Location : Home > Daily News
Title : December 1999
SUN Banner

11月分へ|メニューへ1月分へ→

1999年12月
10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

12月1日(水曜日) 文責:山本

総会で中東に関する決議を採択

 総会では、イスラエル=アラブ間の紛争の核となっているパレスチナ問題の平和的解決の必要性を再確認する決議を賛成149・反対3・棄権2で採択した。この総会決議では、中東和平プロセスを進める安保理決議の履行を強調している。
 またこのほかにhも、パレスチナ人の人権を保護する活動を促進する決議や、イスラエル占領下のゴラン高原における無法状態の撤回を要請する決議などを採択した。

世界エイズデーを迎えて各種会合が開催

 12月1日・世界エイズデー(World AIDS Day)にちなんで、様々な会合が開催された。
 国連本部では「遺された子供たち(The Childen Left Behind)」というテーマでシンポジウムが開催された。席上、今期の総会議長 Theo-Ben Gurirab 氏は「子供たちは人類史上かつてない規模で、両親と未来を失いつつある」と演説した。
 また、Louise Frechette 副事務総長は「エイズは自分の問題でないと信じることは事態の解決にはつながらない。エイズ危機はみんなの問題だ」と強調した。
 国連エイズ合同計画(UNAIDS;the Joint United Nations Programme on HIV/AIDS)が発表した報告書「エイズ遺児:東部及び南部アフリカからの叫び」(仮訳)によれば、1999年末までに1120万人の子供がエイズ遺児となると予測されている。そしてその95%がサブサハラ地域である。

事務総長、WTOで演説

 アナン事務総長は、世界貿易機機構(WTO;World Trade Organization)第3回閣僚級会議に参加し、「より富んだ国は発展途上国に対して関税を緩和し、貿易障壁の撤廃をしなければ、開発途上国の反感を抑えられない」と演説した。

東チモールの人道状況の調査へ

 東チモールにおける人権十厘の状況を調べる調査団は人権侵害の目撃者から話を聞いた。

マンデラ元大統領をブルンジの「和平促進者」に

 アナン事務総長は、南アフリカ共和国の元大統領・ Nelson Mandela 氏をブルンジ和平の促進者として任命されたことを歓迎。

貧困と戦う番組

 12月4日に、国連食糧農業機関(the UN Food and Agriculture)主催で、「1999年TeleFood キャンペーン」という3時間の音楽番組を世界各国で放送する。

コソボ暫定協議会はセルビア人家族への攻撃を非難

 コソボ暫定協議会(Kosovo Transitional Council)は、月曜に起こった、セルビア系住民の家族への攻撃を非難した。

「今日の一言」

 記事本文にもある通り、12月1日は世界エイズデーでした。
 エイズは現在、主にアフリカ・サハラ砂漠周辺で猛威を振るっているわけですが、日本では、以前、非加熱性血液製剤の件で菅厚生大臣(当時)が謝罪をして以降、あまり騒がれなくなってしまったような感があります。決して事態は解決したわけでもないのに。その意味でも、副事務総長のことばにはどきっとさせられます。
 無関心でいることが、事態を改善する努力をはばむことになり、最終的には、悪い結果を導いてしまう、というわけです。

ダリューンがテーブル上の茶碗を横へ押しやった。
「ナルサスよ、無関心は悪の温床であって善の見方ではない、という立派なせりふがあるのだがな」
(田中芳樹 『アリスラーン戦記(1) 王都炎上』)
12月2日(木曜日) 文責:阿部

キプロス問題に関する交渉が2週間にわたり国連本部で開催

 キプロス問題に関する間接?交渉(Proximity talks)が、金曜日からアナン事務総長の主催のもと国連本部で始まり、今月15日頃まで続く予定。安保理議長である Jeremy Greenstock 英国大使は、交渉当事者が無条件かつ建設的精神で交渉に参加するよう希望を表明。
 なお、アナン事務総長は、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP:the UN Peacekeeping Force in Cyprus)の任期を6月15日まで6ヶ月延長することを勧告。

奴隷制度廃止国際デーに当たり、アナン事務総長がメッセージ

 「奴隷制度廃止国際デー」(the International Day for the Abolition of Slavery)に当たり、アナン事務総長は、「古い形の奴隷制度を根絶するとともに強制売春、強制労働のような新しい形の奴隷制度が起こり得ないよう、必要な法制度等を急ぐことが必要」とスピーチ。

UNHCRが東ティモールへの帰還問題についてインドネシア政府と協議

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、東ティモールへの人々の帰還を阻害している問題の解決を図るため、ジャカルタや西ティモールの中心都市 Kupang において、インドネシア政府と協議。

東ティモール人権侵害調査委員会のメンバーがビザ発給を受けジャカルタ入り

 インドネシア政府は、東ティモール人権侵害調査委員会のメンバーに対して、インドネシアにおける調査活動のためのビザを発給。これを受け、調査委メンバーらは、日曜日にもディリからジャカルタ入りする。

国連環境計画が貿易関連の環境問題に関する報告書を公表

 国連環境計画(UNEP:the United Nations Environment Programme)は、貿易関連の環境問題に対する対処方法を示唆する6件の報告書を公表。これらの報告書は、バングラデシュ、チリ、インド、フィリピン、ルーマニア、ウガンダの6ヶ国のプログラムを取り上げたもので、シアトルで開催中のWTO閣僚会議で発表された。

ルワンダ国際刑事裁判所検察官が上訴審部の決定見直しを要求

 ルワンダ国際刑事裁判所(the United Nations International Criminal Tribunal for Rwanda)のCarla Del Ponte検察官は、Jean Bosco Barayagwizaの釈放を命じた先月の上訴審部の決定の見直しを求めて、摘要書を提出。

「今日の一言」 − ビジョンの不在 −

 米国シアトルで開催されていた世界貿易機関(WTO)閣僚会議が、決裂して幕を閉じました。ウルグアイラウンドに次ぐ新・多角的貿易交渉の枠組みを決定するため、4日間にわたって閣僚級の政治折衝が行われてきましたが、加盟135カ国・地域の利害調整は複雑を極め、最終的に決裂して終わりました。
 詳細は、日本のメディアでも報じられていますが、農業に係る環境配慮の扱いなどでは一定の歩み寄りを見せた各国交渉団も、

  1. WTO内に貿易と労働基準に関する作業部会を設置するか
    • 米 国−する(劣悪な労働条件で作られた製品が米国に流入し雇用を奪っている)
    • 途上国−しない(労働基準という国内問題に干渉するなら、一切の交渉を拒否する)
  2. 反ダンピング措置に係るWTO協定を改定するか
    • 米 国−しない(鉄鋼業界、労組など、大統領選を控え、妥協できず)
    • 日本・EU・途上国−する(米国による反ダンピング措置の乱用は輸出産業に打撃)

の2点で衝突し、結局、物別れとなりました。
 米国では、さっそく議会に「WTO脱退論」(米国国内法に基づく5年に1度の協定見直し期限は来年4月)が台頭する恐れが出てくるなど、保護主義化の懸念も膨らんできています。70年前の大恐慌の一因が、当時の米欧の貿易交渉決裂がトリガーとなった各国の関税引き上げ競争にあった、との指摘もあり、注視が必要です。
 今回の会議のもう一つ、あるいは最大の特徴は、WTOに抗議する世界各国の環境保護団体や労組などのNGO数万人がシアトルに集結し、警察と衝突、シアトル市長が非常事態を宣言する異常事態に発展したことでした。
 交渉の決裂を受けて、NGOの一部は「WTO崩壊!」と勝利宣言をしているようですが、私は、今回の交渉に本当の勝者はいないような気がします。
 結局、グローバル経済の推進役たるWTOは、

の3つから大きなプレッシャーを受け、押し潰された形となってしまった訳ですが、そこには、世界の貿易体制をめぐる「ビジョン」(=「共通の目標」)の不在がはっきりと見出せます。

 対人地雷廃絶に向けた運動に関してICBLが、97年ノーベル平和賞を受賞した際、ICBLの代表であるJody Williamsは、自分たちにはしっかりした組織も本部もなかったが、「地雷のない地球」(truely mine-free planet)という「共通の目標」(common goal)があったと述べています。

− from vision to reality −
ビジョンの不在は致命的です。

12月3日(金曜日) 文責:Yoshi

安保理、イラクの「oil-for-food」プログラムを1週間延長

 安全保障理事会は、イラク向けの国連人道支援プログラムを1週間延長した。賛成11、棄権3(中国、マレーシア、ロシア連邦)で、「oil-for-food」プログラムを12月11日まで延長することが決定した。なお、常任理事国のフランスはこの評決に参加しなかった。

安保理は、ブルンジ紛争の即時停戦を要請

 安保理は、現在ブルンジで起こっている暴力に深い危惧を表明し、戦闘の即時中止を全紛争当事者へ提唱した。安保理理事国はまた、人道状況の悪化を危惧し、同国の国連スタッフや国際人道支援チームへの安全なアクセスを確保するよう要請した。

事務総長、総選挙後のグアテマラ和平プロセスの継続を強調

 コフィ・アナン事務総長は、グアテマラの体制変更に伴い、今後も同国の和平プロセスを維持しなければならないと語った。国連グアテマラ検証団(MINUGUA;United Nations Verification Mission in Guatemala)に関する報告で事務総長は、1999年が1997年の和平協定に署名した現政権の最後の年となり、今月下旬に予定されている総選挙で、政府、議会、地方自治体に変化が起きると言及した。

事務総長、ニカラグア-ホンジュラス間の緊張緩和を要請

 アナン事務総長は、ニカラグアとホンジュラスの両国へ緊張緩和の措置を講ずるよう要請した。ホンジュラスとコロンビアが歩み寄ったことから、ニカラグアとホンジュラスの両国関係が悪化している。事務総長のスポークスマンは、国連には「両国が必要と判断した場合、いかなる支援でも」提供する用意があると語った。

国際障害者デー:国連が「障害者の機会平等」を主張

 国連は、障害者が平等な機会を享受できるようにすることに焦点をあて、人類が直面している重要な課題へ注意を喚起するための国際会議を開催した。
 アナン事務総長は、50億を超える世界の人々へ向けた国際障害者デー(12月3日)の記念メッセージで、ここで言う機会とは、障害者を寄せ付けないような教育や職業、また社会活動の機会のことを意味すると述べた。また同氏は、真の平等な権利と労りの社会建設を各国へ促しながら、「障害者の市民権、参政権、社会的権利、文化的権利の確保が鍵である」、「全人類の平等という原則を打ち立てる意味から、これが国 連の大きな関心事である」と語った。
 さらに同氏は、コンピューターによる通信や教育が普及するに連れ、特殊なニーズを考慮する必要があるとし、さもなければ、技術革命とは言っても、多くの有能な人材にとっては無意味であり、障害者による世界への貢献も失われてしまうと強調した。
 国連総会のTheo-Ben Gurirab議長もまた、障害を持った人々の実質的な開発のニーズについて、国際社会は関心を高め、理解を広げていくことに焦点をあて、努力を結集して行くべきだと語った。
 一方、世界保健機関(WHO)のGro Harlem Brundtland事務局長lは、国連諸機関にとって、障害者のための普遍的なアジェンダを決め、実行していくことが不可欠であるとし、「リハビリテーションと機会の平等化による予防措置とリンクさせ、国家レベルと国際レベルの両面でさらに包括的な努力が必要である」と語った。
 この問題に取り組む上で国際社会が直面している課題は、UN Office of the Co-ordinator for Afghanistan(仮訳:国連アフガニスタン調整官事務所)がリリースした最新データに赤裸々に集約されている。その報告によると、20年におよぶ紛争の末、その戦闘、地雷、小児麻痺、さらに基本的な医療の欠如により、アフガニスタンでおよそ80万人が障害を負っている。その障害者のおよそ半分は、目や耳などの感覚機能に障害を持っており、複数の感覚機能障害を持つ人もいる。
 2日よりパキスタンで開催された展示のオープニング式典には、アフガニスタンの障害者らも出席した。この展示では障害者のリハビリテーションのための取り組みに重点を置いており、国連スタッフらは、アフガニスタンで身体障害の主な原因となっている地雷の使用と備蓄を止めるよう訴えた。

UNHCR、チェチェン支援活動を強化

 チェチェンへの援助活動の強化を狙う国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、イングーシへ2度目の援助物資の搬送を行ったと明らかにした。今回の活動では、15台のトラックで210トンの食糧と200台のストーブを輸送した。

レソト与野党、総選挙に向け合意

 レソト政府と一連の野党は、5月の選挙結果で論争を巻き起こしていたが、新たに総選挙の準備を進めることで合意に達した。この交渉で、国連は技術面とロジスティクスの面で支援を提供した。

UNHCR他、コソボ向けに大がかりな支援

 国連諸機関は、冬用の住居や食糧などコソボ向けの大がかりな支援を行った。UNHCRは居住提供パートナーであるECHOとUSAIDとともに、およそ35万人が収容できる冬用の居住施設を搬送した。

今日の一言

 今回はとくに国際障害者デーの記事を長く翻訳しました。最近、世界的なミュージシャンのスティービー・ワンダーが、視力回復のため眼に半導体を埋め込む手術を受ける予定だというニュースを読み、科学技術の進歩に感心しました。彼自身が光を取り戻すことはもとより、障害を持つ多くの人々に希望を与える意味でも、手術の成功を祈りたいと思います。

 話は変わりますが、自称「日本人のスティービー・ワンダー」こと私の大先輩(本人の承諾を得ておりませんのでY氏とします)が、現在、タイに行っています。Y氏は全盲のピアニストで、多くの人が氏に親しみを感じ、目となり、手となり、足になりたいと思うほど厚い人望を集めている方です。また1人でどこにでも行き、周囲に全くハンディキャップを感じさせず、この人の言動やバイタリティにどれほどの人が励まされていることかはかりしれません。
 で、そのY氏が何故にタイへ行っているかと言いますと、ある方の提案により、東南アジアの障害を持つ人たちを激励するコンサートツアーをするためだということです。Y氏が帰国しましたら、SUNで土産話でも紹介したいと思います。

12月6日(月曜日) 文責:渡辺

アナン事務総長、「アフリカエイズ対策に失敗は許されない」と発言

 アナン事務総長は、国連本部で開催された「アフリカのエイズ禍に対する国際パートナーシップ」と題された会議の冒頭で演説。「これまでの我々のエイズ対策は失敗に終わっているが、これからは、失敗は許されないとの決意で参りたい」と発言。

ルワンダ国際刑事裁判所、フツ族民兵指導者を終身刑

 ルワンダ国際刑事裁判所は、フツ族の民兵指導者、Georges Anderson を1994年の大量殺戮を組織し加担した罪状で終身刑の有罪判決を下した。

OSCE、コソボの人権侵害報告書を発表

 欧州安保協力機構(OSCE: Organizatio for Security and Cooperation in Europe)が、コソボの人権侵害を克明に扱った二件の人権報告書を発表。
 最初の報告書は、"Kosovo/Kosova - As Seen, As Told" とのタイトルで、1998年12月から1999年6月までの期間を対象とし、ユーゴスラビアならびにセルビア軍は、著しい人権侵害と武力紛争の関連法違反を犯したと結論している。この際の被害者は、ほとんどがアルバニア系住民となっている。
 続編の"As Seen, As Told, PartII "は、1999年6月14日〜10月31日の期間を報告し、セルビア系住民と彼等を支援した他の少数民族に対する人権侵害を詳細に記している。

西チモール難民キャンプへ国連医療団を派遣

 UNHCRは、インドネシア政府、WHOなどと協力し41名で編成された医療団を西チモールの Tua Pukan 難民キャンプへ派遣した。現地の報告によると9月から170名が死亡、11月22日〜12月1日までには、死者が続出し計35名の死者のうち大多数が5歳未満の子どもであった。

アフガンOCHA、戦禍の前線へ支援物資供給

 アフガンの人道問題調整局(OCHA:Office for the Coordination of Humanitarian Affairs) によると、70トン人道支援物資を積載したコンボイが、カブールから前線を越えて6万5千人の避難民のいるパンジシ ール峡谷へ向かった。

クシュネルUNMIK代表、コソボの地域を訪問

 クシュネルUNMIK代表は、本日から地域の住民、UNMIK職員、地方自治体評議員ならびに行政官らに会うために各地への訪問を開始。初日の今日は、 Glogovc と Skenderaj を訪問し、900万ドルをかけた越冬対策復興事業を併せて見学した。
 数千の村民達は、日本とフランス政府の財政支援を受け、家屋再建資材を購入している。Glogovc では、420の家屋が改修完了または、その途中であり、Skenderajでは、419の家屋が完成またはそれに近い状態とされている。

WFP、コンゴ民主共和国避難民への配給増加を報告

 世界食糧機関、コンゴ民主共和国援助物資配給がより多くの紛争避難民に届くようになりつつあると報告。各援助機関は、同国主要都市センターから配給作業をおこなっている。
 しかしながら、最近の調査報告によると内陸部から動きが取れない多数の人々は、依然として人道支援物資の届かないところにいるとしている。

WHOは、eflornithine の製造・販売ライセンス契約に署名

 世界保健機関は、アフリカ眠り病(African Sleeping Sickness/trypanosomiasis の一種)の治療薬 eflornithine の製造・配給ライセンス契約を Hoechst Marion Roussel Inc. と結んだ。これによってWHOとそのパートナーによる同治療薬の製造・配給が可能になる。

ニカラグア外相、ホンジュラスとの境界紛争で書簡提出

 ニカラグア外相は、ホンジュラスとの海上境界紛争に関する書簡を国連に提出。国連は、先週3日にこれを受理した。書簡の中で外相は、国連監視員の派遣を要請している。

「今日の一言」

 最後から二つ目の記事で Sleeping Sickness が出てきています。これは、眠り病、睡眠病、嗜眠性脳炎などともいわれてているようです。西・中部アフリカにみられるトリパノソーマによる病気。ツェツェバエが媒介で、神経症状,嗜眠(しみん),昏睡状態におちいりほっておくと最終的には死にまでいたるそうです。

12月7日(火曜日) 文責:山本

シエラレオネで継続する暴力

 アナン事務総長は国連シオラレオネミッション(UNAMSIL;the United Nations Mission in Sierra Leone)の活動に関する報告書を提出、和平合意の履行に関しては若干の進歩が見られるものの、人権の蹂躙や暴力は依然として続いていると報告した。内戦状態は終焉したと見られるが、人道援助要員を狙った襲撃などは続いており、きわめて深刻な懸念を表明した。

チェチェン紛争で緒方難民高等弁務官が懸念を表明

 緒方国連難民高等弁務官は、包囲されているチェチェンの首都・グロズヌイ市民の状況に関し、改めて懸念を表明した。
 ロシアの Sergei Shoigu 緊急事態対策相は緒方弁務官と電話会談し、「ロシアは、北部コーカサス地方への援助活動要員の安全を確保する手段を講じている」と語ったという。チェチェンからは9月の紛争勃発以来、約23万人が難民として近隣諸国に流出している。

MINURSOの委任期間を2000年2月29日まで延長

 アナン事務総長は国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO;the UN Mission for the Referendum in Western Sahara)の委任期限を2000年2月29日まで延長することを推奨した。これは住民投票のための有権者登録作業の期間を延長するためである。
 住民投票に関しては賛成派と反対派が互いに活動しており、2002年以前の投票実現の可能性は薄いと見られている。なお、この住民投票は、西サハラ地域が独立するかモロッコに併合されるかを決定するためのものである。

総会は盗難文化財の返還を要求する決議を討議中

 国連総会では、盗難された文化財をもとあった国に返還することを要求する決議案(draft resolution)が討議されている。
 討議に先立ち、Theo-Ben Gurirab 総会議長は、「何世紀にもわたって他の大陸へと不法に輸出されてきた、貴重なアフリカの芸術品や偶像、文化的宝物は故郷へ帰るべき時が来た」と語った。この決議案は、ユネスコ(UNESCO;the UN Educational, Scientific and Cultural Organization)の不法入手文化財の原有国への返還に関する政府間委員会(仮訳;Intergovernmental Committee for Promoting the Return of Cultural Property to its Countries of Origin or its Restitution in Case of Illicit Appropriation)の活動によるもの。

UNHCRは西チモールの難民キャンプの状況を憂慮

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR;the United Nations High Commissioner for Refugees)の報告によると、西チモールの Tua Pukan 難民キャンプで4名以上の子どもが死亡し、9月以降で病気が原因で死亡した難民の数は174名となった。雨季に入るとともにこの地方の難民キャンプの衛生環境の悪化が想定され、被害が広がる危険性があるが、治安上の問題でそれらのキャンプにアクセスできないとUNHCRは警告している。東チモールへの難民の帰還も遅々として進んでいない。

エイズ国際会議でアフリカとのパートナーシップ強化を確認

 国連本部で開催されていた「アフリカにおけるエイズに対する国際パートナーシップ」(the International Partnership against HIV/AIDS in Africa)会議の席上、 Louise Frechette 事務次長は、アフリカにおけるエイズ蔓延に対抗するため、すべての関係者の参加を呼びかけた。

ポリオ対策活動に大きな後援

 世界保健機構(WHO;The World Health Organization)とユニセフ(UNICEF)とロータリー・インターナショナルは共同でポリオ撲滅運動に取り組んでいるが、来年末までの活動について大きな財政援助を受け取ることを決定した。
 ビル・メリンダ・ゲイツ財団同活動に対して合わせて5000万ドル〜4億ドルの援助を、国連財団(Ted Turner 氏が創設)は2800万ドルの援助を行うと発表。展開中のポリオ撲滅運動により、10年前では年間35万人がポリオで亡くなっていたが、1998年で6000人にまで死亡者を抑えることができたと報告されている。

UNHCRがコロンビアに事務所開設

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、コロンビア国内で増加している避難民への政府の援助を支援するために同国内に事務所を開設した。過去4年間で同国内には80万人の国内避難民が出ており、今年の前半だけでも12万3000人が新たに避難してると見積もられている。

「今日の一言」

 京阪神地域以外の方にどれだけ認知度があるのかわからないのですが、12月13日〜26日、「神戸ルミナリエ」が開催されます。
 「神戸ルミナリエ」は、阪神・淡路大震災の犠牲者へのレクイエムであるとともに、神戸復興への希望の「光」として、1995年12月に初めて開催されました。神戸の旧外国人居留地とそこへ至る道を電飾で埋め尽くした風景は非常に幻想的で、感動的です。
 私も以前、その時期に仕事で神戸へ通っていた時期があり、見たことがあるのですが、「光景」とはこのような状態を表すための言葉に違いないと思えるくらい、荘厳で魅惑的です。
 当然ながら、ルミナリエ点灯時は街のあかりは基本的に消されます。
 暗闇の中に灯る光は、どこか、人間をほっとさせるところがあるような気がします。
 もし、神戸に足を運べるようでしたら、一度ご覧になってください。
 そして、震災の被害者への冥福と、神戸の復興を祈って下さい。
 そして、今年、あまりにも多かった世界各地での震災地の復興に思いを馳せて下さい。

 いつかきっと彼らにも「光」が見えますように、と。

12月8日(水曜日) 文責:山本

事務総長がロシア外相と電話会談

 アナン事務総長は8日、Igor Ivanov ロシア外相とチェチェン問題について「長時間にわたる率直な("long and frank")」電話会談を行い、非戦闘員や援助要員の保護、人道援助の拡大について語り合った。

「国連は市民社会とともに活動する」と事務総長

 アナン事務総長は8日、モントリオールで開催された「世界市民社会会議」(仮訳;World Civil Society Conference)で演説し、「国連と市民社会は、グローバリゼーションを管理し、その恩恵を可能な限り多くに還元するための創造的で建設的な方法を模索するという課題に直面している」と語り、「グローバリゼーションは『人間の顔』をしたものでなければならない。」と述べた。

事務総長、キプロス交渉で情報の一方的開示を控えるよう要請

 国連本部で継続しているキプロスの紛争当事者間の交渉内容について、一方からの声明が7日付の Cypriot Press に掲載されたことに対し、アナン事務総長は双方に交渉に関する声明を公表しないことを要請した。
 この交渉は当事者の直接交渉ではなく、国連の仲介により間接的に行われているため一方からの声明は全体を正確に反映していない。

事務総長はアフリカのさらなる開発への行動を要請

 アナン事務総長は8日、総会で演説し、アフリカの開発において国連と国際社会が直面している課題を討議する作業部会の設置を要請した。

50周年を迎えたUNRWA

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA;the UN Relief and Works Agency for Palestina refugees in the Near East)は1949年の創設から50周年を迎えた。 UNRWAは、1948年に勃発したアラブ・イスラエル紛争(第一次中東戦争)のために発生した約75万人の難民を援助するため設置された。(現在の難民数は約360万人。)
 国連の人道援助の活動の中では最も長期間にわたるプロジェクトで、保健・教育などの 社会サービスを提供している。

東チモールの将来を検討する国民諮問評議会の設置を発表

 国連東チモール暫定統治機構(UNTEAT;The UN Transitional Administration in East Timor)の Sergio Vieira de Mello 代表は8日、ノーベル平和賞受賞者でもある Jose Ramos Horta 氏と東チモール各地を訪問した。その道中で、東チモールの将来を検討する国民諮問評議会(仮訳;Nation Consultative Council)の設置し、今週の土曜日に初会合を開催すると発表した。

旧ユーゴスラビア人道問題検討作業部会が開催

 旧ユーゴスラビア人道問題検討作業部会(仮訳;the Humanitarian Issues working Group on the former Yugosrabia)が8日ジュネーブで開催された。席上、緒方難民高等弁務官は「法の支配を強化し、個人や団体の権利を守る政治機関を支援し、財産の再所有への障害を取り除き、社会経済的な機会の地平を拡大しなければならない」と述べた。

ルワンダ国際刑事裁判所の主任検察官、被疑者の釈放決定に異議

 ルワンダ国際刑事裁判所の Carla Del Ponte 主任検察官は、虐殺と人道に対する罪で告訴されていた Jean-Bosco Barayagwiza 氏の釈放決定に対し、見直しを要求したいと述べた。

 (訳注;12月2日分に同じことを説明している記事があるんですが。。。)

中央アフリカ共和国、常設国際刑事裁判所規程に署名

 中央アフリカ共和国は国際刑事裁判所(ICC;the International Criminal Court)の準備委員会の会合で常設国際刑事裁判所設立条約(ローマ規程)に署名した。これで署名国は91カ国となった。
 なお、同規程の発効には、60カ国の批准が必要であるが、現時点ではセネガル・トリニダードトバゴ・サンマリノ・イタリア・フィジーのみ。

「今日の一言」

 3つ目の記事を訳していて、最初は意味がよくわからなかったのですが、卑近な例で言いますと、タレント同士が、スポーツ新聞や週刊誌に「相手がこう言った」と書かれていることのみを根拠に喧嘩状態になるようなことを避けたいということではないかと思います。
 つまり、当事者同士は直接話をしていないのだから、根本的には仲介に立つ人の言葉を信用して交渉している。そこに仲介者以外からの情報が入ってくると、情報が正確でなかったり、意図とは違う伝わり方をしたりすることで、仲介者や一方の当事者への不信感をつのらせ、交渉自体を無駄にさせる危険があるからでしょう。
 が、なぜ直接交渉していないのか、までは記事からは読み取れません。状況がわかり次第、また報告させていただきます。

 
12月9日(木曜日) 文責:阿部

国連総会がテロリズムに対する資金提供を禁止する新条約を採択

 国連総会は、テロリズムに対する資金提供を犯罪とする新しい条約「テロリズムに対する資金提供の禁止のための国際条約(仮訳)」(the International Convention for the Suppression of the Financing of Terrorism)を無投票で採択。同条約は、来年1月10日から署名が開始され、22ヶ国が批准した段階で発効。

アナン事務総長がイスラエルとシリアの交渉再開を歓迎

 アナン事務総長は、イスラエルとシリアが、来週にもワシントンで高級会合を開き交渉を再開することに合意したことについて、「この合意は、中東の包括和平に向けた新たな希望となるもの」と歓迎の意を表明。

ニカラグアがホンジュラスを国際司法裁判所に提訴

 ニカラグアは、ホンジュラスを相手取り、両国間の海上境界線をめぐる紛争について国際司法裁判所(ICJ:International Court of Justice)に提訴。

武力紛争における市民の保護に関する安保理非公式作業部会が初会合

 武力紛争における市民の保護に関する安保理非公式作業部会が初会合。この作業部会は、事務総長が9月に安保理に提出した報告書において行った広範な勧告について再検討するため設置されたもの。

アナン事務総長がコロンビアに対する国際支援に関する事務総長特別顧問を任命

 アナン事務総長は、ノルウェーのJan Egelandをコロンビアに対する国際支援に関する事務総長特別顧問(Special Adviser of the Secretary-General on International Assistance to Colombia)に任命。

旧ユーゴ国際刑事裁判所がドイツ法医学専門家チームから証拠等を受領

 旧ユーゴ国際刑事裁判所(the UN International Criminal Tribunal for the former Yugoslavia)は、ドイツ人の法医学専門家チームが過去6ヶ月にわたり、コソボで集めた証拠および報告書を受領。ドイツを服務14ヶ国が同裁判所のコソボ調査に協力するため法医学専門家チームを派遣している。

国連環境計画がギニアへの難民流入の影響評価報告を提出

 国連環境計画(UNEP:the UN Environment Programme)は、ギニアに流入した難民が環境に及ぼす影響を評価すべく、同国で2週間にわたって行ってきた調査を終了し、近く、調査報告を事務総長に提出する予定。国連難民高等弁務官事務所によれば、ギニアは、アフリカにおいて最大の難民受入国で、現在、主にシエラレオネとリベリアから約45万人の難民が流入している。

髄膜炎統制ののためのワクチン提供に関する国際調整グループの会合が終了

 2日間にわたり世界保健機構(WHO)本部で開催されていた「髄膜炎統制ののためのワクチン提供に関する国際調整グループ(ICG:the International Coordinating Group on Vaccine Provision for Epidemic Meningitis Control)」の第5回会合が終了。

12月10日(金曜日) 文責:Yoshi

今世紀最後の人権デー:国連トップら、新たな人権への取り組みを提唱

 国連のトップらは、今年の人権デー(12月10日)の象徴的な意義を鑑み、人権を次の世紀における全人類の根本とする新たな努力を訴えた。
 国連総会のテオベン・グリラブ議長(ナミビア大使)は記念メッセージで、「全世界で普遍的な人権の文化を広めることで顕著な前進を成し遂げた」とし、あらゆるレベルでの人権活動を誉め讃え、人権の希求は長く国連活動の中心的課題であったと強調した。また同氏は、「国連は、経済的、社会的および文化的権利と、市民権、参政権の相互関係や隠れた関係性に着目している」、「開発の権利、平和への権利、また、きれいな飲料水や安全な環境を確保する権利は、すべて、完全に束縛されない基本的自由として謳われてきた」と述べている。
 一方、コフィ・アナン事務総長は、今世紀における最大の犯罪と血生臭い戦争の根元には、民族至上主義、差別、固陋、不寛容があると強調し、あらゆる形での人種差別を撤廃する新たな努力を呼びかけた。また同氏は、「ルワンダ、ボスニア、コソボと、過去10年の傷跡は、人種差別が如何に人間性を破壊するか如実に物語っている。この人権デーにあたり、全ての人種や民族が平和共存できる多様な文化世界の理想に向けて再び取り組んでいきましょう」と訴えた。
 事務総長は別の声明でさらに、和平交渉で事務総長の特使や代表が使用した一連の人権のガイドラインを「人権が主流になる方向で大きな前進」であると強調した。このガイドラインは、一方では、緊急課題としての停戦について、また他方では、制裁措置として人権を制限する必要性について、対局にある両者の関係を謳っている。事務総長はこのガイドラインについて、恒久平和の基礎を築く法律や手法に従って、国連が対立する当事者間の合意を促すための有用なツールであると語った。
 また、メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官は、過去50年で大きな前進を示してきたきた包括的な人権やスタンダードを国際社会は励みとすることができるが、「全人類の人権」という目標にはまだ歩みは遅々としているとし、「希望と決意を持って新世紀に望むべきだと確信する」と語った。
 さらに、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎 事務局長は、教育や情報の分野で直面する人権保護の課題について語り、「21世紀は、人権、基本的自由、人類の絶対的尊厳を十分に理解し尊重する良い教育を受けた次世代の手中にあることを確実なものとするために、私たちは持てる全ての力を使うべきである」と強調した。

人権高等弁務官、人種差別反対会議へのプロモーションキャンペーンを開始

 メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官は、2001年7月に南アフリカで予定されている「the World Conference against Racism(仮訳:世界人種差別反対会議)」への関心を喚起するため、7名の親善大使を任命した。
 任命された親善大使は、ノーベル賞受賞者のWole Soyinka氏(ナイジェリア)とSeamus Heaney氏(アイルランド)、俳優でありミュージシャンのRuben Blades氏(パナマ)、作家のTahar Ben Jelloun氏(モロッコ)、シターリストのRavi Shankar氏(インド)、アイスランド元大統領のVigdis Finnbogadottir氏、子どもの権利の擁護者であるMarian Wright Edelman(米国)の7名。
 同人権高等弁務官は、「どの社会にも、少なからず人種や宗教の違いについて非寛容な人たちがおり、その非寛容さが暴力の拡大につながる」、世界会議の重要性は「21世紀の人種差別に対する闘争に新たなビジョンを形成することにある」とした。

「女性差別撤廃条約」選択議定書への署名開始

 女性が国連の女性差別撤廃委員会へ性的差別の訴えを起こせるようにする「女性に対するあらゆる形態の形態の差別の撤廃に関する条約(CEDAW;the Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women)」の選択議定書の署名式に十数カ国が参加した。国連総会はこの議定書を10月に承認したが、その署名は12月10日の人権デーから実施することに決め ていた。
 アナン事務総長は、この議定書の最大の価値は性的差別の訴えへの各国の対処方法に影響し得ることであり、「この選択議定書により、条約で守られた女性の権利について、その侵害行為の阻止と是正に各国政府が密接に取り組むようになると確信する」と語った。
 CEDAWには現在165カ国が加盟しており、選択議定書は10カ国以上の批准から3カ月後に発効される。

ILOの新報告:エイズの蔓延がアフリカの労働人口に打撃

 国際労働機関(ILO)がリリースした新報告「Action against HIV/AIDS in Africa: An Initiative in the Context of the World of Work(仮訳:アフリカにおけるエイズ対策:労働力を背景とするイニシアチブ)」によると、アフリカでエイズの蔓延により働き盛りの多くの人びとが死亡しており、「社会的、経済的発展の最も大きな障害」になる危険性があるという。

日本、アンゴラ緊急活動に380万ドルを寄付

 世界食糧計画(WFP)は、アンゴラでの緊急活動に対し日本から380万ドルの支援を受け入れたと発表した。WFPではその資金を、トウモロコシの実、豆、塩の購入に充て、アンゴラでも特に危機に瀕した地域へ早急に送る方針。

今日の一言

 今回は人権デーにあたり、その関連記事を特に取り上げました。

 それとは全く関係がないんですが、12月10日付けのウォールストリートジャーナルに、インターネットによる経済活動の効率化で温室効果ガスの排出量が抑制されるという記事が載っていました。
 例えば、オンライン上で商品を販売する場合、在庫の保管に店舗ではなく倉庫を利用するためスペースが節約でき、敷地面積あたりのエネルギー消費量が抑えられ、また、個々の消費者が小売店へ赴くよりも飛行機やトラックによる配送の方が燃料を節約できるということです。
 さらに、電子商取引の発展から自宅のパソコンで仕事をするテレコミューターが増加し、社員の通勤やオフィスビルの建設にかかるエネルギーも抑制できます。その結果、現在の予測よりも、米国における温室効果ガス放出量の伸びは5%ほど少なくなり、また、米国経済全体の伸びも大きくなるそうです。

12月13日(月曜日) 文責:渡辺

2000年世界子ども白書、リーダーシップの欠如を指摘

 ユニセフは、2000年世界子ども白書を発行。同白書によると1990年初頭、世界各国の政府が子ども達に約束した壮大な目標は未だ現実化しておらず、その最大の理由は、リーダーシップの欠如によるとしている。
 ベルリンの同白書発行記念式典で挨拶立ったベラミーユニセフ事務局長は、「リーダーシップの空白」が武力紛争における子どもと女性の犠牲を無残にも許し、エイズをアフリカで死因第一位に押し上げ、最貧国への開発支援の「悲惨な自由落下」ともいえる減少を見過ごさせてしまう結果に導いたと述べた。

 世界子ども白書関連リンクは、http://www.unicef.org/sowc00/

安保理、UNITA指導者アンゴラ危機の元凶として非難

 安保理メンバーは、1994年のルサカ和平合意を遵守しないUNITA (the National Union for the Total Independence of Angola)の指導者を現在のアンゴラ危機を招いた元凶として非難。即刻、無条件で同合意に従うことを要求した。
 また、安保理は、国連アンゴラ事務所(UNOA:UN Office in Angola) の早急な設置が重要とし、アナン事務総長にアンゴラ政府との調整を完了するよう勧奨した。

アナン事務総長、国連中央アフリカ共和国平和建設事務所の設置を提案

 アナン事務総長は、安保理議長に宛てた書簡で、国連中央アフリカ共和国平和建設事務所(BONUCA: UN Peace-Building Support Office in the Central African Republic) の設置を提案。
 明年2月15日に、国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)が撤退した後に駐留し、同国政府を

などで支援する。

クシュネルUNMIK代表、コソボの法と秩序の強化策を発表

 クシュネル UNMIK代表は、コソボの法と秩序の強化策を発表。同氏によると、現在、コソボの法律家が欧州議会の支援を得て、新刑法を起草しており、コソボにおいては、UNMIKの法令が第一に適用される。
 UNMIK によって任命を受けた48人の判事等は、セルビア法での裁判を拒否しているため、新刑法の次にはユーゴがコソボの自治権の剥奪する以前の法律が適用される。
 また、これから数日間に 400名の判事・検事を任命する予定のほか、全ての地方自治体裁判所も修繕される、 UNMIKの警察機構とKFORが共同で治安作業を改良・拡大していく。

UNMIK 発足より6ヶ月、プリシュティナで業績を記念

 UNMIKが発足より6ヶ月を迎え、フレシェット副事務総長やクシュネルUNMIK代表がプリシュティナでその業績をたたえ記者会見。クシュネル代表のスピーチ全文は、http://www.un.org/peace/kosovo/pages/kouch_status.htm

ビエラ・デ・メロUNTEAT代表インドネシア首脳と会談

 ビエラ・デ・メロ国連東チモール暫定統治機構(UNTEAT:UN Transitional Administration in East Timor)代表は、ワヒド大統領 、同国外相、防衛大臣、中央銀行総裁等インドネシア首脳とジャカルタで会談。

ICJ、ボツワナ・ナミビアの領有権問題に判決

 国際司法裁判所は、ボツワナが領有権を争っていたKasikili島(ナミビア名:Sedudu島)を11対4で「ボツワナ共和国領土の一部を構成する」との判決を下した。

国連総会、故クロアチア大統領に追悼の意を表明

 国連総会議長およびアナン事務総長は、先週土曜に77歳で亡くなったクロアチア大統領、Franjo Tudjman 氏へ追悼の意を表明。

アナン事務総長、国連とユダヤ人社会の協力を要請

 アナン事務総長は、アメリカユダヤ人委員会 (American Jewish Committee)主催の晩餐会に出席、国連総会がシオニズム(Zionism)を人種差別と同意と見なした決議撤回などの例を引きながら、国連とユダヤ人社会の更なる協力を訴えた。

WHO、国連財団の寄付金を子どもと青年の活動にすると発表

 WHOは、テッド・タナー氏設立の国連財団(UN Foundation)の1640万ドルの寄付金を子どもと青年に対する活動拡大の為に利用する計画を発表。

「今日の一言」

 二ヶ月ほど前でしょうか、アメリカユダヤ人委員会がニューヨーク・タイムズの1ページ全体を使って広告を出していました。「国連加盟国全ての中で、一国だけ安保理に参加できない国がある、さてその国は?」との問い。答えは、当然イスラエルで、理由は、同国が5つあるどの地 域グループ(Five Reginal Groups)に属さないから。
 安保理のメンバーに選ばれるためには、この地域グループのひとつに属する必要があるのですが、イスラエルは、現在まで同国の意志に反して所属出来ずにいます。

 元来、イスラエルはアジア地域に属するのですがイラク、イラン、サウジアラビアがイスラエルの参入を拒んでおり、暫定的に西欧・その他の地域(WEOG:the West European and Others Group) に参加しようと試み、米国、オーストラリア、カナダ、ノルウエーの賛同を得たのですが、欧州諸国の賛成を取り付けられず立ち往生状態のようです。
 アナン事務総長は、イスラエルに対する各国の妨害を止めるようAJCの晩餐会でも地域グループ入りを前向きに検討すると述べています。

 ACJのホームページは、http://www.ajc.org です。

12月14日(火曜日) 文責:山本

事務総長が今年最後の記者会見

 アナン事務総長は14日、今年最後の記者会見を国連本部で行った。
(会見の記録は http://www.un.org/News/ossg/hilites.htm

 会見の席上、事務総長は「問題は山積しているけれども、世界は挑戦と集団的行動でとりくむ必要性への理解を示しつつある」と語った。またコソボ・東チモールの状況を概観し、国連に予想もしていなかった新しい責任が加わったと表明。その他、中東・イラク・アフリカに関する援助に関する話題にも触れた。また、事務総長によって示された「人道的介入(humanitarian intervention)」の概念についての質問に、「国連の内外でさらに議論が続いてほしい」と答えた。

キプロス間接交渉が休会

 国連本部で約2週間にわたって続けられてきたキプロスに関する間接交渉が14日ひとまず休会となった。新年早々に再開することが期待されている。まだ双方は直接交渉には慎重な姿勢であるが、悲観してはいないと事務総長は語った。
 安全保障理事会では、15日、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP;UN Peacekeeping Force in Cyprus)への活動委任期間を延長する決議を討議する予定である。

東チモールの状態改善で難民帰還の速度が速まる観測

 アナン事務総長は記者会見の中で東チモール問題に触れ、状態の改善により西チモールのキャンプに避難している難民が平和かつ安全に帰還できるようになる希望を表明した。

MINURSOの委任期間を2000年2月末まで延長

 安全保障理事会は14日、西サハラ地域の情勢に関して討議し、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO ; UN Mission for a Referendum in Western Sahara)への活動委任期限を2000年2月29日まで延長する決議を賛成14、棄権1(ナミビア)採択した。

旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所でセルビア人被告に判決

 旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所は14日、 Goran Jelesic 被告に禁固40年の判決を言い渡した。Jelesic 被告は虐殺に関与したとされる。

アフガニスタンに援助物資を輸送

 国連アフガニスタン調整官事務所は14日、人道援助物資輸送に関して報告し、Shomali 渓谷地方から Panjshir に避難している避難民に対し、世界食糧計画(WFP;World Food Programme)の提供による食糧等750トンを支給した。まだ7000〜8000家族が避難していると推定されている。

援助物資が北部コーカサス地方に

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR;UN High Commissioner for Refugees)の発表によると、北部コーカサス地方の Ingushetia に19台のトラックが入り285トンの食糧が届けられた。 Ingushetia にはチェチェンから24,6219人が避難していることが確認されている。

UNMIBHは警察官の配置を拡充する予定

 国連ボスニア=ヘルツェゴビナミッション(UNMIBH;UN Mission in Bosnia and Herzegovina)は14日、治安確保のために警察官の共同配置拡充計画を発表し、Srebrenica 近郊のボスニア人街をこの計画の対称地域に指定した。

UNHCRはリベリア難民を祖国へ移送

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、シエラレオネに避難しているリベリア人難民のうち、祖国に帰還する希望を表明している213名を移送した。1997年からUNHCRの援助により34〜48万人が帰還したと見積もられている。

アカデミー賞女優 Susan Sarandon がユニセフ特別代表に

 ユニセフはアカデミー賞受賞女優の Susan Sarandon 氏を特別代表に任命した。

「今日の一言」

 最初の記事の「人道的介入(humanitarian intervention)」の概念とは、今年の9月20日に事務総長が行った総会の一般演説で行った基調講演での発言を指しています。この事務総長演説は、国家主権と内政不干渉の原則を踏みにじるものである、と反対意見が総会で表明されるなど、物議をかもしだしました。
 しかしながら、最近の国際的な動向からすると、やや国家主権を制限してでも、一定の条件のもとに、国内問題に介入するという流れになってきているように感じます。逆に、たとえば隣の国に人権を蹂躙されている人がいるなら、ほうっておくほうが問題だという意識が徐々に定着しつつあるのではないでしょうか。

 ノーベル平和賞受賞者のエリ・ヴィーゼルはこう言います。

 暗殺者や拷問者や死神を放置することは、彼らの法に従うこと、彼らの共犯者となることだ。人間に非人間的な部分があるとすれば、それは残酷さを嗜好することではなく、自分に関係ないと思うことに、かかわらないことを選択することにある。

 介入の反対とは何か。それは無関心である。

(エリ・ヴィーゼル編;『介入? 人間の権利と国家の論理』;藤原書店)

と。

12月15日(水曜日) 文責:山本

安保理でアフリカの紛争解決への現実的な方法を模索する討議

 安全保障理事会で15日終日、アフリカにおける紛争解決のための実質的方法に関する集中的討議を行った。討議は50カ国以上の参加のもとに行われ、修辞ではなく実際の行動の必要性を確認した。

アルバニア系政党代表が協定に調印

 コソボのアルバニア人政党の代表3人が、来年実施予定の選挙まで、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK;UNInterim Administration Mission in Kosovo)に協力する協定に署名した。この協定ではコソボ=UNMIK合同統治機構(仮訳;JIAS ; Kosovo-UNMIK Joint Administrative Structure)の創設を謳っている。

ルワンダ関連の国連の活動に関する調査パネルが報告書提出

 1994年に起こったルワンダでの虐殺にたいする国連の活動に関する調査パネルが報告書を提出した。

東アフリカの食糧供給状況に赤信号

 国連食糧農業機関(FAO ; Food and Agricultural Organization)は、サブサハラと呼ばれる東部アフリカ地域の食糧事情に関して、「極めて深刻な事態」と報告。

UNFICYPの委任期間延長

 安全保障理事会は15日、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP;UN Peacekeeping Force in Cyprus)への活動委任期間を6か月延長し、2000年6月15日までとする決議を全会一致で採択した。UNFICYPはキプロス島におけるギリシャ勢力とトルコ勢力との間の停戦監視と緩衝地帯の維持を任務として1974年に開始された。

2000年問題にむけて世界的な協力を

 総会はすべての国に、コンピュータの2000年問題に対して迅速かつ効果的な対処と協力をアピールする決議を投票なしで採択した。

世界銀行が東チモール再建にかかる費用を試算

 東京で開催予定の資金調達会議を前に、世界銀行(World Bank)が、東チモールの再建に必要な資金を試算、公開した。発表によると、緊急的な人道援助に8,600万ドル、開発・再建に1,500万ドル等、今後3年間で3億ドルの資金が必要としている。

東チモールのメディアインフラ再建計画を発表

 破壊された東チモールのメディアインフラ再建について討議する会議において、新しいメディアの構築の枠組みの開発・ラジオインフラの再建・ジャーナリスト養成の3本柱の計画を発表した。この会議はユネスコが計画、東南アジア報道同盟(Southeast Asian Press Alliance)主催したもので、13日・14日にわたって開催された。

国連本部ビルでミレニアム・ライトアップ

 新しいミレニアム(千年紀)の先駆けとして、来る27・28の両日、ニューヨークの国連本部ビルで“UN 2000”と見えるようにライトアップされると発表。この模様は28日、国連のウェブサイトでも公開される予定。

「今日の一言」

 「千年虫」

 これ、何だと思いますか? ちなみに英語では Millennium Bug と言います。そうです、「2000年問題」の中国語表記です。職場で隣の席に四川省出身の中国の方がいますので、こういう妙な中国語の知識を断片的に持ってます。私の職場でも、大騒ぎということはないですが、2000年問題に向けた処置と対策をとっている最中です。精密実験機器・連続運転しなければならない機器などを所有している部署はかなり忙しそうに対応してます。
 そういう人たちを横目に、私は17日〜19日は北海道にいます。
 ちなみにキロロで滑ってます。

んー、しかし会社全体のサーバ管理者もいっしょにスキーに行くんだけどこの時期にこんなことしてて、大丈夫なんだろうか? (?o?)

 というわけで、この週末、札幌はススキノで国連のデイリーハイライトを翻訳している男がいたら、それは私です。(爆)

12月16日(木曜日) 文責:阿部

ルワンダでのジェノサイドに関する調査報告受け、アナン事務総長が謝罪

 ルワンダで94年にジェノサイドが行われた際の国連行動に関する調査パネル(Inquiry panel on Rwanda)による報告書が発表されたことを受け、アナン事務総長は、国連がルワンダのジェノサイド防止に失敗したことに「良心の呵責」(deep remorse)を感じると述べるとともに、国連が大量虐殺防止において再び躓くことのないよう、強いコミットメントを表明。報告書は、スウェーデンのIngvar Carlsson前首相を中心とする3人のパネルによってまとめられた。
 報告書は、ジェノサイド防止に失敗した責任は、国連本部事務局、安保理、国連加盟国などを含む国連全体にある、と結論付けるとともに、国連の対応の失敗の最大の要因は、資源および政治的意思の欠如にあったと指摘。

安保理でコンゴ民主共和国に関する公開ブリーフィング

 安保理において、Bernard Miyet平和維持活動担当事務次長(Under-Secretary-General for Peacekeeping Operations)が、コンゴ民主共和国に関する公開ブリーフィングを実施。同事務次長は、過去1ヶ月の間に同国の軍事・治安状況が深刻化していると警告。

ボスニア・ヘルツェゴビナの指導者らがニューヨーク宣言を採択

 国連総会は、ボスニア・ヘルツェゴビナの指導者たちがニューヨーク宣言(the New York Declaration)を採択し、デイトン和平合意(the Dayton peace accords)の完全実施に向けた重要な措置に合意したことについて歓迎の意を表明。

東ティモールのAileu において銃撃事件が発生

 東ティモールのAileu において、昨夜、2人の民兵が関与したとみられる銃撃事件が発生。国連文民警察が現在、調査を進めているところ。一方、明日から東京で、東ティモール支援国会合が開幕、29ヶ国から100人以上が参加する予定。

イラクが国連イラク石油限定輸出プログラムの下、石油売却を再開

 イラクは、3週間ぶりに国連イラク石油限定輸出プログラム("oil-for-food" programme)の下、石油売却を再開。

世界食糧計画が「Hunger Site」に関するプレスリリースを発表

 世界食糧計画(WFP:World Food Programme)は「Hunger Site」というウェブページ(http://www.hungersite.com)に関するプレスリリースを発表。このページのボタン“Donate Free Food”をクリックすると、広告掲載企業から、世界で飢えに苦しむ人々に食糧が提供される仕組み。インターネット利用者が金銭を負担することはない。

「今日の一言」 − ジェノサイド −

 一つ目の記事にあるルワンダに関する調査報告書を中心となって取りまとめたカールソン前スウェーデン首相は、報告書をアナン事務総長に提出する際、ルワンダでの虐殺を第二次世界大戦時のナチによるユダヤ人虐殺に並ぶ「ジェノサイド」であると指摘したと伝えられています。

 94年に起こったルワンダでのフツ族によるツチ族虐殺をあえてナチズムと並置する理由 − これは、 "genocide"という言葉の語源にまで遡らなければ分かり難いかもしれません。

 第2次大戦末期、ナチによるユダヤ人虐殺という悲劇を目の当たりにした英国の首相チャーチルは、それを「名づけようのない犯罪」(a crime that has no name)としか表現できなかったと言われていますが、それに"genocide"という言葉を初めて与えたのは、米国の War Ministry 顧問であった Raphael Lemkin だそうです。
 彼は、1944年に出版された「Axis Rule in Occupied Europe」の中で、初めて"genocide"という言葉を使いますが、この語源は、"genos"+"cide"で、"genos"は「民族」(race or tribe)を意味するギリシャ語、"cide"は「殺すこと」(to kill)を意味するラテン語の接尾辞です。
 すなわち、彼は、民族など特定のグループの一部あるいは全体を抹殺しようとする意図(intention or motive)がその出発点にある大量虐殺等を"genocide"と名付け、他の戦争犯罪とは比べものにならないほど罪深いものだと非難している訳です。

 「国境なき医師団」の前事務局長Alain Destexheは、こうした語源を踏まえた上で、真の意味で"genocide"に相当する犯罪は、今世紀に3度あった、それは、

  1. 1915年のオスマントルコ族によるアルメニア人虐殺、
  2. ナチによるユダヤ人虐殺、
  3. 1994年のルワンダでのフツ族によるツチ族虐殺、

であると指摘しています。
 戦後の国際社会がナチズムの経験から多くを学んできたのと同じように、21世紀の国際社会は、20世紀末にルワンダで起こった悲劇ともっと真摯に向き合い、平和の構築に取り組んでいかなくてはなりません。

(参考)
12月17日(金曜日) 文責:Yoshi

安保理、イラクの新軍縮監視システム「UNMOVIC」を設置

 安全保障理事会は、イラクの協力が得られれば制裁措置の解除への道を開く新たな兵器監視システムを立ち上げた。安保理は決議1284号のもと、国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM;UN Special Commission)に代わる「UN Monitoring, Verification and Inspection Commission(UNMOVIC)」を設置した。この措置は賛成11で可決され、中国、フランス、マレーシア、ロシア連邦は棄権した。

東チモール再建に向け5億ドル超の寄付

 国連と世界銀行が東京で開催した国連のドナー会議が、暴力に打ちのめされた東チモールの再建のため5億2200万ドルの資金を取り付けて閉幕した。国連東チモール暫定統治機構(UNTEAT;UN Transitional Administration in East Timor)を指揮しているSergio Vieira de Mello氏は会議の閉幕にあたり、「チモールの住民と独立に取り組む人たちにとって、今日は発展への励みとなり、希望へのメッセージとなった」と語った。

東チモールへの帰還民が再び急増

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告によると、今月上旬に減少していた西チモールから東チモールへ帰還する難民の数が、再び1日あたり1000名を超え、10月はじめからの帰還民の総数は11万8000人を超えた。UNHCRではこの動きを、東チモールの独立に反対する一部の軍事指導者の態度に変化が見られ、住民に対する統制を徐々に緩和していることや、難民の帰還を阻害するプロパガンダを牽制するUNHCRの情報プログラムの成果によるものと見ている。

国連総会、第3委員会の提唱を承認

 国連総会は、第3委員会(社会、人道、文化問題)による提唱を承認した。主な決議項目は以下の3点。

  1. 来年中に、国境を越えた組織的犯罪に対処する条約を起草し、イタリアのパレルモで開催される高官会議で署名する。
  2. 2000年春に性差別に関する特別総会を、2001年には人種差別に関する世界会議を開催する。
  3. 人種差別と非寛容に対する行動の国際年を提唱する。

今日の一言

 最初の記事で、イラクでの査察活動をUNSCOMからUNMOVICに取って代えたとありますが、そういえば以前、UNSCOMが米国のスパイ活動に協力していたというニュースを思い出しました。
 それから新聞各紙によりますと、イラクでの査察再開と条件付き制裁停止を盛り込んだ今回の安保理決議について、イラクのアジズ副首相は早速、経済制裁の全面解除を求めるイラクの要求を満たしていないとして、査察再開に応じない姿勢を示しています。そして、たとえ米英両国が新たな武力制裁に踏み切ったとしても、それに対決する姿勢を示唆しており、イラク情勢が再び緊迫する可能性があります。

12月20日(月曜日) 文責:渡辺

国連、ベネズエラの洪水援助活動を開始

 ベネズエラの洪水支援対策として、同国の災害査定調整団が、災害発生当時から活動を開始しているが、これに加え、各国と国連システムとの調整を図るため、20日にエクアドル駐在のOCHA地域災害対策顧問をベネズエラに派遣した。
 グリラブ総会議長ならびにアナン事務総長は、ベネズエラ政府と市民に追悼の意を表すると共に救援作業への継続的支援を約束した。

アナン事務局長、スリランカの爆弾テロを非難

 18日土曜、クマラトゥンガ・スリランカ大統領を狙った爆弾テロが発生し多くの一般市民を巻き込んだ。アナン事務総長は、「無差別的なテロ行動」とこれを非難、深い衝撃を覚えたと声明。

国連軍事監視員、東チモールに集団埋葬地発見

 西チモールとの国境に近い包領の Oecussi に集団埋葬地が発見された。地域住民によると、9月に近隣の3村に在住していた50人の人々が民兵に捕らえられ射殺された模様。
 INTERFET は、地域住民の通報に基づき Liquica 湖の湖底を調査、死骸を発見した。

SFOR、ボスニア・セルビア軍の元司令官を逮捕

 NATO安定化部隊 (SFOR: NATO Stabilization Force) が、ボスニア・セルビア軍の元司令官、Stanislave Galic、を逮捕。 Carla del Ponte 旧ユーゴ国際刑事裁判所主任検察官は、歓迎の意を表した。 Galic 元司令官の出廷日時は、未定。

RUFの大佐、リベリア大統領と会談、国連は、緊張緩和を期待

 リベリアの反政府勢力・革命統一戦線(RUF:Revolutionary United Front) の Bockarie 大佐が Charles Taylor 大統領との対談のため、首都モンロビア入り。
 Eckhard 報道官によると、同大佐は、RUF指導者、Foday Sankoh氏の武装解除・動員解除の呼びかけに反対していたが、3者がモンロビアに揃う今回の対談で Taylor 大統領による両者調停の可能性が出たと語った。

コソボの Stari Trg 鉛鉱山、操業再開へ

 コソボの Stari Trg 鉛鉱山は、まず、操業準備の査定期間、6週間を経て、その後に操業を再開する予定。
 今回の紛争で閉鎖される以前、鉛のほかにも金、銀、カドミウム、蒼鉛(ビスマス)、亜鉛などが採集されており、コソボの経済復興に重要な一歩であると Mitrovica の地域行政官は述べている。

ICAO、世界航空システムの高レベルのY2K対応度を報告

 国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation Organization)は、世界の航空管制システムのY2K準備度を報告。
 ほとんどのシステムは、すでに対応を終えているか、12月31日までに対応を完了するとしている。

マンデラ氏、世銀・ハビタットのスラム対策を後援

 南アフリカ前大統領、ネルソン・マンデラ氏は、世界銀行と国連人間居住センター(別名:ハビタット、UNCHS: UN Center for Human Settlement)の「Citeis Without Slums」イニシアチブの後援者となると発表。
 同イニシアチブは、世界の数百万人いるとされる都市スラム居住者の貧困問題に対応を目的としている。

「今日の一言」

 ICAOは、めったにデイリー・ハイライトで記事になる事がない機関ですが、歴史は古く、1947年に設立された国連専門機関です。本部は、カナダのモントリオール。現在の加盟国(Contracting Members)は、185カ国で今回の報告書には、168カ国(91%)から準備状況が11月30日までに報告されています。詳しくは、http://www.icao.int/y2k/でどうぞ。

 国連事務局も、大晦日には、午後二時まで各ビルは閉鎖。Y2K対応確認作業を行う一部の情報処理部門の人々以外は、居残り禁止のようです。

 最後の記事は、今年の5月19日に紹介された世銀とハビタットが発表したイニシアチブのようです。行動計画いご興味のある方は、世銀のウェブ・サイトのPDFファイルをダウンロードしてみてください。

http://www.worldbank.org/html/fpd/urban/cws/cwoslums.htm

 今週金曜日は、クリスマス・イブ、国連の休日となります。普通は、25日が休みなのですが、今年は、クリスマスが土曜にあたるため振り替えられ、デイリーハイライツも休刊になります。

12月21日(火曜日) 文責:山本

コンゴ民主共和国の治安悪化

 コンゴ民主共和国の South Kivu 地方からの報告によると、どんな些細な事柄でも住民に対する大規模な組織的行動に結びつく恐れがあると、平和維持活動担当事務総長補(仮訳;Assistant Secretary-General for Peacekeeping Operations)の Hedi Annabi 氏が語った。

総会で安保理改革に関する討議

 総会では2日間にわたって安全保障理事会の改革について討議が行われた。
 討議の席上、多くの参加国が安全保障理事会の拡大の必要性を支持していたが、その方法については意見が分かれた。
 たとえば、カメルーンは常任理事国の数を5から10に、非常任理事国を10から16にそれぞれ増加させ、そのうち2から5カ国をアフリカから選出するという案を提出したが、常任理事国の拡大は安全保障理事会の機能向上につながるとは限らないとの意見を表明する国もあった。

チェチェンへの帰還が可能に

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR;the UN High Commissioner for Refugees)によると、ロシア当局が治安回復に同意してからの2年間で初めて、チェチェンとイングーシェティアとの国境に国連の援助要員が帰還することが出来るようになった。

ベネズエラに緊急援助

 世界食糧計画(WFP;World Food Programme)とユニセフ(UNCEF;the UN Children's Fund)は、先週洪水と土砂崩れに襲われたベネズエラに緊急援助を行うための組織化を行っている。この洪水により10,000人が死亡、6,000人が行方不明、15万人が家を失ったと推定されている。

西チモールの難民キャンプの状況は改善

 UNHCRによると、西チモールの難民キャンプの治安状況は改善しており、国連要員は護衛なしでも自由に移動できる状態になっている。

ボスニアでも状況は改善

 国連ボスニア=ヘルツェゴビナミッション(UNMIBH;the UN Mission in Bosnia and Herzegobina)の事務総長報告によれば、当地における法の支配の確立により、絶え間ない状況の改善が見られている。特に警察官や裁判官がその専門的職務を十分果たして いると評価している。

コソボで新たな統治体制について協議

 コソボで新たに設立された暫定統治協議会(Interim Administrative Council)はプリシュティナで会合を持ち、新たな統治体制について検討した。この協議会は、4人のコソボ人と3人の国連コソボミッション(UNMIK;the UN Mission in Kosovo)要員か ら構成され、15日の合意で設立されたコソボ=UNMIK合同統治機構(仮訳;JIAS ; Kosovo-UNMIK Joint Administrative Structure)と協力して来年実施予定の選挙まで、政策や規制等を行う。

国連はフランスの対人地雷廃棄を歓迎

 フランス政府は、“対人地雷の使用、貯蔵、生産及び委譲の禁止に関するオタワ条約(いわゆる「対人地雷禁止条約」;the Otawa Convention on the Prohibition of the Use,Stockpiling,Production and Transfer of Anti-Personnel Mines)”に従い備蓄されていた対人地雷の廃棄を完了したと発表し、事務総長はこれを歓迎した。

UNEPとケニア政府は野生生物の不法取引タスクフォース本部設置に関して合意

 国連環境計画(UNEP;the UN Environment Programme)とケニア政府は絶滅の危機に瀕している野生生物の不法取引を取り締まるタスクフォースの本部をケニアに設置することで合意した。

「今日の一言」

 この記事を書いている12月22日付の日本経済新聞第31面(「経済教室」のコーナー)では、国連経済社会局顧問の山下道子氏による国連の財政危機問題に関する提言が掲載されています。ここでは、日本の国連(およびその関連機関)に対する拠出金が高い割には関与は乏しいとし、日本の国益に結びついていないとし、国連の財政難を解決しない限り、さらなる負担を強いられるだけであると指摘しています。
 さて、このこと自体は従来から指摘されていることなのですが、個人的には、少し気になることがあります。
 2番目の記事に関連するのですが、日本が国連における発言力を確保するために安保理の常任理事国になることが国連の活性化につながるのかどうか、そもそも「発言力を確保する」という発想自体がある意味でナショナリスティックなのではないか、 という点です。
 まあ、国家より上位の権力主体が存在しない現状においては、国際舞台で国家が国益を追求するのは、とりあえずは不思議なことではありません。
 が、「人類益」なるものを定着させることが地球全体にとって有益であるならば、国の利益や地域の意見を代表させることを国連で主張することが、本当に、今、必要なのか、その方向に変革することが「改善」なのかは、私にはわかりません。

12月22日(水曜日) 文責:山本

安保理議長、コンゴ民主共和国での戦闘に深い懸念を表明

 安全保障理事会議長である Jeremy Greenstock イギリス大使は記者団に対し、昨今のコンゴ民主共和国における戦闘状態について深い懸念を表明し、すべての勢力に最大限の抑制とルサカ停戦合意違反の即時停止を要請した。

東チモールの治安状況が改善

 Hedi Annabi平和維持活動担当事務総長補(仮訳;Assistant Secretary-General for Peacekeeping Operations)は安全保障理事会で東チモールの治安状況について包括的な説明を行い、「散発的な事件は見られるものの、おおむね治安状態は安定している」と報告した。また、先週東京で開催された援助資金拠出国会議(donor's conference)に言及し、東チモールの復興に5億2200万ドルの拠出が誓約されたことに深い感謝の意を表明した。

コソボの少数民族への攻撃に注視の必要

 アナン事務総長は、コソボの状況に関する報告書を安全保障理事会に提出し、少数民族に対する攻撃が依然として懸念の材料として残っており、KFOR(Kosovo Force;国際治安維持部隊)の最優先課題であると指摘した。

アメリカ合衆国の国連分担金支払いで財政状況が改善

 国連管理局(Department of Management)の Joseph Connor 事務次長は国連本部で会見を行い、合衆国による分担金支払いで国連の財政状態が改善したと報告。合衆国は1999年に7億2600万ドル支払ったものの、過去の平和維持活動の分担金など、合計で11億7500万ドルが未払いのままである。(ちなみに分担金を完全納入しているのは122カ国)

「人道的偏愛」が脅威に

 国連児童基金(UNICEF:the UN Children's Fund)の Carol Bellamy 事務局長は記者団に対し、「人道的偏愛("Humanitarian favouritism")」が援助を必要とする人々の生活に影響を与えており、危機が強く報道された地点への援助に偏っており、それ以外の地域と格差が生じているという昨今の状況に懸念を抱いていると語った。
 1999年にはユニセフに3億3400万ドルの資金拠出呼びかけに対し、2億2000万ドルの提供があったが、そのうちアフガニスタン・アンゴラ・朝鮮民主主義人民共和国・コンゴ民主共和国・タジキスタン・ウガンダに対する拠出は呼びかけの17%から44%にしかならない。一方、コソボ・トルコ・東チモールについては呼びかけた以上に資金の提供がある。

「今日の一言」 

 どんぐりとせいくらべ

 空が青くすみわたり、どんぐりはぴかぴかしてじつにきれいでした。
「裁判もきょうで三日目だぞ。いいかげんになかなおりをしたらどうだ。」
 山猫が、少し心配そうに、それでもむりに威張って言いますと、どんぐりどもは口々に叫びました。
「いえいえ、だめです。なんといったって頭のとがっているのがいちばんえらいんです。そしてわたしがいちばんとがっています。」
「いいえ。まるいのがえらいのです。いちばんまるいのはわたしです。」
「大きなことだよ。大きなのがいちばんえらいんだよ。わたしがいちばん大きいからわたしがえらいんだよ。」
「だめだい、そんなこと。せいの高いことだよ。せいの高いことなんだよ。」
「押しっこのえらい人だよ。押しっこしてきめるんだよ。」
 もうみんながやがや言って、なにがなんだかまるで蜂の巣をつっついたようで、わけがわからなくなりました。
「やかましい。ここをなんとこころえる。しずまれ、しずまれ。」
 別当が、むちをひゅうぱちっと鳴らし、どんぐりはみんな静まりかえりました。山猫が一郎にそっと申しました。
「このとおりです。どうしたらいいでしょう。」
 一郎はわらって答えました。
「そんなら、こう言いわたしたらいかがでしょう。このなかでいちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなってないようなのがいちばんえらいとね。」
(宮沢賢治 『どんぐりと山猫』より)
 民族問題。

 案外、本質は、こういうことなのかも。

12月23日(木曜日) 文責:阿部

国連事務次長が次期通常予算案は著しい財政規律を示していると指摘

 Joseph Connor 事務次長は国連本部で会見し、「2000−2001年度の国連通常予算案は、実質で拡大せず(virtual no-growth)、再び著しい財政規律(financial discipline)を示している」と指摘。
 予算案の総額は25億35百万ドルで、1)特別な政治ミッションのために必要となった場合にだけ支出する35百万ドルの基金を造成する、2)事務局予算を平和、開発、人道援助等国連活動の最も重要な地域に移転させる、という2つの特徴があることを紹介しつつ、同事務次長は、これまでと同じコストでより大きな価値を加盟国に提供していくと表明。

国連及び援助機関が東チモールで飢饉が発生しているとの報道を否定

 東チモールの Manatutor地域で20人が餓死したとのニュースが報じられたが、国連事務総長のスポークスマンはニューヨークの国連本部で会見し、当該報道は事実ではないと否定。
 餓死のニュースは、独立派のリーダーJose Ramos Hortaによるものとして国際報道機関により伝えられたが、国連職員並びに CARE International及び Asistencia Medica Internacional(AMI)の職員が当地を訪問し、餓死の事実はないと確認。
 同スポークスマンは、「これまでも難民はその帰還を妨げようとする情報操作のターゲットにされてきたが、こうした不正確な報道が難民の帰還を妨げることを懸念している」と表明。

南レバノンでの停戦により22年間で最も静穏な日々

 南レバノンに駐留している国連ミッションは、2日間続けて1発のライフル銃も発射されず、この22年間で最も静穏な日々となったと報告。これは、イスラエル支配地域で戦死したイスラム教徒戦闘員6人の遺体を回収するために、レバノン、イスラエル、シリア、フランス及び米国が構成するモニタリング・グループ(the five-nation Monitoring Group)が取り決めた停戦によるもの。

アナン事務総長はコソボ事務総長特別代表への信頼を改めて表明

 ユーゴ当局が最近、Bernard Kouchnerコソボ事務総長特別代表に対して、根拠のない事実に基づいて激しい批判を浴びせていることを受け、アナン事務総長は、同特別代表に全幅の信頼(total confidence)を置いていることを改めて表明。

アナン事務総長はギリシャ・マケドニア間協議のための事務総長個人代表を任命

 アナン事務総長は、米国のMatthew Nimetz氏を、ギリシャ・マケドニア旧ユーゴスラビア共和国間の協議のための事務総長個人代表(Personal Envoy for the Greece-Former Yugoslav Republic of Macedonia talks)に任命。

国連の人道問題ページ「ReliefWeb」がY2Kを24時間体制で扱う

 人道問題に関して最も包括的な情報を掲載する国連ホームページ「ReliefWeb」では、12月31日から1月4日までの間、24時間体制で、Y2K問題が及ぼす人道的影響に関する情報を更新する。同ページは国連人道問題調整室(OCHA:the Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)が運営している。

「今日の一言」  − ホルブルックの4ヶ月 −

 1番目の記事にある国連の通常予算案は、同日の夜に、国連総会で採択されました。
 国連スポークスマンは会見で、高い財政規律(financial discipline)を強調していますが、それが米国を意識していることは明らかです。
 この欄で何度かご紹介してきたように、米国議会は滞納している分担金の支払いと引き換えに、いくつかの国連改革を求めているのですが、その中で最も大きな事項は、

  1. 米国の分担率を25%から22%に削減すること
  2. 国連予算の名目成長をゼロに押さえること(nominal no-growth)

だったからです。

 実際は、"nominal no-growth"は実現せず"virtual no-growth"となった訳ですが、米国の反応はまずまずのようです。(米国大使によるステートメント→ http://www.un.int/usa/99_153.htm)
 さて、この予算の採択に先立って、米国と国連との間で奔走し、両者の間で最も苦労を重ねたのは、4ヶ月前に国連大使に就任したホルブルックのように思われます。そうした意味で、彼が20日に米国国連代表部で行った会見は、年明けの国連の動向を占う上でとても興味深いものです。→ http://www.un.int/usa/99_152.htm

主な事項を列挙すると、

  1. 引き続き、米国議会で約束した事項を追求しつづける
  2. 米国が議長を務める千年紀初の安保理では、アフリカに焦点を当てる
  3. 東チモールは21世紀に入って独立する最初の国家となるだろう
  4. 日本とドイツは安保理常任理事国になるべき

 アフリカの問題は非常に重要ですので、改めてこの欄で扱いたいと思いますが、移民の子としてニューヨークに生まれ、国連ビルを見るために父親にイースト・リバーの川岸に連れていかれ、将来への希望に胸を膨らませたというホルブルック。
 来年も米国と国連のパイプ役として大いに頑張って欲しいと思います。

12月27日(月曜日) 文責:渡辺

インド政府、人道支援を国連に要請

 インディアン航空エアバスA300がハイジャックされた事件に対し、インド政府は、国連に人道的側面での支援を要請。これを受けた国連は、26日、アフガニスタン人道調整官 Erick de Mul 氏をカンダハルに派遣した。

アナン事務総長、UNAMSIL 軍事要員拡大を要請

 先週、アナン事務総長は、安保理議長に書簡を送付し国連シエラレオネ・ミッション(UNAMSIL)の軍事要員を1万人近くまで拡大するよう勧告した。
 これは、ナイジェリア、ガーナ、ギニアなどの西アフリカ諸国経済共同体派遣軍(ECOMOG)が撤退準備に入り、シエラレオネの安全保障が不安定になる恐れがあるため、と事務総長は記している。

アナン事務総長、ギニアビサウの民主化移行の進展を報告

 アナン事務総長は、ギニアビサウの情勢ならびに国連ギニアビサウ支援事務所(UNOGBIS:UN Peace-Building Support Office in Guinea-Bissau)の活動報告書を発表。11月28日に実施された議会および大統領選を「継続中の民主化および平和と常態への復興に重要な一歩」と述べた。

アナン事務総長、総会議長、コートジボアールのクーデター非難

 アビジャンの駐在調整官は、Henry Bedie コートジボアール大統領追放のクーデター発生後、町は、平常に戻ったと報告。又、同クーデターに対し、総会議長、アナン事務総長へ、24日、非難の声明を発表した。

第54回総会休会

 第54回国連総会は、23日夕刻、計画予算の採択を終え、主要な審議を完了、休会した。閉会にあったて総会議長は、「審議は、見解の相違、政治的違いと多岐にわたる議題にも関わらず、協調と互いに対する尊重が見られた」と述べた。

国連警察、コソボの殺人容疑者を逮捕

 Daniela Rozgonova UNMIKの報道官は、国連警察が、11月29日に発生したセルビア人家族殺害事件の容疑で27歳のアルバニア人を逮捕したと発表。UNMIKの地域捜査部は、他の容疑者も引き続き捜索中。

「今日の一言」 −  Greying of the United Nations  −

 英語では、白髪の事を Grey Hair といいますが、Greying of the UN という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?
 国連職員の平均年齢は、現在49歳で、若手のエキスパートの求人対策としての競争試験も、ポストが足りないなど、その他諸々の事情で採用が進まず、高年齢の白髪頭の職員が多くなっていくのをあらわした言葉です。
 若手専門職員を採用する制度として競争試験というのを国連が行っているのですが、1998年度の試験では、

受験者応募数:              8500人
書類選考を通過して試験を実際に受けた数: 1000人
合格者(最大数):              70人

 これに加えて過去数年間は、定年退職者よりも辞職者、特に若手の専門職の辞職が多く、この3年間では、定年退職者550名弱に対し、辞職者数800名以上となっています。
 いかに形のみの改革を叫んでも、組織は人材次第。なんとかこの点での改革も望みたいものです。それと同時に、逆境だからこそ、と更に強固な使命感と希望に燃えた青年の到来を国連は必要としていると思います。
 そこで、「われこそは」と思う方に朗報です。通常の2000年の競争試験締め切りは、去年の9月でしたが、新たに別枠で人道問題調整事務所向けの競争試験が追加されています。締め切りは、2000年1月31日で、応募用紙(MS Word)もウェブサイトで取得出来、電子メールに添付して応募できます。あなたも挑戦してみては?

  1. http://www.un.org/Depts/OHRM/examin/hum-ad.htm
  2. http://www.un.org/Depts/OHRM/examin/exam.htm
12月28日(火曜日) 文責:山本

事務総長はインドネシア=ポルトガル間の新たな外交関係構築を歓迎

 インドネシア政府とポルトガル政府は28日、国連本部において、両国は新たな外交関係を再構築していくとの共同コミュニケを発表した。アナン事務総長はこれに対し、両国による新たな時代の到来を歓迎する旨のコメントを発表した。

コソボのミッションにより状態はかなりの進展−ただし一部で若干の治安の問題−

 アナン事務総長は国連コソボ暫定統治ミッション(UNMIK; the UN Interim Administration Mission in Kosovo)に関する報告書を安全保障理事会に提出し、コソボ解放軍(KLA;Kosovo Liberation Army)の武装解除など、この6ヶ月でかなりの状態の進展( "good progress" )はあったとしつつも、少数民族に対する暴力の懸念はまだ残っていると報告した。
 報告書によると少なくとも81万人の難民が帰還。

東チモールで大規模な埋葬地に関する捜査を開始

 東チモールの Passabe 村で大規模な埋葬地が発見され、国連警察官が捜査を開始した。地元住民の詳言によると50人以上が埋葬されている模様。国連は法医学の専門化チームを派遣し、詳細な調査を行うと発表した。

UNHCRはチェチェンに緊急支援物資を輸送

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR;he United Nations High Commissioner for Refugees)はチェチェン紛争で避難している人たちに援助物資を輸送した。28日には34台のトラックで食糧・寝具・衣服・衛生用品など240トンを配送した。
 UNHCRが把握している範囲では、チェチェンからイングーシェティアに254,000人(ただしこのうち約50,000人がさらに他の国に避難)、ダゲスタンに28,000人が避難している。チェチェンの首都・グロズヌイには1万から5万人が残っていると推定されているが、現在ではアクセス不可能である。

イラク原油限定輸出プログラムの新たな数値を発表

 国連イラクプログラム室(OIP:the Office of the Iraq Programme)はイラク原油限定輸出プログラム(oil-for-food programme)の第7期の目標数値を発表した。まず第6期(12/24まで)の実績は原油1,260バレル(2億9300万ドル相当)であり、第7期では原油1,460バレル(3億4000万ドル相当)の割り当てとした。
 原油の対価としての援助物資は続々とイラクに到着しており、先週は、2万5000トンの米・7100トンの食用油・2900トンの粉ミルクなどが輸入されている。

世界的な飢餓に注目を訴えたTeleFood '99がオンラインで視聴可能に

 国連食糧農業機関(FAO;the UN Food and Agriculture Organization)は、世界的な飢餓に対する意識向上を訴えるコンサート企画 TeleFood '99 を開催したが、その模様をオンラインで視聴する旨を発表した。
 ストリーミング技術を用いたwebcastで12/30から配信予定。この日以降に
 FAOのページ              http://www.fao.org/
 またはアップル社の Showcaseのコーナー http://www.apple.com/quicktime/showcase

にアクセスすると視聴可能となる。ただし視聴するためには QuickTime 4 が必要。( http://www.apple.com/quicktime でダウンロード可能。)

12月29日(水曜日) 文責:山本

安保理ではシエラレオネとギニアビサウについて討議

 安全保障理事会では29日、シエラレオネとギニアビサウの状況について討議が行われた。
 シエラレオネでは新年早々にナイジェリアの部隊が撤退することを受け、いかなる安全保障上の空白(security vacuum)をも生じさせないことを確認した。これに伴い国連シエラレオネミッション(UNAMSIL;the United Nations Mission in Sierra Leone)を強化することを検討した。
ギニアビサウについては、去る11月28日の選挙が公平かつ透明に実施されたこと歓迎した。

インド航空機ハイジャック事件で調整官がアフガニスタンへ帰還

 国連アフガニスタン人道調整官の Erick de Mul 氏がハイジャックされたインド航空機(現在 Kandahar 空港で待機中)の搭乗客のための食料品を確保するために一時アフガニスタンに帰還した。木曜日にはイスラマバードに戻る予定。またハイジャック機の周囲には国際赤十字委員会が設置した救護用テントも準備されている。

東チモールで検死のため埋葬地から遺体の掘り出し

 最近の7日間で70近くの埋葬死体が発見された東チモールの Liquica 地域に国連の調査官が入り、29日に検死のための遺体を掘り出した。来週の火曜日には当地域で発見されている19の埋葬地の調査に着手する予定。

生物多様性の保全は共通の問題、と事務総長

 アナン事務総長は29日、「生物多様化のための国際デー(the International Day for Biological Diversity)」を記念した声明で、「この惑星の生物多様性の保全は全人類共通の問題であり、持続可能な開発への移行の基本的特徴である」と発表した。

人道問題調整事務所がベネズエラの洪水への支援状況を報告

 国連人道問題調整事務所(OCHA;The UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)は29日、ベネズエラの洪水の被災者に対する援助として、緊急に28万ドルを提供、最終的には1260万ドルが必要となるだろうと発表した。この報告書を含めベネズエラの状況に関する文献は http://wwwnotes.reliefweb.int/ で入手可能。

コソボで複数民族の居住地を結ぶ列車の走行開始

 コソボで今週、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK;the UN Interim Administration in Kosovo)の警察と国際平和維持部隊(KFOR)による安全確保を受けながらも、複数民族の居住地を結ぶ列車(multi-ethnic passenger trains)の走行を開始した。これはコソボ全土にとって通常の輸送手段を確保する上でも重要な事業であった。

「今日の一言」

 今日(日本時間で12/30)は餅つきでした。
 我が家ではきちんと杵と臼でつきます。(というかそれ以外の装備がない。。。)
 じつはその作業の途中で翻訳をしています。今は、隣のご家族がやってきて、お隣さんの分をついておられるので、その間はヒマなものでして。
 それはさておき。

 4つめの記事に出てくる、 "biological diversity"ですが、これは通常、「生物多様性」と訳されます。地球は様々な生物に満ち溢れた星であり、その多様さ・種類の多さは、言葉どおり数え切れないものです。それを保全しようというのが、基本的な発想であるはずで、「生物多様化」とは、人工的に種を増加させるようなニュアンスを持つので、翻訳としてはよろしくないような気がします。が、『国際連合の基礎知識』(国連広報センター監訳)の訳にとりあえずしたがっておきます。

 仮に人類が滅んでも、これまで地球にとっては痛くも痒くもないはずで、「地球にやさしい」なんていうのはゴーマンだなぁと常々思っていたのですが、生物を「多様化」するというのも、生命に対する冒涜というか傲慢のような気が、私にはします。

 さて。
 今年の Daily Highlight の配信はこれで最後になると思います。
 最近、長期海外出張から帰ってきた同僚が「アメリカでは来年から21世紀という風潮だ」と言ってました。っま、厳密には、、、という話もあるんですが、今度の元旦は、日の初め、月の初め、年の初め、世紀の初め、千年紀の初め、ということで、めでたい!×5 ってことなんでしょうか。
 年号や世紀が変わったところで何が変わるんだということも当然言えるんですが、でもでも、「みんなが変わると思っている」とみんなが思った場合は、本当に変わってしまうかも知れないなという気もします。

 自分が世界を変えられると
   本気で信じる人こそが
      本当に世界を変えているのだから。
         Think different.

       (Apple社のCMの受け売り ^^;)

 それでは、よいお年を。よい世紀を。よい千年紀を。

12月30日(木曜日) 文責:阿部

アナン事務総長が新しいミレニアムに向けたメッセージを発表

 アナン事務総長は、新しいミレニアムに向けたメッセージにおいて、「国連は世界の人々のものである」(The United Nations belongs to the peoples of the world)と述べるとともに、人々の支援とアイデアを得ることにより、国連がより良く活動し、新世紀の挑戦を克服できると指摘。

国連総会議長が安保理議長主催のレセプションでスピーチ

 国連総会の第54代議長となったTheo Ben-Gurirab博士は、安保理の Greenstock 議長が主催するレセプションでスピーチを行い、改革・強化された国連が、次世紀の核軍縮に向けた地球規模のキャンペーンという価値ある運動において指導的役割を果たさなければならない、と表明。

安保理がコソボに関する非公開の公式会合を開催

 安保理がコソボに関する非公開の公式会合を開催。同会合の後、安保理の Greenstock 議長は会見し、コソボにおいて続いている暴力事件に懸念を表明するとともに、同地の関係勢力に対し、和解に向けてこれまでと異なるアプローチをとよう要請。

安保理がソマリアに関する非公式会合を開催

 安保理がソマリアに関する非公式会合を開催。会合の後会見した安保理議長は、ソマリアに対する禁輸決議が無視され、依然として同国に武器が流れ込んでいることを非難。

東ティモール事務総長特別代表が国連の対応について謝意を表明

 Sergio Vieira de Mello東ティモール事務総長特別代表は、独立派指導者 Xanana Gusmao とともに、東ティモールのコーヒー栽培地域Ermeraを訪問し、5千人を前に演説、8月の住民投票の後、国連が暴力の発生を予見し、防ぐことができなかったことに謝意を表明。

旧ユーゴ国際刑事裁判所の主任検察官がNATOへの公式調査はないと表明

 旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY:the International Criminal Tribunal for the former Yugoslavia)のCarla del Ponte主任検察官は声明を発表し、「コソボ紛争におけるNATOの行動に関して、公式調査は一切行われていない」と表明。

キプロス間接交渉が1月31日にジュネーブで再開

 事務総長のスポークスマンは、昨年12月14日に一時中断されたキプロス間接交渉が1月31日にジュネーブで再開されると表明。

世界食糧計画事務局長が次世紀の食糧援助について声明を発表

 世界食糧計画(WFP:the World Food Programme)のCatherine Bertini事務局長は声明を発表し、紛争において市民が攻撃対象となることが多くなり、アジア及び東欧における食糧援助の必要性が3倍以上拡大し、次世紀にはドナーがその需要を満たせなくなる可能性があると指摘。

国際民間航空機関が99年の成果について記者発表

 国際民間航空機関(ICAO:the International Civil Aviation Organization)は記者発表において、同機関の99年の最大の成果は、安全監査プログラムの開始と被害者に対する補償に関する条約の採択であったと表明。

12月31日(金曜日) 文責:Yoshi

事務総長、インド航空機ハイジャック事件の解決を歓迎

 コフィ・アナン事務総長のスポークスマンであるFred Eckhard氏は、事務総長がアフガニスタンでテロリストがインド航空機をハイジャックした事件で、犠牲者が増えることなく解決に至ったことに安堵を示したと語った。Eckhard氏によると、事務総長はハイジャック機の乗客と乗員が再び解放されたことを殊に喜び、あらゆるテロリズムに対する非難の意を強調したという。

事務総長、エリツィン元大統領の歴史的役割を宣揚

 コフィ・アナン事務総長のスポークスマンによると、事務総長はロシアの大統領を31日に辞任したボリス・エリツィン氏に宛てた書簡で、「ロシアの民主化と自由経済への過渡期における(エリツィン氏の)歴史的役割」を讃え、同氏のプライベートな人生での活躍に期待を寄せた。また事務総長はウラジミール・プーチン大統領代行兼首相と協力していくことも約した。

「人権を現実に即したものにするのが世界の課題」と人権高等弁務官

 メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官は、新世紀を迎える前日にあたり、世界は過去50年の人権問題に関する前進を種々異なる人々の人生に即したものにするという大きな課題に直面していると語った。
 同氏はチェチェンの市民を保護するようロシア政府へ再度要請したその人権状況の検証で、「期待と不安が折り混ざっていますが、私は人権を尊重する21世紀になると見ています」、「私たちは人類史上で類のない一定レベルの人権の原理のサポートをもって新世紀を迎えます」と述べた。そして「世界人件宣言」を始め人権に関する法律や指標といった「強力な基礎」が過去50年の間に定められ、強力な楽観的地盤となっているが、その希望は「世界中で多くの酷い人権侵害」に直面して不安を帯びているとした。
 また、「非常に血生臭い世紀の終わりにさしかかっている」が、大湖地域などアフリカ各地、インドネシア、コソボ、そして東チモールで、紛争は依然として終わっていないと言及。「『全ての人権をすべての人のために』というスローガンを現実のものにしなければならない」と語り、特にチェチェン問題について主張。
 ロビンソン人権高等弁務官は、「私は今一度、ロシア政府へGrozny(チェチェンの中心都市)と制圧下にある地域の市民の安全を保証する緊急の措置を講ずるよう要請します」、「また、さらなる死傷者の増加を避けるため、この状況の平和的解決に至る全ての可能な手段を追求するよう強く主張します」と語った。

セルビア/アルバニア両コミュニティ、ともに千年紀を祝賀

 国連コソボ暫定行政機構(UNMIK)のベルナール・クシュネル事務総長特別代表は、セルビア人コミュニティとアルバニア人コミュニティを結ぶミトロビカ橋で新たな千年紀を祝すことになる。UNMIKの発表によると、このイベントには、両コミュニティの代表やミュージシャン、UNMIKやコソボ平和維持部隊(KFOR)の代表が参加するという。

今日の一言

 1999年最後のDHです。残念ながら、UNサイトへの掲載と翻訳作業が遅れたため、オンラインマガジンで配信できなかったのですが・・・。
 ともあれ、いまだ人類的課題は山積していますが、“あらゆる人にとって現実的な人権尊重の21世紀”というロビンソン人権高等弁務官の言葉どおり、いよいよ、あらゆるレベルでの具体的行動を新時代の潮流にしていきたいものです。
 1999年中はSUN関係者の皆さんの尽力になかなか着いていくのが大変でしたが、自分なりの具体的行動として、2000年は積極的にSUNへ参加していきたいと思います。宜しくお願いします。

SUN Banner
Updated : 2007/02/19