Location : Home > Daily News
Title : April 2000
SUN Banner

3月分へ|メニューへ5月分へ→

2000年4月
10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

4月3日(月曜日) 文責:渡辺

アナン事務総長、ミレニアム報告書を発表

 アナン事務総長は、9月に開催されるミレニアム・サミットに向けて「われら民衆ー21世紀における国連の役割(We the Peoples : the Role of the United Nations in the 21st Century」と題した報告書を国連総会に提出。
 「この報告書の題に冠したように、国連は、『われら民衆』のテーマの下に設立されたことを忘れてはならない。世界の人々に奉仕することが我々の務めであり、人々の声に耳を傾けなければならない。過去の成果は十分ではない、更に多くのことを成し遂げ、より素晴らしい行動をと人々は我々に期待している」と述べた。
 また、今回盛り込まれた提案は、9月に世界の指導者が集った際に、単になる各国指導者のスピーチで終わらせる事無く、実行への合意にこぎつけ、採択に結びつける手立てとなるようにとの意図で準備された。
 報告書は、各国元首にグローバリゼーションの利点を世界の人民に行き渡るよう望むと共に、世界の指導者が熟慮できるよう、数々の明確な目標と計画のイニシアチブを提案している。
 又、同報告書は、世界が直面する課題を

の3つに大別。
 「困窮からの解放」では、2015年までにで極貧状態にある人々を半減する、2015年までに全ての子どもが初等教育を受けられるようにする、10年間で15歳〜24歳までのHIV感染率を25%減少させる、などを提案。
 「恐怖からの解放」では、内戦が主流化している傾向を捉え、「領土」を守るより「人民」を守ることに主眼を置くべきと述べた。又、国家 主権の原理を認めながらも、国家を含むいかなる法的原理でさえも人道的犯罪は防ぐ事は不可能として、介入のジレンマを討議することを提案。勢いをなくした軍縮に関しては、新たな国際会議の開催から核の危険性を排除する方策を見出すことを期待した。
 「未来世代の環境破壊からの解放」では、環境問題研究の促進、人々の認識度の増加、環境コストを経済に組み込む「緑の会計」など盛り込んだ新しい環境倫理のスチュワードシップを提唱した。
 更に、事務総長は、新たに4つのイニシアチブを発表。その一つは、国連ITサービス(仮訳:UN Information Technology Service)と言い、発展途上国にインターネットなどの情報技術の訓練を提供するハイテクボランティア団体の設立を目的としている。

東ティモールの雇用政策に助成金を下付

 国連ティモール暫定行政機構(UNTEAT)、世銀国連開発計画(UNDP)は、ディリの極貧地域を対象にした雇用創出計画に合意・署名した。49万9千ドルの助成金をもとに、5ヶ月の間600人を雇用し、街頭に残された破損物などの清掃を行う予定。

FAO、サハラ以南の国々へ大規模な国際支援を要請

 国連食糧農業機関(FAO: UN Food and Agriculture Organization)は、「サハラ以南地域の食糧供給事情および収穫予測」(Food Supply Situation and Crop Prospects in sub-Saharan Africa)と題する報告書を発表。
 内戦と悪天候で食糧不足に直面しているとされる同地域16カ国への大規模な国際支援を要請した。

クシュネル特別代表、セルビア国民協議会のJIAS参加を歓迎

 コソボ Gracania のセルビア国民協議会(Serb National Coucil of Gracania)は、共同暫定行政機構(JIAS: Joint Interim Administrative Structure)に3ヶ月間、オブザーバーとして参加することを決定。これに対し、クシュネル・コソボ事務総長特別代表は、歓迎の意を表明。

アナン事務総長、UNIKOMの報告書を発表

 アナン事務総長は遭Aイラク・クウェート監視団(UNIKOM: UN Iraq-Kwait Observer Mission)に関する報告書を発表。両国間の国境付近は一般的に平静な状態としている。

ICTY、元セルビア人共和国議会議長の逮捕を歓迎

  NATOの平和安定化部隊(SFOR)が、元セルビア人共和国議会の議長、Momcilo Krajisnik 氏を逮捕。旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)・主任検察官 Carla del Ponte 氏は、歓迎の意を表明した。

ルワンダ元牧師、ICTR初公判で無罪を主張

 先月、米国から引き渡されたルワンダ人元牧師、Elizaphan Ntakirutimana 氏の初公判がルワンダ国際刑事法廷(ICTR)で開かれ、大量虐殺、人道的犯罪の容疑に無罪を主張。

国際民間航空機関、安全性に関する統計報告を発表

 国際民間航空機関 (ICAO: International Civil Aviation Organization)は、1990年度の航空機の安全性に関する中間報告を発表。1998年には、900名以上の死傷者が1999年度には、492名に減少したことを明記した。

アナン事務総長、小渕首相の早期回復を期待

 アナン事務総長は脳の病に倒れたとの報を受け、憂慮の意を表明すると共に、早期回復を期待していると語った。

4月4日(火曜日) 文責:Jo

事務総長、人権について更になされるべき仕事あり

 アナン事務総長は国連人権委員会(ジュネーブ)で演説し、人権に関して、まだ多くの仕事が残っていると指摘した。 事務総長は、途上国であると先進国であるとに関わらず、すべての国が、より効果的に、包括的に、人権条項を履行するための共通の努力を支援することができる、と述べた。

国連人権高等弁務官、チェチェンの調査機関設置するようロシアに勧告

 ロビンソン人権高等弁務官、チェチェンの人権状況視察を終了。弁務官は、ロシアが、チェチェンにおける「詳細に記録された深刻な」人権侵害の疑いについて調査するための独立した国内委員会をつくるよう促した。

アナン事務総長、ハイチにおける暴力の拡大を非難

 ハイチにおいて暴力が拡大するなか、月曜日には同国大統領の特別顧問 Jean Leopold Dominique 氏が銃で撃たれ死亡した。同国におけるこうした暴力の拡大について、アナン事務総長は火曜、非難声明を発表した。

東ティモールへの帰還兵士、過去最大に

 国連難民高等弁務官(UNHCR)によれば、先週末、元インドネシア軍兵士60人以上(これまでで最大規模)が西ティモールから東ティモールに帰還した。

事務総長、イスラエルのレバノン南部からの撤退確約を歓迎

 イスラエルのレビ外相は、アナン事務総長との会談において、同国が7月末までに、レバノン南部から、「一斉」かつ無条件に撤退すると再確認した。アナン事務総長はこの確約を歓迎する意を表明した。

UNDP報告書:多くの国が、貧困撲滅のための責任を果たさず

 国連開発計画(UNDP)、「2000年貧困報告」を発表。報告書の題名は、「人々の貧困を克服するために(Overcoming Human Poverty)」。世界のほとんどの国は、それぞれの社会で貧困を削減するために十分な対策を講じていない、と述べた。

旧ユーゴの平和は、行方不明者問題にかかっている

 ボスニア・ヘルツェゴビナ担当事務総長特別代表 Jacques Paul Klein 氏は、行方不明者のための国際委員会(ICMP)で演説し、旧ユーゴスラビアにおける行方不明者の問題は、同地域の和解と永続的平和を実現するための鍵である、と述べた。

アナン事務総長、セルビアがコソボ暫定行政協議会に参加することを賞賛

 コソボにおいて、Gracanicaのセルビア国民協議会がオブザーバーとして、暫定行政協議会およびコソボ暫定協議会に参加することを決定したが、これについて、火曜、アナン事務総長は、歓迎の意を表明した。

UNHCR、欧州人権裁判所による難民保護の裁定を歓迎

 先週、ドイツにおいて亡命を拒否されイギリスに逃れたスリランカ人に関して、欧州人権裁判所は判決を下し、亡命を希望する者を迫害のおそれのある状況へ退去強制することは、その迫害者が政府であるか、それ以外かにかかわらず、欧州人権条約に違反する、とした。この判決について、国連難民高等弁務官(UNHCR)は火曜、歓迎の意を表明した。

事務総長、アフリカと欧州の真のパートナーシップを要請

 アナン事務総長は、アフリカ・欧州サミット(4月3‐4日、カイロ)に対するメッセージにおいて、アフリカと欧州の双方の指導者が、より強い連帯をつくるために、平等の意識をもって、活動していくよう呼びかけた。イブラヒマ・フォール政治問題担当事務次長補が、このメッセージを代読した。

ゲイツ財団、アフリカのHIV/AIDS予防のための国連活動に5,700万ドルを寄付

 ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、ボツワナ、ガーナ、タンザニア、ウガンダのアフリカ4カ国の若者をHIV/AIDSから守るための教育・保護活動に対して、5,700万ドルを寄付した(国連人口基金(UNFPA)の発表)。これについて、アナン事務総長は、歓迎の意を表した。

新しいESCAP事務局長とミャンマー担当特使が任命

 このたび、アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の事務局長に、Hak Su Kim氏(韓国)が任命された。6月30日で任期が切れる sAdrianus Mooy(インドネシア)の後任。またミャンマー担当事務総長特使に、Razali Ismail(マレーシア)が任命された。Ismail氏は、第51回総会において、議長を務めた。

人道問題調整部:干ばつがアフガン南部を襲う

 人道問題調整部(OCHA)の発表したところによれば、アフガニスタン南部において、引き続く干ばつによる水不足の 事態が発生する可能性がある。

イラクが石油650万バレルを輸出

 イラク・プログラム部によれば、先週、イラクは石油650万バレルを輸出し、推計1億5,550万ドルの収入を得た。第7期イラク石油食糧交換プログラムは昨年12月11日に開始したが、これまでの収益総額は約46億2,100万ドルである。

4月5日(水曜日) 文責:山本

事務総長がイタリアを公式訪問

 イタリアを公式訪問中のアナン事務総長は、5日、Massimo D'Alema首相らと会談ののち国会で演説し、先日発表されたミレニアム総会のための報告書の中心テーマの1つである、貧困の緩和について強調した。

人権高等弁務官がチェチェン情勢に関してブリーフィング

 ロビンソン人権高等弁務官は5日、人権委員会(the Commission on Human Rights)において、チェチェン情勢についてブリーフィングを行った。チェチェン訪問中に、大量殺戮・十分な罪状の確認なしの死刑執行・強姦・拷問・略奪といった人権侵害が行われていたとの証言があったとし、ロシアに調査委員会の設置を再度勧告した。

UNTEATに現地の人材の採用を決定

 国連東チモール暫定行政機構(UNTEAT)は5日、UNTEATの各部局の副役職に、現地の人々を任命することを決定した。

事務総長は「アフリカの角」地域への支援拡大を要請

 アナン事務総長は5日、公式訪問先のローマで報道陣に対して声明を発表し、「アフリカの角」地域の住民に対する食糧支援の拡大を求めた。世界食糧計画(WFP)の発表によると、この地域に深刻な食糧危機状態にさらされている人々が1240万人いると推定されている。

MICAHが資金不足で活動が十分に展開できず

 アナン事務総長は5日、総会議長あての書簡で、国際ハイチ文民ミッション(MICAH)の基金への拠出が全くなく("no contributions have been received")、人権や法・秩序を回復させる活動が遂行できないと指摘した。

安保理理事国が4月末にコソボ視察を決定

 安全保障理事会は4日、今月の28日・29日の2日間にわたり国連コソボ暫定統治機構(UNMIK;UN Interim Administration Mission in Kosovo)の活動を視察するためにコソボを訪問すると決定した。

UNTEAT代表が活動の進展状況を説明

 国連東チモール暫定行政機構(UNTEAT)の Vieira de Mello 代表は記者団に対し、活動の進展について説明し、過去2か月の間で治安情勢が改善されたと述べた。

国連中東調整官は事務総長とイスラエル外相との会談に内容をレバノン大統領に説明

 Terje Roed-Larsen 国連中東調整官は、4日開催されたアナン事務総長とイスラエル外相との会談の内容に関して、 Emile Lahoud レバノン大統領に説明した。

拷問問題特別報告者は過去1年の状況を報告

 拷問問題特別報告者(the Special Rapporteur on the Question of Torture)である Nigel Rodle 卿は人権委員会でこの1年における、世界の拷問に関する状況に関してブリーフィングを行った。

国連エイズ合同計画はエイズ新薬利用の認可を歓迎

 国連エイズ合同計画(UNAIDS: the Joint UN Programme on HIV/AIDS)は、保健衛生の専門家が、アフリカにおけるエイズ感染者の感染症予防のための新しい抗菌剤の使用を勧告したことを歓迎した。

低出生体重児への対策に進歩なし

 ユニセフの Carol Bellamy の事務局長は声明を発表し、1990年に開催された「子供のための世界サミット(the World Summit on Children)」で取り組むときまった低出生体重児の数を減少させるとりくみがほとんど為されていないと警告した。
 ユニセフによると、年間2000万もの新生児が出生時の体重が2.5キロ以下で生まれており、10年前のサミットで2000年までに10%以下にまで減らすはずであった。

メルマガ配信時には「未熟児」という訳でしたが、「未熟児」という言葉は定義が不明確で、体重とは無関係に在胎週数が充分でないと場合を示すこともあるため、「低出生体重児」の訳語がよいとの指摘を受けました。原文でも体重のことに対する言及しかありませんでしたので、このほうが正確であると判断し、訂正しています。(ただし「今日の一言」は文章が妙になるのでそのままです。)

ラテンアメリカ・カリブ経済委員会が報告書を発表

 ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)は「公正・開発・市民権(Equity, Development and Citizenship)」と題する報告書を発表し、ラテンアメリカ地域における90年代の経済改革の成果のおかげで経済が復興しており、今後は公正・開発・市民権へとその目標をシフトしていくことを提唱している。

ボリビア南部で洪水が発生、数千人が罹災

 人道援助調整部(OCHA)の報告によれば、ボリビア南部で洪水が発生し、約7,000人が深刻な被害に遭っている。大雨と洪水で75,000ヘクタールの畑が被害にあっている。

ODCCPはタリバンによるケシ畑の破壊を歓迎

 国連薬物統制犯罪防止事務所(ODCCP)の Pino Arlacchi 事務局長は5日、タリバンがアフガニスタンとパキスタンとの国境近くにあるナンガハ−ル地域のケシ畑160ヘクタールを破壊したとの知らせを歓迎した。 アフガニスタンでは昨年4600トン(一昨年の2倍以上)のアヘンを生成しており、世界の75%を占めると見られている。

「今日の一言」

 11番目の記事に未熟児に対する記事があります。
 私が生まれたときの体重は2550gだったそうです。
 予定日は8月20日だったそうですが、7月29日に生まれてきてしまいました。でも、その時、臍の緒(へそのお)はねじれて極めて細い状態になっており、もし予定日まで母親のお腹の中にいたら、逆に危なかったらしいです。当然ながら、逆にもっと早い時期に生まれていたら確実に「未熟児」として生まれてきており、出生後の健康状態がどうなっていたか危惧されるところでした。つまり、結果的に、私は実に絶妙なタイミングで生まれてきたようです。
 「生まれる」という言葉は受身形です。英語でも "I was born."です。
 現象としては、親に生んでくれと頼んだ結果としてこの世に生を受けたわけではないのは確かです。少なくともその記憶はありません。

#そんな記憶がある方っておられます?

 でも、胎児は、生まれようとして(…という「意識」があるかどうかは別としても)生まれてきてるんじゃないかと、私は思いたいです。未熟児であっても、「あ、今、生まれておかないと!」なんて決意して出てくるんじゃないかと。
 もちろんそれが事実どうかなんて確認不可能なことですけど、そう思ってみることで自分が生まれてきた意味だとか、これから生まれてくる生命に対して、たとえほんの少しでも価値を見出せるんじゃないかと思います。

 がんばれ、世界の「未熟児」たち。
 生まれたときに丸々太ってなくたって、私程度には育つんだから。

4月6日(木曜日) 文責:阿部

国連の行政調整委員会をローマで開催

 アナン事務総長が議長を務める行政調整委員会(ACC:the Administrative Committee on Coordination)がローマで会合。国連の専門機関、基金、プログラムを率いる長たちが参集し、先日事務総長が発表した「ミレニアム報告」に対して支持を表明。

安保理は、国連イラク・クウェート監視団の任務継続勧告に合意

 国連安保理は、国連イラク・クウェート監視団(UNIKOM:the UN Iraq-Kuwait Observation Mission)の任務継続を求めるアナン事務総長の勧告に合意。同監視団は、91年にイラク・クウェート国境沿いの非武装地帯監視のために非武装監視団として設置され、その後93年に、国境沿いで発生した一連の事件を受け、同地帯における暴力事件を防止するために物理的行動を講じることができるよう、任務が拡大している。

東ティモール暫定統治機構とインドネシア政府が司法等に関する相互協力に合意

 国連東ティモール暫定統治機構(UNTEAT:the UN Transitional Administration in East Timor)とインドネシア政府は、東ティモールの司法及び人権問題に関して相互協力を図っていくことに合意。

世界保健機構によれば、治療薬に耐性を有する結核菌が旧ソ連等で急増

 世界保健機構(WHO:the World Health Organization)によれば、治療薬に耐性を有する結核菌が、旧ソ連などにおいて急増しているとのこと。通常6ヶ月以上かかる治療が不完全に行われたり、不適切な薬品が処方されたりした場合に、こうした耐性を有する結核菌が繁殖する。

旧ユーゴ国際刑事裁判所の仮釈放決定に対し主任検察官が不服申立て

 旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY:the International Criminal Tribunal for the former Yugoslavia)の予審部は、ボスニアのセルビア人容疑者2人の仮釈放を決定したが、主任検察官が、同決定に対する不服申立てを行うことを通告。

国連プロジェクト・サービス機関が5月末に「国連とビジネス」と題する高級会議を開催

 国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS:the UN Office for Project Services)は、国連と民間セクターの間に真のパートナーシップを築くことを目的に5月31日及び6月1日にニューヨークで、「国連とビジネス − 新世紀のためのパートナーシップ」("The UN and Business: A Partnership for the New Millennium")と題する高級会議を開催。

「今日の一言」   − 地球環境機関GEO −

 金曜日から大津市で開催されていたG8環境大臣が閉幕しました。共同宣言では、温室効果ガスの削減目標を定めた京都議定書をできるだけ早く批准・発効することを確認するとともに、発効時期を「ほとんどの国にとって遅くとも2002年まで」と、一応の目標期限を設定しました。
 ここで、「ほとんどの国にとって」と曖昧な表現を取らざるを得なかったのは、もちろん米国の立場が強硬だった故。米国は「議会の理解を得られない」と、どこまでも時期を明記することに反対した模様。
 一方、主催国の日本等が2002年という時期の明記にこだわったのは、それが、92年の「地球サミット」から10年の節目に当たり、それまでに発効させなければ、発効の見通しがつかなくなるため。
 いずれにせよ、地球環境を巡る議論が、一時の盛り上がりを経て、少し推進力を失いかけているように私には思われます。そうした中で注目されるのが、米国民主党のブレーンたちが、FOREIGN AFFAIRS誌に寄稿した「民主党次期大統領のグローバル経済対策」(英題は、New World, New Deal)。この中で、WTOの環境版、「地球環境機関(GEO)」の創設が打ち出されています。今年は、日米両国で、選挙を経て政権の枠組みが一新される、大切な年になります。景気対策も重要ですが、国のIT戦略、地球環境問題への取り組み等をよく見極めていきたいと思います。

4月7日(金曜日) 文責:Yoshi

安保理、アフガンの紛争長期化と人権状況の悪化を危惧

 安全保障理事会は、タリバンがアフガニスタンでの紛争を長期化させ、同国の人権状況を悪化させていると非難した。また安保理は、タリバンが新たな軍事行動を起こし、紛争当事者が大規模な戦闘に備えていることを危惧した。

事務総長、ローマ法王と会見

 コフィ・アナン事務総長は、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世と会見し、世界の貧困問題やローマ法王の中東訪問、さらに中東和平の見通しについて話し合った。また事務総長はローマ法王へ国連憲章の装本とミレニアムレポートを贈呈。また、このミレニアムレポートに盛り込まれた構想を検討し、世界の人々、とりわけ貧しい人々の状況を改善するための具体的な成果が得られるよう約しあった。

ソマリアでの長期的な食糧の安全確保に向けた作業部会を設置

 アナン事務総長は「The Task Force on the UN Response to Long-term Food Security, Agriculture Development and Related Aspects in the Horn of Africa(アフリカの角における長期的な食糧の安全確保、農業開発および関連側面への国連の対応に関する作業部会)」の立ち上げを発表した。国連食糧農業機関(FAO)が第1回目の会合を主催。ここではソマリアで度重なる干ばつの影響を緩和し、永続的な食糧の安全を確保する包括的な戦略を策定し、10月までに報告書を提出する見込み。

世界保健デー:すべての人に安全な血液の供給を

 国連は2000年の世界保健デー(4月7日)の佳節にあたり、血液の配分や輸血治療の不平等について強調し、安全な血液の供給の必要性を訴えている。世界保健機関(WHO)は、世界の圧倒的大多数の人々が安全な血液の供給を受けられないことを踏まえ、今年のテーマを「Safe Blood Starts with Me -- Blood Saves Lives(安全な血液は自分自身から--血液は生命を救う)」に決定した。

国連欧州経済委員会、東欧・中央アジアでの国勢調査支援へ

 国連欧州経済委員会(ECE)は、東欧や中央アジアで国勢調査の実施を支援するイニシアチブを打ち出した。東欧・中央アジアの諸国では近年、移民、出生率や死亡率の変化により人口分布に劇的な変化が生じているものの、統計的に記録されていない。

国連財団、950万ドルをUNFPAへ寄付

 国連人口基金(UNFPA)は、米国の実業家テッド・ターナー氏が設立した国連財団から950万ドルを超える寄付を受け入れた。この寄付はバングラディッシュとホンジュラスの婦女子の保護や、モザンビークとジンバブエでのHIV/AIDSの予防に充てられる。

4月10日(月曜日) 文責:渡辺

アナン事務総長、初の「南サミット」開催地・キューバへ

 南サミットが本日から14日までハバナで開催。アナン事務総長は、キューバに向かうマドリッドの空港で、開発途上国間で情報技術等の素晴らしい教訓を分かち合い、情報技術とコンピューターで他の発展途上国が経験してきた難しい開発ステージを「飛び越える」べきと、記者団に語った。
 南サミットは、グループ77など発展途上各国の首脳が一同に会する最大の会議。グローバリゼーション、情報技術、南南協力、南北関係などを討議し、宣言と行動計画を採択する予定。

シエラレオネの平和維持兵を何者かが銃撃

 8日夜半、何者かがシエラレオネ西部のケネマにあるガーナ部隊本部を銃撃し、同部隊もこれに応戦。負傷者は、双方ともに無かった。即応小隊("quick reaction" platoon)が即座に派遣されたが、犯人は闇にまぎれて逃亡し、逮捕する事は出来なかった。

犯罪防止・犯罪者の処遇に関する国連会議が開催

 犯罪防止・犯罪者の処遇に関する第10回国連会議(The Tenth UN Congress on the Prevention of Crime and the Treatment of Transnational Offenders) が本日からウィーンで開催。17日まで、拡大しつつある組織犯罪などに焦点を置き審議。

FAO、飢餓対策でParmalat乳業と協力

 国連食糧農業機関(FAO:UN Food and Agriculture Organization)が、イタリア最大のParmalat乳業と世界の飢餓対策で協力関係に合意。ParmalatのCalisto Tanzi会長は、今回の合意を非常に重要な一歩と考えており、この合意で、もっとも援助を必用としている人々に貢献する事が可能となった、と語った。
 Parmalat社は、3年間で150万ドルをFAOの啓蒙活動等に拠出する予定。

国連総会予算問題を討議

 総会は、7日、第五委員会(行政・予算委員会)の勧告に基づき国連コンゴ民主共和国監視ミッション(MONUC)の予算として6月30日まで2億ドル、国連東ティモール暫定行政機構(UNTEAT)の1999年12月〜2000年6月分の予算として3億5千万ドルなどの支出許可をアナン事務総長に与えた。
 また、国連通常予算の分担問題に関し、総会は、分担金委員会(Committee on Contributions)に12種の分担率の算出法に関する報告書の提出を求めた。

コソボで少数民族に対する暴力が増加

 UNMIKの報告によると、先週には、10人の殺害事件が発生。この内4名がセルビア人、他の4名がロマ人と大多数が少数民族の被害者。
 また、殺人未遂、レイプ、放火、傷害等の報告もされている。

第11回CITES締約国会議が開催

 9日、「絶滅のおそれのある野生動物の種の国際取引に関する条約(CITES: Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)の第11回締約国会議がナイロビの国連環境計画本部で開催。貿易制限・禁止の対象となる種のリスト更改などを討議。

4月11日(火曜日) 文責:Jo

キューバでアナン事務総長、公平なグローバリゼーションを要請

 アナン事務総長、「南サミット」出席のため、キューバ訪問。本日、同国のカストロ大統領と会談した他、ハバナ大学で講演した。この講演において、事務総長は、サミットの主要テーマであるグローバリゼーションの影響の問題に焦点をあて、「グローバリゼーションが世界のすべての人々にとって、肯定的かつ公平な力となるようにしなければならない」と述べた。

国連特使、飢餓に襲われたアフリカの角地帯訪問

 「アフリカの角」地域の干ばつに関する事務総長特使(バーティーニ世界食糧計画事務局長)は、この地域の4ヶ国(エチオピア、ジブチ、エリトリア、ケニア)を視察するため、本日、ローマを出発した。同地域においては、現在、干ばつおよび不安定な情勢によって、1,600万近い人々が飢餓寸前の状態にある。

コンゴ民主共和国撤退計画は和平の第一歩

 4月8日、コンゴ民主共和国において、ルサカ合意の下に設置された政治委員会が、非武装地帯創設および完全停戦について合意したが、4月10日、アナン事務総長は報道声明において、この合意が和平プロセスに向けた重要な一歩である、と歓迎する旨を表明した。

コソボ暫定行政協議会、初のセルビア人メンバーを歓迎

 コソボ暫定行政協議会(IAC)に、セルビア人のメンバーが初参加。IACは、これを歓迎した。このセルビア人メンバー、Rada Trajkovic博士は今月上旬、Gracanicaのセルビア国民協議会により、IACで3ヶ月間オブザーバーを務めるよう任命されていた。

国連、東西ティモール境界問題に関するインドネシアとの取極めに署名

 国連東ティモール暫定行政機構(UNTEAT)は、東西ティモール境界地域におけるUNTEATとインドネシア国軍の活動協力に関して、インドネシア政府との合意に署名した。

UNHCR:チェチェンへの帰還難民が急増

 先週、チェチェンへ帰還する避難民の数が急増した(毎日500人以上)。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、3月26日にロシア大統領選が実施されて以降、避難民5,000人以上がチェチェンに帰還した一方、イングーシに新たに到着した避難民は1人もいなかった。

西サハラ問題事務総長個人特使、同地域の指導者らと会談

 西サハラ担当事務総長個人特使のジェームズ・ベーカー氏は、西サハラ地域訪問を終了した。同地域訪問中、ベーカー氏は、国連解決案をめぐる関係当事者の意見の対立を乗り越えるべく、アルジェリア首相、モロッコ国王、ポリサリオ議長らと一連の高級会談を行った。

国連、新協定の下、イランからの最初のアフガン帰還難民を送還

 先週末、UNHCRは、イランにいるアフガニスタン難民69人の故郷への帰還を支援した。今年2月、UNHCRとイランがアフガニスタン難民帰還に関して合意、署名していたが、今回、初の組織的帰還となった。

国連、マダガスカルを襲ったサイクロン被害のための基金をアピール

 4月11日、マダガスカルにおいて、約30万以上の人々がサイクロンHudahにより被災したことを受け、国連は、緊急人道援助のため、1,570万ドルの資金拠出を求めるアピールを発した。

国連、毎年の「停戦週間」に、子どもの支援を要請

 オトゥヌ事務総長特別代表(子どもと紛争担当 http://www.un.org/special-rep/children-armed-conflict/fpress.htm)は人権委員会で演説し、国際社会が、現在進行中の全紛争の当事者に対して、子どもを救うため、毎年の停戦週間の遵守を求めるよう提案した。

アフリカ環境閣僚会議が、環境課題に取り組む新しい努力を勧告

 アフリカ環境閣僚会議(AMCEN)が、4月3日から6日まで、ナイジェリアの首都アブジャで開催された。会議の終わりには、「政策、制度、プログラムの変化に関するアブジャ宣言」が採択され、アフリカにおける新しい環境政策とプログラムにおけるAMCENの役割を強調し、その努力の再活性化をはかることを約束した。

太平洋諸国の有害廃棄物バーゼル条約への参加を勧告

 有害廃棄物の越境移動に関するバーゼル条約事務局長代理Per Bakken氏は、太平洋諸国がバーゼル条約に署名し、その環境を保護するよう促した。同条約は1992年に発効し、現在の締約国は134カ国である。

事務総長、朝鮮半島の南北首脳会談合意を歓迎

 4月11日、韓国と朝鮮民主主義人民共和国が首脳会談の開催(6月12‐14日)に合意したことについて、アナン事務総長は歓迎の意を示した。

国連イラク石油食糧交換プログラム:週間報告

 国連イラク・プログラム部の週間報告によれば、4月1日から7日までに、イラクは石油860万バレルを輸出し、1億7,300万ドルの収益をあげた。第7期石油食糧交換プログラムの下、これまでの石油総輸出量は1億9,690万バレル、総収益は、47億5,400万ドルである。

4月12日(水曜日) 文責:山本

事務総長が「南サミット」で演説

 アナン事務総長は12日、「南サミット」のオープニングセッションで開催国であるキューバのカストロ首相の歓迎の辞に続き演説し、国連のミレニアム総会の5か月前というよい時期に開催されたことを強調した。
(演説の詳細は http://www.un.org/News/press/docs/2000/20000412.sgsm1375.doc.html
 「南サミット」は開発途上国で形成される「77カ国グループ」の中から、133名の参加者、40か国の首長がキューバに集い、3日間の日程で開催される。

安保理理事国がコンゴ民主共和国訪問に合意

 安全保障理事会は12日、コンゴ民主共和国への訪問に合意し、ルサカ和平合意に署名した各国と協議して同地域に平和をもたらす方策を検討した。

アンゴラの治安状況は悪化

 アナン事務総長は12日、アンゴラの状況について報告書を提出し、特にナミビア・アンビアとの国境付近地域で治安状況が悪化していると報告。人口1億2600万人のうち、内戦で罹災したのが3700万人(国内避難民1600万人を含む)いると推定されている。

西サハラ定住計画が難航

 西サハラ事務総長個人特使の James Baker 氏は12日、マドリッドで会見し、西サハラへの難民の帰還に関して当事者間の協議で互いの主張に隔たりが多く、暗礁に乗り上げていると表明した。

事務総長特使がエチオピア訪問

 「アフリカの角」における旱魃に関する事務総長特使の Catherine Bertini 氏は、12日、当地域への訪問のために出発した。  現在、「アフリカの角」地域では約1300万人が旱魃の被害を受けている。

ICTYが遺体発掘作業を再開

 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)は、来週の月曜日(17日)より、コソボにおける集団埋葬地の発掘作業を再開すると発表した。これまでにICTYには11000名もの死が報告されているが、その5分の1しか確認されていない。

コソボ暫定協議会はセルビア人代表の復帰を歓迎

 コソボ暫定協議会(KTC;Kosovo Transitional Council)は、3人のセルビア人代表のKTCへの6ヶ月ぶりの復帰を歓迎した。

UNTEATは清掃プロジェクトに1000人を雇用

 国連東チモール暫定行政機構(UNTEAT)は12日、6月末までに道路や排水溝や市場を清掃するプロジェクトのために1000人を雇用すると発表した。このプロジェクトは米国国際開発庁(USAID ; http://www.info.usaid.gov/ )の資金提供によるもので、東チモールにおける短期的な雇用確保を目指したもの。

「人権尊重のアプローチが貧困への最大の防御」

 ロビンソン国連人権高等弁務官は人権委員会(Commission on Human Rights)で演説し、貧困と人権の享受との間には明確かつ強い関連があるとし、人権尊重のアプローチ(Rights-based approach)は人間的次元を拡張するゆえに貧困と闘う上において有効であると強調した。

人権委員会で人権侵害に関する決議案提出

 11日の人権委員会では、国別の人権侵害に対する決議案が提出された。合衆国は中国に対し、人権と基本的自由の侵害について懸念を表明する決議案を、ポルトガルはEUを代表してチェチェン共和国に対する決議案を提出した。12日が決議案の提出期限であり、18日に採択への投票が行われる。

平和維持活動要員は近年で最大規模

 平和維持活動要員の分担に関する月次報告によれば、本年3月末時点において、15件の平和維持活動と3つの政治ミッションが実施中であり、合わせて29,286人が展開中である。これは1995年以降、最大規模である。また、この中で最も多人数のミッションは国連東チモール暫定行政機構(UNTEAT)で、8,475人である。

乳幼児期の子供の成長が人間開発の重要な基準

 ユニセフ事務局長の Kul Gautam 氏は「栄養調査及び21世紀への変革」シンポジウムで演説し、乳幼児期(生誕前から2歳)における子供の成長を注意深く見守ることが国家が経済的進歩を測る上での重要な基準(golden standard)であると強調した。

「今日の一言」 

 2人の囚人がいて、2人とも黙秘すれば5年の懲役、2人とも自白すれば終身刑、1人が自白して1人が黙秘すれば自白したら無罪、黙秘したほうが10年という刑期になることがわかっていたとき、この2人の囚人はどうするか? というような問題があります。(囚人は互いに連絡をとれないとする。)
 自分一人のことだけ考えたら、自分だけ自白して、相手に罪をなすりつければよい。しかし両方がそう思って両方自白してしまうと終身刑というもっとも望まない結果になる。一番いいのが互いに黙秘することなのはわかっているけれども、相手が黙秘してくれる、と思って出し抜くことも考えられる。で、結局どうすればいいのかわからないことがジレンマなのです。
 このように、互いが自己に有利な方法を採れば双方が最も望まない結果になるような状況を一般に「囚人のジレンマ」といいます。このジレンマが解消できる条件は何か、というのが研究の方向なのですが。

(1)「囚人のジレンマ」の状況でとることのできる戦略は次の3つ
 a:無条件に相手を信頼する
 b:自分が損しない限りにおいて信頼する (しっぺ返し戦略)
 c:相手を信頼しない
(2)ジレンマ解決の方向は
 α:外部からの強制
 β:当事者間での倫理的な価値の共有
(3)ところがαは資本主義的自由主義社会にはなじまない。故にβであることが望ましい。
(4)しかし、価値の共有そのものがなされているかは信頼できない。このためにb・cの戦略は不安定となる。相手がどう出るかわからないからである。
(5)ではaを保証する共有倫理はあるか? もしくはどのように構築するか?

 実はいくつかの条件のもとでは、社会の矛盾状況(にっちもさっちもいかないジレンマの状況)を打開するのは、「相手がどうでようと、自分は全体がよくなる戦略をとる」という”聖人(saint)の戦略”を採るplayerの存在であるということが示されます。

 さて、これはゲーム理論上だけの話、なのでしょうか。

【参考文献】
計量社会科学;松原 望 編;東京大学出版会
The Complexity of Cooperation;Robert Axcelrod;Princeton University Press

4月13日(木曜日) 文責:阿部

安保理が国連アンゴラ事務所の任期を延長

 安保理は決議1294を全会一致で採択し、国連アンゴラ事務所(UN Office in Angola)の任期を10月15日まで6ヶ月間延長。同事務所は、政治、軍事、警察、その他の当局との連絡調整並びに平和回復及び能力建設、人道援助、人権促進の分野で、アンゴラの人々の援助を目的として、昨年10月に設置されたもの。

安保理がイラクの武装解除のための新しい機構計画を承認

 安保理は、国連監視検証検査委員会(UNMOVIC:the UN Monitoring, Verification and Inspection Commission)の機構計画を承認。同委員会は、昨年12月の安保理決議1284により設置されたイラクに対する兵器監視機関。

「南サミット」でアナン事務総長は各国首脳と相次いで会談

 ハバナで開催中の「南サミット」において、アナン事務総長は、エリトリアの sIsaias Afwerki大統領、マリのAlpha Oumar Konar大統領、インドネシアの Abdurrahman Wahid 大統領らと一連のバイ会談を行い意見交換。

国連人権委員会は「発展の権利」の尊重を加盟国に要請

 人権委員会は、コンセンサスを得て採択した決議において、発展への権利(right to development)が基本的人権にとって不可欠であることを再認識するとともに、すべての加盟国に対し国内的及び国際的努力を通じた開発課題の推進において具体的な措置を講じるよう要請。

「発展の権利」は配信時には「開発」と記述していましたが、「開発」と言ってしまうと、経済的側面が強調されるのに対して、ここでいうdevelopmentは、経済的側面のみならず、人間として、社会的、文化的、政治的側面も含めて広く、人間としての「発展」を意味するものとされているので、「発展」と言い換えています。
 条約としては、バンジュール憲章が、人民の権利として「経済的、社会的及び文化的に発展する権利」を定め、さらに、1986年に国連総会が採択した「発展の権利に関する宣言」(決議41/128)では、発展の権利は、すべての人間および人民が、発展に参加、貢献し、これを享受する不可譲の権利であるとされ、「人民の自決権の完全な実現を意味する」とされます(1条)。
 発展の権利と自決権は密接な関係にありますが、個人、人民、国家の相互関係や具体的内容は十分に明確にされて いません。ほかに、平和に対する権利や、環境に対する権利など、個人の人権を支える構造的基盤そのものにかかわる新しい権利概念をまとめて、「第三世代の人権」(連帯の権利)とも呼ばれています。(杉原高嶺『現代国際法講義(第二版)』(有斐閣)p.234)

 (注釈はJo@火曜日による。)

国連スタッフはアフガニスタンでの援助活動を再開

 国連アフガニスタン調整官事務所によれば、タリバンが国連に対して治安の確保を約束したことを受け、国際職員がアフガニスタンのカンダハールに復帰し、同国南部における救済活動を再開。

国連はボスニア・ヘルツェゴビナで地雷の被害抑制に向けた取り組み

 最近、サラエボの地雷埋設地域において、子ども3人が地雷により死亡する事件が起こったことを受け、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH:the UN Mission in Bosnia and Herzegovina)が、新たな地雷啓発活動の開始を発表。

「今日の一言」      − 貧 困 −

 さて、先週末から今日17日にかけて、ワシントンで、IMF・世銀合同開発会議など一連の国際金融会議が開催されていますが、IMF・世銀への抗議行動のため、昨年末のシアトルと同様な大規模デモが行なわれ、既に600人が逮捕されたと報道されています。
 シアトルと同様、労働組合、環境NGO、宗教団体等の抗議内容は団体によって異なっていますが、「反IMF・世銀」で一致し、大規模なデモを繰り広げています。(会議日程→ http://www.imf.org/external/spring/2000/home.htm)
 確かに、労働問題も、そして環境問題も重要です。しかし、IMF・世銀と聞いて、私が特に気に懸かるのは、何といっても貧困の問題です。今回の会議に合わせて発表された「世界経済アウトルック」(→ http://www.imf.org/external/pubs/ft/weo/2000/01/index.htm)でも、第U部で、最貧国の問題に焦点が当てられていますが、世界経済がどれだけ成長しても、世界の貧困に苦しむ人々の置かれている状況は深刻で全く改善する兆しがありません。
 同アウトルックによれば、世界の6分の1の人々(主として北米、欧州、日本)が8割の収入を独占する一方、世界人口の半数以上の人々がたった6%の収入で辛うじて生き延びているのが現実だそうです。つまり、日米欧に住む人々が1日に平均70ドルの収入で生活している一方、過半の人々は、平均1日2ドルで生活している計算になります。
 日本経済は高度成長を経て豊かになり、最近の日本人の辞書には「貧困」という文字がないかのようですが、少なくとも、自分たちの現在の豊かさ、それがどういう現実の上に築かれているのか、忘れないでいたいものです。

4月14日(木曜日) 文責:Yoshi

「国際社会はルワンダ大虐殺の阻止に失敗」とスウェーデン元首相

 安全保障理事会は、1994年にルワンダ大虐殺が起こる前と最中の国連活動に関する最近の報告について討論した。この報告はスウェーデンのIngvar Carlsson元首相が議長を務める独立の専門家グループによるもの。Carlsson氏は報告の冒頭、国際社会はルワンダ大虐殺の阻止あるいは停止に失敗したと述べ、「今日ここに私たちがいるのは、失敗をおかしたためであり、私たちにはその行動と失敗に責任がある。今日、安保理で話し合う議題は、1994年にルワンダで起こったことを再発させないために何をどのようにすべきかということである」と語った。

事務総長、ロシアのSTART II批准を歓迎

 コフィ・アナン事務総長は、ロシア連邦下院による「第2次戦略兵器削減条約(START II)」 の批准を歓迎し、ウラジミール・プーチン大統領のイニシアチブに賞賛の意を示した。国連のスポークスマンによると事務総長は、核軍縮をさらに進めるSTART IIIの交渉に期待している。1997年の合意のもと、START IIIのの交渉はSTART IIの発効後すぐに開始されることになる。「第2次戦略兵器削減条約(START II)」は、米国のジョージ・ブッシュ大統領(当時)とロシアのボリス・エリツィン大統領(当時)が1993年にモスクワで署名し、米国が批准したのは1996年のこと。同条約の規定のもと、両国は2007年までにそれぞれ核弾頭の保有量を3500発以下に削減することになる。

アルラッキODCCP事務局長、組織犯罪防止条約の発効を要請

 「犯罪防止と犯罪者の処遇に関する第10回国連会議(The 10th United Nations Congress on the Prevention of Crime and the Treatment of Offenders)」が2日間にわたる高官レベルの会合をウィーンで開始した。国連薬物統制犯罪防止事務所(ODCCP)のピノ・アルラッキ事務局長は、会合の冒頭、「国連越境組織犯罪防止条約(UN Convention against Transnational Organized Crime)」案とその議定書の完成、署名および批准を呼びかけた。

ビエラ・デ・メロ事務総長特別代表、中国・日本へ継続的な東チモール支援を要請

 東チモール担当のビエラ・デ・メロ事務総長特別代表は、中国・日本などアジア4カ国を訪問し、各国の政府高官と東チモールの再建に向けた支援について話し合った。ビエラ・デ・メロ氏は東京で、日本の政府高官へ継続的な東チモール支援を要請。続いて北京では、中国のTang Jiaxuan外務大臣と東チモールの状況と国連活動について話し合い、中国政府の協力に謝意を表するとともに、さらなる協力を求めた。

4月17日(月曜日) 文責:渡辺

安保理、制裁措置の巧みな利用による決議の強制と効率化を討議

 安保理は、国連の制裁措置の使用による決議強制力の向上と効率化に関する一連の討議を開始。
 まず、安保理メンバーは、国際平和アカデミー(International Academy of Peace)主催のセミナーに参加。同アカデミーは、「制裁の十年」(The Sanction Decade)と題された報告書を発表、冷戦後の国連が冷戦中よりも数多くの制裁措置を採ったことに焦点を置いた。
 このセミナーで演説に立ったアナン事務総長は、制裁措置を遵守することによって経済的損失を受ける隣国や貿易相手国、また罪無き市民が制裁の被害者とならないよう、十分な注意と制裁処置のもたらす影響を考えるべき、と述べた。
 セミナーの後、安保理は制裁措置に関する全般的な問題について公開討議を開催。Kieran Prendergast政治問題担当事務次長は、「賢明な」制裁措置の概念を形成していくための実践的な提案を行った。

イスラエル政府、レバノン撤退を通知

 イスラエル政府は、安保理決議425(1978)と426(1978)に従い、7月までにレバノン駐留軍を撤退させるとアナン事務総長に正式に通告した。 

アナン事務総長、兵力引き離し合意の実施を希望

 アナン事務総長は4日(金)にコンゴ民主共和国のキンシャサ空港で起きた一連の爆発事件について声明を発表。追悼の意を表明すると共に、同事件がルサカ停戦合意当事者で構成される政治委員会の採択した、兵力引き離し合意の実施に影響を与えない事を希望した。

「犯罪および正義に関するウィーン宣言」を採択

 犯罪防止および犯罪者の処遇に関する第10回国連会議が、1週間の会期を終了、最終日の本日「犯罪および正義に関するウィーン宣言」(Vienna Declaration on Crime and Justice)を採択した。
 国連薬物統制犯罪防止事務所(ODCCP: UN Office for Drug Control and Crime Prevention)のピノ・アルラッキ事務局長は、犯罪組織がグローバル化したのに伴い、一カ国で対応するのは不可能となったと言及したことの意義を強調した。

WFP、「アフリカの角」への輸送回廊復興活動を発表

 世界食糧計画(WFP)は、ジブチから干ばつ被害を受けた「アフリカの角」地域全般へ向けての輸送回廊の整備計画を発表。400万ドルを投入、唯一の港であるジブチの施設と輸送道路を整備し、物資輸送の効率化を図る。

CITES 締約国会議、捕鯨に関する日本とノルウエーの共同提案を否決

 15日、日本とノルウエーは、コククジラとミンククジラをふくむ一部の鯨を全面禁止から許可制度を用い解禁するよう共同提案を行った。これに対し「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」の第11回締約国会議は投票の上、否決した。

UNEP、世界環境デー・イベント開催を発表

 国連環境計画(UNEP)は、今年の世界環境デーの6月5日にメイン・イベントをオーストラリアで開催すると発表。今年のテーマは、「環境ミレニアム − 行動する時」(The Environment Millenium −Time to Act)。

元UNHCR高等弁務官が死去

 先週末、元国連高等弁務官のAuguste R. Lindt氏が、94歳で亡くなった。Lindt氏は、1950年代後半にハンガリーとアルジェリア難民支援に貢献した。

4月18日(火曜日) 文責:Jo

安保理、アンゴラのUNITAに対する監視・制裁を厳格化

 安保理は決議1295を全会一致で採択し、アンゴラ内戦の永続的解決を達成するために、憲章第7章の下、反政府勢力アンゴラ全面民族独立同盟(UNITA)に対する制裁措置の効力を強化することを決定した。同決議は、対UNITA制裁措置の違反に関する専門家パネルが、3月10日の報告書において、制裁違反の状況を説明し、現行の制裁の実効性を高める提案を行ったことを歓迎。事務総長に対して、1ヶ月以内に、情報収集・調査のための監視機関(最大5人の専門家で構成)を設置するよう要請した。今後、この監視機関、各国、専門家パネルからの情報に基づいて、安保理は、11月8日までに、UNITAに対して追加的措置を科すかどうか、また制裁違反国に対してなんらかの行動を取るかどうかを決定する。

経社理・ブレトンウッズ高級会議でグローバリゼーションについてのアジェンダ

 経済社会理事会とブレトンウッズ機関の第3回年次合同高級会合が、ニューヨーク国連本部で開催。国際金融の安定を確保し、グローバリゼーションの利益をより多くの人々が享受できるようにすることについて、議論の焦点が当てられた。

FAO、アフリカの角地域の悲劇について警告

 国連食糧農業機関(FAO http://www.fao.org/WAICENT/OIS/PRESS_NE/PRESSENG/DEFAULT.htm )は、同機関の地球情報早期警戒システム(GIEWS)発行の「スペシャル・アラート」において、「アフリカの角」地域諸国が、約1,600万人を脅かす飢餓を回避するために緊急支援を必要としている、と述べた。

国連人権委員会、住居・財産権に関する決定

 月曜日、人権委員会は、住居の権利に関する特別報告者のポストを新たにつくることを決定した( http://www.unhchr.ch/html/menu2/2/56chr/56main.htm )。
 同報告者の任期は3年間。世界人権宣言にうたわれた適切な生活水準の権利のひとつとして、住居の権利の促進と報告に責任を有することになる。

UNHCR:インドネシアから東ティモールへの帰還兵続く

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、火曜日、西ティモールから、インドネシア国軍の元戦闘員30人が、東ティモールに帰還した。元戦闘員の帰還の規模としては、昨年10月に難民帰還作業が開始されてから、2番目に大きなもの。

ユニセフ、ダカール会議前に、すべての人への教育を訴え 

 世界教育フォーラム(ダカール http://www.unicef.org/newsline/00pr28.htm )を一週間後に控え、ユニセフ事務局長は本日、世界がすべての人々のための教育を達成できないでいることは、もはや許されない、と述べた。

旧ユーゴ国際刑事裁判所、今後の戦略を討議

 旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY http://www.un.org/icty/pressreal/p491-e.htm )において、判事たちは、最近多くの容疑者が逮捕されたこと、主任検察官が裁判の迅速化をはかる戦略を練ったことなどを考慮し、今後、夥しい数の容疑者の裁判をどのように行っていくかについて討議した。

コソボ戦犯捜査をカナダの専門家が支援

 国連とカナダは火曜日、合意に署名し、旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY)の検察官室によるコソボ戦争犯罪調査において、カナダが同室に対して、同国の騎馬警官隊から有資格者、最大24人を6チームに分けて、約1ヶ月間、提供することを決定した。最初のチームは、5月1日、コソボに向けて出発する。

キンシャサ空港爆破事故での国連航空機への損害について報告

 先週金曜日、コンゴ民主共和国のキンシャサ空港で起こった爆発事件を調査していた国連チームが報告したところによると、国連機2機が爆発による影響を受けた。報告によれば、これら国連機の修理は、現地で行うことが可能である。

UNHCR:チェチェン戦闘で新たな難民移動

 UNHCRによれば、チェチェンでの散発的な戦闘によって、新たな避難民が生まれており、このことにより、イングーシからチェチェンへの避難民帰還のペースが遅くなっている。

「今日の一言」 ―「心に刻むアウシュヴィッツ平和博物館」開館―

 4月16日、栃木県塩屋町に日本で初めてのアウシュヴィッツ博物館が開館し、その記念に、昨日、東京で、アウシュビッツの生存者、カジミェシ・アルビン氏の講演会がありました。
 数年前、筆者は、ポーランドに現存する収容所博物館で、巨大なショーケースに収められた数千体の毛髪や靴、眼鏡や、焼却炉付きのガス室の展示を見学したことがありました。そのときのショックは筆舌に尽くしがたいものでしたが、証言者の肉声を聞く機会は、今回が初めてでした。
 アルビン氏は、ポーランド人。1940年、17歳のときに、アウシュビッツ最初の収容員として収監され、1943年に脱走の果てに自由の身となるまでの3年以上の収容所の歴史について実体験を踏まえて語られました。
 氏が、語った事実のなかで、とくに聴衆の耳目を引いた点がありました。毎日の虐待のなかで、人間らしさを忘れないように必死で努力したこと。衛兵たちの世話をする班や、食事を用意する班にまわされたとき、靴や食糧を盗んで仲間の囚人に分け与えたこと。失敗すれば殺されるか、懲罰労働班に入れられていたといいます。
 90分以上にわたる講演の後、この点に質問が集まりました。

「なぜ極限状況のなかで、自らの生命も省みず人のために盗みができたのか?」
―氏「教育のおかげです。長い間、ポーランドは(ロシアの)圧制下にあったが、第一次大戦後、ようやく独立を果たした。(ナチスに占領されて、収容される前に)我々は、愛国教育だけでなく、「人のために尽くす」という教育を受けてきました。また、収容所内部でも、みんな団結して生きなければ、と約束しあったからです」と。
「人間性を失わないように努力できたのはなぜか、どうしてそれができたのか?」
―氏「私たちは、できるだけ自分のことより他人のことを考えるようにしていました。自分のことより、他の囚人に食糧を配ることを考えていました。それはナチスへの抵抗のシンボルでもありました。もちろん、囚人のなかにも、自分のことしか考えず、他人のことを全く考えない者もいました。仲間をSS隊員に売り渡す者もいました。しかし、そういう人間は、囚人全員から仕返しをされることも、私たちは知っていました。囚人同志の間で、ミサを行ったり、歴史や文学を教えあうこともありました。これらのことが心の支えとなったのです。また、私たちのほとんどが政治犯であったため、抵抗する意志、人間性の意志が強かったため貫けたことと思います」と。
「戦後も、世界中のあちこちで虐殺が起こっていることをどう思うか」
―「全く、アウシュビッツの教訓が学ばれていないと思います。だから、運良く生き残った我々生存者は、世界中にこの事実を教育し、戦争を知らない若い人々にこの事実を伝えていく義務があるのです」と。

「心に刻むアウシュヴィッツ平和博物館」のホームページは、 http://www.am-j.org/index.html

4月19日(水曜日) 文責:山本

安保理は文民を対象とした攻撃を非難する決議を採択

 安全保障理事会は19日、武力紛争下における攻撃からの文民の保護に関する公開討議を開催し、決議第1296号を全会一致で採択した。この決議では文民を対象とした攻撃を非難し、このような攻撃が国際的な平和と安全に対する脅威となっていると指摘している。

事務総長は安保理と総会の文民保護への活動を賞賛

 アナン事務総長は19日、上記の公開討議の開会にあたって演説し、武力紛争下における文民保護が国連にとっての重要な任務であると強調し、同時にこの目的についての安全保障理事会と国連総会の活動を賞賛した。具体的には、国連総会が「子どもの権利に関する条約」選択議定書を採択し、徴用の最低年齢を15歳から18歳まで引き上げたことなど、法的な側面の強化を挙げた。また安全保障理事会についてはシオラレオネや東チモールにおける文民保護活動を指している。

事務総長は、ジンバブエの緊張の高まりに対するムガベ大統領の措置に安堵

 アナン事務総長は19日、ジンバブエにおける暴力の勃発に関して記者団に質問され、ジンバブエの状況は非常に気にかかるが、ムガベ大統領と電話会談し、同国政府が治安安定化に努力している旨の報告をうけ、勇気付けられている、と語った。

安保理理事国9か国が4月末にコソボ訪問

 安全保障理事会議長は19日にアナン事務総長宛てに書簡を送り、4月末に理事国9か国からなる派遣団がコソボを訪問する予定であると報告した。この派遣団は、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK;UN Interim Administration Mission in Kosovo)のクシュネル代表の招待に答えたもので、4月28・29日の両日にわたってコソボ各地を視察する。

事務総長特使は「アフリカの角」における飢餓防止のための措置を要請

 「アフリカの角」地域の状況の視察のために同地域を訪れていた、「アフリカの角」における旱魃に関する事務総長特使の Catherine Bertini 氏がミッションを終えて「この地域における災害を防ぐ時期はまさに今である」と語った。

ICTY検察官が容疑者の保釈に懸念を表明

 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)の Carla del Ponte 検察官は、2人の容疑者の保釈決定に対し、強く異議を申立てた。この2人の容疑者はボスニア=ヘルツェゴビナの Bosanski Samacからボスニア系クロアチア人とイスラム教徒を強制的に退去させようと計画した疑いで告訴されていた。

国連とEUとUNMIKは同地域における暴力の沈静化に関して共同声明を発表

 国連とヨーロッパ連合と国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の首脳は共同声明を発表し、先日来より増加している暴力に深い懸念を表明した。

コソボで野兎病蔓延の危惧

 国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)は19日、コソボにおいて、動物から人間に感染し、間歇熱とリンパ腺の腫れを引き起こす野兎病が蔓延し始めていると発表した。現在で約480名が感染しており、緊急に抗生物質を搬入した。

国際刑事裁判所におけるカメラ設置はよい影響があるとの結果報告

 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所においてテレビカメラを設置することの是非をめぐり、独立の調査に携わっていたミッションが報告書を完成し、全体としてはよい影響があると結論づけた。
 この調査団は英国のサウサンプトン研究所メディア・政治センターのPaul Mason博士が率い、裁判の正確で十分な記録が残ること、裁判所の活動を知らしめる手段となることなどから、全体としてはプラスのインパクトのほうが大きいとの結論とした。

イラクに3億ドル相当の援助物資

 先週1週間で、イラク原油限定輸出プログラム(oil-for-food programme)にしたがってイラクより1500万バレルの原油輸出があり、これに対し3億ドル相当の援助物資がイラク各地に搬送された。内容は小麦・幼児食など。

シアン化合物流出事故の報告がまとまる

 国連環境計画(UNEP)と人道問題調整部(OCHA)は今年の1月30日にルーマニアで起こった、シアン化合物流出事故について報告書をとりまとめ、設計段階のミスとずさんな作業、悪天候という条件が重なったために起こった事故としている。

「今日の一言」 

 8つめの記事、国際刑事裁判所へのカメラ設置を是とする報告ですが、記事を読んでいますと、「カメラがあることによる、裁判関係者の行動の変化はさほど見られず、さらに規程どおりに動こうとするようになる」と指摘しています。また、これは報道陣の自由な撮影を意味するのではなく、裁判所の固定カメラによる撮影で、編集された後に一般に公開されるようです。
 日本における裁判では、TVカメラはおろか写真も撮れないわけですが、裁判に関する基本的な考え方に、日本と海外とで大きな差があるのでしょうか。

4月20日(木曜日) 文責:阿部

安保理がイスラエルのレバノン撤退と事務総長特使の派遣決定を歓迎

 今週月曜日にアナン事務総長は安保理宛てに書簡を送付し、イスラエルが自国軍隊のレバノン撤退を決定したことについて正式通告があった旨を伝達するとともに、自身の特使を同地域に派遣し、国連が安保理決議425及び426の下の責務を果たせるよう準備を開始すると決めたが、これに対して、安保理が歓迎の意を表明。

国連コンゴ民主共和国ミッションに関する事務総長報告を発表

 アナン事務総長は、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC:the UN mission in the Democratic Republic of the Congo)に関する事務総長報告を発表。同報告は、最近、コンゴ民主共和国において前向きな動きがみられるものの、紛争当事者による戦闘と兵器の購入が継続していることは、すべての当事者のコミットメントに対し疑念を抱かせるものであると指摘。

人権委員会は年次総会でテロ根絶に向けた決議を採択

 人権委員会(the Commission on Human Rights)は、ジュネーブで年次総会を開催し、すべてのテロ行為を非難するとともに、その根絶のための国際努力拡大を求める決議を採択。

犯罪防止刑事司法委員会は「犯罪と司法に関するウィーン宣言」を承認

 犯罪防止刑事司法委員会(the Commission on Crime Prevention and Criminal Justice)は、4月10日から17日にかけて開催された第10回犯罪防止及び犯罪者の処遇に関する国連会議(the Tenth UN Congress on Crime Prevention and the Treatment of Offenders)で採択された「犯罪と司法に関するウィーン宣言」(Vienna Declaration on Crime and Justice)を承認。同文書は、採択のため、ミレニアム総会に送付される。

アナン事務総長はジンバブエの土地紛争に関してムガベ大統領と電話会談

 アナン事務総長は、ジンバブエにおける土地使用をめぐる争いに関して、同国のムガベ(Mugabe)大統領と電話会談。ムガベ大統領から、同日、農民と退役軍人が5時間に及ぶ話し合いを行い、双方ともに平和的解決を求めていくことに合意したとの状況説明を受けた。事務総長とムガベ大統領とは、先週ハバナで直接会談するとともに、今週冒頭にも電話会談をしていた。

緒方国連難民高等弁務官はメキシコの難民の地位に関する条約加入を歓迎

 緒方国連難民高等弁務官(UNHCR:the UN High Commissioner for Refugees)は、メキシコが1951年の難民の地位に関する条約及び1967年議定書に加入したことについて、歓迎の意を表明。

アジア太平洋報道機関機構の総会で国連広報局ニュース・メディア部長が演説

 モスクワで開催されたアジア太平洋報道機関機構(the Organization of Asia-Pacific News Agencies)の総会で、Salim Lone国連広報局ニュース・メディア部長(Director of the News and Media Division of the UN Department of Public Information)が演説し、世界中で起こっている変革の中で新しい地球的価値が創造されているとし、このプロセスにおいて国連が主要な役割を担っていると指摘。

「絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約」締約国会議が閉幕

 「絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約」(CITES:the United Nations Convention on International Trade in Endangered Species)の締約国会議が閉幕。2週間の会期中、国際取引による乱獲から動植物を保護するための一連の措置を決定。

モンゴルを30年ぶりの寒波が襲い羊ややぎなど多くの家畜が凍死

 国連人道問題調整部(OCHA:the UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)によれば、モンゴルを30年ぶりの寒波が襲い、羊ややぎなど多くの家畜が凍死。

「今日の一言」  − ジンバブエで起こっていること −

 水曜日のニュースから連日、ジンバブエで土地を巡る紛争が激化しているとのニュースが流れています。(私の知る限り)日本ではほとんど報道されていませんが、米国国務省のルービン報道官がジンバブエのムガベ大統領を非難するなど、動きが活発化しています。
 ジンバブエは元々、英国の植民地だったのですが、未だに人口の1%に満たない白人が肥えた土地の大半を所有しており、黒人の不満が爆発、独立時に戦った解放軍の退役軍人らが農場を襲い、今週に入り2人の白人農場主を殺害、9百もの農場が黒人活動家に略奪され、無政府状態にならんとしています。
 問題は、5月に議会の選挙を控えながら、50%の失業率と70%のインフレ率に苦しむムガベ大統領が、こうした動きを故意に扇動しているのではないか、との疑いがあること。同大統領は、独立時の解放軍のリーダーであり、独立後の20年間、同国の大統領であり続けたのですが、ここに来て国民の支持が低下しているのです。
 事実はもう少し情報を得て吟味する必要がありますが、こうした独立時の英雄が、自らの権力維持に汲々として国民の暴力を扇動することにより、民主化を大きく後退させる事態は、本当に悲しいことです。
 いずれの国においても民主化の過程において土地改革は不可欠なものですが、ジンバブエが土地を巡る争いをうまく解決し、民主化と経済発展を進展させることを祈らずにはおれません。

4月24日(月曜日) 文責:渡辺

NPT再検討会議開幕

 4週間に渡る核不拡散条約(NPT)の再検討会議が本日ニューヨークで開幕。アナン事務総長はロシアのSTART批准、CTBTの署名解放など最近の進展を振り返りながらも「核戦争の脅威については、自己満足に 浸っている余裕は無い」と警告。また、3万5千にのぼる核兵器が保有国のもとに存在し、そのうち数千が突発的緊急事態に対処できるよう配備してある上、ミサイル防衛網配備に対する圧力が高まっていることから、新たな軍事競争へ発展する可能性が懸念される、と述べた。
 今回、再検討会議議長に選出されたアブドウ・バーリアルジェリア大使は、インド・パキスタンの核実験は、核不拡散条約に大きな打撃となったが、悲観的意見に押しつぶされることの無いよう呼びかけるとともに、自己満足も苛烈さも避けて、条約の目標達成に向け現実的な方策を、と提案。
 国際原子力機関(IAEA: International Atomic Energy Agency) のMohamed ElBaradei 事務局長は、「NPTは完璧とは言いがたいが我々の持てる最良策」と述べた。

アフリカの大学支援に新たなイニシアチブがスタート

 カーネギー、フォード、マッカーサー、ロックフェラーの4財団が、「アフリカの大学を強化するためのパートナーシップ」(Partnership to Strengthen African University)を立ち上げた。記念式典に参加したアナン事務総長は、アフリカの大学は専門家養成や同大陸が抱える問題の分析に必須の存在と述べ、大学がグッド・ガバナンス、紛争解決、人権尊重などの点でよき模範となること、そして、アフリカの学術者が世界で活躍することを期待した。

安保理、コソボ訪問を前にブリーフィング

 安保理代表のコソボ訪問を控え、平和維持活動担当のBernard Miyet事務次長がブリーフィング。地方自治体の選挙・コソボ合同暫定行政機構(JIAS: Kosovo Joint Interim Administration Structure)の統合 整理などでコソボは非常に重要な局面を迎えている、と述べた。

野兎病対策で専門家等コソボ入り

 コソボで500名以上が野兎病(tularemia)というまれな病気に感染しており、この対策にデンマーク、ドイツ、イタリア、アメリカの専門家チームがコソボ入りした。感染を抑制する方法や患者の治療に関する指導・管理を行う。
 この病気は、ネズミやウサギによって媒介され、汚染された食料や水などによって簡単に人に伝染するといわれている。

UNTEAT設立から6ヶ月、東ティモールの進展を報告

 国連東チモール暫定行政機構(UNTEAT)が設立から半年を迎えた。これを記念して、東ティモール事務総長特別代表付けのFabrizio Hochschild 補佐官が記者会見をディリで行い、これからの更なる発展にむけて盤石の基盤を築く事ができた、と語った。

シエラレオネにザンビアの平和維持兵参加

 シエラレオネにザンビアから一大隊が参加し、フリータウンに到着。
 これで、同平和維持軍は、総員8千名以上にのぼることになる。

チェチェンへの人道支援査察ミッション完了

 人道問題調整室(OCHA)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、ユニセフ、世界食糧計画(WFP)等が共同で行ったチェチェンへの人道状況査察ミッションが終了。同地方の3箇所を訪れ、居住者と内部避難民の 困窮状況を報告。国連はこれに基づき、緊急援助の手配に着手する。

継続可能な開発委員会、第8会期を開催

 継続可能な開発委員会(the Commission on Sustainable Development)が、2週間に渡る第8会期をニューヨークで開催。リオデジャネイロで8年前に開催された、国連環境開発会議(UNCED: UN Conference on Environment and Dvelopment)の行動計画であるアジェンダ21の実施状況を評価する。
 同会議で、国連食糧農業機関(FAO: UN Food and Agricultue Organization)は、継続可能な農業に関する報告書を発表。8年前に指摘された課題は、ほとんどが未だに進展が無い状態、と警告。

「今日の一言」 

 「核の脅威に終焉を!」−本日づけのニューヨーク・タイムズに、14名のノーベル平和賞受賞者、19名の他部門のノーベル賞受賞者等を含む50名連名による読者へのアピール広告が掲載されています。日本人としては、唯一、創価学会の池田大作名誉会長の名前が見受けられます。
 このアピールは、切り取って署名し、ホワイト・ハウスの大統領宛に郵送できるように工夫がこらしてあります。本日はじまった第6回NPT再検討会議に時を合わせ、核廃絶へ民衆の意識向上と行動を願った核時代平和財団(Nuclear Age Peace Foundation)の企画によるものです。
 軍縮に関しては、国家保障・国家機密の名のもとに、国連内でも非公開の会議も多く、民衆の顔よりも国家の顔が色濃く表れて、軍縮に携わるNGOも苦しい戦いを強いられる傾向にあります。それゆえに、このようなNGOの存在が一層重要といえます。
 今でも30分で地球文明を破壊してしまう核。しかし、その核を破壊する力は平和を願う民衆の団結だけなのでしょう。

4月25日(火曜日) 文責:Jo

アフリカの角の干ばつ回避には予防こそが重要

 「アフリカの角」における干ばつのための事務総長特別代表(バーティーニWFP事務局長)は、4月11日から19日まで行った「アフリカの角」地域の視察訪問について、その調査結果や提案をまとめた報告書を発表した。そのなかで、バーティーニ氏は、今後、大規模な防止行動が取られない限り、同地域において、1,600万人の生命が失われるおそれがある、と訴えた。

初のマラリア・サミット開催、ユニセフ・WHOが勧告

 マラリアに関する初の首脳会議、ナイジェリアの首都アブジャで開催。ユニセフ世界保健機構(WHO)はそれぞれ、アフリカ諸国の首脳に対して、同大陸全土でマラリアを統制するために、指導力を発揮し、資源を提供するよう訴えた。

国連人権委員会、チェチェン戦闘停止を勧告

 国連人権委員会は決議を賛成25、反対7、棄権19で採択し、チェチェンの紛争当事者に対して、戦闘を停止し、ロシア連邦の領土保全を尊重する形での紛争解決プロセスを開始するよう促した。ロシアに対しては、同地での人権侵害に関する独立調査委員会を緊急に設置するよう求めた。また、同じくロシアに対して、国際人道機関が、避難民や戦争被災者、拘置所へ自由にアクセスすることを許可するよう促した。

安保理派遣団コソボ訪問の準備進行

 安保理のメンバー8人は、28日と29日の両日、コソボを訪問する予定であり、現在、この訪問に備えた準備が進んでいる。これらメンバー8人は、金曜日、暫定行政協議会(IAC)とコソボ移行協議会の特別合同会合に参加する。

シエラレオネ反乱勢力、PKOの武装解除作業を妨害

 先週土曜日、シエラレオネ中北部のマグブラカにおいて、重武装したRUF戦闘員らが、新設の武装解除センターを取り囲み、国連平和維持兵に対して、宿営地の閉鎖を強制した。

世界教育フォーラム前に、更なる世界的強化を求め

 世界教育フォーラム(4月26日‐28日、セネガル)を前に、このフォーラムを組織するUNDP、ユネスコ、ユニセフ、国連人口基金、世界銀行のそれぞれの長は共同声明を発表し、世界の各国政府や市民社会に対して、悪化する教育状況への取り組みを求めた。

ルワンダ国際刑事法廷、ジェノサイド容疑者をタンザニアに移送

 ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)は火曜、ルワンダでの1994年大虐殺に関与した容疑者 Augustine Ndindiliyimana氏を、裁判のためタンザニアに移送した。同氏は、1月29日、ベルギーで逮捕された。

国連特使、コンゴ民主共和国情勢に慎重ながら楽観的見通し

 コンゴ民主共和国担当事務総長特別代表 Kamel Morjane 氏、コンゴ民主共和国の情勢に関して、安保理にブリーフィング。同氏は、この後に行った記者団への説明において、同国での停戦が継続する可能性について、慎重ながらも楽観的な見通しを示した。

国連加盟国滞納金28億4000万ドルに

 3月末現在、国連加盟国の累積滞納金は、28億4,000万ドル近くにのぼる(通常予算には8億4,200万ドル、平和維持活動には19億ドル、旧ユーゴ・ルワンダ国際刑事裁判所には9,300万ドル)。

4月26日(水曜日) 文責:山本

世界教育フォーラム開催

 アナン事務総長は26日、世界教育フォーラムで演説し、性別による就学の差に注意を喚起し、女子に対する教育は選択ではなく、必要なものであるという意識をもつことの重要性を強調した。この演説の中で事務総長は、就学年齢に達しながら実際に教育を受けていない子どもが1億1千万人おり、そのうち3分の2が女子であると指摘した。
 世界教育フォーラムは26日から28日までの日程でセネガルの首都・ダカールで開催されている。

UNAIDS事務局長が世界教育フォーラムで教育セクターとの協力を呼びかけ

 国連エイズ合同計画(UNAIDS)の Peter Piot 事務局長は26日、エイズによる脅威の影響を受ける若年層を救うために教育セクターに協力を呼びかけた。エイズは世界の教育界における最大の問題の1つとなっており、子どもやその家族が伝染・発病するだけでなく、教師の側もエイズで亡くなるなどの状況がアフリカで起こっている。たとえばコートジボアールでは1996年〜1998年の間に平均して1週間に5人の教師がエイズで亡くなっている。

パレスチナ国際会議が開催

 アナン事務総長は26日、国際パレスチナ会議において、中東における和平達成のためには半世紀以上にわたり人道面・治安面から懸念の対象となっている300万人以上のパレスチナ人の処遇を盛り込まなければならないと演説した。

未達成の環境アジェンダの完遂を

 フレシェット副事務総長は26日、持続可能開発委員会(CSD ; Commision on Sustainable Development)で演説し、将来の世代がこの惑星で生命を維持していく自由は、「欠乏からの自由」や「戦争からの自由」と同様に重要であると語った。

安保理でイラク・クウェート紛争での行方不明者の問題を討議

 イラク事務総長高級調整官の Yuli Vorontsov 氏は26日、安全保障理事会においてイラク・クウェート紛争での行方不明者の問題についてブリーフィングを行い、イラク側がこの10年間で戦争捕虜約6000名を本国に送還したことを評価した。

視察ミッションがアンゴラの危機的状況を警告

 国連人道問題調整部(OCHA)はアンゴラ視察ミッションの視察結果を報告し、早急に対処しなければ危機的な人道状況に陥ると警告した。

安保理はエリトリア=エチオピア間の平和的解決を希求

 安全保障理事会はエリトリア=エチオピア間の紛争解決についてアフリカ統一機構(OAU)が行っている努力を賞賛し、両国に平和的手段で紛争を解決するように要請した。

人権委員会は人道活動家を対象とした攻撃を非難する決議を採択

 国連人権委員会は26日、人権保護のための活動する要員を狙った攻撃を非難する決議を採択し、人権活動家を保護するより有効な方法の検討を要請した。

UNMIK代表がコソボの抑留者・行方不明者について討議を要請

 安全保障理事会の理事国が27日からコソボを訪問することになっているが、その会見の席で、抑留者・行方不明者、帰還難民の状況について討議すると国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)のクシュネル代表が語った。

チェルノブイリ原発事故から14年

 26日がチェルノブイリ原発事故から14年めの日であることを踏まえて、緊急援助調整官代行の Carolyn McAskie 氏は声明を発表し、世界はチェルノブイリを忘れることはできないと語った。事故から14年経った今でも、原発周辺のベラルーシ・ロシア西部・ウクライナでは放射性線の影響で健康や環境に大きな影響を与えている情況である。

「今日の一言」 

 今日の記事では2つ、世界教育フォーラムについて触れられています。
 この会議は、1990年に国連開発計画・ユネスコ・ユニセフ・世界銀行の共催で開催された「万人のための教育に関する世界会議(World Conference on Education for All)」を端緒として、世界中の人に教育へのアクセスを拡大しようと活動が展開されています。
 もちろん、ここでいう「教育」とは、識字率の向上など基礎的な学習ニーズを指しているわけですが、私は、広く「人を育てる」という意味での「教育」においては、"inspire"という要素が不可欠なのではないかと考えています。
 『政策研究』NIRAの新しい研究領域(1996〜2000年度)−21世紀に向けて−(NIRA政策研究Vol.9 NO.3;総合研究開発機構)にこんな話が載っていました。

 最近、いろいろな場で講演し、議論してもinspireされる(知的刺激を受ける)ことが少ない。ありきたりの話しかしなかったと思うのは、理屈で考える人たちと話をした時に多い。

(…中略…)

 「生きる」というのは、このように互いにinspireしあえるような創造的関係性をどれだけ築けるかということだと思っている。

(…中略…)

 人間には何かinspireすることや、ものが生活や地域の中にある。そういうものがある人が生き生きとして輝いている。それが次に来る社会の中心軸なのだろう。

(プレス・オルターナティブ代表 片岡 勝 氏)
 inspireを英和辞典でひくと、「息を吹き込む」なんていう意味の他に、「インスピレーションを与える」、「鼓舞する」などが見られます。そういえば確かに「inspireされる」ことが少ないような気がします。特に人と話をして、と限定すればなおさらです。逆に自分は人をinspireしている存在なのだろうか、と考えたりもします。
 互いに鼓舞しあい励ましあう存在がいるということはきっと幸福な状態なんだとも思います。

4月27日(木曜日) 文責:阿部

アナン事務総長がセネガルのファン病院外来センターでエイズ対策を視察

 西アフリカを公式訪問しているアナン事務総長は、Nane夫人とともにセネガルの病院の外来センターを訪問し、西アフリカに集中的に見られるHIV‐2ウイルスを発見した研究者Souleymane Mboup氏からエイズ対策について説明を受けた。セネガルではエイズ対策により感染率の低下に成功している。

ユニセフ事務局長が世界教育フォーラムで演説

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF:the UN Children's Fund)のCarol Bellamy事務局長は世界教育フォーラムで演説し、世界の援助国に対して、万人のための教育という目標に向けて実行可能な計画を有する貧困国について、その債務を即時帳消しするよう要請。

平和維持活動担当事務次長補が東ティモール情勢について安保理に説明

 平和維持活動担当のHedi Annabi事務次長補(Assistant Secretary-General for Peacekeeping Operations)は、東ティモールの最近の情勢について安保理に説明。東ティモールの治安情勢は比較的落ち着いているが、経済社会状況は依然として深刻であり、懸念されるところ。

人権委員会の決議採択を人権高等弁務官が賞賛

 人権委員会が世界各地の人権擁護者(human rights defenders)に関する特別代表(Special Representative)の任命を要請する決議を採択したことについて、ロビンソン人権高等弁務官(UN High Commissioner for Human Rights)は、「声なき人々のために代わって主張する人々の保護に向けた重要な一歩」であると賞賛の意を表明。

中東地域をめぐる安保理決議実施に関して協議するため事務総長特使が関係国を訪問

 Terje Roed Larsen事務総長特使(Special Envoy of Secretary-General)は、中東地域をめぐる安保理決議425及び426の実施に関して、イスラエル、レバノン、シリア、ヨルダン、エジプト、パレスチナ機構の代表らと協議するため、4月27日から5月9日にかけて同地域を訪問。

94年のジェノサイドの被告がルワンダ国際刑事裁判所で無罪を主張

 ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR:the UN International Criminal Tribunal for Rwanda)において、94年のルワンダでのジェノサイドの罪で起訴されたAugustine Ndindiyilimanaが無罪を主張。

東ティモールで包括的労働法をつくるための公開協議が終了

 東チモール暫定統治機構(UNTEAT:the UN Transitional Administration in East Timor)は、東ティモールにおける包括的な労働法をつくる第一歩として、労働組合、ILO専門家、人権活動団体、学生組織、教会の代表が参加した公開協議を終了。

サラエボの連邦警察学校で多民族混成授業を終了した実習生の卒業式典

 サラエボの連邦警察学校(the Federation Police Academy)で、1年間にわたる多民族混成授業を終了した実習生の卒業式典が行われた。卒業生106名の内訳は、セルビア人63名、ボスニア人8名、クロアチア人24名、その他が11名。

アフリカにおける平和維持活動の成功と失敗について詳述した新刊書を発表

 国連軍縮研究所(UNIDIR:the UN Institute for Disarmament Research)及び南アフリカ戦略研究所(the Institute for Strategic Studies in South Africa)は共同で、アフリカにおける平和維持活動について詳述した新刊書 "Peacekeeping in Africa: Culpabilities and Capabilities" を刊行。同書では、平和維持活動の実効性について、安保理の政治的意思、ロジスティクス、紛争当事者の姿勢、地域機関の役割など、様々な側面から論じられている。

国連環境計画が貿易と環境に関するハンドブックを公表

 国連環境計画(UNEP:the UN Environment Programme)が貿易と環境の複雑な関連性について記した新しいハンドブック "Environment and Trade:Handbook" を作成。インターネットでも入手可能(http://www.unep.ch.etu)。

「今日の一言」  − 人道介入のジレンマ −

 最後から2つ目の記事を読んで、昨年のフォーリン・アフェアーズ誌(7月・8月号)に "Give War A Chance"(紛争不介入の奨め)という論文が掲載されていたのを思い出しました。米国の戦略国際問題研究所(CSIS)上席研究員の Edward N.Luttwak が書いたもので、要旨は次のようなものです。

  1. 紛争は通常、紛争勢力の一方が圧倒的な勝利をおさめるか、あるいは双方が疲弊することによって終結へと向かうもの。
  2. しかしながら、外からの人道介入によって、そうした力学がシステマティックにブロックされてしまい、多くの紛争が終わりなき戦いと化している。
  3. 国連の平和維持活動、NGOによる難民救済活動などを通じ、排除された者をその都度助けるのは、良心の痛みを和らげるかもしれないが、結局、不安定と暴力を永続化させることになるだけ。
  4. 悲惨な状況にある人々のことを本当に心配し、平和の到来を早めたいと願うなら、救済という感情的衝動を拒絶して、紛争を流れに任せて、平和への力学を復活させることが必要だ。

 以上ですが、こうした論調をひどいものだと切り捨てることは簡単です。しかし、ソマリアの経験あるいはイラク問題などを見るにつけ、私はこの論が、人道介入に伴う本質的な困難、あるいは苦悩といったものを、極端な形ではあるけれども、炙り出しているように感じたのを覚えています。
 現在の国連は、「国家」と「人道」の狭間で常に揺れていますが、21世紀の平和、アフリカの平和を思う時、何か全く新しいアプローチ、新しい思想が必要なのではないか、そういう気がします。ヒントを求めて、さっそくこの新刊書、手にとってみたいと思います。

4月28日(金曜日) 文責:Yoshi

ロビンソン人権高等弁務官、ソマリア支援を要請

 メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官は、人権委員会(Commission on Human Rights)の年次セッションの閉幕にあたり、アフリカの角(ソマリア)で人道的災害に直面する危険性について指摘し、国際社会へ人権保護に向けた支援を訴えた。同氏は「目の前で多くの人が死に絶えようとしていることを見過ごすわけにはいかない」「ここには各国政府の責任と国際社会の責任がある」とし、各国政府には国際的な支援活動の安全確保を推進する責任があると語った。

コンゴ-キンシャサ、天然資源の不法採掘に関する調査へ支援要請

 コンゴ民主共和国(DRC;コンゴ-キンシャサ)は安保理議長へ書簡を宛て、同国における天然資源の不法採掘について調査する独立の調査団を設置するよう支援を求めた。

タンザニアへ避難するブルンジ難民が急減

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ブルンジ各地で新たに武力衝突が起こっているものの、タンザニアへ避難する難民が急激に減少していると報告した。その原因として、タンザニアへ避難した難民は、地雷、国境付近での軍事行動、河川の増水を挙げている。

FAO、ジンバブエの食糧事情について警告

 国連食糧農業機関(FAO)は、洪水、経済問題、昨今の土地改革をめぐる混乱がジンバブエの食糧事情に打撃を与える危険性があると警告した。

アフガンの障害者支援プログラムへ100万ドルを要請

 国連の「Comprehensive Disabled Afghans' Programme(CDAP;仮訳:アフガニスタンの障害者のための包括的プログラム)」を指揮するPeter Coleridge氏は、国際社会と各機関へ100万ドルの支援を要請した。アフガニスタンでは人口2000万人に対し、80万人が障害を持ち、その4分の1が地雷による犠牲者。Coleridge氏によると、同国の地雷による死亡者と負傷者は過去10年で40万人にも上る。

旧ユーゴ戦犯容疑者、全面無罪を主張

 元拘置所指揮官であるDragan Nikolic容疑者は、旧ユーゴ国際刑事法廷(ICTY)での初公判において、80件の容疑(人道に対する犯罪容疑29件、ジュネーブ条約違反容疑29件、戦争に関する法律および慣習法の違反容疑22件)すべてについて無罪を主張した。同容疑者は、1994年11月4日に同裁判所が初めて起訴した個人であり、80件という起訴容疑件数はICTYでは最多。

「ほとんどの労働者には十分な年金の保証がない」とILO

 国際労働機関(ILO)が5月1日の「International Labour Day(仮訳:国際労働デー)」に先だって出版した「社会保障年金:発展と改革」で、世界の労働人口のおよそ9割には十分な年金の保証がないことが明らかにされた。

SUN Banner
Updated : 2007/02/19