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Title : September 1999
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9月1日(水曜日) 文責:山本

事務総長は東チモールのUNAMETスタッフへの暴力事件に対し強く非難

 国連東チモールミッション(UNAMET)本部近くで暴力事件が発生し、少なくとも2名が殺害され、数百人が本部内に避難を強いられている。この状況をアナン事務総長は強く非難した。
 国連職員によれば、現地の民兵によりUNAMET本部の数百メートル先から銃撃や投石が行われたと報告されており、これについては複数のジャーナリストの証言もある。
 アナン事務総長は、インドネシア当局に対し、武装グループの取り締りと、国連職員の安全の確保を要請した。

安保理理事国も東チモールの暴力事件を非難

 安保理理事国は、国連主導による住民投票が円滑に行われたことを歓迎する一方、投票後にディリで発生している暴力事件に関して強い表現で非難した。同時にインドネシア当局に、再発の防止に努めるよう要請した。

コソボ暫定協議会が治安の確保を支援する委員会設置を承認

 コソボ暫定協議会(the Kosovo Transitional Council)はコソボ全体の治安強化を支援する委員会の設置を承認した。当委員会は国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)と国際治安維持部隊(KFOR)に対して治安問題の解決策や国際文民警察の展開などについて助言を行う。

子どもと武力紛争に関する事務総長特別代表、シオラレオネを訪問

 子どもと武力紛争に関する事務総長特別代表 Olara Otunnu 氏がシエラレオネのMurrayキャンプに赴き、紛争の犠牲となって手や足を切断した子どもたちを訪れた。
 このキャンプには、シエラレオネ全体で約900人いると推定されるこのような子どもたちのうちの200人を収容している。

コンゴ民主共和国へ軍事要員派遣を決定

 国連は、コンゴ民主共和国における停戦合意の履行推進のため、国連軍事要員の展開の第一段階として、3名のチームを派遣することを決定した。チームはニューヨークからナイロビに向けて木曜日に出発する。20名まで拡張する予定である。

カンボジア虐殺に関する法廷設置を協議

 法務担当事務総長補(仮訳;the Assistant Secretary-General for Legal Affairs)はカンボジアから帰還、カンボジアにおいて虐殺(1975 - 1979)を行ったとされるクメール・ルージュの指導者に対する刑事法廷設置に関して協議を行ったと報告。

■WFPはチャド政府と食糧援助で合意

 世界食糧計画(WFP)はチャド政府と食糧の緊急援助に関する合意書に調印した。
 チャドでは国内南部の農作物不作のために約53,000人が緊急の食糧援助を必要としていると報じられている。45日間で120万ドル分の食糧を援助する予定。

今日の一言

 水曜日分の配信が遅れてしまいました。
 火曜日に[SUN SE]、水曜日に火曜日分の配信をし、週2回の配信の役目を果たしたと勘違いしてしまって、完全に忘れてました。以後注意します。f^^;;;;;)

 それはさておき。
 私が加入しているメーリングリストの参加者で、肝臓の悪い方がおられました。
 肝臓の移植以外には助からないということでしたが、在住先のアメリカの状況などを快活に送信してくださっていました。金曜日(9/3)には「手術に行ってきます」と書き、ML参加者一同、また戻ってこられるものと信じていましたが、ついさきほど、その方が手術途中に亡くなられたというメールが飛び込んできました。
 治療ミスなのか、その方の病状が思った以上に進行していたのか、詳しいことはわかりませんが。。。。

 一度も会ったことの人、メールでしかやりとりしない人であっても、その人の姿が想像できるのなら、やはりその人の死は悲しいものです。

 おそらく、人間をつないでいるのは想像力です。

9月2日(木曜日) 文責:阿部

住民投票後、国連東チモールで国連職員2人が殺害される

 住民投票が実施された後、東チモールにおいて暴力事件が広がる中で、国連東チモールミッション(UNAMET)の現地スタッフ2人がMalinanaにおいて殺害された。
 ディリで記者会見したイアン・マーティン事務総長特別代表は、独立派及び残留派双方に対して、各々のメンバーが武器を携えて行動しないという当初の約束を遵守するよう要請。

安保理議長はコンゴ民主共和国の停戦合意を歓迎

 安保理議長は声明を出し、コンゴ民主連合(RCD)が今週、コンゴ民主共和国の停戦合意に署名したことに歓迎の意を表明。また、全紛争当事者に対して、ルサカ合意を厳守するよう要請。

アナン事務総長は、スパイ容疑がかけられていた援助団体職員の釈放を歓迎

 アナン事務総長は、5月にスパイ活動の容疑でユーゴスラビア政府から有罪判決を受けた2人のオーストラリア人が昨日釈放されたことに安堵の念を表明。釈放されたのは、オーストリアの援助団体CAREの職員、Steve PrattさんとPeter Wallaceさん。

■安保理委員会は、イラクによるトルコ大地震被災者支援の寄付を承認

 対イラク制裁を監視する安保理委員会は、イラクがトルコ大地震の被災者支援のため、石油1千万ドル相当を寄付することを承認。

■国連ソマリア政治室室長は、ソマリアに対してなすべきことは多いと指摘

 国連ソマリア政治室(UNPOS)室長でもあるDavid Stephenソマリア事務総長代表は、会見で、国連がソマリアを撤退してから約5年が過ぎた現在、同地域のアフリカ諸国及び安保理構成国はソマリアに更に多くのことをしなければならないと表明。

ユニセフはコソボの学校施設を修復

 コソボでは、約3分の2の学校施設が損壊したが、ユニセフは11月1日の学校年度開始日に間に合うよう修復作業を急いでいるところ。

■国連人道機関の合同ミッションがキルギス南部を視察

 国連人道機関の合同ミッションが、2週間前発生した戦闘を逃れて6千人が避難民となっているキルギス南部を視察する予定。合同ミッションには、同国の首都ビシケクに事務所を構えるユニセフ国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連開発計画(UNDP)、世界保健機構(WHO)などが参加。

「今日の一言」

 東チモールの独立に向けた前進が始まりましたが、安定した政府が樹立されるまでは、 国際社会が引き続きしっかり見守り支援していくことが必要ですね。
 もともと、この東チモールの独立に向けた闘いはインドネシアが武力で併合した1975年に遡り、23年にわたる独立運動が繰り広げられてきました。しかし、南太平洋の人口60万人の「小さな島」に世界の誰も関心を寄せない状態がずっと続いたのです。
 状況が変わったのはつい最近で、東チモールの無名の2人Jose Ramos-HortaとBishop Beloが96年ノーベル平和賞を受賞したのが大きなきっかけとなりました。Bishop Beloは50歳を超える牧師さんでカトリック中心の同地域にとどまり非暴力の抵抗を続けた方です。一方のJose Ramos-Horta氏は、インドネシアの侵攻直後に国外に脱出し、主に国連大使的な役割を続けてこられた方です。
 この受賞きっかけに世界の目がこの「小さな島」に注がれるようになったわけですが、それでも具体的な行動にはなかなか結びつきませんでした。どの国も最強の成長市場といわれたインドネシアの経済的魅力に引かれ、スハルト政権との関係をより重視したからです。
 そして、決定的に状況を変えたのが、97年のアジア金融危機とそれに続く98年のスハルト体制の崩壊でした。こうした中で、主要国の姿勢も変化し、国連が本格的にイニシアティブを取る環境を整えたのです。
 こうして見てくると、ここ数年の幸運が東チモールの運動をここまで押し上げてきた様が分かりますが、同時に、今も世界から忘れ去られている地域が(アフリカを中心に)無数にあることを思い出さずにはおれません。
 経済的な、あるいは国際政治的な意味では無意味な地域にも、人々は生活を営み、命がけで戦いつづけている闘士たちがいる・・・このことを忘れないでいたいものです。

9月3日(金曜日) 文責:Yoshi

国連、コソボで外貨の使用を認可

 国連はコソボ経済再建の一環として外貨の使用を合法化した。この新法は国連コソボ暫定行政機構(UNMIK)を指揮しているBernard Kouchner氏が2日に署名したもので、外貨の使用や保有について制限を撤廃し、あらゆる外貨が使用できるようになった。

■WHO、緊急医薬品援助のガイドラインをリリース

 世界保健機関(WHO)は緊急時における医薬品の援助に関するガイドラインをリリースした。WHOは最近、アルバニア保健省へ5月に寄付された医薬品に関して調査を実施し、使用期限が1年未満のものがおよそ41%を占め、小さな無料サンプルパックや薬局へ返品されたものが18%を占めた。また、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ルワンダ、ソマリア、ホンジュラスで実施された調査でも、同様の結果が出ている。

■ユニセフ、ワーキングチルドレン向けの教育イニシアチブを開始

 国連児童基金(ユニセフ)は、教育が明るい将来と経済機会の向上をもたらすものと期待し、29カ国で強制的に労働へ従事させられている数百万人もの子どもたちへ学習の機会を提供するイニシアチブを開始した。
 このユニセフのプログラムには、ワーキングチルドレン(就労児童)のための特別教育戦略、路上で働く子どもたち向けの学校外教育プログラム、保護者へのサポートや経済的インセンティブなどが含まれ、初等教育の質の向上を図るほか、ワーキングチルドレンに関連する法の執行の強化や意識の向上を狙いとする。

■事務総長、フランス語圏サミットで対話による協和と協力を強調

 コフィ・アナン事務総長は、カナダで開催の第8回フランス語圏サミットで「Youth and the Dialogue among Civilizations」と題する講演を行い、フランス語圏で人種や社会を超えた対話により協和と協力を推進していくよう訴えた。さらに事務総長は、世界の人びとの潮流は明確にひとつのコミュニティの形成へと徐々に方向付けられつつあると語った。

◆<今日の一言>

 国連職員となるための競争試験が来年に予定されており、現在、受験申請を受け付けているようです。希望される方はお早めに。詳しいお問い合わせと受験申込書類の入手は下記の宛先まで。

International Recruitment Centre Ministry of Foreign Affairs
Kasumi-ga-seki 2/2/1, Chiyoda-ku,Tokyo, 100-8919
phone/facsimile: 03-3581-9473

9月7日(火曜日) 文責:山本

東チモール問題に関し、ジャカルタへ安保理ミッションを派遣

 東チモールの深刻な状況を国際社会に伝えるための安全保障理事会のミッションが、ジャカルタに派遣された。このミッションはナミビア国連大使 Martin Andjaba 氏を団長とし、マレーシア・スロベニア・オランダ・イギリス各国の国連大使から構成される。

東チモールの国連職員の安全確保のためUNAMET本部へ避難

 民兵による騒乱を沈静化するためにインドネシア政府によって戒厳令が布かれた中、国連は、職員(国連職員215名・現地職員120人)の安全を確保するため、東チモールの州都ディリにある国連東チモールミッション(UNAMET)本部へ集合・避難させた。UNAMET本部周辺は、インドネシア軍によって警備されている。

安保理議長、東チモールの状況を強く非難

 安保理議長は先週実施された住民帳票で独立派が勝利した後、暴力が広がっている東チモールの状況に関し、強い調子で避難した。

コソボの経済状況を進める委員会を設置

 コソボ暫定行政機構(UNMIK)は、コソボにおける経済に関する法律に関する検討・提案を行い、再構築を進めるコソボ経済政策諮問委員会(仮訳;the Kosovo Economic Policy Advisory Board)の設置を決定した。

UNHCHRがコソボの人道状況に関する報告書を提出

 国連人道高等弁務官事務所(UNHCHR)コソボの情動的状況に関する報告書を提出した。報告書の中で、Mary Robinson高等弁務官は少数民族に対する暴力を終結させ、コソボ解放軍(KLA)に、そのような状況に対する国連の捜査に協力することを要請している。

■UNDP、99年「貧困に対する闘争賞」受賞者発表

 国連開発計画(UNDP)が99年の「貧困に対する闘争賞」(仮訳;1999 UNDP Race Against Poverty Awards)の受賞者6人を発表した。この賞は、貧困に打ち勝つために地域で活動し生活向上に貢献した人々に授与されるものである。授賞式は8日、国連総会ホールで挙行される。

ダゲスタンの状況が悪化

 国連難民高等弁務事務所(UNHCR)は、反政府勢力がダゲスタンとチェチェン国境を超えていくつかの村落を襲撃するなど、ダゲスタンの状況が悪化していると報告。6000人の女性と子どもが避難している。

■有害廃棄物に関する責任に関する新議定書草案で大きな進展

 「有害廃棄物の国境を越える移動およびその処分の規制に関するバーゼル条約」に付帯する新たな議定書作成に関する会議が署名国87カ国によって開催された。

◆今日の一言

 9月1日分の「今日の一言」で書いた

おそらく、人間をつないでいるのは想像力です。

 という一言について、予想以上の方から反響をいただきました。
 メールを寄せていただかなかった方の中にも、同様の感想をお持ちの方も少なからず折られたかと思います。

 1つの記事を訳すことに関しても、ただ単に日本語に直すことに終始するのではなく、その背後に、確かに存在している、人間の喜怒哀楽を想像しながら、それが読者の皆さんにできるだけ伝わるように、努力していきたいと思います。

9月8日(水曜日) 文責:山本

東チモールからの撤退を延期

 国連東チモールミッション(UNAMET)要員の避難を決定していたが、東チモールからの撤退を24時間延期することを決定した。また、数名が現地に残る可能性もあることを示唆した。
 アナン事務総長は、全面撤退か一部残留かの最終的な決定はまだ下していないと報道陣に語った。さらに「私たちは国連職員のことの安否のみを気遣っているのではなく、UNAMET本部に避難している2000名の付近住民のことを考慮している。国連職員がいる限りインドネシア軍が民兵から守るからだ。」と、一部残留検討の理由を語った。

安保理は東チモールへ更なる行動を採る必要性を考慮

 安全保障理事会メンバーは、きわめて短期間のうちに東チモールの治安状況が改善されなければ、紛争解決への支援を行うために安保理として新たな行動を採る必要があるとのアナン事務総長の見解を支持した。

コソボの治安確保のために合同委員会設置を決定

 国連コソボ暫定行政機構(UNMIK)・国際治安維持部隊(KFOR)・各民族系の住民代表により構成されるコソボ暫定協議会は、第5回会合で、いまだ治安が悪いことを討議し、状況改善のため合同委員会を設置することを決定した。

コソボの住民登録を10月1日から開始

 来年に実施予定の選挙への第1段階として、コソボの全住民の住民登録を10月1日から開始する予定である。対象者は1989年以降にコソボから去ったアルバニア人や最近の情勢でコソボを去ったセルビア人をも含む。

■「国際識字デー」にちなんで事務総長が発言

 アナン事務総長は、国際識字デーにちなんで、知識の格差に橋渡しをし、すべての人々に生涯学習を供給できるよう国際社会に要請。

アフガニスタンに食料援助

 国連アフガニスタン調整官室の報告によれば、アフガニスタンの Hazarajat近郊では20〜30万人が飢えと貧困に直面しており、NGOと協力して約3万世帯に食料援助を継続中である。

9月9日(木曜日) 文責:阿部

■アナン事務総長が「年次報告」を発表

 アナン事務総長は今年度の事務総長年次報告の中で、国際社会は「かつてない人道的挑戦 "unprecedented humanitarian challenges " 」に直面しているが、戦争や緊急事態を予防するため一層効果的な戦略を採用すれば、数百億ドルの資金を節約するとともに数十万人の命を救うことができると指摘。

安保理議長、国連東チモールミッションの安全を確保を要請

 安保理議長であるPeter van Walsum大使は、東チモールにおける人道的危機状態の拡大に深い懸念を示すとともに、インドネシア当局に対して、国連東チモールミッション(UNAMET:the United Nations Mission in East Timor)の安全を確保するため緊急かつ効果的な措置を講じるよう要請。

国連は、国連東チモールミッション要員の一部を残留させる模様

 東チモールのディリにおいて拡大していた暴力が収拾していく気配をみせる中で、アナン事務総長は国連本部で記者会見し、小数の国連要員が国連東チモールミッション(UNAMET)本部に残留させたいと表明。
 スポークスマンであるFred Eckhard も、現在、国連東チモールミッション本部にいる200名の国連要員のうち約半数がIan Martin事務総長特別代表とともに本部に留まることになると指摘。

事務総長は、国連西サハラ住民投票ミッションの任期の延長を勧告

 アナン事務総長は、安保理に国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO:the UN Mission for the Referendum in Western Sahara)に関する報告書を提出するとともに、同ミッションの任期を12月14日まで延長するよう勧告。

コソボ事務総長特別代表が国連本部で2日間にわたりコソボ情勢について協議

 Bernard Kouchnerコソボ事務総長特別代表がニューヨークの国連本部に到着し、今後2日間にわたり、コソボのおける最近の動きと国連の活動に関して協議する予定。

コソボにおける文化芸術の回復を祝す国際フェスティバルが開幕

 国連児童基金(UNICEF)の発表によると、今週末、音楽・演劇の国際フェスティバル“The Return Festival”がコボにおける文化芸術の回復を祝して、Skopjeとプリシュティナにおいて開催される。

「今日の一言」

 先週のこの欄では、ノーベル平和賞を受賞した東チモールの独立運動指導者の一人 Jose Ramos-Hortaを紹介しましたが、彼は今も、インドネシア国軍による横暴に対して、米国をはじめとする国際社会が行動を起こすべきであると、ワシントンで活発なロビー活動を展開しています。
 一方、欧米各国は、インドネシア政府が認めない限りは介入できないとの姿勢を崩しておらず、国益と関係ない「小さな島」の住民を守るよりも「大きな市場」を有する大国インドネシアとの関係維持を優先したいとの思惑が見え隠れしています。
 9日付けワシントンポストは、「Outside The Zone」と題する論評を載せていますが、これは、ボスニアやコソボには介入しても、アジアはその域外だ、との意味です。国益が支配する国際政治の中で、遠いアジアの「小さな島」は、今後もやはり無視されつづけるのでしょうか。
Jose Ramos-Hortaは、米国のあるメディアのインタビューに答えて、「国際社会が東チモールを見捨てれば、国連はその信頼を失い、二度と回復できないだろう」と指摘していますが、こうした指摘は、国連支援の携わる私たちに、大切なことを思い出させてくれます。「国連」が、世界中の「忘れ去られた人々」とともにあるということを。

(国連安保理が、東ティモールへの部隊派遣などを検討する公開協議を日本時間十二日午前零時から開催するとのニュースが流れています。欧米各国が行動を起こすことに躊躇する中で、オーストラリア主導の国際部隊が編成される可能性もあります。)

9月10日(金曜日) 文責:Yoshi

事務総長、インドネシアへ国際社会からの協力受け入れを勧告

 コフィ・アナン事務総長は、東チモールは無秩序に陥る“重大な危機”にあると述べ、インドネシアは秩序と治安を取り戻すため国際社会による介入を受け入れるべきであると強調した。
 事務総長はインドネシア政府へオーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、マレーシアからの支援の申し出を遅滞なく受け入れるよう促し、同国政府がこれを拒絶した場合、「報告内容から照らし合わせても、人道に対する犯罪の責任を免れることはできない」と語った。

安保理、東チモールの秩序回復に向けた事務総長の提唱を全面支持

 安全保障理事会は、東チモールの秩序と治安を回復するためインドネシアは国際社会から協力を受け入れるべきとするアナン事務総長の提唱を全面的に支持すると強調した。
 安保理のPeter van Walsum議長(オランダ)は、すでに数カ国が事務総長へ協力を申し出ていることを安保理は歓迎していると語った。

「コソボの遺恨打開にはまだ数年が必要」と事務総長特別代表

 Bernard Kouchner事務総長特別代表は、コソボで犯罪の抑制や行政の再建で成功をおさめているが、昨今の問題の傷跡は深く、複数の民族が共生するコソボの再建にはまだ時間を要すると語った。
 Kouchner氏は安保理へ国連コソボ暫定行政機構(UNMIK)の最近の活動について報告し、その後の記者会見で、新たな大量虐殺現場の発見や少数民族に対する暴力の再発で依然強まる“遺恨”を打開するには、まだ数年を要するだろうと語った。

国連とエコノミスト、コソボ経済の法的枠組みについて協議開始

 国連とコソボのエコノミストは、コソボ経済の法的枠組みを練るため協議を開始した。
 コソボ自治州の州都プリスティナで9日、第1回目の会合が開かれ、Kosovo Economic Policy Advisory Boardは、金融セクター、金融政策、企業の在り方について検討する作業グループを立ち上げた。

コソボの食糧収穫が65%減少の見通し

 国連食糧農業機関(FAO)と世界食糧計画(WFP)は、昨今の紛争と難民の大量発生によりコソボ郊外で食糧収穫高が著しく減少し、今後数カ月内に深刻な食糧不足と経済的困窮に直面する見通しを明らかにした。両機関によると、コソボでは今年、家畜類を含む農作物の収穫高が65%減少すると予測されている。

■違法アヘンの生産量が60%の急増

 国連薬物統制計画(UNDCP)がまとめた年次調査報告で、違法なアヘンの生産量が世界的に60%増加しておよそ6000トンに達し、その4分の3はアフガニスタンで生産されていることが明らかになった。
 アフガニスタンでのアヘンの生産量は倍以上に増えて4600トンに至り、芥子を栽培している土地は43%の増加、実質的にすべてのアヘンの生産はタリバンの勢力地域で行われている。

◆<今日の一言>

 国連開発計画(UNDP)が8日に「Netaid.org」というWebサイトを立ち上げました。
 このサイトの開設には、クリントン米大統領、ブレア英首相、マンデラ南ア前大統領、アナン国連事務総長、デビッド・ボウイ、U2のボノ、ラップグループFugeesのワイクレフ・ジョンなどが協力しており、貧困や飢餓の問題に取り組む諸機関への寄付を募るそうです。来月には、ロックコンサートのWebキャストも予定しています。
 デビッド・ボウイやU2は知っているものの、有名なのかも知れませんがFugeesというのは初めて耳にしました(ファンの方すいません)。ちょっと調べたところ、Fugees は女性1人と男性2人のグループで、その名はRefugee Camp(難民キャンプ)に由来し、実際にメンバーのうち2人がハイチからの難民、つまりボートピープルだったということです。
 女性ボーカリストのローリン・ヒルはかなりの実力派という話しだったので、実際にアルバムを買ってきて聞いたんですがたしかにうまい、それに自分好みのなかなかの美人。曲はもとより、彼らの良さは反ドラッグ姿勢を貫き、さらに、収入のほとんどをハイチに学校や道路を作ることに費やし、彼ら自身もアメリカの大学で学んでいるというあたりにあるようです。

9月13日(月曜日) 文責:渡辺

アナン事務総長、インドネシア外相と会談

 インドネシア政府が国際的な平和維持支援を受け入れを承認した翌日の月曜、アナン事務総長は、インドネシアのアラタス外相とニューヨーク国連本部で会談、東チモールの平和と安全保障について討議した。
 また、事務総長は、国連主導の国際平和維持部隊が正式に組織されるまで、東チモールのインドネシア政府当局が秩序と安全を可能な限り維持する事を期待するとコメントした。

ロビンソン人権高等弁務官、東チモール紛争に国際的調査を提案

 ロビンソン高等弁務官は、東チモールの紛争を画策したとして、インドネシア国軍を非難、国際調査委員会設置を提案。人道状況の現地調査が週末にかけて行われ、ロビンソン人権高等弁務官は、調査後、ジャカルタで状況を解説、インドネシア国軍と民兵の共謀の跡が見受けられるとし、責任追及には、インドネシア政府の協力が重要な役割を負っているとしている。

 また、「意図的に世界の目と耳として機能していた東チモールの国連とメディアを排除しようとした動きにも関わらず、暴力がおきた場所、主要な人物の氏名などの数々の証拠収集ができた」と発言し、犯罪責任の追求が可能になった事を示している。

■第53回国連総会終了

 政治、経済、社会、開発問題等の170の多岐にわたる議題の討議を終え、国連総会第53回年次総会が、月曜終了した。
 今期最後のアジェンダの一つとして、「平和の文化に関する宣言と行動計画」"The Declaration and Program of Action on Culture and Development" を無投票で採択。

今会期中の統計
本会議開催数107
採択された決議309
決定事項130
 第54回国連総会は、火曜日に開会。

■アナン事務総長、非戦闘員保護方策を提案

 安保理に対する報告書の中で、アナン事務総長は、今日の紛争では、非戦闘員、また、非軍事・民間の建築物が戦略的にねらわれている傾向を指摘し、これを実現するために「安保理が積極的に主導権をとってこれを実現すべきである」として、9つの提案を示している。

国連西サハラ住民投票ミッション任期延長

 安保理は、全会一致で国連西サハラ住民投票ミッションの任期の3ヶ月延長を決定。12月4日までに、投票権を有する住民の確認作業を完了させたいとしている。

コソボ文民警察が、任務拡大

 コソボの国連国際文民警察は、プリシュティナ全土に警察任務を引継ぎ、拡大した。コソボ州は5つの地域で構成されており、そのひとつのプリシュティナ地域に500人以上の文民警察官が要域の4分署に配置され24時間体制の警備にあたっている。

Radhika Coomaraswamy 特別報告者、アフガンの女性に対する暴力を確認

 女性に対する暴力に関する特別報告者である Radhika Coomaraswamy 女史は、タリバン支配が続くアフガン地域を視察。女性の人権に対し広範かつ組織的侵害がいまだ公的政策として行われていると報告。
 特に、タリバンの "Department of the Promotion of Virtue and Prevention of Vice"(仮訳:美徳推進・不道徳予防省) の女性に対する布告は、まったく受け入れがたい物であり、国際人権基準から完全に逸脱しているとため、解体されるべきであるとしている。

■キャロル・ベラミィー事務局長再任

 アナン事務総長は、キャロル・ベラミィー現ユニセフ事務局長を再任。第2期目は、2000年5月1日より始まり、「子どものためのグローバルアジェンダ」を推進すると抱負を述べた。

◆「今日の一言」

 フロリダ半島全体を覆ってしまうような大型台風「フロイド」に追い出されるようにニューヨークに14日の午後帰ってきました。
 フロリダの空港を発ったときは、空はまだ晴れていましたが、現地の人々は、食料、水、車のガソリン給油、また、海岸地域の人々は、家屋・店舗の補強作業の後、内陸へ避難。数年前の大型台風"Andrew"で打撃を受けた教訓から、用意周到に準備や避難が進められておりました。

 連邦・州政府、郡や市などの地方自治体も非常事態に備え、次々に手を打っていきます。非常事態宣言が出されると同時に、台風を利用して、水、食糧、ガソリン、電池などの物資・食糧の値段吊り上げは、自動的に法律違反となり、有料高速道路も自動的に無料、しかも、料金所には、いつもより係員が多くいて無料になったのを過ぎ去る人々に知らせてせていました。当然、避難所などの設置も進んでいました。
 小さな事一つ一つが、人々を守ろうという基本姿勢をしめしているようで、改めて感心した次第です。

9月14日(火曜日) 文責:山本

■国連総会第54回期が開会

 キリバス共和国・ナウル共和国・トンガ王国の3カ国を新たに迎え、188カ国となった加盟国による国連総会第54回期が開会した。
 まず今千年紀最後の議長として Theo-Ben Gurirab 氏(ナミビア)を選出した。
 議題として172議案が提出されており、6委員会に分かれて討議される。

■「国際平和デー」にちなみ、事務総長「平和の文化への転換を」とスピーチ

 国際平和デーにちなみ、アナン事務総長はスピーチし、力の文化から平和の文化への転換、暴力から対話と理解の文化への移行を促進する計画を発表した。また、世界の平和の実現のためには多大な努力で茨の道を歩まなくてはならず、深いレベルでの行動が必要となるが、それでも私たちはできるのだ、と強調した。

(訳注:「国際平和デー」は毎年9月の第3火曜日。)

UNAMET要員はダーウィンへ避難

 一層悪化する東チモールの治安情勢のため、食糧事情も悪くなっており、国連東チモールミッションの要員をディリからダーウィン(オーストラリア)へ避難させることを決定した。UNAMET本部の建物に避難していた1400人の付近住民も同じく避難することとなった。
 UNAMETの要員は電気と水の確保できるオーストラリア領事館に残る12名以外はすべて退去する。

東チモール併合派が独立派住民を西チモールまで追撃しているとUNHCRが警告

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は複数のルートからの情報として、東チモールの併合派民兵が、独立派の住民を隣接する西チモールのKupangまで追撃(hunting down)している証拠が確認されたと警告した。
 また、人道問題調整事務所(OCHA)からの報告によれば、80万人の住民のうち、4分の3が食料・健康・住居の危機にさらされているという。

■事務総長は武力紛争下における非戦闘員の安全確保の方法を提案

 アナン事務総長は安全保障理事会に対し報告書を提出し、昨今の武力紛争では民間人の殺傷や社会基盤の破壊が、戦争の副産物としてではなく、戦闘目標として行われていることに警告を発した。そして、「国連はこのような事態に対処できる唯一の国際機関である」とし、国連および安全保障理事会がとりうる9つの提案を行った。

未だ収まらないコソボの少数民族に対する暴力

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はコソボでは少数民族に対する暴力がいまだ定期的に発生しており、この問題に対して国際社会はさらなる注意を払う必要があると強調した。

コソボを除く旧ユーゴ地域でも問題は山積

 アナン事務総長は、コソボを除く旧ユーゴスラビア共和国の地域で冬を迎えることになる難民の人道状況に関して警告し、特にセルビアとモンテネグロに対する支援の強化を強く要請した。

ルワンダ国際刑事法廷理事が常設国際刑事裁判所規定草案への批准を要請

 ルワンダ国際刑事法廷理事の Navanethem Pillay 氏は国際刑事裁判所の常設化へ向けた国際刑事裁判所規定草案への批准を各国に要請した。
 草案に60カ国が批准した時点で発効するが、現時点ではイタリア・サン=マリノ・セネガル・トリニダード=ドバコの4国のみが批准国。(その他に署名国が83カ国)

■UNAIDSがアフリカにおけるエイズ感染について報告

 国連エイズ合同計画(UNAIDS)はアフリカのエイズ感染についての報告書を公表し、エイズの蔓延を防ぐために男性の性行動の変革を求めた。
 この報告のための調査は97年から98年にかけてケニア・ザンビア・ベニン・カメルーンにおいて実施され、10代の女性の感染者の感染経路は年上の男性との性交渉によるものが多いという結果が出ている。

訳注:本文には記載はないが、これが合意の上の性交渉だとは限らない。
むしろ、強姦による感染もかなりの数に上るとされている。詳しくは
http://www.unaids.org/highband/fact/saepap98.html

など。

今日の一言

 ご存知の方も多いでしょうが、かわぐちかいじの劇画に『沈黙の艦隊』という作品があります。1隻の潜水艦が米ロ両国の艦隊を次々に破る一方で、軍事力の脱国家化と世界的な核の廃絶を提言します。そしてそのための国連決議を要請します。その艦長・海江田が国連総会に呼ばれ、会場に入る場面で、ある国の大使に呼び止められ、次のように質問されます。

カイエダ艦長 ひとつ聞きたい!
本当に核廃絶は可能なのか!
銃さえ捨てられないわれわれに核が捨てられるのか!?

 海江田は答えます。
わたしたちはできます!
と。これで一挙に議場は沸きかえります。

 …まあ、これは劇画ですし、話も若干荒唐無稽なところもあるんですが(でもこの作品は私は好きです)、私にとってはこの場面はワクワクものでした。

 2つめの記事で、アナン事務総長が
  「私たちはできます。」(We can do it.)
と語っています。
 「できます」を単なる希望的観測ではなく、深い決意と将来への確信であると感じるのであれば、その実現へと向けた具体的方途を探らねばなりません。
 逆に「何をノーテンキなこと言ってんだ」と感じるのであれば、変わるはずの未来も変わらないままでしょう。
 「私たちはできます。」(We can do it.)

と聞いて、ワクワクする人がどれだけ多くなるかが、その長い道のりの第一歩かもしれません。そうやってワクワクする人は「私たち」の一部なんでしょう、きっと。

9月15日(水曜日) 文責:山本

安保理は東チモールへ多国籍軍派遣を決定

 安全保障理事会は、とりうるあらゆる方策を講じて東チモールの安全と秩序を回復させるため、多国籍軍を派遣することを決議した。多国籍軍は、平和維持部隊が派遣されるまでの期間、国連東チモールミッション(UNAMET)を守り、支援し、人道援助を強化する役割をもつ。

事務総長、インドネシア・ポルトガル両国外相と会見

 アナン事務総長は上記の決議(安全保障理事会決議第1264号)を受けて、インドネシア・ポルトガル両国外相と会見した。過去の合意文書の確認とその履行について協議を行った。

WFPが東チモールへ食料の空中投下の準備開始

 国連世界食糧計画(WFP)は東チモールに対する緊急食糧援助の準備を開始した。
 供給は空中投下で行うが、"snow-drop"と呼ばれる、新しい技術で行う。これは羽の形をしたプラスチックの容器に高カロリーのビスケットが詰められているものでゆっくりと輪を書いて降りていき、軟着陸する。
 オーストラリアのダーウィンから空輸して、350万箱・70トンを投下する予定。

■DPI/NGO第52回年次会合が開催

 800以上のNGOからの3000人以上の代表者の参加による国連広報局・NGO第52回年次会合が開催。今年は「グローバル化世界の挑戦−新たな方向を求めて」というテーマで3日間の予定。

コソボで再建のための部隊を募集

 コソボ暫定行政機構(UNMIK)は、国土の復興や自然災害への緊急出動などのための非軍事組織の援助部隊・Kosovo Corps 結成のため、KLA(コソボ解放軍)の元兵士などから隊員を募っている。5000人程度の規模であるが、軍隊として機能するわけではなく、法的な強制執行力をも持たない。

UNMIKは最終審法廷判事を任命

 コソボ暫定行政機構(UNMIK)は、将来、コソボにおいて最高裁判所にあたる役割を果たすこととなる暫定最終審法廷(仮訳;Ad Hoc Court of Ginal Apeal)の判事5名を任命した。

■UNICEFはアフリカにおけるエイズ蔓延に対抗するための援助を要請

 ユニセフ事務局長 Carol Bellamy 氏はルサカ(ザンビア)で開催中の「アフリカにおけるエイズと性感染症に関する国際会議」でスピーチし、昨年だけでアフリカで200万人の犠牲者が「世界でもっとも恐ろしい宣戦布告のない戦争だ」と強調した。

◆今日の一言

 3つめの記事の "snow-drop"のくだりを読んで、空中投下だと、それこそ、低空を飛んで、ドサッと落とすというイメージしかなかったのですが、軟着陸させるための技術も研究されているんだなぁ、と妙に感心してしまいました。
 もちろん、陸上から配布できないという事態の深刻さが背景にあるわけですが。。

9月16日(木曜日) 文責:阿部

■国連安保理が武力紛争下の文民保護措置について討論を開始

 アナン事務総長が今週前半に、罪のない非戦闘員が攻撃対象となっている最近の状況に関する報告書を安保理に提出したのを受けて、国連安保理は、武力紛争下において文民を保護する措置について討論を開始。
 討論の開始にあたり、アナン事務総長は報告書を紹介し、世界各地の危機に終止符を打つため、「国連のなすべき仕事の最も重要なことは人間の安全保障を確立することである」と指摘するとともに、単に「会議、演説、報告書」といった活動だけでなく、更なる対応をしなければならない、と表明。

■国連総会の新議長は、国連改革等が重要議題となると指摘

 第54回国連総会の議長に選出されたTheo-Ben Gurirabナミビア外相は国連本部で会見し、今ミレニアムの最後の総会となる今総会の議題172件の中の主要課題は、安保理改組を含む国連改革、開発途上国における重債務の緩和などである、と指摘。

国連東チモールミッション団長代行がBaucauの状況を視察

 国連東チモールミッション(UNAMET)の団長代行 Rezaqul Haider 氏は、2週間にわたり暴力と破壊が続いた東ティモールの Baucau の状況を視察。同氏によれば、国連が使っていた住居や独立支持者の民家が略奪や放火の対象となったのは明らかであると指摘。

国連各機関は、東チモールでの人道援助活動の調整について合意

 世界食糧計画(WFP)、国連児童基金(UNICEF)等国連各機関は、東チモールの数十万の避難民に対する人道援助活動を相互に調整して進めていくことに合意し、30日間の行動計画のための準備を進めているところ。

コソボ事務総長特別代表がロシア外相と会談

 コソボ事務総長特別代表Bernard Kouchnerは、モスクワでロシア外相 Igor Ivanov 氏と会談し、コソボにおいて多民族の共存できる民主的なシステムを築くための国連の活動のあり方について会談。

■スーダンでポリオワクチン投与活動を行っていたユニセフ職員が銃撃され死亡

 スーダンで子どもたちに対するポリオワクチン投与活動を行っていたユニセフ職員 Ayub Sheikh Yerow 氏が銃撃で殺害されたことについて、ユニセフは声明を発表し、こうした攻撃は、国際法および基本的人権に対する全く許しがたい侵害であると、遺憾の意と、亡くなられた職員への弔意を表明。

◆「今日の一言」

 ミレニアム総会に先立つ最後の国連総会(第54回)が開幕しました。新議長が特に強調しているように、本総会では、国連改革問題、その中でも特に日本等の常任理事国入りに焦点が集まる可能性が高いそうです。
 ただ、今回の国連総会の開会に当たり、もう一つ、日本にとって重要なことがありました。国連のメンバーシップを求める台湾がその問題を国連総会の議題にするよう求めていた件で、最終的に国連総会が議題に含めないと決定したのです。台湾のこうした要求は7度目ですが、今回は、米国がはじめて公式に反対(つまり、台湾問題を審議しない)の姿勢を明確にしたのが特徴です。
 その背景には、この7月に起こった台湾海峡危機が反映しているのかもしれません。当時、台湾の李登輝総統が台湾と中国の関係を「国と国との関係」"special state to state relations"と述べたとたん、中国は台湾沖にミサイルを発射し、米国が空母を派遣する騒ぎになりました。
 こうした事件等を通じて、米国は、台湾の「独立宣言」、あるいは国連で「2つの中国」"two Chinas"を認めることが台湾海峡にもたらす緊張の大きさをより深く認知し、反対の姿勢を明確にしたのかもしれません。こうした米国の外交戦略の考え方は、ハーバード大学政治大学院長のジョセフ・ナイによる「米、台湾の独立反対明示を」(8/19付日経新聞)にも表れている通りです。
 こうした提言は、台湾の歴史を知っている人にとっては、とんでもなく節操のないものに思えるかもしれませんが、その一方で、台湾海峡の安定を最大の価値と見るナイ教授の主張にも冷静に耳を傾けねばならない、そう感じます。

9月17日(金曜日) 文責:Yoshi

安保理、一般市民への攻撃を非難。事務総長の提唱の検証で合意

 安全保障理事会は、武力紛争で故意に市民を標的とした攻撃を強く非難し、全会一致でコフィ・アナン事務総長による一連の提唱を検討することで合意した。事務総長は、国連が善良な非戦闘民を保護する能力を常に強化し、国連憲章の規定に従い2000年4月までに適切な手段を検討することを提唱している。

「東チモールでの組織的な人権侵害の膨大な証拠がある」と人権高等弁務官

 メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官は、東チモールにおける「意図的で、凶悪かつ組織的な」人権侵害行為の証拠が膨大にあると明らかにし、インドネシア当局へこのような暴力行為を法廷の場で裁くために国際的な調査組織を設置することで協力を求めたと報告した。同氏はまた、必要があれば、このような調査のイニシアチブをとる準備もあると語った。

東チモール問題へ取り組むため、難民高等弁務官がジャカルタ入り

 緒方貞子国連難民高等弁務官は、東チモールの住民が西チモールへの移動を余儀なくされている件についてインドネシア当局と会談するためジャカルタを訪問している。
 UNHCRに報告された内容によると、東チモールの独立を支持する住民は西チモールへの移動を余儀なくされており、国境の町Atambuaには住居や食糧、薬品のほか十分な水もなくおよそ1000人がいるという。

■総会、今会期の協議事項を決定

 国連総会は、コンゴ民主共和国での武力紛争や東チモールでの活動資金など、170項目にわたる今会期の協議事項を採択した。総会は、 国連と包括的核実験禁止条約準備委員会が初めて協力し、国際自然保護連合(IUCN)と黒海経済協力機構(BSEC)へ監督を委任することについて検討する予定。

9月20日(月曜日) 文責:渡辺

■アナン事務総長、「人間の安全保障」と「人道的介入」に焦点を当て基調報告

 一般演説開会に際し国連総会でスピーチに立ったアナン事務総長は、「人間の安全保障」と「人道的介入」に特に重点を置き演説。シエラレオネ、スーダン、アンゴラなどからバルカンやカンボジアに至るまで、最近の危機は、「人道的介入」のジレンマー国連の承認なしに介入する事の正当性と人道問題に対処する必要性ーを浮き彫りにしていると発言。
 また、コソボ問題に見られるように、民族間・内戦による暴力が続く現況には、国連憲章は、適切なガイドラインと見なせないのではないかとの見解を否定。国連憲章は、「生きている公文書」であり、国境内の人権保障を除外していないとしている。

■一般演説開会 − 14人の元首、5人の外相が登壇

 国連総会の一般演説が本日開会し、長年の伝統を踏まえてブラジルの外相を筆頭に14人の国家元首と5人の外相が登壇。現在の世界が直面する最重要な政治、社会、経済、そして開発課題に関し演説した。

■アナン事務総長、コソボの状況悪化を警戒

 安保理に対する報告書の中でアナン事務総長は、コソボの未来は、いまだ楽観できる状況ではないと警告し、国際社会に継続的な政治、財政、経済の援助を期待した。

■多国籍軍、東チモールに到着

 オーストラリア軍を中心とした多国籍軍の第一団2300人が、東チモールに到着し、ディリの国連施設、空港などの重要施設の安全を確保。
 また、週末にジャカルタに到着した緒方貞子国連難民高等弁務官は、数千人の東チモール住民が避難している西チモールを訪問し、20日には、インドネシア大統領と会見。

■アナン事務総長、ロシアでの爆弾テロを非難

 アナン事務総長は、エリツィン・ロシア連邦大統領への書簡の中で、最近の爆弾事件を「罪無き市民に対する残酷かつ無差別で防御不可能な恐怖の行動であり、全国際社会から非難されるべき」であるとし、ロシア人民に対し深く追悼の意を表した。

アナン事務総長、ギニア、リベリアへの人道援助をアピール

 西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS ; the Economic Community of Western African States) の指導者等に加わったアナン事務総長は、ギニア・リベリア間の国境における難民問題と人道状況悪化に対する支援をアピール。

■HIVとAIDS、アフリカ児童の保健に打撃

 記者会見に立ったベラミーユニセフ事務局長は、エイズとHIV の蔓延により 過去20年に渡るアフリカの子ども達の健康増進を全く無にする程に悪化しつつあると発言。

■アルバニアの武器回収パイロットプロジェクト順調に進行

 1997年アルバニアの武器庫が襲撃され、65万に及ぶ武器と数トンの弾薬が民間に流出にしたのをきっかけに国連と国連開発計画が武器回収とコミュニティレベルでの開発を推進するパイロットプロジェクトを開始。過去15ヶ月でライフルを中心とする5770の武器と10万トンの弾薬の回収に成功。これにより法と秩序がアルバニアの地に戻りつつあると国連軍縮担当事務次長の Jayantha Dhanapala 氏が記者会見で報告した。

「今日の一言」

 グラスノスチ・ペレストロイカの旗手ライサ夫人が、67歳で亡くなられました。
 また、トルコに続き台湾でも大規模な地震。すでに何百人もの死者が報告されています。亡くなられた方々のご冥福心よりお祈り申し上げます。
 第54回国連総会一般演説が始まりました。国連周辺には、黒塗りの車とパトカーが忙しく走り回り、本部の前を走るファーストアベニューなども通行止めになるなど緊張感を高めています。本日も計19の各国政府代表が演説に立ち、英文のデイリー・ハイライトでもいくつかをカバーしていますが、量が多いので翻訳は省略させていただきました。
 最初の事務総長の基調演説は、「人道的介入」が世界的に望まれてきつつある中、国家主権の再定義など新しい国連と国際社会の挑戦課題を明示しています。
 5年前のルワンダでは、アメリカが自国の政治的理由で安保理の行動を阻止するかちでツチ族の虐殺を見過ごすかたちとなり、コソボでは、ロシアや中国の拒否権を恐れて国連の承認なくNATO軍の介入を決定した事など、国家主権の再定義に加え、選択的介入、地域機関と国連の関係、安保理のあり方など検討課題は山積みといえますが、あくまでも「民衆の為に」という大前提を忘れず対話を尽くし新世紀の国連を築いて欲しく思います。

9月21日(火曜日) 文責:山本

■クリントン大統領、来るべき千年紀の課題への対応に国連は不可欠と発言

 クリントン米国大統領は、極度の貧困、集団殺害、大量破壊兵器による脅威など、国際社会が新千年紀に取組むべき課題に対処するには、国連の存在が「不可欠」と強調、同時に我々は国連が効果的に活動を遂行するのに必要な財源を提供する責任があると述べた。同大統領はさらに、グローバリゼーションによる貧困の地域差拡大を許すべきではない、残虐行為の防止に対し国際社会は共同責任を担うべき、核兵器・化学兵器・生物兵器使用の可能性から子どもたちを守ることを国際社会が決意すべき、と述べ、併せて合衆国議会に対し包括的核実験禁止条約を承認するよう訴えた。

■ペルー大統領、麻薬取引者やテロリストがラ米の静穏と良き政府を脅威にさらしていると発言

 フジモリ、ペルー大統領は、麻薬取引者集団やテロリストらの犯罪活動は、違法資金による地下での生産・商業・政治活動によって、時に「政府に対抗しうるほど」強大な力をもつに至っており、ラテンアメリカの静穏及び良き政府を混乱に陥れている、加えて貧困と人種差別が、新千年紀が平和と発展、福祉の新しい時代になるのを妨げる「高い障壁」になっていると述べた。同大統領はさらに、民主主義と公平の概念は国内のみならず国家間においても普及し、推進されるべきであると強調、「民主主義は国家を構成員とする国際機関には妥当しないが、世界の運命を左右する国際関係には妥当する」と述べた。

■ジンバブエ大統領、アフリカの平和への取組みを国際社会が支援するよう要請

 ムガベ、ジンバブエ大統領は、コンゴ民主共和国の平和維持活動に必要な支援を国連が拠出する、アンゴラでの反政府勢力UNITAが、1994年のルサカ平和協定を無視して戦闘を再開し大量虐殺を行ったことに対して、国際社会がUNITAに対する輸出禁止を強化する、アフリカ統一機構が斡旋したエリトリア・エチオピア間の紛争終結に向けた平和への取組みに対し国連が必要な資源を提供し支援するなど、国際社会がアフリカの平和への取組みを最大限背後から支え、アフリカが紛争を防止・管理・解決する能力を支援するよう訴えた。

■グアテマラ大統領、同国の平和構築と発展を援助する国連の役割の重要性を強調

 アルス、グアテマラ大統領は、グアテマラの和平プロセスの成果がかくも短期間に得られたことは国連システムの有効性と効率性を示すものであると述べた。同大統領は、グアテマラは国連との協力によって、1996年の和平合意協定調印以来、平和構築と発展という困難な課題に対処するにあたり楽観主義と希望とを維持することができ、またその成果は国連の支持を得ていると述べた。同大統領はさらに、国連グアテマラ人権検証使節団(仮訳: UN Human Rights Verification Mission in Guatemala - MINUGUA)が和平合意の 様々な局面の実施にあたって果した役割の重要性を強調し、グアテマラ政府は、国連がグアテマラ社会の支援のために行っている他の取組みの重要性も認識していると述べた。
 また大統領は、1996年の和平合意について、民主主義が浸透し、国民全体の持続可能な発展にコミットする、新生グアテマラの構築に必要な抜本的変革のための基本ガイドラインとなっていると述べた。

◆「今日の一言」

 さて、今日のデイリー・ハイライトは、全て国連総会における各国首脳の一般演説の内容です。
 最後のグアテマラの和平プロセスについてですが、この和平プロセスの一環としてグアテマラ歴史解明委員会(Guatemalan Historical Clarification Commission ? CEH)が設置され、その報告書が既にまとまってウエブで公開されています(http://hrdata.aaas.org/ceh/)。
 委員会は、調査結果に基づき、グアテマラ国家がマヤ民族の人々に対しジェノサイドを行ったという結論を出しています。

 ところで、このページのアドレスにも出てくるAAASですが、これはアメリカの科学者の組織で、その中にある「科学と人権プログラム」に所属する統計学の専門家たちが、グアテマラ歴史解明委員会その他各地の真実究明委員会(Truth Commissions)や旧ユーゴ国際刑事法廷の活動に関して必要となる、データの処理や分析をサポートしているそうです。最近、欧米では、こうした人権活動における統計的手法の活用の研究、実施が進んでいます。

9月22日(水曜日) 文責:山本

[国連総会における各国代表による演説]

■ホンジュラス大統領は貧しい国への災害援助を要請

 Ingeniero Carlos Roberto Flores ホンジュラス大統領は、ハリケーンやその他の自然災害で被害を受けた貧しい国への災害援助への行動を採るよう国連に要請した。昨年中央アメリカを襲ったハリケーンミッチにより、ホンジュラスでは15,000人以上が死傷または行方不明となり、国土のインフラの70%以上が破壊された。

■パラグアイ大統領は国連改革への努力を宣言

 Louis Angel Gonzalez Macchi パラグアイ大統領は、パラグアイは国連の活動の効果を改善するためのあらゆる努力を惜しまないと宣言し、すべての加盟国に財政的義務を果たすことを要請した。

■ラトビア大統領は国連の再活性化のために安保理改革をと提言

 Vaira Vike-Freiberga ラトビア大統領は、核保有国のみが大きな影響力を持ちつづけるような状態を改善すべきだと発言。国連の再活性化の中心課題は安保理改革であり、中小の国家や非常任理事国の意見や貢献に対し、もっとオープンになるべきだと強調した。

■ジブチ大統領はソマリアへ平和をもたらす活動を要請

 Ismael Omar Guelleh ジブチ大統領は、コソボに対して行われた平和と安定をもたらす活動をソマリアに対しても行うよう要請した。

■コスタ・リカ大統領は人道的危機に対する国連と安保理の活動を要請

 Miguel Angel Rodriguez コスタ・リカ大統領は、国際社会と国連は人道的危機などが原因で起こる武力紛争や内戦を防止することに失敗しているという事実に向き合わねばならいないと強調し、武力ではなく、公正と民主主義と開発の観点から解決の活動を行うべきであると演説した。

■スリナム大統領は麻薬の流通による脅威を強調

 Jules Wijdenbosch スリナム大統領は、スリナムのような中小の国家で、違法な麻薬の流通が国家の治安に関して大きな脅威となっていると強調。限られた資源ではそれらを摘発し尽くすことは困難であるばかりではなく、薬物は暴力や破壊をもたらし、マネーローンダリングなどを通して武器購入などにも用いられ、ゆゆしき問題となっている。

■ミクロネシア大統領は気候変動の重要性を強調

 Leo A. Falcam ミクロネシア連邦大統領は、ミクロネシアのような小さな島で構成されている国家は、海面上昇の危機にさらされており、世界の壊滅の危機の最前線におかれておるという状況を、世界にもっと認識してほしいと強調した。

■ザンビア大統領はコンゴの平和維持活動の承認を要請

 Frederick Chiluba ザンビア大統領はコンゴ民主共和国における適切な期間と規模の平和維持活動を承認することを国連に要請した。

■セントクリストファー・ネイビス首相はグローバリゼーションの弊害への対策を要請

 Denzil Douglas セントクリストファー・ネイビス首相は、グローバリゼーションの弊害への対策を国連が採らねばならないとし、国連貿易開発会議(UNCTAD)にこの問題を取り上げるように要請した。

☆ ☆ ☆

東チモールへ援助物資を空中投下

 国連は暴力のため非難している独立派住民への援助物資を配布を継続している。世界食糧計画(WFP)はオーストラリアの空軍機で1日30トンの食糧を西チモールの3地点に空中投下した。

東チモールで特派員殺害

 東チモールでフィナンシャルタイムズの特派員が殺害され、アナン事務総長は衝撃を露にした。多国籍軍(International Force in East Timor ;INTERFET )は捜査を開始。

■UNMIBHの活動が進展

 アナン事務総長は、国連ボスニア=ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)に関する報告を安保理に対して行い、ボスニア=ヘルツェゴビナの各民族の指導者が依然として、警察・司法を国際的な水準にまで引き上げようとの政治的意思を示さない状況ではあるが、専門的かつ民主的な警察の確立に着実な進展が見られると述べた。

コソボ暫定協議会でセルビア代表が退席

 22日に開催されたコソボ暫定協議会で、セルビア系住民代表がコソボ保護部隊の創設に抗議して退席した。しかしながら部隊は継続する方針。Bernard Kouchner 代表は「セルビア系代表の退席は一時的な後退だが、再参加への努力ははじめる」と語った。

■世界の人口は60億人に

 国連人口基金(UNFPA)が発表した報告書 "State of the World Population Report 1999" によれば、世界の人口は10月にも60億人に達するだろうと予測。年に1.3%、7800万人ずつ増加しており、中でもサハラアフリカ地域の人口増加が著しいと指摘している。

事務総長、中央アフリカの大統領選挙の無事終了を賞賛

 アナン事務総長は、日曜日に行われた中央アフリカ共和国の大統領選挙が、成熟と落ち着きのなかで行われたことを賞賛した。

パキスタンが飛行機撃墜事件について国際司法裁判所にインドを提訴

 先月に起きた、インドによるパキスタ機撃墜事件に関し、パキスタンは賠償金を求めて国際司法裁判所にインドを提訴した。パキスタン側の主張によれば、非武装で訓練飛行を行っていた16人乗りの航空機を警告なしに撃墜したとのこと。

◆今日の一言

 すみません、22日分が大変遅れました。
 決してサボっていたわけではないのですが、未だに、デイリーハイライトのページhttp://www.un.org/News/dh/latest.htm)は21日のままなんです。でも検索すると22日分がヒットしたので、あわてて訳しました。項目が多いもので、1つ1つの記事が短くなっているのはご容赦ください。(これでも全部訳してないんです^^;)
 さて。
 9つ目の記事に出てくる「セントクリストファー・ネイビス」という国名ですが、原文でも国連サイト(http://www.un.org/Overview/unmember.html)においても、" Saint Kitts and Nevis "となっていますが、『国際連合の基礎知識』(国連広報局出版、国際連合広報センター監訳)で対応する国名をみると「セントクリストファー・ネイビス」しか考えられない(加盟年月日が一致)ので、これを採用しました。
 手元の地図(帝国書院の高校生用のもの!)でも1999年度版のイミダスでも「セントクリストファー・ネイビス」となってます。しかし、この国、どこにあるかご存知でしょうか?(ヒント:ドミニカの近く)

9月24日(金曜日) 文責:Yoshi

■コフィ・アナン事務総長は安全保障理事会の各国元首クラスの会合で、国際社会はあらゆる場面で小火器や軽兵器の国際的な拡散を抑制していかねばならないと語った。

■安全保障理事会は小型兵器の問題に取り組む初の各国大臣との会合を開き、武力紛争中のまたは武力紛争に発展しつつある各国・地域への小型兵器の流入を止めるよう呼びかけた。

■パナマのMireya Moscoso大統領、貧困問題への取り組みと弱者への支援の必要性を強調した。

■ドミニカ共和国のLeonel Fernandez Reyna大統領、21世紀にすべての国家と国連が取り組むべき最大の課題は貧困の撲滅である語った。

■ギニアのLansansa Conte大統領は、安保理の新たな形態として、地理的な平等性を十分に反映しなければならないと強調した。

■ガンビアのAlhaji Yahya Jammeh大統領は、アフリカで起こっている紛争への対応が遅く、時として全体的に不十分であると語った。

■ガイアナのBharrat Jagdeo大統領は、国連が疲弊した社会の平和構築や再建へ漸進的に取り組みを強化していくべきであると語った。

■スロベニアのJanez Drnovsek首相は、国際社会へ大凶悪な人権侵害行為から善良な市民を保護する手段を模索するよう訴えた。

■14カ国の外相らは、国連総会の年次高官会議の5日目、国際的な安全保障と経済の問題について協議した。

■コフィ・アナン事務総長は、引き続き国連は貧困の問題へ取り組んでいき、完全な貧困の撲滅が近い将来に達成できるよう念願していると発展途上国の高官らへ語った。

インドネシアとポルトガルの代表は、来週のアナン事務総長と両国外相の会談に向け、国連東チモールミッション(UNAMET)の次の活動に関する2日間の協議を終了した。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の広報は、東チモール問題についての証言で計画的かつ組織的に住民をインドネシアへ強制移動させる火急の事態が示唆されていると明らかにした。

今日の一言

 米国のメディアが最近、人種間や地域間におけるハイテクの利用格差、つまり“デジタル世界での不平等”が世界的に広まっていると報じていました。以下はその報道の内容をかいつまんで翻訳したものです。
 米国企業が高速インターネットアクセスの買収に多額の資金を費やしている一方で、世界中では多くの人が電話さえも利用できない状況にある。あるインターネット企業の幹部は、「誰でもネットにアクセスできるという言い方は非常に傲慢な考えだ。世界には1日に3ドルしか稼げないという人が恐ろしいほどたくさんおり、そんな状況であれば、子どもに食べ物を与えることでさえ困難だ」と語る。国連は「1999年度人間開発報告書」で174カ国でのハイテクへのアクセスに関する調査をまとめているが、その結果は芳しいものではない。現在、世界のインターネットユーザーの88%は豊かな先進国からアクセスしており、また英語のWebサイトは10件中8件を占めている。しかし世界中で英語を話す人の数は10分の1に過ぎない。バングラディッシュの平均的な就労者がコンピュータを購入するには8年分の稼ぎが必要であり、カンボジアではわずか100人に1本の割合でしか電話が普及していない。

9月29日(水曜日) 文責:山本

■安保理はアフリカの平和に関する討議を再開

 安保理では、「アフリカにおける紛争の根源と平和への道」が主要議題となって討議された。この議題で討議したのは、前回は1997年9月であり、それ以降、98年事務総長は報告書を提出しており、今回も最新の報告書を提出した。

東チモール問題でインドネシア・ポルトガルが外相会談

 アナン事務総長と Ali Alatas インドネシア外相と Jaime Gama ポルトガル外相は国連本部で会談し、東チモールにおける緊急の必要に関して討議した。この結果、暴力で破壊された地域において行政の真空状態を改善し基本的な社会サービスの提供を確保するため、国連がインフラと人員を派遣するという合意に達した。

東チモールの騒乱の被害者の予測を上方修正

 国連は東チモールにおける騒乱で避難するなど被害にあった人数を上方修正した。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は20万人への援助を計画している。うち西チモールへ逃れたのが15万人、他の小さな島々へ避難したのが5万人と推定している。

■後発開発途上国会議が開催

 後発開発途上国(the least developed countries ; LDCs)の年次総会が国連本部で開催され、アナン事務総長は、これらの国への新たな援助が現れたことは歓迎すべきことであるが、経済状態は悪いままで改善していないことに重大な懸念を抱いていると声明。

■生態系の危機とグローバルゼーションの衝撃にさらされている小島嶼国への援助を要請

 総会は、小島嶼国に関する特別会議を開催、経済のグローバリゼーションの影響だけでなく、海面上昇や自然災害などに襲われている小島嶼国への援助を要請した。

■ギニアビサウ大統領は法の支配復活への援助を要請

 Malam Bacai Sanha ギニアビサウ大統領は、自国の「法の支配」復活への努力への支援を要請した。ギニアビサウは難民にあふれ、経済的社会的基盤が崩壊しており、生活環境も劣悪なものとなっている。

■サモア首相は国際的介入の基準設定に関する事務総長の提案に賛同

 Tuila'epa Sailele Malielegaoi サモア首相は、世界では多くの人々が紛争に巻き込まれ基本的人権も人道的状況も守られていないままで、効果的な活動とマッチしていない、と発言。同時に、国際的介入の基準設定に関するアナン事務総長の提案に賛意を表した。

■マレーシア首相は小国の文化的自衛の権利を主張

 Mahathir Mohamad マレーシア首相は、小独立国家が西側の文化的影響やグローバル経済の影響から自衛する権利を主張した。

■事務総長はUNIKOMの任務延長を提案

 アナン事務総長は安全保障理事会に報告書を提出し、国連イラク・クウェート監視団(UNIKOM)の活動期限の延長を提案した。報告書によればイラク南部の非武装地帯で49件の違反があったという。

旧ユーゴスラビア国際刑事法廷はコソボの戦争犯罪を精力的に追及

 国連旧ユーゴスラビア国際刑事法廷の新任の検察官 Carla Del Ponte は、コソボにおける戦争犯罪を積極的に摘発していくと発言。

UNMIKは、要員3名の解放をベオグラード当局に要求

 月曜日に国連の車で移動中だったUNMIK要員3名が Krajlevo でベオグラード当局に拘束され、コソボ暫定統治機構(UNMIK)は、彼らの解放を要求した。

コソボ暫定協議会はBresjeの事件を非難

 火曜日に Bresje の市場で起きた手榴弾によるテロで2名が死亡、40名以上が負傷した事件を強く非難した。

コソボへの支援継続を要請

 国連人道問題副特別代表の Dennis MacNamara 氏は、コソボは来るべき冬に対し、経済状況の悪化を防止し、治安状況を維持するために国際的支援の継続を要請した。

◆今日の一言

 今週も配信が遅れてしまいました。
 総会が開始後デイリーハイライトは21日のままです。そのかわり(?)、Latest News というコーナーでその日の出来事を紹介しています。数日するとDaily Highlightsで検索可能になっていたのですが、今はその検索用のサーバ(search.un.org)もダウンしてるようです。というわけで暫定的にLatest News コーナーから訳出します。
 連日、総会で各国首脳(大統領・首相)が演説しているわけですが、とりわけ、小規模な国が、グローバル化する経済・一極化する文化の「暴力」から自衛する動きを主張しているのが目をひきます。
 グローバルスタンダード万歳でいいのかという声が日本でもありますが、まだ、日本の規模ですと、文句も言えるし、別の基準だって出すことができるわけですが、経済的な規模が小さい国ではそんな悠長なことを言っていられないのですから。

9月30日(木曜日) 文責:阿部

■アフリカに関する公開協議で共通戦略を要請

 安保理で2日目を迎えたアフリカに関する公開協議において、アフリカ諸国の代表が発言し、アフリカ大陸に平和と安定をもたらすため、国際社会及びアフリカが共通の戦略をとるよう要請。

東ティモールに関する国際調査委員会設置へ

 アナン事務総長は人権委員会の決議を受け、ロビンソン人権高等弁務官に対して、東ティモールに関する国際調査委員会を設置し、調査結果を12月31日までに報告するよう指示。

東ティモールにおいて、約10万人がディリに帰還

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、東ティモールにおいて、現在、既に約7万人の住民がディリに戻っており、更に数日中に3万人がディリに到着する予定。

■各国の外相および代表が国連総会で一般演説

 モザンビークのJoaquim Chissano大統領は、国連総会で一般演説を行い、アンゴラの人道的悲劇やコンゴ民主共和国への平和維持軍早期派遣など、アフリカの諸問題に対する国際社会の行動を要請。
 ベリーズのMusa大統領は、グローバリゼーションや貿易の自由化は誤って管理されていると懸念を表明。
 ソロモン諸島のBartholomew Ulufa'Alu首相は、ガダルカナル島において発生した暴動が経済各部門に影響を及ぼし、避難民3万人を生んだことについて触れつつ、この暴動がこのまま拡大すれば同国の平和と安全に深刻な脅威となると指摘。
 ニジェールのIbrahim Assane Mayaki首相は、国際社会に対して、アフリカ、特に最も貧しい国々への財政的支援を拡大するよう要請するとともに、現在の開発のための公的支援の規模はこれまでの50年間で最も小さくなっていると指摘。
 ネパールのKrishna Prasad Bhattarai首相は、持てる者と持たざる者との格差が広がっていることを指摘し、政府開発援助の拡大を要請。
 その他、カタール、サウジアラビア、モーリシャス、コンゴ共和国、シリア、韓国、エクアドル、バルバドス、リビア(国連大使)、イエメン、セントルシア、スーダン、シエラレオネの外相および代表が一般演説を行った。

ロシアはチェチェンに係る国連の緊急援助活動に合意

 国連難民高等弁務官(UNHCR)は、チェチェンから流出する人々に対して緊急援助活動を行うことについて、ロシアから正式許可が出たと表明。

ブルンジの避難民の状況を把握するための調査チームを派遣

 ブルンジの首都 Bujumbura 周辺において反政府勢力の攻撃が激化するなか、国連及び民間援助機関は、保護地域に移送された避難民数十万人の状況を把握するための調査チームを派遣。

■セーシェルが最悪の形態の子ども労働禁止条約を批准

 セーシェルが、今年6月に採択された最悪の形態の子ども労働禁止条約を批准。同条約を批准するのは、セーシェルが初めて。

■南東欧州地域の再建問題に関する各国蔵相会議が開催

 南東欧州地域の再建問題に関する各国蔵相会議がワシントンで開催され、コソボにおける国連活動を率いるJoly Dixonが公営企業の民営化がコソボ経済の再活性化に繋がると指摘。

■米国連邦裁判所において国連元職員の水増し請求容疑に有罪表決

 米国連邦裁判所において陪審は、国連元職員Charles Kimが国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)に係る水増し請求により80万ドルを不正に得ていた容疑について有罪表決を答申。判決は12月8日の予定。

「今日の一言」

 国連総会での各国代表の一般演説が続いていますが、初日になされたアナン事務総長の演説が様々なメディアで取り上げられ、論議を巻き起こしているようです。
 アナン事務総長は、94年のルワンダでの大量虐殺やコソボ紛争の経験を踏まえつつ、これまでになく国家主権(State Sovereignty)に直接的に言及しました。
 「国連憲章は、国境よりも人権を尊重」、「国家は国民に奉仕するための道具であって、その逆であってはならない」、「集団的利益こそが国益である(the collective interest is the national interest)」(the Economist)等と国連が国家に介入していく根拠を示しつつ、世界の紛争に対して、安保理を中心に迅速な対応を行っていくことを主張しています。

 これに対し、アフリカ統一機構議長でもあるアルジェリア大統領が、「不平等なルールが支配する現代の国際社会において、主権は我々の最後の砦」であると真っ向から批判するなど、議論が続いています。
 我が国でも憲法論議が活発化していますが、こうした世界の「憲法論議」も併せて考えていくことが、21世紀の世界と日本を展望する上でとても重要であると感じます。

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Updated : 2007/02/20