、今年2回目の執行委員会(the Chief Executives Board)を開始し、27の国連機関、基金、プログラムの長が集まり、貧困対策等について討議。
◆「今日の一言」― 米国外交の勝利 ―
8日に国連安全保障理事会は、15対0の全会一致でイラク決議を採決しました。棄権すると見られていたシリアまで含めての賛成を勝ち取ったことは、米国外交のパワーと底力を世界中に見せつけるものとなりました。
経緯的には米国が妥協し主張を修正したようにみえますが、そうではない(米コロンビア大ジャービス教授)との解釈が大勢を占めています。決議では、イラクが査察等を妨害した場合、安保理が更なる協議を行うことになってはいますが、新たな安保理決議なしで米国は行動を起こせるからです。
アナン事務総長にとっては、心労の尽きない対イラク決議に関する協議だったことと思います。事務総長が10月中旬にMITで演説した際、フランスが提案している「二段階方式」が望ましいと述べた際には、米国を刺激し、報道官が否定せざるを得なかったとも報じられています。
確かに、アナン事務総長は、「多国間主義」の総本山たる国連の顔=象徴ではありますが、正確には、安保理に仕える国連事務局のトップに過ぎず、それも、米国の支持があってはじめて事務総長に就任できた、国連のプロパー職員に過ぎません。
どうすれば、「国際社会」が強大な「国家」の力をコントロールしていけるのか、あるいは、いくべきなのか。国際政治の大変大きなテーマであると思います。
| 11月11日(月曜日) 文責:Tat |
■事務総長、キプロス問題解決計画をギリシャ系キプロス人とトルコ系キプロス人に
ギリシャ系キプロス人リーダーGlafcos Cleridesとトルコ系キプロス人リーダー Rauf Denktashに、キプロス問題の包括的な解決のための「合意の基礎」を提供する報告書をコフィ・アナン国連事務総長が贈った。
■事務総長、キブツでの致命的な襲撃を非難
イスラエルのキブツ(集団農場)で日曜日に起こった襲撃に反応して、アナン事務 総長は、母親とその2人の子どもを含む5人が亡くなったその事件に色を失ったと語り、民間人に対するテロ行為に非難を繰り返した。
■コンゴ民主共和国(DRC):国連が55人の元ルワンダ兵士と家族を本国送還
国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)は今日、外国基地の本国への返還の流れの中で何十人もの兵士とその家族が本国へ送還された、と語った。
■国連ミッションはグアテマラの復興機関に役割委譲を準備中、事務総長語る
国連査察ミッション(MINUGUA)の出発予定までに、グアテマラの機関が増加した責任を引き受けるのに十分に強力であるという保証がないため、アナン事務総長は今日2003年末までのもう1年、運営の委任期間を延長することを勧告した。
■国連職員が生物兵器禁止条約の監視体制を要請
国連上級職員は加盟国にたいし、国際協定遵守の監視体制を構築する提案を採択するため、生物兵器禁止条約を検討するよう要請した。
| 11月12日(火曜日) 文責:けい |
■イラク:兵器査察要求に対する安保理への返答を待望−事務総長
アナン国連事務総長は、イラク国会の査察反対の動きを受けて、本日、イラクへの兵器査察官の復帰を目的とした安保理の最新の決議(1441)に対するイラク政府の公式な返答を待ちわびていることを記者団に語った。
■中東:衰えない暴力によって外交的な解決手段の必要性が高まっている
中東での暴力行為は全く衰える気配を見せず、当該地域の問題の外向的な解決手段の必要性が高まっている―政治担当事務次長のKieran Prendergastは本日、安保理に報告した。
■Catherine Bertiniが管理担当事務次長に
アナン事務総長は本日、前WFP(World Food Program:世界食糧計画)のCatherine Bertini氏を国連管理担当事務次長に任命した。来年1月からになる。
■ベイルート:国連会議でメディアを通しての女性の地位向上が検討される
ベイルートの国連ハウスで女性のメディア専門家やジャーナリストの会合が4日間の日程で始まった。今回の会合では、コミュニケーション技術が世界規模での男女平等の促進をどのように推進できるかを評価することが目的とされている。
■UNDP総裁、ミレニアム開発目標は新たな世界的協約を制定
ウガンダ、ルワンダ、コンゴ民主共和国などを訪問しているUNDPのマーク・マロック・ブラウン総裁はウガンダのカンパラにあるMakerere大学で講演し、2000年に国連ミレニアムサミットで採択されたミレニアム開発目標(The Millennium Development Goals: MDGs)が先進国と発展途上国間の新たな世界的協約を制定すると語った。
◆今日の一言−ネット上での「情報の構造化」と検索精度(2)
前回の続きです。
私たちが検索したりブラウジングするいわゆる「ホームページ」というものがHTML(Hyper Text Markup Language)という規格に基づいて作られていることは既に述べたとおりなのですが、今回はこのHTMLについてのお話です。HTMLは1990年頃に欧州合同原子核研究機構(CERN)の研究者、ティム・バーナーズ=リーによって生み出されました。彼は、何千人もの研究者がその情報を共有できるフォーマットとしてHTMLを考案
したわけです。
したがって、HTMLには欧州的な学術論文・レポート作成のエッセンスが色濃く反映されていると言えます。HTMLにおいては、文書のタイトルや本文の見出し(これは大見出しから小見出しまで6段階のレベルが用意されています)、引用などの要素が設定され、そういった要素を表すために、要素の前後を「タグ」と呼ばれる記号でマークすることになっています。「ホームページ作成」の解説書などを読まれた方にはおなじ
みの言葉です。
HTMLではこういったマークアップという手段で、文書の構造を設定していくわけです。例えば、本日の記事にも出てきた「ミレニアム開発目標」という言葉を知りたいと思ったときに、次にあげる例の中でどれが一番情報が充実していると考えられるでしょうか?
当然、情報の充実度は1>2>3>4の順序になるはずです。(先日SUNのウェブサイトで導入した検索システムである「Namazu」もこの基準に基づいて情報の「重要度」を判別しています)。こうしてHTMLという規格は、「タイトル」や「見出し」という手段で文書に「重要度の差」という構造を設定することによって、検索を行う際にその精度を高めているといってよいでしょう。
*興味のある方はインターネットエクスプローラーなどをお使いであれば、「表示」というメニューから「ソース」というのを見てみましょう。そこにはタイトルを表す「<title>」というタグや見出しを表す「<h1>」(数字は見出しレベルで1〜6に変わります)が見られるはずです。
| 11月13日(水曜日) 文責:山本 |
■武器査察を受諾へ:イラク
イラクは13日、事務総長への書簡において同国への武器査察を求める安全保障理事会の決議(第1441号)を受諾する旨を明らかにした。
■事務総長、イラクから安保理決議受諾の書簡を受領
アナン事務総長は13日、ブッシュ合衆国大統領との会見後の記者会見において、イラク政府からの安保理決議受諾の意を示した書簡の受領を発表した。
■コンゴ民主共和国で元ルワンダ兵士の帰還進む
国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)は13日、同国東部に駐留していた元ルワンダ兵士120名が本国に向けて帰還したと発表した。この本国送還ミッションで10月から今までに約600人が帰還している。
■世界教育フォーラムでの達成目標進捗状況を発表:ユネスコ
ユネスコ(UNESCO;国連教育科学文化機関)は2000年にダカール(セネガル)で開催した世界教育フォーラムの宣言で採択した3つの目標−初等教育の完全普及(UPE;universal primary education)・性別間の平等確保・識字率の半減化を2015年までに達成する−に対する進捗状況を報告し、順調に進捗しているのは83か国であり、43か国はどの1つも達成できない恐れがあると警告した。
■フィリピンの国内避難者情勢はさらに進展の余地あり
フィリピンへの訪問を終了した国内避難民事務総長代表(Secretary-General's Representative on Internally Displaced Persons)の Francis M. Deng 氏は13日、フィリピン政府による、民主主義と人権の保護促進への活動を歓迎しながらも、国内避難民の状況に関してはさらなる保護・支援が必要であると要請した。
特に2000年にミンダナオ島で発生した、フィリピン国軍とモロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation Front)との武力衝突により30万人が避難したままで、十分な帰還活動がなされていない状況である。
■故サダト大統領のような指導者が必要:中東問題についての事務総長講演
アナン事務総長はメリーランド大学で混迷の度を深める中東情勢に関して講演し、エジプトの故サダト元大統領の採った "Land for peace"(「領土と平和の交換」)による和解の原則に触れ、彼のような力量を持った指導者が必要であると語った。
■発展途上国の重要薬品の入手可能性を高めよ:事務総長がアピール
14日からシドニーで開催される通商担当閣僚級非公式協議が開催されることを受け、アナン事務総長は13日、発展途上国では全地球的マーケットにおける競争にさらされており、継続する困難に懸念を表明し抗AIDS薬品を初め他の不可欠な薬品がさらに入手しやすいようにするべく強いアピールを行った。
このアピールは昨年の世界貿易機構(WTO)の会議の宣言で、自国の公衆衛生のために必要な医薬品の価格が入手困難な水準にある場合、各国は「貿易関連知的所有権に関する協定」(TRIPs協定;Agreement on Trade Related Aspects of Intellectual Property Rights)によって認められた例外規定を行使できることとなっている。
[TRIPs協定] http://www.wto.org/english/tratop_e/trips_e/trips_e.htm
■コロンビアの人道状況に懸念を表明:ルベルス国連難民高等弁務官
ルベルス国連難民高等弁務官は13日、コロンビアにおける何十年にもわたる内紛で人道状況が悪化しており、各国からの支援が必要であると要請した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば同国では今年だけで20万人が国内避難民となっており、これまでの累計は約200万人となっている。
■シエラレオネ情勢について警告:事務総長
アナン事務総長は13日、シエラレオネ情勢について語り、元兵士の社会復帰が進むなどの進展はあるものの、政府が安全に対する責任ある行動をとらなければ同国の情勢は不安定なままであろうと警告した。
■バリ島クラブ爆破テロの犠牲者を追悼:UNMISET
国連東ティモール支援ミッション(UNMISET)は13日、先月に発生したバリ島のナイトクラブ爆破テロの犠牲となった2人の国連平和維持活動要員の追悼式典を開催した。
◆「今日の一言」 − Land for peace −
6つ目の記事で出てきた"Land for peace"とは、領土の返還を確約する替わりに平和を約束すると言う、文字通りの「領土と平和の交換」を意味します。
第3次中東戦争(いわゆる「6日間戦争」)でイスラエルはパレスチナ全土・シナイ半島(エジプト)・ゴラン高原(シリア)・ヨルダン西岸地区・ガザ地区を占領したわけですが、この事態に対し安全保障理事会で「イスラエル軍の占領地域からの撤退」と「承認された境界内で平和に生存する権利の尊重と確認」を求める決議第242号が採択されます。これは決議第332号やキャンプデービッド合意(1978年)、マドリード宣言(1991年)の原則に通じる発想です。
より直接的には、1977年に当時のサダト大統領がイスラエルを訪問し、1979年にアラブ諸国の中でエジプトだけが平和条約を締結し、1982年にイスラエル軍がシナイ半島から完全撤退し、原則どおり領土と平和とを交換したことを指すようです。
さて、サダト大統領の行為はアラブ側から見れば「大義」を踏みにじる「裏切者」ということになってしまうわけですが−事実、過激派の手によって1981年に閲兵中に暗殺されてしまう−、その一方でイスラエルはサダト暗殺後も平和条約を履行し、シナイ半島を返還、その地域には駐留していないことを考えると、エジプトに関しては平和は確保されたわけです。宗教的信念的・イデオロギー的・民族主義的熱狂に基づいたら不倶戴天としか言えない相手に対して、その存在を認めることで平和を確保するというのは、国民にとっては不人気ですが、現実に戦いを(たとえそれが一時的であったとしても)終焉させるという事実は考慮に値するものだと思います。その点をアナン事務総長も評価したのではないでしょうか。もちろん、議論の余地はあるのですが。。
p.s.
「今日の一言」の補遺・おまけ・チャチャいれ である「今日の二言め」はここで読めるよ。→ http://www.issue.net/~yama/cmpl2002.html
ちなみにML化を画策中:http://www.egroups.co.jp/group/futakoto
| 11月14日(木曜日) 文責:阿部 |
■安保理、東ティモールに関する公開ブリーフィングを開催
国連安保理が開催した東ティモールに関する公開ブリーフィングにおいて、国連 東ティモール支援団(UNMISET:the UN Mission of Support in East Timor)のシャ ルマ代表は、国際社会に対し、この誕生したばかりの国への支援を継続するよう 要請。
■国連監視検証査察委員会委員長、来週月曜日にもイラク入り
国連監視検証査察委員会(UNMOVIC:the UN Monitoring, Verification and Inspection Commission)のブリクス委員長は来週月曜日にイラク入りする。金曜日夜にもパリに向け発ち、フランス政府官僚と会談した上で、日曜日にはキプロスにおいて国際原子力機関(IAEA)事務局長と会い、先遣隊と合流。
■事務総長、ジンバブエの人道危機対処への支援を拡大するよう要請
アナン事務総長は、ジンバブエにおいて700万人が食料不足の事態に直面する状態が悪化していることを憂い、国際社会に対して、南部アフリカ、特に同国の人道危機対処への支援を拡大するよう要請。
■事務総長、バカシ半島の領有権を巡ってナイジェリアとカメルーンの両大統領と会談
アナン事務総長は、バカシ半島の領有権をめぐる国際司法裁判所(ICJ:the International Court of Justice)の判決についてフォローアップするため、明日、ジュネーブにおいて、ナイジェリアとカメルーンの両大統領と会談。
■事務総長、アフガニスタン情勢に関する報告を発表
アナン事務総長は、アフガニスタン情勢に関する報告を発表し、アフガニスタンは深刻な人道危機の事態に直面しており、冬の到来が近づくなか、国民の基礎ニーズを満たすべく、国際支援の継続が欠かせない、と指摘。
◆「今日の一言」― 歴史の分岐点 ―
米国では、中間選挙で共和党が圧勝したことにより、ブッシュ政権の外交・内政にわたる諸政策の推進に弾みがついています。通商政策では、チリやシンガポールとの自由貿易協定の締結が視野に入り、対イラク政策についても、ブッシュ政権の描く軌道に乗ってきています。
今夜にも、イラクの大量破壊兵器査察にあたる国連監視検証査察委員会のブリクス委員長ら先遣隊がバグダッド入りしますが、同委員長は、イラク側の査察妨害に対して厳しい態度で臨むことを繰り返し強調しています。
こうした中で、時折考えるのは、2000年末の大統領選挙の結果です。最後は最高裁までもつれ込んだ大統領選は、僅差でブッシュに軍配が上がったわけですが、最近、自らの著作に係るツアーで全国遊説を始めたゴアは、改めて、最高裁の判断を批判しています。(http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A56543-2002Nov14.html)
大統領選挙に関する論議はともかくとして「もしゴアが大統領になっていたら。。。」
京都議定書、対イラク政策など多くの政策判断が、ブッシュ政権とは全く異なるものになっていたと思われます。歴史の分岐点について考えずにはおれません。
"I could have handled the whole thing differently."
by former vice president Al Gore
the Post Magazine
| 11月15日(金曜日) 文責:阿部 |
■国連監視検証査察委員会委員長、2週間以内の査察開始を表明
国連監視検証査察委員会(UNMOVIC:the UN Monitoring, Verification and Inspection Commission)のブリクス委員長は、月曜日にバグダッド入りするために出発するに先立ち、ニューヨークの国連本部で会見し、2週間以内に正式に査察を開始する予定であると表明。
■イラクに関する国連報告書、イラク石油限定輸出プログラムの成果を指摘
国連は、イラクに関する報告書を発表し、イラク石油限定輸出プログラム(oil-for-food programme)はイラクの人道状況を著しく改善してきたものの、5歳以下の子どもの栄養失調は依然深刻であるなど緊急の課題も残っていると指摘。
■ルワンダ大統領、ジェノサイド後初の国政選挙への支援を国連開発計画に要請
ルワンダのPaul Kagame大統領は、94年のジェノサイド以来はじめて行われる国政選挙が近づいている中、国連開発計画(UNDP:the UN Development Programme)に対し、効率的かつ透明性の高い選挙を実施するための支援を要請。
■事務総長、ヘブロンでのユダヤ人礼拝者に対するテロについて哀悼の意を表明
アナン事務総長は、ヘブロンで起こったユダヤ人に対するテロで10名の礼拝者が死亡した事件について、遺族やイスラエル政府に対し心からの哀悼の意を表するとともに、パレスチナに対し無意味な暴力を停止するよう求め強く非難。
■ナイジェリアとカメルーン、バカシ半島を巡る判決のフォローアップについて合意
ナイジェリアとカメルーンは、先月のバカシ半島(Bakassi peninsula)を巡る国際司法裁判所(ICJ:the International Court of Justice)の判決のフォローアップを国連委員会に委ねることで合意。
◆「今日の一言」― nightmare scenario ―
やはり戦争は止めた方がいい。戦争は悲惨だ。インターナショナル・ヘラルド・トリビューンへの寄稿記事 "Bioweapons already hidden abroad - Saddam's nightmare scenario -" を読んで、改めてそう思いました。
Jane's Information Group の大量破壊兵器専門家である Andy Oppenheimer によるものですが、なかなか説得力があります。英語ですが、是非ご一読を。(http://www.iht.com/articles/77242.html)
(Web編集者による注)
直訳すれば「悪夢のシナリオ」ですね。
その記事で指摘されている「悪夢のシナリオ」とは
…というようなシナリオです。
- イラクは大量破壊兵器を持っていないと主張してきたが、査察の途中でそれに反するものが発見される。
- 合衆国はイラクに進軍する。(the United States invades Iraq と表現されてます。)
- イラクは既に生物兵器・化学兵器を開発しており、あらかじめ最も査察が困難な場所に配備が終了している。
- その配備はイラク国内だけでなく、合衆国及びその同盟国にも進んでいる。
- イラクはそのことを発表し、その真実性を高めるためにどこかひとつの設置場所の兵器を使用する。(水道に流す、空気中にばら撒くなど)
- さらに合衆国に反撃するためにイラクはテログループにそれらを譲渡する。
| 11月18日(月曜日) 文責:Tat |
■国連兵器査察団イラクに到着、事務総長、バグダッドに遵守求める
国連兵器査察団の先遣隊が今日イラクに到着、アナン事務総長は安保理の「イラク国民、地域の安定、そして世界秩序のために」との要求を完全に遵守するようサダムフセイン大統領に要求。
■開発途上国も電子取引から便益を、国連提案
国連貿易開発会議(UNCTAD)が今日公表した報告書「電子商取引と開発報告2002“E-commerce and Development Report 2002”」は、開発途上国は情報通信技術の発展から、特に出版印刷などの伝統的産業で大きな経済的便益を得るべき、と主張。
■国連パネルはアフガニスタン過去数年の進歩と課題を注視
アフガニスタンの過去数年に進歩はあったものの、国際社会はその栄誉にひたっていられない、とアナン事務総長は今日ニューヨークでの会合にメッセージを送った。この会合で、アフガニスタンの恒久的政府機関復興に向けての行動を合意に導いた、ドイツでの国連支援の会合以来の1年間を振り返る。
■追加支援なければ北朝鮮は深刻な食糧不足にすぐに直面、国連職員警告
朝鮮民主主義人民共和国に対する国連支援の最上級職員は、同国の食糧および人道状況は急速に危機的状況に近づいている、援助物資の搬送記録が不十分であることを懸念して支援国が援助を取りやめた場合状況はさらに悪化する、と警告した。
■ボスニア・ヘルツェゴビナ:国連は良質の警察部隊を残した、と事務総長
ボスニア・ヘルツェゴビナでの10年の活動で、国連は同国の完全な正常化達成の環境整備の他、よく訓練された警察機構を遺産として残した、と事務総長はサラエボで語った。
| 11月19日(火曜日) 文責:けい |
■バルカン半島:事務総長、多民族のコソボの重要性を強調
アナン事務総長は、コシュトニツァ大統領を含む、ユーゴスラビア高官との会談のためベオグラードに向かう前に、コソボ訪問を総括した。事務総長は北部の Mitrovica (国連が警察学校を運営している)からコソボ視察を始め、プログラムなどについて説明を受けた。また、国境付近のセルビア人やアルバニア人の村などを訪問した。後程記者団に対して、訪れた村の住民が過去を乗り越えて共存しなければならないことを自覚している旨を語り、多民族のコソボの重要性を強調した。
■国連高官、イラクの人道的窮状への注意を喚起
国際的な関心がイラクの査察を巡る政治状況の進展に注がれる一方で、国連イラク・プログラム担当事務局長Benon Sevan氏は、本日、安保理に対して、イラク国民の窮状に留意するよう切望した。
■国連は危機状況の5000万人を救済するため30億ドルの拠出を求めるアピールを開始
紛争、自然災害やその他の危機状況下にある人々に希望を与えることを目的として、国連は本日、30カ国の国と地域の5000万人の援助計画のための資金援助を目的とした30億ドルの拠出を求めるアピールをスイスのベルンで開始した。このアピールは同時に、ワシントンD.C.、ブリュッセル、ルクセンブルク、ニューヨーク、ハーグ、東京、キャンベラの7都市でも行われる。
■イラク:国連査察官、明日バグダッドを出発する前に政府高官と会談
イラクで国際兵器査察の再開準備を行っている、国連監視検証査察委員会(UN Monitoring, Verification and Inspection Commission: UNMOVIC)のハンス・ブリクス委員長と国際原子力機関(the International Atomic Energy Agency: IAEA)のエルバラダイ事務局長をはじめとする査察団は明日バグダッドを離れる前に本日イラク政府の高官と会談を行うことになっている。
■イスラエル:ヘブロン襲撃事件の犠牲者は軍事要員、国連報道官
国連報道官が本日報告したところによると、ヘブロンにおけるイスラエル市民に対する襲撃と当初報道されていた事件の犠牲者が実際の所軍事要員であることが明らかになった。報道官のHua Jiang氏は中東地域での紛争解決により包括的な手段を用いるべきであることを強調した。
☆今日のワンポイント
本日2番目のトピックでも触れられていますが、イラク情勢に関してどうしても兵器査察に関する報道に焦点が偏ってしまい、これまで例えばoff計画(oil-for-food programme)などによって地道に改善が図られてきたイラクにおける人道危機状況に関する注意関心が蔑ろにされている可能性があるようです。
私自身、テレビのニュースで見る限り、この問題に関して触れていた記憶はあまりないですし、ネット上の報道(例えば、朝日新聞の対イラク武力行使特集:http://www.asahi.com/international/iraq/index.html)でもあまり触れられていないようです。
◆今日の一言−ネット上での「情報の構造化」と検索精度(3)
3回目です。(前回はこちら)
前回は、Webページの規格であるhtmlにおいて、「タイトル」や「見出し」という方法を使うことで文書に「重要度の差」という構造を設定することで検索精度を高めることができるという話でした。今週は実際の状況についての話になります。
では、現実に目を向けるとどうなるでしょうか。インターネット上の膨大なWebサイトをいくつか見てみると、前回お話ししたような「情報の構造化」への考慮を行っているサイトが(プロ・アマ問わず)あまり多くないことが分かります。最大の理由はWebサイトの制作者が「画面上の見た目」を最優先してページを作っているということです。
一般的なブラウザーでは、見出しを設定するタグというのは通常の文字よりもサイズが大きく表示されます。これは、「見出しというのは本文の内容を端的に表すものなので目立たせる必要がある」から大きくなっているのですが、世の多くの制作者はこれを、「文字を大きくするために見出しを使う」という考え方で用いてしまいます。
また、見栄えの良いフォントを使って画像を作り、その画像を「見出し」として使うことや、本来であれば「表」を表すべきタグを用いてページ全体をレイアウトすることを、「テクニック」として紹介することなどが当たり前のようになっています。
こうした見た目を優先したデザインというのは、ひとが普通に画面を見る分には問題はないかも知れませんが、文章の構造やその中での重要度を判断する、検索データを収集するためのプログラムには判断することができません。また、目の不自由な方が情報を音声で読ませるプログラムを使用する際にも、何が重要なのかを判断することができない訳です。
次回は、検索プログラムにまつわる話についてです。もう少しおつき合い頂ければ幸いです。また、ご意見・ご感想・ご質問等あれば、kei@issue.netまでどうぞ。
| 11月20日(水曜日) 文責:山本 |
■世界子どもの日
世界子どもの日(Universal Children's Day)である20日、ユニセフのベラミ事務局長は声明を発表し、「すべての子供は遊ぶ権利を持っているが、何百万人もの子どもが紛争や搾取や予防可能な疾病のためにその単純な権利を奪われている」と語った。
■事務総長はアフリカ各国にデジタル革命への参加を要請
アフリカ工業化の日(Africa Industrialization Day)である20日、アナン事務総長はメッセージを発表し、情報通信技術は産業開発の基本であり、アフリカ各国にデジタル革命への参加を要請した。
■1050万人の子どもへの肝炎の予防接種の実績:GAVI
世界的な予防接種運動を推進している「ワクチン接種のためのグローバル同盟(GAVI;Global Alliance for Vaccines and Immunization)」は、これまでに発展途上国を中心に55か国・約1050万人の子どもたちにB型肝炎のワクチン接種を行ったと発表した。
■古い伝染病で新たな犠牲がないようにと警告
世界保健機構(WHO)・ユニセフ・世界銀行は20日、共同で報告書『世界のワクチン接種の現況(State of the World's Vaccines and Immunization)』を発表し、十分な資金供給がなければ古くからある伝染病の新たな流行で新たな犠牲者が出るであろうと警告した。
同報告書によると、国民の衛生のために1人あたり年間6ドルしか支出できない低所得の国もあると言う。
■イスラエル軍の民間人地域での行動に遺憾の意を表明:事務総長
ヨルダン川西岸地区で先日発生したイスラエル軍による市民の殺害についてアナン事務総長は20日、遺憾の意を表明し、イスラエル軍による民間人地域における強硬手段の行使をしないことを要請した。19日と20日で7人が死亡(うち3人は10代の子ども)、12人が負傷している。
■UNFICYPの活動委任期限の6か月延長を勧告:事務総長
アナン事務総長は20日、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)の活動に関する報告書を提出し、過去数か月にわたって平穏な状況が継続しているが、停戦状態の維持にはUNFICYPのプレゼンスが必要として、2003年6月15日まで委任期限を延長することを勧告した。
■事務総長、クロアチアを訪問
アナン事務総長は20日、首脳会談のためにクロアチアを訪問した。ザグレブ国際空港に降り立った事務総長は旧ユーゴスラビアで国連ミッション参加中に殉職した国連職員の追悼式典に参加し、「彼らの犠牲がこの地域に新しい時代をもたらした」と語った。
◆「今日の一言」 − 「責任をとる」ということ −
「責任感のある者に力がなく、権限ある者に責任感がないのは世の不幸である」と いうような意味の言葉を読んだことがあります。
“なにしろ自由を持つのは人間だけですし、責任を持つのも人間だけです。それゆえ自由な決断と責任ある行為に基づいて、いやそれに応じて、責められたり褒められたりするのも人間だけです。”
民間選出の大臣がとろうとした政策に「それで失敗したらあんたは責任とれるのか」と言う政治家がいたり、「責任をもって公共事業を推進する」とか主張する地方選出の議員がいるのを見てると、「そういうあんたが言う『責任』って何やねん」とつっこみたくなってしまいます。「失敗したら辞める」では「責任をとる」ということにはならないでしょう。
“自由と責任は人間の精神性、つまりその本質をなすものです。しかし今日の人間は精神的に疲れており、そしてこの精神的倦怠こそは現代のニヒリズムのまさに本質なのです。”
11月21日(木曜日) 文責:阿部
■事務総長、エルサレムでの自爆テロを強く非難する声明を発表
エルサレムで自爆テロが発生しイスラエル人11人が死亡し10人余が負傷したことを受け、アナン事務総長は、テロ行為は憎悪と不信を拡大するだけであると強く非難する声明を発表。
■イラク兵器査察の準備のための国連要員16人が新たにバグダッドに到着
植木国連報道官によれば、来週(今週)開始するイラク兵器査察の準備のため、国連要員16人がバグダッドに到着。これで、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC:the UN Monitoring, Verification and Inspection Commission)及び国際原子力機関(IAEA:the International Atomic Energy Agency)の先遣隊メンバーは計30人となった。
■事務総長、ミャンマーにおける政治犯釈放を歓迎
ミャンマー政府が100人を超える政治犯を釈放したことについて、アナン事務総長は、国民和解を加速させるものとして歓迎の意を表明。
■アジア8ヶ国の代表、E廃棄物の問題について討議
89年に採択されたバーゼル条約(the Basel Convention on the Transboundary Movement of Hazardous Wastes and Their Disposal)の下、アジア8ヶ国の代表者が集まり、PC、プリンターなどE廃棄物(e-wastes)と呼ばれるものにより生じる問題の解決策について討議。
■世界テレビ・デー、事務総長がテレビは情報社会の広がりの中核を担うと指摘
世界テレビ・デー(World Television Day)に当たり、アナン事務総長はメッセージを発表し、テレビは世界の最も重要な情報伝達手段であり、情報社会の広がりの中核を担うと指摘。
■事務総長、オランダTilburg大学で新たなグローバル安全保障について演説
アナン事務総長はオランダのTilburg大学で演説し、人権を尊重し、テロの脅威と戦い、多国間協力の有する正当性によって立つ、新たなグローバルな安全保障の展望をもつよう要請。
■アンゴラ和平プロセス実施共同委員会、安保理に対UNITA制裁の解除を勧告
アンゴラ和平プロセス実施共同委員会(the Joint Commission)は、安保理に対し、ルサカ議定書(the Lusaka Protocol)の履行は殆んど終わったとし、アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA:the National Union for the Total Independence of Angola) に対する制裁を即時に解除するよう勧告。
◆「今日の一言」― アンゴラの戦いは続く ―
最後のニュースに、アンゴラの和平が達成されたとの報道がありますが、事態はそう喜んでもいられないようです。
アンゴラでは1975年から内戦が続いていましたが、アンゴラ全面独立民族同盟のサビンビ議長が今年2月の戦闘中に死亡したのをきっかけにして和平の機運が高まり、4月に政府と同盟が停戦協定に調印、武装解除が進められているのです。しかしながら、和平が進展する中で、HIVに感染している多くの兵士が出身の村などに帰還し、軍の中に閉じこめられていた感染が全土に拡大しているというのです。内戦中は、移動が制限されていたため顕在化しなかったものが、和平とともに蔓延するという皮肉には、言葉を失わざるを得ません。
ニューヨークタイムズ紙によれば、和平とともに感染者の数が増大し、現在では、アンゴラの成人の5.5%が感染、アンゴラ軍の中央病院での死亡原因についても、これ までトップだったマラリアをエイズが抜きさったとのこと。米国は、石油輸入依存度を増しつつある西アフリカ諸国の内政を支える各国の国軍が、エイズで壊滅しては安全保障問題にかかわるとして、アフリカのエイズ問題に深くコミットを始めていますが、「アンゴラの終わりなき戦い」にどう終止符を打つのか、石油外交ではなく、真の人道外交に取り組まねばなりません。(http://www.iht.com/articles/77997.html)
11月25日(月曜日) 文責:Tat
■国連兵器査察団イラクに到着、Blix委員長「査察団はいつどこへでも行く」
国連兵器査察団17人がバグダッドに到着。査察団を監督するBlix委員長は、水曜日に査察団が行動を開始したら国中のどの地域も査察を免れない、と安全保障理事会に報告。
■女性に対する暴力撤廃の誓約を履行すべき,UNIFEM事務局長
女性に対する暴力撤廃・国際デーの今日、国連婦人開発基金UNIFEMのNoeleen Heyzer事務局長は、惨害をくい止めるために各国が誓約を実行に移すべきであると訴えた。
■国連はイスラエルの主張を論破
西岸地区の国連プロジェクトを管理していた職員が戦闘を助けて銃撃戦で死んだというイスラエルの主張を、国連は論駁した。
■安保理、国連原油食糧交換プロジェクトを12月4日まで延長
安保理は原油食糧交換プロジェクトを12月4日まで延長する決議案を、今晩満場一致で採択した。同プロジェクトは1996年に運営を開始し、一般イラク国民の窮乏を支えるため、バグダッドが国際的義務を履行するまでの一時的措置として存続してきた。
■安保理国連平和維持軍のキプロス駐留を6月まで更新
アナン事務総長の勧告を実行して安保理は今日、キプロス国連平和維持軍UNFICYPの任期を2003年6月15日まで延長した。
11月26日(火曜日) 文責:けい
■イラク:兵器査察団、兵器査察再開の準備開始
国連報道官は本日、イラクの国連兵器査察団が4年近く前に停止しているこの国での兵器査察の再開のための準備を開始したと報じた。また、他のニュースとして、イラク石油食糧交換プログラムのイラク事務所は本日、先週の石油輸出について報告を行い、先々週に比べ2倍以上になり、1710万バレルで3億6500万ドルの収入を得ているとのこと。
■イスラエル軍、人道援助職員を背後から撃つ。国連調査
先週の金曜日にヨルダン川西岸のジェニン難民キャンプで銃弾を受けて致命傷を負い、死亡したイギリス人の援助職員は、イスラエル防衛軍(Israeli Defence Force: IDF)の兵士に背後から撃たれたものであったと国連パレスチナ難民救済事業機関(UN Relief and Works Agency for Palestina refugees in the Near East: UNRWA)は本日発表した。
■中東:UNRWA、IDFのUNRWAスタッフと家族に対する不当な措置に抗議
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、イスラエル防衛軍(IDF)に対して、名誉毀損にあたる取り調べの強要と不当な勾留を受けたUNRWAスタッフのひとりとその家族に対する措置に抗議した。
■AIDSの影響でアフリカ南部の飢餓状況が悪化:国連の最新報告
本日ロンドンで発表された、エイズ合同計画(the Joint UN Programme on HIV/AIDS: UNAIDS)とWHOによる最新の報告書 "AIDS Epidemic Update 2002" によると、HIV/AIDSの悲劇は、アフリカ南部のレソト、マラウィ、モザンビーク、スワジランド、ザンビア、そしてジンバブエにおける深刻な飢餓状況を悪化させ、1400万もの人々は餓死の危機に瀕しているとのこと。
■アンゴラ:国連は人道危機に立ち向かうための3億8600万ドル拠出をアピール
国連は本日、アンゴラでの人道危機状況の改善のため3億8600万ドルの拠出を望む旨、発表した。アンゴラでは平均寿命が45歳であり、人口の3分の2近くが貧困ラインを下回った生活をしており、200万人以上の人々が生存するために援助に頼っている。
◆おわび
都合により本日のひとことはお休みさせて頂きます。
“ネット上での「情報の構造化」と検索精度(4)”は来週改めて掲載します。
配信が遅れたことと共にお詫び申し上げます。
11月27日(水曜日) 文責:山本
■イラクの武器査察再開
4年間中断していた国連によるイラクへの武器査察が再開し、27日はバグダッド郊外の3施設を訪問した。国際原子力機関(IAEA)からの査察官はバグダッド北部の科学研究施設を、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)からの査察官は黒鉛工場とミサイルエンジンテスト施設を訪れた。黒鉛工場が査察されたのは、黒鉛がミサイルのバッテリーにも先端部分にも応用できるからである。
■石油タンカー事故に相応の責任を
国連環境計画(UNEP)のテプファー(Klaus Toepfer)事務局長は27日、スペイン沖での石油タンカー座礁事故に関して発言し、このような事故に対して船主と船長が厳重な責任を負うシステムに従うよう要請した。
■キプロス情勢に関し、双方の住民代表に意見を求める
アナン事務総長はキプロス情勢安定化に向けて、ギリシャ系・トルコ系双方の住民代表に対し同国の平和プロセスに関する提案を記した書簡を送り、それぞれのコメント・要望などを30日までにデソト事務総長特別顧問に伝えるように要請した。
■ロシア:イングーシ地域の国内避難民キャンプを閉鎖
大島国連緊急援助調整官は27日、ロシア当局がイングーシ地方の国内避難民(IDPs;internally displaced persons)が約1,000人が生活をしている Aki Yurt キャンプを今週末に閉鎖する計画であることに対し警告を発した。
■ブルンジ支援国会議開催
27日にジュネーブで開催されたブルンジ支援国会議に対しアナン事務総長はメッセージを送り、同国が政治的移行時期にあり、国外からの支援が極めて重要であると訴えた。
■日曜日にバカシ半島帰属問題を討議
カメルーン・ナイジェリア間で係争中のバカシ半島帰属問題について討議するためにアナン事務総長が設立した委員会が12月1日に最初の会合を開催すると発表された。
■ISAFへの活動委任期限延長:アフガン情勢
安全保障理事会は27日、アフガニスタン情勢について協議を行い、同国の情勢は未だ世界平和と安全に対する脅威であると認め、国際治安支援部隊(ISAF)への活動委任期限を2003年12月20日まで延長する決議を全会一致で採択した。
■アジア・太平洋地域の経済状況に関する報告書が発表
アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)は1997年に発生した金融危機以降のアジア太平洋地域の経済状況に関する報告書『経済下降期における周辺集団の保護:アジアの経験からの教訓(Protecting Marginalized Groups During Economic Downturn: Lessons From the Asian Experience)』を発表し、当地域は5年前の通貨危機から十分に回復しておらず、数百万人が厳しい雇用状況におかれていると警告した。
◆「今日の一言」 − 「私たち」とは誰までを指すか? −
今月初旬にフランスのジスカールデスタン元大統領が、トルコがEUに加盟すればヨーロッパは終わりだという意味の発言をして大いに物議を醸しましたが、これは狭義のヨーロッパ(おそらく日本人の多くが「西欧」と理解している国々)にとっては心の奥底にある本音なのかも知れないという気もします。私の頭の中ではウラル山脈・黒海から西、という地理的な理解でなんとなく「ヨーロッパ」と把握しているので すが、実際にその地域で生まれ育った人々にとっては、EU拡大が進むにつれて文化的なアイデンティティとの格闘が生まれていくのではないかと思います。すなわち、「ヨーロッパとは何か」という問題が「ヨーロッパ人」に突きつけられているわけです。
12月12日にEUは首脳会議を開催し、キプロスの加盟が認められる方向です。そして同時にトルコの加盟申請の討議も行われるわけですが、図らずもジスカールデスタン氏がもらした「本音」にあるように、そのまま何事もなく認められるとは思えません。すると事実上分裂状態にあるキプロスのうちトルコ系の住民の立場が微妙なものになると指摘されています。
これは地政学的な問題というだけではなくて、「ヨーロッパ」人が「私たち」と呼べる範囲はどこまでかというアイデンティティの問題でもあるわけです。
これを遠い世界のことだと思わずに、自身に引き当てて考えてみればわかりやすいかも知れません。あなたにとって「私たち」とは誰までを指しますか?
11月28日(木曜日) 文責:阿部
■国連監視検証査察委員会、イラクで生物兵器の生産が行われていた工場を査察
国連監視検証査察委員会(UNMOVIC:UN Monitoring, Verification and Inspection Commission)の14人の専門家は、イラクにおける大量破壊兵器査察の二日目、1990年に始まった生物兵器の生産が行われ、96年に国連のもとで破壊された工場(the Foot and Mouth Disease Vaccine Plant)を査察。
■中東和平担当特別調整官、リクード党党首選挙投票所でのテロを強く非難
ラーセン(Roed-Larsen)中東和平担当特別調整官(Special Coordinator for the Middle East Peace Process)は、リクード党の党首選挙の投票所でパレスチナ人が銃を乱射し、5人のイスラエル人が死亡、20人以上の負傷者を出した事件を強く非難する声明を発表。
■世界食糧計画、ジンバブエの人道的危機が急速に悪化していると警告
世界食糧計画(WFP:the UN World Food Programme)は、ジンバブエ政府と人道機関が輸入している食糧が同国の人々が必要としている量にはごど遠く、栄養失調や学校に通えない子どもたちが増大するなど、人道的な危機が急速に悪化していると警告。
11月29日(金曜日) 文責:阿部
■事務総長、ニューヨークの国連本部で中東問題に関する報告書を発表
アナン事務総長は、ニューヨークの国連本部で中東問題に関する報告書を発表し、中東における暴力の連鎖に終止符を打つためには第三者(third party)の関与が重要であると指摘。
■パレスチナ人民との連帯の国際デー、事務総長は二国家共存方式の重要性を強調
パレスチナ人民との連帯の国際デー(International Day of Solidarity with Palestinian People)に当たり、アナン事務総長は、中東紛争に対して、パレスチナ国家を建設する、いわゆる「二国家共存方式」(a two-State solution)を達成するための努力を行っていくことが重要であると強調。
■事務総長、ケニアの自爆テロを強く非難
アナン事務総長は、ケニアのモンバサ(Mombasa)のホテルで木曜日に起こった自爆テロで少なくとも13人が死亡したことやイスラエルの民間航空機が攻撃されたことについて、強く非難するとともに、解決のためには包括的なアプローチが必要であると指摘。
■ベネズエラの政治情勢が次第に分極化
ベネズエラの政治情勢が次第に分極化するなかで、アナン事務総長は、ベネズエラ政府と反対勢力に対し、憲法や民主的価値、人権を尊重し、この危機を平和裏に解決するため努力するよう要請。
■国連難民高等弁務官事務所、北コートジボアールでの暴力拡大に懸念を表明
北コートジボアールで暴力が拡大する中で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR:the UN High Commissioner for Refugees)のスポークスマンは、7万人のリベリア難民が生活している地域で戦闘が拡大しており、難民が拡大する恐れがあると懸念を表明。
■国連難民高等弁務官事務所、チェチェン難民キャンプの閉鎖を延期するよう要請
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ロシアがAki Yurtキャンプを閉鎖するとの計画を表明したことを受け、国内の暴力により難民となっている数千人のチェチェン人が生活しているイングセチア(Ingushetia)のキャンプを閉鎖するのを延期するよう、ロシア当局に要請。
◆「今日の一言」― binational state ―
2つ目のニュースに、イスラエルとパレスチナの「二国家共存方式」(a two-State solution)という言葉が出てきます。これは、ガザ及び西岸地区にいわゆるパレスチナ国家を建設するという考え方で、これまで、イスラエルとパレスチナ、仲介者であるアメリカが追求してきた目標です。しかし、反テロ戦争キャンペーンの中で、こうした「2つの国家の共存」ということが非常に難しくなってきているため、国連が、あえてその目標を堅持することの重要性を指摘しているのだと思います。
一方、少し違った角度からのソリューションを提案している知識人がいます。パレスチナ生まれの在米知識人として、現在はコロンビア大学で教鞭をとるE・W・サイード(Edward W. Said)は、イスラエルとパレスチナ国家の分離(partition or separation)を前提とするソリューションは困難である、分離しようにもユダヤ人とパレスチナ人の居住地は複雑に入り組んで密接に関連していると主張、別に、「二重国家」(binational sateあるいはa binational Israeli-Palestinianstate)という概念を提唱しています。これは、一つの土地に2つの国民を共存させるもので、イスラエルとパレスチナの歴史家や知識人が、南アフリカの「真実と和解委員会」のようなものを作って過去の事実を検討し、現在の出口なしの状況の打開を求める方がいいというのです。
こうした提案の評価をここで行うのは拙速を免れませんが、パレスチナ人でありニューヨーク市民でもあるサイードが、引き裂かれるような困難な状況の中で、和解の道を模索している、その声には、もっと耳を傾けていいように思います。
- 【Edward W. Said の著作】
- http://www.msz.co.jp/top/said/said02.html
http://www.msz.co.jp/top/said/said03.html
http://book.asahi.com/review/index.html?info=d&no=1238
- 【Edward W. Saidのオンライン・コメント】
- http://home.att.ne.jp/sun/RUR55/J/saidonline.htm
Updated : 2007/02/18