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Title : July 2001
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7月 4日(水曜日)

(国連本部のある合衆国の独立記念日のためお休み)

7月 5日(木曜日) 文責:阿部

安保理、シエラレオネ産のダイアモンド不法取引に関して非公開協議を開催

 シエラレオネ産のダイアモンド不法取引に関して、安保理が非公開協議を開催。
 安保理議長は理事国を代表して報道声明を発表し、安保理が講じた不法取引防止措置を全加盟国が実施することの重要性を指摘。

アナン事務総長、中央アフリカ共和国に緊急支援が必要と警告

 アナン事務総長は、安保理宛ての報告書において、5月にクーデター未遂事件が起きた中央アフリカ共和国(the Central African Republic)が現在、危機的事態に陥っており、緊急に国際支援を必要としていると警告。

アナン事務総長、アフリカ開発について前向きな課題を取り上げていくべきと指摘

 アナン事務総長は、7月の16日から開催が予定されている経済社会理事会(the Economic and Social Council)閣僚会合での検討に付すべく作成、発表した報告において、アフリカ開発を促進するためには、現在のように困難な問題にばかり焦点を当てるのではなく、もっと前向きな課題を取り上げていくべきであると指摘。

東ティモールとオーストラリア、ティモール海底資源に関する協定に署名

 東ティモールとオーストラリアは、ティモール海底資源に関する協定(the Arrangement on the Timor Sea)に署名。同協定の下、石油やガスの収益の90%は、東ティモールに配分される。

旧ユーゴ国際刑事裁判所、セルビア共和国に戦犯容疑者を引き渡すよう要請

 旧ユーゴ国際刑事裁判所(the UN International Criminal Tribunal for the former Yugoslavia)のCarla Del Ponte主任検察官は、ボスニア・ヘルツェゴビナのセルビア共和国首相らとの会談し、同国当局がムラジッチやカラジッチなどの戦争犯罪容疑者を同裁判所に引き渡すよう要請。

ポリオ予防接種活動、アフリカ中部4ヶ国でスタート

 アンゴラ、コンゴ、コンゴ民主共和国、ガボンのアフリカ中部4ヶ国において、16百万人の子どもを対象にしたポリオ予防接種活動が本日、5日間の予定でスタート。これは Global Polio Eradication Initiative の一環として実施されるもの。世界保健機構(WHO)、国連児童基金(UNICEF)など人道機関の長は、この活動期間中、平和が尊重されなければならないと警告。

「今日の一言」― 新たな条約離脱問題 ―

 7日土曜日のニューヨーク・タイムズ紙は、米国ブッシュ政権が核実験全面禁止条約(CTBT)からの離脱を検討しており、20日からのジェノバ・サミットでもCTBTを事実上葬り去るため、関係国を説得していると報じています。
http://www.nytimes.com/reuters/business/business-bush-nuclear.html

 米上院は、99年10月に共和党の反対でCTBTの批准を否決し、各国に衝撃を与えた経緯がありますが、ブッシュ大統領も、昨年の大統領選の選挙運動の期間中、CTBTに反対する発言を繰り返していました。
 CTBTには161カ国が署名、うち77カ国が批准していますが、発効には44カ国の核保有国の批准が必要なため、未だ発効するに至っていません。国際条約を巡る米国大統領の方針転換は、今後の国際政治に重大な影響を与えずにはおかないでしょう。

7月11日(水曜日) 文責:山本

事務総長、イスラエル当局にパレスチナ人の家屋破壊中止を要請

 アナン事務総長は、9日・10日の2日間にわたってイスラエル当局により行われたパレスチナ人居住区における家屋破壊について、「占領地における緊張を高めるだけである」とし、その即時中止を当局に要請し、同時にイスラエル・パレスチナ双方に対し和平への努力を再開するように要請した。

事務総長、拉致事件現場を撮影したビデオの視聴要求について調査を指示

 2000年10月7日、イスラエル占領地からの撤退ライン(いわゆる"Blue Line")を超えての攻撃でイスラエル軍兵士3名がヒズボラに捕虜として捕らえられた件で、その戦闘の数時間後の状況を国連レバノン暫定軍(UNIFIL:UN Interim Force in Lebanon)の要員がビデオで撮影しており、イスラエル側がビデオの未編集の状態での視聴を要求しており、アナン事務総長事務総長は調査を指示した。
 このビデオについては安全のため、被国連要員の顔が特定されないように編集したものを提供すると国連側が先週金曜日に返答したことに対し、イスラエル側が未編集状態での提供を望んだことに対するもの。

安保理、ソマリア武装勢力に武装解除と和平への交渉につくように要請

 安全保障理事会はソマリア情勢について非公開協議が行われ、終了後議長声明を発表し、隣接する国々からの干渉を排除しつつ全武装集団が武装解除し、暫定国民政府(Transitional National Government)との和平交渉につくことを要請した。

保健衛生に関するプロジェクトに100万ドルを投入:コンゴ民主共和国

 国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)は11日、コンゴ民衆の基本的ニーズを満たす領域の、小さくても即効性がありインパクトのあるプロジェクトに100万ドルを投入することを発表した。このうち30万ドルは小児科病院の水道施設建設やストリートチルドレンへの支援など26のプロジェクトで利用することが決定している。残りの70万ドルについても本年9月までに用途が決定する。

安保理、UNMOPの活動期限を半年間延長する決議を採択

 安全保障理事会は11日、国連プレブラカ監視ミッション(UNMOP;the UN Mission of Observers in Prevlaka)への活動委任期限を2002年1月15日まで延長する決議第1362号を全会一致で採択した。
 UNMOPはプレブラカ半島の非武装化を監視するために1996年1月に設立。

スレブレニッツァ虐殺から6年

 ボスニア・ヘルツェゴビナのスレブレニッツァで悲劇的な虐殺が行われてから6年経った11日、この事件を忘れまいとする会合が行われ、UNMIBH(国連ボスニア・ヘルツェゴビナミッション; UN Mission in Bosnia and Herzegovina)はこの会合が平穏のうちに開催されたことに大いに満足の意を表した。
 スレブレニッツァは国連が策定した安全地帯であり、数千人が避難していたところ を襲撃、虐殺が行われ、第二次世界大戦後ヨーロッパでは最悪の事態となった。

憲法制定議会候補への異議申立て期間が終了:東チモール

 8月30日に実施される憲法制定議会議員選挙の候補者リストに対する異議申立て期間が11日をもって終了し、これまでに届け出られている候補者は公式に登録された。州代表13議席と比例代表75議席の全88議席を約1000名の候補が競い合う。

事務総長、ハイチが貧困から脱するためには政治的安定の解決が必要と指摘

 アナン事務総長はカリブ海周辺情勢に関して報告書を提出し1997年から続くハイチの危機の解決のためには政治的な安定が必要であると強調した。

小火器の不正取引に関する会議が開催中

 「小火器・軽火器の不法取引とその総合的側面についての国連会議(UN Conference on the Illicit Trade in Small Arms and Light Weapons in All its Aspects)」の3日目になる11日、Jayantha Dhanapala 軍縮担当事務次長は、国連は会議で採択される勧告に実効性を与えるよい場所だと発言した。特に国連による監視メカニズム・CASA(Coordinating Action on Small Arms mechanism)が、これまで武器の非合法な流通を防止するのに機能してきたと強調した。

世界人口デー

 アナン事務総長は「世界人口デー(World Population Day)」にちなんでメッセージを発表し、「私たち人類は人口を安定させねばならず、同時に資源の利用も安定させつつ持続可能な成長を達成しなければならないという複雑な方程式を解かねばならない。」と強調した。また同時に人口問題に及ぼす環境の問題、女性の役割の向上についても語った。
 「世界人口デー」は1987年のこの日に世界の人口が50億人を超えたことから設定された。

民間部門にでも貧しい国でも入手可能な価格での補聴器の提供を要請:WHO

 世界保健機関(WHO)は11日、開発途上国で難聴に悩まされている人々の苦境を軽減するために、聴力支援に関するガイドラインを発表した。このガイドラインは補聴 器メーカ・サービスプロバイダ・支援提供国の代表がジュネーブに集まって2日間にわたって開催していた会合の席上発表された。
 世界では2億5000万人が難聴で苦しんでいると推定されており、そのうち3分の2以上が開発途上国の国民である。開発途上国では1個500ドルで入手可能であるが、この価格は事実上入手不可能で、10ドル程度に抑える必要がある。

「今日の一言」 − Anniversary −

 6つめの記事「スレブレニッツァ虐殺から6年」なのですが、原文ではこういう書き出しになっています。

"Following ceremonies to mark the sixth anniversary of the tragic massacre of civilians in Srebrenica"
 これを翻訳支援ソフトにかけると「6周年を祝う式典」というとんでもない訳出をしてしまいます。「虐殺6周年記念式典」と訳しても、まだ何か違和感が残ります。
"Anniversary"はある事象が起こってから年単位での時間経過を淡々と示すのですが、日本語でこれを「周年」と訳すと、翻訳支援ソフトが図らずも暴露したように、ポジティブな意味を内包してしまうのです。人が亡くなっているのですから「周忌」という訳も不可能ではありませんが、これでは法事のようなイメージをもたらします。
 私はここでは意味をとって「この事件を忘れまいとする会合」と訳してみたわけですがいかがなもんでしょうか。

 過去の悲しむべき事態・事件を周期的に悼むこと(もしくはその儀式・会合)を適切に指す日本語がなかなか見つからないというのは、不都合な過去を水に流してしまい、見ないこと・なかったことにしてしまう傾向を幾分か反映しているのかも知れないな、とも思います。
 過去の悲惨な事態を悼み、その再発防止を深く決意し、将来の平穏を祈るという意味でなら、もっとも近い日本語は「祈念式典」となるのかも知れません。ただし「2度と起こりませんように」ではなく「2度と起こしません」と誓う意味ですけれども。それが祈りの本質だと私個人は考えています。

7月12日(木曜日) 文責:阿部

国連の4人道機関の長、合同声明で人道活動家への脅威を指摘

 国連の4人道機関の長(大島賢三・人道問題事務次長、ベラミー・ユニセフ事務局長、バーティーニ世界食糧計画事務局長、ルベルス難民高等弁務官)は、経済社会理事会年次会合に参加していたジュネーブで合同声明を発表し、資金不足と安全の欠如が世界中で人道活動家に脅威を与えていると指摘。

国連、「世界経済社会報告2001年」を発表

 国連は、「世界経済社会報告2001年(World Economic and Social Survey 2001)」を発表し、世界主要国の経済は、米国経済の減速により、大きく低下しており、その結果、開発途上国および経済移行国の成長の足を引っ張っている、2001年後半もこの状態が続く恐れ大と指摘。

東ティモール暫定行政機構代表、制憲議会選挙の妨害防止に万全を講じると表明

 東ティモール国民評議会(the National Council)において国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)のビエラ・デ・メロ代表は、選挙プロセス、安全、教育政策などについて3時間にわたり各委員からの質問に応じた。同代表は、来る制憲議会選挙の妨害行為を防ぐべくあらゆる策を講じると表明。

難民高等弁務官、マケドニア難民が検問所で入国拒否されている問題に懸念を表明

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR:the UN High Commissioner for Refugees)は、有効なパスポートを持たずにコソボからマケドニアに帰還しようとする難民がマケドニア検問所で入国を拒否されている問題について懸念を表明。

国連環境計画事務局長、COP6を前に解決策を模索を要請

 来週ボンで再開されるCOP6を前に、国連環境計画(UNEP:the UN Environment Programme)のテプファー事務局長は、各国政府に対し、京都議定書プロセスを維持すべく、長期的な解決策を模索し行動を調整するよう要請。

ジェノサイド罪でルワンダ国際刑事裁判所によって起訴された3人が逮捕

 ジェノサイド罪などの容疑で、ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR:the International Criminal Tribunal for Rwanda)によって起訴された3人が、ブリュッセル、ジュネーブ、レイデンでそれぞれ逮捕された。

「今日の一言」― 翻訳夜話 ―

 作家の村上春樹と東大の柴田元幸が、昨年『翻訳夜話』という新書を文藝春秋から出版した。翻訳が好きなお二人が語り明かした一冊で、とても興味深く読んだ。その中で村上春樹が、「小説を書くのと翻訳するのとでは、脳の中は全く逆の側が使われている感じがする」と指摘している。

 小説は、「自我という装置」を極限まで動かしていく作業であり、一方の翻訳は、「テキストが必ず外部にある」ため、「外部の定点との距離をうまくとってさえいけば、」論理的に解消できる、と。このSUNの配信をしていて、レベルは違うけれど、全く同じことを感じることがある。
 ニュースの翻訳は、伝えなくてはならないテキストがまずあって、そのテキストとの関係で懸命に取り組むんだが、それで自分自身ががのた打ち回ることは無い。国連へのコミットメントなくしてできる仕事ではないが、こつこつと取り組めば、壁にぶち当たることはまずない。
 しかし、「今日の一言」はだいぶ趣が異なる。自分が何を感じるか、そしてそれをどう表現するか、なかなかの曲者である。ある種の自己表現であり、自分のエゴをさらけ出さずには出来ない作業だ。
 村上春樹は、だから小説を書くことの方が翻訳より尊い、と言っているのでは全くない。むしろ逆で、翻訳作業を「写経」に例えて、面白いことを言ってる。

− 同じものを引き写すだけなんだけど、しかしそうすることを通じて結果的に、(中略)人々は物語の魂そのもののようなものを、言うなれば肉体的に自己の中に引き入れていった。

− 実際に自分の手を動かしてテキストを置き換えていくいくことによって、自分の中に染み込んでいく
(『翻訳夜話』(文春新書)p.111)

 自分も、たかがニュースの翻訳だけれども、この作業を通じて、世界各地で苦しむ人々の現実を、その苦しみを、自分の魂に染み込ませていきたい。そう願いながら、今後とも翻訳を続けていきたいと思う。

7月18日(水曜日) 文責:山本

アフリカ自身による開発プロジェクトこそが成功への鍵:ECOSOC

 国連経済社会理事会(ECOSOC)における、アフリカの経済の発展と貧困の撲滅に関する閣僚級会議の3日目にあたる18日も討議が続けられ、アフリカ自身による開発プログラムが成功への極めて重要な鍵になると強調された。

アフリカ統一機構は小火器不正取引への取り組み支援を要請

 現在開催中の「小火器・軽火器の不法取引に関する国連会議」の席上、アフリカ統一機構(OAU;Organization of African Unity)の Said Djinnid 政治問題担当事務次長は、小火器の拡散が対立をエスカレートさせているとし、アフリカ諸国の小火器不正取引取締りへの支援を要請した。
 [小火器・軽火器の不法取引に関する国連会議]
  http://www.un.org/Depts/dda/CAB/smallarms/

停戦状態ではあるが未だ不安定な状態:コンゴ民主共和国

 Kamel Morjane コンゴ民主共和国事務総長特別代表は18日、国連本部で記者会見し、昨年と比較すれば大きな進展があり、ここ半年は停戦状態が保たれているがまだ不安定な(fragile)状態であると指摘した。

反政府勢力が武装解除に合意:シエラレオネ

 シエラレオネ政府と反政府勢力・革命統一戦線(RUF)は17日、ダイアモンドの豊富な Kono 地域における武装解除に関するコミュニケに合意し、署名した。この署名には国連シエラレオネミッション(UNAMSIL)の Omrie Golley 代表が立ち会った。
 また、このコミュニケの中で Kono 地域におけるRUFならびに市民防衛軍(CDF;Civil Defence Force)の検問所も解除されること及び実行の監視のための合同委員会の設置が合意されている。

事務総長、中東担当特使からブリーフィング

 アナン事務総長は18日、ラーセン中東和平プロセス担当事務総長特別調整官と激化しつつある中東での暴力に関して協議を行い、関係者との一連の接触の状況について説明を受けた。

UNTEAT、インドネシア政府と東チモール国境問題を協議予定

 国連東チモール暫定統治機構(UNTAET)はインドネシア政府と東チモールとの国境問題について19日に合同境界委員会(Joint Border Committee)をジャカルタで開催する予定。国境地帯の治安維持・警察協力・国境確定・人と物資の運搬の4つの小委員会に分かれて実質討議される。同委員会は昨年9月に設立され、今年1月に最初の会合が開催された。

UNMIK、民族間不動産販売規制法案可決を要請

 コソボ自治州内の民族混在地域で、少数民族が強制的に不動産を売却・退去させられているとの兆候が見られるために、国連コソボ暫定行政ミッションの Tom Koenigs 代表代理は18日、暫定統治委員会(Kosovo Interim Administrative Council)で、これらを規制する法案の可決を要請した。規制と対象となる地域を指定し、その地域における不動産売買契約は全て届け出て認可されるようになる予定。

ミロシェビッチ被告の妻が夫に面会予定

 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所における裁判のために拘留中のスロボダン・ミロシェビッチ被告に面会のため妻のマイラ・マルコビッチさんがハーグを訪れる。ただし保安上への配慮から詳細は発表されていない。

WHOは紫外線が子どもに与える影響を警告

 世界保健機構(WHO)は18日、オゾン層が脆弱になるにつれ子どもたちが有害な紫外線(UV;ultraviolet radiation)にさらされることになると警告した。WHOが発表したファクトシートによれば赤道付近に多くの発展途上国が位置しており、子どもや保護を要する人々が高レベルの紫外線を浴びることで免疫機構の脆弱化に影響を与えて いるという懸念が大きくなっているという。
 国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO;World Meteorological Organization)は紫外線の危険性に対する認識を高めるためにその強さを示す指数・UV indexを発表している。

「今日の一言」 − deus ex machina −

 3/21の「今日の一言」で引用したF.ファノンの『地に呪われたるもの』には次のような箇所があります。

“ひとつの橋の建設がもしそこに働く人びとの意識を豊かにしないものならば、橋は建設されぬがよい、市民は従前どおり、泳ぐか渡し舟に乗るかして、川を渡っていればよい。橋は空から降って涌くものであってはならない。社会の全景にデウス・エクス・マキーナ〔救いの神〕によって押しつけられるものであってはならない。そうではなくて、市民の筋肉と頭脳から生まれるべきものだ。”

 「デウス・エクス・マキーナ」とは、中世のヨーロッパの劇で物語の最終部分で主人公の置かれている状況が極めて深刻になったとき、天上から神が現れて全てを解決し、大団円を迎えるという趣向がよく用いられる。当然、その「神」は大きな舞台装置であるので機械で作られており、それが困ったときに全てを解決してくれるので、「機械仕掛けの神(deus ex machina)」と呼ばれます。
 劇の場合はそれでもいいのですが、現実の社会で「機械仕掛けの神」のように突然外部から持ちこまれたもので問題を解決したとしても、そのことによってその問題を解決する契機を持ち得なかったということで、同じ問題に直面した時に同じように「機械仕掛けの神」の出現を希うことになります。つまり、その問題だけでなく「機械仕掛けの神」にまで束縛されてしまいます。だから、ファノンはこうも書いています。
“市民は橋をわがものにせねばならない。このときはじめて、いっさいが可能になるのである。”

 最初の記事で、アフリカ自身による開発プロジェクトが重要だと言っているのは、こういう発想が背景にあるのではないかと思います。

7月19日(木曜日) 文責:阿部

アナン事務総長、G8サミットで演説し世界保健基金の設置を提案

 アナン事務総長は、G8サミットで演説し、AIDSその他の感染症と闘うための世界保健基金の設立を重要なテーマとして取り上げる。アナン事務総長は、更に途上国のリーダーとのアウトリーチ・セッションにも参加し、昨年のミレニアム・サミットで合意された貧困の削減について議論する予定。

気候変動枠組み条約高級レベル会合がボンで開幕

 気候変動枠組み条約(the UN Framework Convention on Climate Change)の高級レベル会合がボンで開幕。温室効果ガス(greenhouse gas)の削減目標を定めた京都議定書(Kyoto Protocol)の発効に向けた議論を展開する。現在、金融と技術、柔軟性メカニズム、土地利用と森林、遵守メカニズムの4つの討議グループの共同議長が残る課題の取りまとめを行っている。

国連小型武器会議が最終段階を迎え行動計画案を調整中

 小火器・軽火器の不法取引とその総合的側面についての国連会議(UN Conference on the Illicit Trade in Small Arms and Light Weapons in All its Aspects)が最終段階を迎える一方、行動計画のテキストの多くの部分で調整が続いている。

アナン事務総長、武力紛争の中で民間人を保護するための努力を強化する要請

 アナン事務総長は、安保理議長に対する書簡の中で、武力紛争の中で民間人を保護するための国連の努力を強化するため、人道問題調整室(OCHA:the Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)と平和維持活動局(DPKO:the Department of Peacekeeping Operations)とが協働することが重要であると指摘。

国連及び東ティモールのリーダー、ASEAN閣僚会合に出席

 国連及び東ティモールのリーダーは、来週ハノイで開幕する東南アジア諸国連合(ASEAN:the Association of Southeast Asian Nations)閣僚会合に出席するよう要請され、開幕及び閉幕セッションに参加する予定。

国連開発計画、レバノンのエネルギー新イニシアチブ補助

 国連開発計画(UNDP:the UN Development Programme)は、レバノンにおけるエネルギー効率及び環境保護を促進するための新イニシアチブに340万ドルの補助金を供給する計画を発表。

「今日の一言」― 12気筒エンジンの世界経済 ―

 20日開幕したジェノバ・サミットは、初日からデモ隊との衝突が激化し、死者1人を出す惨事となってしまいました。ジェノバに集まっている運動家のほとんどは、反グローバリズムを掲げる平和的な環境団体、人権団体だそうですが、その中に極左運動家が加わり、過激な衝突を招いているとのこと。
 グローバリズムに係るこうした対立は、従来の伝統的な「南北」や「東西」という対立に代わる「新しい対立」であり、今後の世界経済を考えるうえで、決して軽視してはならないと思います。
 世界経済のグローバル化は、私たちの予想をはるかに超えて進展しており、ファイナンシャル・タイムズ紙のトンプソン編集責任者は、世界経済を12気筒エンジンに喩えて、米国が8気筒、日本を含む東アジアが2気筒、欧州が2気筒、全てが関連して動いている、と指摘しています。
 http://www.pbs.org/newshour/bb/international/july-dec01/summit_7-20.html

 こうしたグローバル化の現実をとどう向き合い、世界の安定した経済と地球環境、更には人権を守り育んでいくのか。今夜にも閉幕するG8サミットを機に、私たち一人一人が考えていきたいものです。

7月25日(水曜日) 文責:山本

安保理はブルンジにおける暫定政府に関する合意を歓迎

 安全保障理事会は25日、ブルンジ情勢に関する非公開協議を開催し、同国における暫定的な政治指導体制に関する合意に達したことを歓迎した。この合意によると現政府とフツ族の指導者が18か月の間、暫定政府の指導者の役割を果たすことを要請している。

総会はフィジーの選挙に対する監視ミッション派遣を承認

 フィジー暫定政府が国連総会議長に支援を要請したことを受け、国連総会は議決なしで国連選挙監視ミッション(UN Electoral Observer Mission)を派遣する決議を採択した。フィジーの総選挙の期間は8月25日から9月1日までである。

東チモールは独立に向けて状況が進展

 アナン事務総長は25日、東チモールに関する最新の報告書を発表し、最近の6か月は東チモールの人々が独立と自治に向けて大きな進展を示した、「生産的な期間」であったと強調した。

クロアチアの将軍が旧ユーゴ国際刑事裁判所に自発的に出頭

 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所から人道に対する罪で起訴されていたクロアチアの Rahim Ademi 大将が25日、自発的に同裁判所に出頭した。 Ademi 大将は1991年から内務省に配属され、1993年に文民や投降した兵士を迫害・殺害したとされている。

UNMIK、行方不明者のDNA鑑定に関する合意書に署名

 国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のヘケロップ代表は25日、身元不明の遺体と行方不明者の親族とのDNA鑑定を実施するため、行方不明者のための国際委員会(ICMP;International Committee for the Missing Persons)と了解覚書(MOU;memorandum of understanding)に署名した。

パレスチナ人権委員会はイスラエルが勧告を無効化していると警告

 パレスチナ人の不可侵の権利の行使に関する委員会(the Committee on the Exercise of the Inalienable Rights of the Palestinian People)は、パレスチナ問題の解決の糸口を提示していた、前合衆国上院議員ジョージ・ミッチェルを委員長とする専門家パネルによる報告書(いわゆる「ミッチェル委員会報告」)の履行をイスラエル当局が阻止していると警告した。

イスラエル調査特別委員会が中東訪問をスタート

 占領地のパレスチナ人の人権に影響を及ぼすイスラエルの慣行を調査する特別委員会(UN committee probing Israeli practices and their impact on the human rights of Palestinians in the occupied territories)の代表3名がヒアリングのため、エジプト・ヨルダン・シリアに向けて25日、出発した。同委員会は1968年に設立。

事務総長、生物兵器条約を強化する議定書に関する合意を要請

 「細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発・生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約」(いわゆる「生物兵器条約」「BW条約」;Convention on the Prohibition of the Development, Production asnd Stockpiling of Bacteriological(Biological) and Toxin Weapons and on Their Destruction)の条約締結国アドホックグループ第24会会議に対しアナン事務総長はメッセージを送り、条約の効力を実体化するために検証方法を定める議定書に関する合意を要請した。
 生物兵器条約は1975年に発効しているが、検証に関する規定がないためにこれを補う議定書の検討が行なわれている。

経済社会理事会は自然災害の影響に関して討議

 経済社会理事会では25日、環境問題について広範な討議を開始し、特に貧困に苦しみ脆弱な状況に置かれている国々に対する自然災害の影響やその軽減策について議論された。

国連はフィナンシャルタイムズによるUNDCP事務局長辞職勧告報道を否定

 フィナンシャル・タイムズアナン事務総長がアルラッキUNDCP事務局長に対し今期限りで職を退くように要請したとの報道をしたことに対し、国連は25日この報道を否定した。

化学物質の安全に関するページを開設

 世界保健機関(WHO)・国際労働機関(ILO)・国連環境計画(UNEP)の3機関は25日、共同で化学物質の安全とリスクマネージメントに関するサイト「化学物質の安全に関するプログラム(International Programme on Chemical Safety)」を開設した。
[International Programme on Chemical Safety] http://www.inchem.org

今日の独言 − 而立と不惑の間 − 

 今日は私事ばかりですが。
 私がSUNで国連情報の翻訳をしてることを知っている知人は信じてくれないのですが、私は海外に行ったことがありませんでして。(パスポートは持ってないどころか、取得するのにはどこへ行ったらいいのかも知らない。)
 旅行に良く行く友人に言わせれば「知見が広がる」そうなのですが、それではと、友人が行った国のことにいてどっちがよく知っているかと競い合ったら知識量ではこちらが勝ってしまったりするので、つまらぬ「喧嘩」をしてしまったりします。 が、9月前半に仕事で北米に一週間ほど出張することになりました。現在細かいスケジュールと訪問先を調整中なのですが、ニューヨークには必ず行くので、時間ができれば(作って?)国連本部を覗いてみたいなと思ってます。

 さてと、それから29日は35回目の誕生日です。論語では30歳で而立、40歳で不惑とされてますが、まあ、確かにそれなりの専門性を備えては来ているけど、もう何も迷わないという境地には達してはいないという気もします。
 誕生日の予定ですか?
 参議院選挙に投票に行くことと、投票に行ってない知人に「行けよ」って言うことですね。投票できる状況にある方は、是非とも投票に行ってくださいね。

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Updated : 2007/02/19