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Title : June 1999
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6月1日(火曜日) 文責:山本

国連人権高等弁務官事務所はコソボでの人権蹂躙の証拠を開示

 ロビンソン国連人権高等弁務官は、コソボ地域での人権蹂躙に関する十分な証拠を確認した報告書を発表。正式な手続きを踏まない刑の執行・強制追放・レイプ・虐待・財産の破壊・身分を証明する書類の破棄などが行われた証拠を開示した。
 この報告書は旧ユーゴスラビア・マケドニア共和国やアルバニア・モンテネグロに非難した難民への聞き取り調査をもとに作成された。

国境付近での戦闘と規制で避難が鈍化

 国連難民高等弁務官事務所の最新の報告書によればコソボとアルバニア国境付近での戦闘と、マケドニア国境におけるセルビア側の新たな統制によって、難民流出が妨げられている模様。正式な書類を所持していなければ国境を通過させないという方針に転換したと見られ、月曜日には64人がパスポートを所持してないという理由で出国を許されなかった。

ユーゴでNGOの職員をスパイ容疑で有罪判決

 国連と機関間常設委員会(Inter-Agency Standing Committee)は、ユーゴスラビアで先週、NGOの CARE のオーストラリア人職員3人に対し諜報活動行為で有罪の判決が下されたことに深い遺憾と懸念を表明した。

事務総長、インド・パキスタン両首相と会談

 アナン事務総長はインド・パキスタン両首相と会談を持ち、カシミール問題についての首脳会談開催に合意した。

MINURCAのミッションが遅延気味

 アナン事務総長は、国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA)の活動に関する報告書を安保理に提出。選挙が遅れると、ミッションの目的達成が危うくなるため、政府に大統領選挙の準備を急ぐよう要請した。

■UNFILの要員死亡に強い非難

 事務総長は国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の要員がイスラエル国防軍(IDF)・南レバノン軍(de fact forces=DDF)の攻撃を受けて死亡したことに対し強く非難した。1978年以降、レバノンにおける敵対的戦闘によって死亡した国連平和維持軍兵士は77人となった。

東チモール住民投票事務総長特別代表が現地へ

 東チモール住民投票事務総長特別代表 Ian Martin 氏が、ディリ空港に到着。

■第87回ILO年次総会開幕

 第87回ILO年次総会がジュネーブで開催。今回の総会では、子ども労働禁止条約が採択される見込み。子ども労働は、最悪の形態であり、有害かつ搾取的と考えられている。

◆今日の一言

 3番目の記事に出てくるNGO CARE のページに、関連記事が掲載されています。

   http://www.care.org/info_center/kosovo/kosovonews38.html

6月2日(水曜日) 文責:山本

国際司法裁判所はユーゴによる緊急処分要請を却下

 国際司法裁判所(ICJ)は、ユーゴスラビアより提出されていた、NATOの攻撃中止を求める要請を却下した。
 ユーゴスラビアは4月にNATO10カ国をICJに提訴していた。

■事務総長はローマ法王と会見予定

 アナン事務総長は木曜日にバチカンを訪問し、ヨハネ=パウロ2世と会見する予定である。会見ではコソボ危機や当地域における平和構築について議論が交わされる見込み。この会見は法王の側から呼びかけがあったものであるが、これは異例のことであり、法王から会見申し入れを行うのは40年ぶりのことであるとのこと。

コソボの人道状況悪化を警告

 安全保障理事会へのブリーフィングで Sergio Vieira de Mello 人道問題担当事務次長は、バルカン地域での紛争を早急に終結させなければ、コソボ及び旧ユーゴスラビア共和国の他の地域の人道状況は急激に悪化するだろうと警告した。また、時間が経ち、冬が近づくに連れて難民を元の地域に戻ることは困難であるとも警告した。

UNHCR、コソボ=アルバニア国境での治安状況悪化に懸念を表明

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はコソボとアルバニア国境付近での治安状況の悪化に深刻な懸念を表明した。
 国境付近ではコソボ解放軍(KLA ; Kosovo Liberation Army)とセルビア軍が交戦状態であり、火曜には46人しか Moriri 通過所を通り抜けることができなかった。

■安保理、南レバノンでの国連平和維持軍要員死亡に非難

 安保理議長は報道声明でイスラエル国防軍(IDF;Israel Defense Force)・南レバノン軍(DDF;de facto forces)の攻撃によって国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のアイルランド兵士1名が死亡、2名が負傷(うち1名は重態)したことに対し非難した。

■アフリカの難民の最新状況を発表

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はアフリカの難民の状況に関する報告書・"Africa Fact Sheet"の最新版を公開した。これによると99年1月現在で650万人が家を追われ、うち330万人が難民となっている。難民流出が最も多いのはシエラレオネで41万1千人で、ソマリアも40万人を超えている。
 逆に難民を受けている数の多い国はギニアで41万人、次にスーダンで39万人である。

■ロシアへの海外直接投資が激減

 国連貿易開発会議(UNCTAD)の報告によると、中央ヨーロッパ・東ヨーロッパ地域への海外直接投資額は昨年の130億ドルから160億ドルと増加しているのに対し、ロシアへの投資額は60億ドルから20億ドルへ減少している。

■「牛のペスト」蔓延の危険

 国連食糧農業機関(FAO)は「牛のペスト」とも呼ばれる「牛痘(rinderpest)」が蔓延しつつあると警告した。牛痘の症例が見られていたのはスーダン南部・ソマリア南部・パキスタンの一部に限られていたが、ここ数年でロシア東部・アラビア半島南部・トルコ=イラク国境付近のクルド人居住地域でも見られるようになった。
 この病気により牛が死ぬことにより、収入源も食糧にも影響を及ぼし、食糧安全保障上の問題もあるため、注意を呼びかけている。

◆今日の一言

 翻訳している最中、TVニュースではユーゴ政府が和平提案を受諾したと報じています。和平提案の全貌は現段階では明らかではありませんが、このまま事態が沈静化することを望んでやみません。

 さて、1番目の記事の判決に関するコミュニケは

 http://www.icj-cij.org/icjwww/ipresscom/iPress1999/ipresscom9923_iyall_19990602.htm

 で読むことができます。
 また、6番目の記事に出てくる"Africa Fact Sheet"の最新版は

 http://www.unhcr.ch/news/cupdates/9906afri.htm

で読むことができます。

6月3日(木曜日) 文責:阿部

アナン事務総長ら、コソボ和平案のユーゴ受諾を歓迎

 アナン事務総長は、バチカンでローマ教皇ヨハネ=パウロ2世とバルカン情勢について会談を持った後、セルビア議会がNATOコソボ和平案の受諾を決定したとの報道に関し、慎重ながら歓迎の意を表明。
 アナン事務総長は、記者の質問に対し、「ミロシェビッチ大統領の対応等詳しいことが分かる前に喜ぶのは早すぎる」とし、更に、「詳細が分かったとすれば、次のステップは安保理決議だ」と指摘。

 緒方国連難民高等弁務官も、歓迎の意を表明する一方、コソボ難民80万人が帰還できるか否かは現地の情勢次第であると指摘。

国連特別報告者はコソボでのユーゴの民族排除を非難

 司法権外、即決および恣意的な刑の執行に関する人権特別報告者(the Special Rapporteur for extrajudicial, summary or arbitrary executions)であるAsma Jahangir氏は、アルバニア及び旧ユーゴ連邦マケドニア共和国を視察した結果についてジュネーブで会見し、コソボでのユーゴの行動は「恐ろしい野蛮な民族排除である」と非難。

安保理議長、世界での難民急増に懸念を表明

 安保理議長の Baboucarr-Blaise 大使は、世界中で難民・国内避難民の数が急増していることについて深刻な懸念を表明。国際社会、特に援助国に対し、干ばつや飢餓に襲われている国々への援助を要請する国連機関間アピールに積極的に対応するよう要請。
 また、アナン事務総長による国連中央アフリカ共和国ミッション(MINURCA:UN Mission in the Central African Republic)に係る治安部隊の建て直しへの支援要請を支持するとともに、同国の大統領選への支援を要請。

世界食糧計画、大湖地域への食糧援助に協力を要請

 世界食糧計画(WFP)は、中央アフリカの大湖地域における食糧援助を継続するため、国際社会に対して 1,300万ドル追加支援を要請。世界食糧計画は、ルワンダ、ブルンジ、ウガンダ、タンザニアの百万を越える人々にとって唯一の食糧供給源となっている。

■東京でグローバル・コモンズ世界会議が開催

 国連環境計画の Klaus Toepfer事務局長は、92年の国連環境開発会議(「地球サミット」)のフォローアップ会合であるグローバル・コモンズ世界会議(東京)で演説し、「生命を支える(life support)」システムに対する負荷が過大となっており、持続可能な開発に向かわなければ深刻かつ不可逆的な環境破壊に直面すると警告。
 グローバル・コモンズ世界会議では、21世紀のグローバル・コモンズ(global commons)である地球環境の保全について、財政、科学、技術、都市環境などの観点から意見交換が行われる。

■国連食糧農業機関がヨルダンでの大干ばつに警告

 国連食糧農業機関(FAO)及び世界食糧計画(WFP)は、ヨルダンが数十年に一度の最悪の干ばつに襲われており、百万人以上の人々が食糧不足の脅威に晒されるかも知れないと警告。

◆「今日の一言」

 東京で開催されているグローバル・コモンズ世界会議に合わせて、国連大学(渋谷)で様々なイベントが行われています。これらは、6月5日の世界環境デーを記念したもので、6月2日から13日までの期間、環境ライヴ、国連大学オープンハウス、環境フォト、自転車展示、国際環境マーケット、連続セミナーなど環境関連イベントが開催されます。
 皆さんものぞいてみてはいかがでしょうか。詳しくは、

 http://www.geic.or.jp/geic/worldenvday.html

でどうぞ。

6月4日(金曜日) 文責:yoshi

コソボ和平プランが作業開始

 アナン事務総長は、コソボの和平合意についてはまだ煮詰めるべき点は多いが、和平プランの実施に向けて集中的な作業が始まったと明らかにし、「この悲劇的な危機が終結し、難民や国内避難民が尊厳を持して安全に帰還できるようになることが、国際社会にとって意義ある勝利であると常に信じてきた」と語った。

UNHCR、コソボ難民の帰還計画を推進

 ベオグラードの政府がコソボの和平プランを受け入れたことで、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、数十万人の難民や国内避難民の帰還準備を進めている。UNHCRでは、セルビア軍がコソボから完全撤退し、安全な帰還を保証するために強力な多国籍軍を配備することが、大規模な難民帰還計画の成功の鍵をにぎると主張している。

IAEA、ユーゴの核査察を再開

 国際原子力機関(IAEA)は、5カ月間にわたり中断していたユーゴスラビア連邦共和国での月次核査察を再開した。IAEAの査察チームは、貯蔵されている核燃料の調査を行うためベオグラード近郊の核研究センターに入った。

■事務総長、南アの新大統領誕生を歓迎

 コフィ・アナン事務総長は、Thabo Mbeki氏が南アフリカの新大統領に就任する運びとなったことを祝し、民主化と発展の強化に向けた継続的な国連支援を要請した。国連の広報よると、事務総長は、選挙が建設的かつ平和的に行われたこととや、南アが民主化のプロセスに忍耐強く関わっていることに賞賛を示した。

■環境保護デー、"Our Earth - Our Future - Just Save It!"

 国連は "Our Earth - Our Future - Just Save It!" とのテーマのもと、世界環境デー(6月5日)を記念する一連のイベントを催し、現代および未来の世代のために改めて環境を保護する努力を呼びかけた。メインフェスティバルは東京で開催される予定であり、環境保護に功績が認められた個人や団体に「Global 500」が表彰される。

■UNEP、ダイオキシン規制の必要性を主張

 国連環境計画(UNEP)のKlaus Toepfer事務局長は、欧州連合(EU)がダイオキシンで汚染された家禽の特定化と破棄を呼びかけたことに賛意を示した。同氏はEUの行動がPOP(12種類の危険汚染物質;「残留性有機汚染物質」との定訳、との読者からのご指摘あり。)の排出の削減または禁止に向けた世界的な行動の必要性を指摘しているとし、来年中には法的拘束力のある条約が採択されることを確信すると語った。

国連、アフガンの森林伐採を危惧

 国連の広報は、アフガニスタンでの森林伐採を抑制するため、同国からの木材の輸入をボイコットするよう呼びかけ、「アフガニスタンの人びとにとってかけがえのない天然資源である森林が、完全に消滅する危険にさらされている」と語った。

今日の一言
▼6月5日付けの聖教新聞に掲載された「名字の言」の抜粋です。

 南アフリカの総選挙でアフリカ民族会議が勝利した。今月の国会で、党首のムベキ副大統領が新大統領に指名され、「マンデラの後継者」となることが確実となった。
 虹の国造りを後継者に託す前に、マンデラ大統領が行った“最後の戦い”。それはアパルトヘイト時代に塗りつぶされた歴史の暗部を明らかにし、その上で和解を進める真実和解委員会の活動であった。
 委員会には2万1000人が弾圧や人権侵害を訴えたという。真実を知って人は癒されるのか。マンデラ大統領は語った -- 「アパルトヘイトという過去は、知らないふりをして乗り越えられるものではない」。この大統領の信念を証明する責任が、「アフリカ・ルネサンス」を掲げるムベキ氏の双肩にかかる。成功を祈りたい。
 この活動を進めた同委員会の委員長・ツツ大司教はインタビューで、かつて広島を訪れた印象を述懐。「原爆で壊滅した街が生き生きと再生し、それを現地で実感できたことに、私は本当に感動しました。人間は、ほとんど不可能と思っていることでも、実現する力があると思いました」(山本浩著『真実と和解』)と。

▼6月4日で中国天安門事件から10年が経過しました。

Digital Freedom Networkが http://www.dfn.org/Voices/Asia/china/june4/tian10.htm で特集を組んでいます。

6月7日(月曜日) 文責:渡辺

国連諸機関、コソボ難民の帰還準備続行

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告によると、NATOとユーゴの和平交渉決裂にもかかわらず、UNHCRと関連諸機関は、コソボ難民の帰還計画を急ピッチで推進。来る水曜にUNHCR、国連諸機関、非政府救援機関などで会議がもたれる予定。
 準備をつづけることにより、安全が保障された場合、直ちに難民問題に対処するのがねらい。これに伴い、帰還情報や各種支援の情報並びに地雷、不発弾、偽装爆弾などについても大規模な情報キャンペーンをはる予定。

女性差別撤廃委員会、女性差別撤廃条約20周年を記念

 「女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」(the Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination Against Women)の条約監査委員会である女性差別撤廃委員会(CEDAW)が、今年2回目の会期を本日から開催。
 今回の3週間に及ぶ会期中に、グルジア、ネパール、ベリーズ、チリ、アイルランド、スペイン、イギリスの7カ国の報告書を検証する。
 開会演説に立ったルイズ・フレシェット副事務総長は、世界の貧民と文盲の大多数は、女性であり、職業は、自給農業、家族経営の事業など医療保険や社会保障の恩恵をうけられない立場いる等女性の権利はまだいろいろの形と深さで、無視され、侵されているとし、迅速な行動が各方面で必要である等と述べた。

アナン事務総長、ハイチの人道状況を報告

 アナン事務総長は、ハイチの人道状況に関する報告で、1月の政治的・機構上危機にもかかわらず、いくつかの点で進展が見られたとの見解を表明。
 暴力的な抗議行動やデモなどの不安が広がる中、警察の麻薬密輸関与などの心配される傾向性などを指摘すると共に、表現・集会・結社の自由等が根本的には遵守され、デモや抗議行動の警備も警察の規範にのっとり権力乱用等の報告はほとんどなく、獄吏の拘留者に対する扱いも向上を見せていると報告した。

安保理、UNITAに対する制裁強化を支援

 安保理は、アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA: National Union for the Total Independence of Angola (UNITA) に対する制裁処置を監視している安全保障委員会委員長が提案した原油、武器、資金の流入を禁止する制裁措置強化案を歓迎。
 UNITAとその指導者 Joseph Savimbi が戦争を起こす能力を削ぐ為に斬新的な措置が必要だと同委員長は報告している。

アナン事務総長、アンゴラ人道支援をアピール

 アナン事務総長は、国際援助金協力各国に対し、逼迫したアンゴラの人道状況を説明、膨大な人命を失う大惨事を避けるため緊急支援をアピール

グルジア・アブハジア間の和平交渉が、イスタンブールでスタート

 国連が仲介しトルコ政府の招待を受けて開催されたグルジア・アブハジア間の和平交渉は、包括的紛争解決に向けて引き続き交渉が継続される。

人道問題担当事務次長、シエラレオネ政府と反乱軍間の合意を歓迎

 セルジオ・ビエイラ・デ・メロ人道問題担当事務次官は、シエラレオネ政府と革命的統一戦線 (RUF: the Revolutionary United Front) が状況を打開し、救援機関に全面的なアクセスの保証に合意をした事に歓迎の意を表明、早急かつ有効な実現を期待した。

◆「今日の一言」

 8日付けのニューヨーク・タイムスに Dobrica Cosic 前大統領の記事が掲載されています。タイトルは、"Revered Serb Sees No Kosovo Peace" というもので、いくらNATOや国連軍が待機してもこれだけの対立を生んだ今、コソボの平和は、幻想にしか過ぎず、長期に渡ってコソボが、バルカン、ひいてはヨーロッパの平和を脅かすという論調です。
 この前大統領は、国家主義者から非常に支持が高く、20年近く前から、セルビア人とアルバニア人とのコソボ交渉分割を提唱していましたが、当のセルビア人とアルバニア人同士が全コソボ領土を手放さないと譲らず結実しなかった経過があります。又、セルビア歴史小説家としても著名です。
 彼は、これからは、全ての少数民族が、分離主義や排他主義に動かされて、独立運動へ走るだろう。グローバリゼーションからもたらされた人工的な連帯と民族の自由意思という隠れ蓑をきた分離主義の矛盾に民主主義がいかに対処していくか憂慮していると述べています。
 グローバリゼーションの波に人の「思想」と「心」がついていけず、狭い牢獄でひしめきあっているようです。民族、宗教を超え、「他人の不幸の上に自分の幸せを築かない」、国籍より前に「人間」であるという共通項が世界の人々に広がる事を望んでやみません。

6月8日(火曜日) 文責:山本

■安保理でコソボに関する決議案の協議開始

 アナン事務総長は、G8(先進7カ国+ロシア)外相会議において、安保理で協議された決議案に合意したことに歓迎の意を表した。

■バルカン問題事務総長特使は当地域の再建について発言

 バルカン問題事務総長特使の Carl Bildt氏は、コソボは根本的な再建が必要な荒廃地となっており、再建への道は険しく、今世紀後半ではヨーロッパではもちろん、おそらく世界でもこの地域よりも大変な地域はほとんどないと発言した。
 また、もう一人の事務総長特使 Eduard Kukan 氏はジュネーブで国連諸機関・民間援助団体・NATO・OSCEの代表と会見した。

UNHCRはセルビア軍による民族浄化が継続していることに懸念を表明

 国連難民高等弁務官事務所は、セルビア当局がコソボにおいて新規の住民登録証の入手を要求しているとの報告をうけ、懸念を表明した。
 国連難民高等弁務官事務所によれば、この登録証は一見すると住民の住居記録を登録・抹消するものでしかないが、難民からの証言ではむしろ避難が増加しており、コソボから非難する難民にセルビア当局が市民権を放棄するよう要求していると報告されている。
 また、ここ数日国境をわたってくる難民は男性がほとんどである。これは女性や子ども・老人は数ヶ月にわたる逃亡と避難と、その間、とうもろこしで食べつないでいるという状況で弱ってしまってコソボをわたりきるこちができないためであると証言されている。

IAEAはユーゴ核研究施設の安全体制を査察

 国際原子力機関(IAEA)は、今月の3日と4日の両日にベオグラード近郊の Vinca 核科学研究所の安全体制の査察を行ったと報告。査察チームは「研究所にある核物質の状態が変化したことを示す値は見当たらない」と発表。
 今年の1月から中断していた査察を完了させたもの。

事務総長はUNOMSILの活動期間延長を勧告

 アナン事務総長は、国連シエラレオネ監視ミッション(UNOMSIL)に関する報告書を安保理に提出し、同ミッションの活動期間を6ヶ月延長してを12月13日までとすることを勧告した。
 シエラレオネ政府と革命的統一戦線(RUF ; Revolutionary United Front)との対話に向けて著しい前進が見られたと報告。

シエラレオネ南部に5ヶ月ぶりに食料物資輸送再開

 世界食料計画(WFP)によれば、シエラレオネ南部の町 Bo の数千人の避難民に対して緊急食糧援助物資を輸送、提供できたと報告。
 約146トンの食料(4万人が1週間養うことができる量)が配布できた。
 昨年12月以来、治安状況が悪化し、フリータウンからの主要道路が閉鎖され、食糧輸送ができずにいた。

■軍事紛争における子ども問題に関する事務総長特使がコロンビアの状況を報告

 軍事紛争における子ども問題に関する事務総長特使(仮訳;Special Representive of the Secretary-General for Children and Armed Conflicts)の Olala Otunnu 氏がコロンビアにおける政府代表やゲリラ組織のリーダーとの会談結果を報告
 政府軍への徴兵最低年齢を15歳から18歳に引き上げることを約束させ、ゲリラ組織・コロンビア革命的武装軍(仮訳:RAFC ;Revolutionary Armed Force of Colombia)についても15歳未満の子どもを兵士として活動させないことを約束させた。

◆今日の一言

 日本ではあまり報道されませんが、世界各地の武力紛争では、子どもが多く戦場に兵士として駆り出されています。

 先月に採択されたハーグ平和アピールでも " Stop the Use of Child Soldiers " としてアジェンダとして示されています。
 また、最近の状況については、アムネスティの報告書 " Child Soldiers: One of the Worst Abuses of Child Labour " に詳しく説明されています。

 ご興味のある方はどうぞ。

6月9日(水曜日) 文責:山本

バルカン問題事務総長特使はコソボ復興の困難さを強調

 バルカン問題事務総長特使(Carl Bildt氏・Eduard Kukan氏)は、コソボにおける活動について安保理にブリーフィングした後、近年において最も困難かつ複雑な活動となるであろうと発言した。

UNHCRはコソボ危機の難民援助に4億7340万ドルが必要と発表。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はコソボ難民援助の計画を発表しコソボ危機によって影響を受けた約150万の人々に対して、今後6ヶ月間緊急援助を行なうため、4億7340万ドルが必要となると発表した。
 これらは難民受け入れ国での収容施設の建設や、冬支度などのために使われる。

コソボ難民の流入は減少

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、近隣諸国へのコソボ難民の流入は続いているが、数は減少していると報告。
 8日では、アルバニアに到着したコソボ難民は106人、マケドニアに到着した難民は213人である。

■アナン事務総長は米国商工会議所で講演

 アナン事務総長は米国商工会議所で講演し、国連は民間セクターとの連携を拡大していく方策を模索していると発言した。

■国連職員の安全に関するフォーラムで任務の危険さをはかる尺度を要望

 国連職員の任務で世界各地の危険な条件の改善を検討する高官レベル会議が開催された。これは、国際行政機関の安全と独立に関する国連職員組合常任委員会(仮訳;CSIICS;UN Staff Union's Standing Committee on the Security and Independence of the International Civil Service)が主催したもの。
 席上、アナン事務総長は「これは国際行政機関にとって文字どおり生きるか死ぬかという問題である。」と強調。国際連合要員及び関連要員の安全に関する条約(1994)が批准されて以来よい方向に向かっているとも指摘。

■イラク原油限定輸出プログラムで石油輸出再開

 イラク原油限定輸出プログラム(oil-for-programme)は第6期(5月25日から6か月間)に入って最初の石油輸出が540万バレル(7,400万ドル相当)を積んでCeyhan港から行われた。

◆今日の一言

 さて、イラクについての記事の詳しい情報は http://www.un.org/Depts/oip/latest/update6-2.htmlにあります。

 翻訳している最中、TVでは「NATOは空爆中止を決定」と報じております。
 今度こそ本当に戦争が終わることを望んでやみません。

 少なくなったとは言え、まだ難民はコソボから出ているという事実からは、終わったのは空爆だけなのかも知れません。再建への長くつらい道をこれから進まねばならないということです。

6月10日(木曜日) 文責:阿部

国連安保理がコソボ和平プランを承認

 国連安保理は、Javier Solana NATO事務総長から、ユーゴ軍のコソボ撤退が始まりNATO空爆が停止したとの通知を受けて、国連の下にコソボに国際的な文民・治安部隊を展開することを求める決議1244を、賛成14、反対0、棄権1(中国)で採択、コソボ和平プランを承認した。これは、6月6日にG8外相により合意された一般原則に沿ったもの。
 安保理には、30ヶ国の代表が出席し、採択に前後し、様々な意見を主張。いくつかの国は、コソボにおける国際的な文民・治安部隊を承認する決議が採択されたことについて、このことが国連の役割を強調し、平和と安全に対する安保理の責任を回復することになった、と強調したが、その一方で、採択に棄権した中国の Shen Guofang 大使は、決議では、NATOによる空爆が国連憲章違反であること等に言及されていないと指摘。

国連人道機関がコソボへの復帰準備

 国連人道機関は、安全保障情勢が許し次第、コソボに復帰することとしているが、一方で、難民に対しては、急いで帰還することのないよう呼びかけている。今週末には、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)その他の人道機関が集まり、78万人以上の難民及び避難民の帰還に向けた最終準備について討議する予定。

■国連食糧農業機関は家畜飼料の安全性に観するガイドラインを作成

 ベルギーでダイオキシンに汚染された畜産物による癌発生の可能性が広まっていることを受け、国連食糧農業機関(FAO)は家畜飼料の汚染を防ぐためのガイドラインを作成し、加盟国に家畜飼料及び食糧の品質と安全性を確保するよう要請。

イスタンブール会議が作業部会での討議に合意して閉幕

 グルジアとアブハジアの信頼醸成措置に関するイスタンブール会議(The Istanbul Meeting of the Georgian and Abkhaz Sides on Confidence- Building Measures)が、来週にも3つの作業部会を開いて1)治安問題、2)難民帰還、3)経済関係強化について討議することに合意して、閉幕した。

世界食糧計画は緊急基金を利用して食糧確保へ

 世界食糧計画(WFP)は、コンゴ民主共和国の首都ブラザビルに帰還する、最もひどい被害を受けた難民10万人に対して緊急食糧物資を提供するため、同機関の緊急基金(emergency fund)から150万ドルの融資を受けたと発表。資金は、300トンの食糧の購入に充てられる。

■ハンガリー政府と国連薬物統制犯罪予防室が腐敗評価について合意

 ハンガリーは、同国の腐敗問題の早急な評価を行なうため、国連薬物統制犯罪予防室(ODCCP:UN Office for Drug Control and Crime Prevention)との合意文書に署名。ハンガリーは、国連薬物統制犯罪予防室のグローバル・プログラム(Global Programme)の実施に参加する最初の国となる。

◆「今日の一言」

 ユーゴのコソボ和平プラン受諾を歓迎し、国際的な文民・治安部隊の展開を求める国連決議1244の全文は、
http://www.un.org/News/Press/docs/1999/19990610.SC6686.html
で読むことができます。

【Web編集者による注】
 同じものですが、安保理決議はhttp://www.un.org/Docs/scres/1999/99sc1244.htmでも見ることができます。
 またこの安保理決議第1244号(S/RES/1244)の日本語訳(ただし山本@水曜日の無責任訳)はコソボ状況に関する安保理決議 (1999/06/10)にて。参考までに。訳はイマイチですから。(本人談)
 国連諸機関にとっては、これから難民の帰還等に向けた大変な作業が始まるわけで、国際社会がしっかりサポートをしていく必要がありますが、その一方で、コソボ自治州の州都プリシュティナにNATO軍よりもロシア軍部隊が先に入るなど、各国が主導権争いを展開し混乱している模様。難民の安全な帰還を第一に考えた各国の行動を求めていきたいものです。

6月11日(金曜日) 文責:yoshi

国連、コソボ暫定統治計画を開始

 国連安全保障理事会によるコソボ暫定統治計画の採択から一夜が明け、コフィ・アナン事務総長は、バルカン半島に向けて先遣隊の即時派遣を指示した。
 国連が派遣する先遣隊は、平和維持部隊とその他の国際機関の調整を行い、さらに非軍事的な作業の実施について助言を行う。また国連平和維持活動局(PKO局)も、兵站部隊と通信部隊を派遣する。
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、世界食糧計画(WFP)、国連児童基金(ユニセフ)など国連諸機関は数日内にコソボ入りし、北大西洋条約機構(NATO)のコソボ平和維持部隊(KFOR)とともに、難民の支援活動を行う計画。

国連の調査チーム、コソボの人道状況を報告

 国連が派遣した調査チームは、NATOが3月24日より空爆を開始して以来、国連諸機関が撤退したことから、コソボ内では60万人もの住民が援助を受けられなかった報告した。この調査チームはビエラ・デ・メロ人道問題担当事務次長が指揮しており、5月16日から27日までユーゴ国内を調査していた。

安保理、国連東ティモール派遣団の設置を決定

 国連安全保障理事会は国連東ティモール派遣団(UNAMET)の設置を全会一致で決定し、コフィ・アナン事務総長が提唱した東ティモールの自治か独立かを問う住民直接投票の実施計画を採択した。

安保理、国連シエラレオネ監視団の半年延長を決定

 国連安全保障理事会は、シエラレオネの政情不安を理由に国連の監視活動の6カ月延長を全会一致で決定した。国連シエラレオネ監視団(UNOMSIL)は1999年12月13日まで活動を実施する。

■国連、G8首脳らへ途上国の債務帳消しを要請

 国連はG8(先進7カ国およびロシア)の首脳らへ、政府開発援助(ODA)に関わる重債務貧困国(HIPC)の債務を帳消しにするよう要請した。ジュネーブの国連貿易開発会議(UNCTAD)は新レポートで、開発途上国の対外債務問題は1990年代初頭から顕著な悪化が見られており、今後さらに悪化する危険性があると明かしている。

6月14日(月曜日) 文責:渡辺

アナン事務総長、コソボ文民行政ミッションを概括

 アナン事務総長は、国連コソボ暫定行政機構(UNMIK: UN Interim Administration in Kosovo) の活動概要・役割等を報告、4国際機関協力の下に確固とした指令系統の確立に重点をおいている。30日内に更に詳細な報告書が提出される予定。UNMIKは、暫定文民行政(Interim Civil Admin)、人道問題(Humanitarian Affairs)、制度構築(Institution-building)、建設復興(Reconstruction)の各部門を担当する4つの機構からなり、これらを国連事務局、国連高等難民弁務官事務所、OSCE (Organization for Security and Cooperation in Europe)、EUがそれぞれ監督する。又、4人の事務総長特別代理が各組織の指揮をとる。
 今回のミッションは、安保理の依頼により、多組織協力形態の新しい運営法をとる事となり、相互の連携を密にする必要があるとフレシェット副事務総長がコメントしている。

UNMIK本部をプリシュティナに設置

 アナン事務総長は、ビエラ・デ・メロ人権問題担当事務次長を暫定的に事務総長特別代表として任命。ビエラ・デ・メロ特別代表は、40名程の先発隊と共に日曜日にプリシュティナ入りし、コソボ暫定行政機構本部を設置へ下準備を開始。
 事務総長特別特別代表は、コソボが実質的な自立・自治が可能になるまでコソボを行政管轄する最高文民指揮官の立場となる。

国連人道諸機関、コソボにおける救援物資配給開始

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、世界食糧計画(WFP)、ユニセフは、プリシュティナ南西の Stimlje他、セルビア軍とコソボ解放軍(KLA)の衝突が激しかった地域に緊急救援物資配給を開始。
 コソボ全体の人道支援活動は、UNHCR が監督しており同機関の予測によると、これから3〜4ヶ月の間に、マケドニア、アルバニアからコソボに帰還する人々は、多くて50万人と見られている。
 又これとは逆に、現地国連作業員の報告では、多量のセルビア人がコソボから流出しており、その正確な統計報告はまだない。UNHCRは、コソボ和平がセルビア人の新たな流出につながることを非常に警戒している。

■世界食糧計画、インドネシアへの援助拡大

 世界食糧計画は、経済状況が好転しないインドネシアに対し、同国最大のジャワ島内5都市へ新たな支援増補を決定。8800万ドルから1億3500万ドルに拡大された支援は、7月1日から2000年6月の期間中に、170万人に食糧を提供する。

東チモール住民投票へ向けてPR戦開始

 UNAMET(UN Mission in East Timor) は、8月8日の住民選挙に関する情報をラジオ・テレビ放送、又、地方紙により住民に幅広く行き渡るようPRキャンペーンを開始。投票のプロセス、又、投票がどのような意味を持つのか、自治提案等が英語、ポルトガル語、インドネシア語など数カ国語で伝えられる。最初のラジオ放送は13日日曜から始まり、新聞にも情報が掲載されはじめた。

■ガリ前事務総長の肖像画の除幕式開催

 国連の伝統に従って、ガリ第六代国連事務総長の肖像画が公開されガリ博士夫妻、アナン事務総長等の出席のもと、除幕式がニューヨーク国連本部・ロビーで行われた。 画家は、ノルウェーのEven Richardson氏。

■FAOの事務局長選にアルゼンチンとセネガルから立候補

 国連食糧農業機関は、次期事務局長候補2人、現事務局長、セネガルの Jacques Diouf 氏とアルゼンチンの現スウェーデン大使を務める Juan Carlos Roland Vignuad 氏を公式発表した。事務局長の選任は今年の11月ローマ本部での第30会期で加盟国175カ国投票で決定される。

◆「今日の一言」

 上で紹介されている肖像画、アナン事務総長の誉め言葉(訳してない)がとても美しかったのでちょっと見にいってきました。
 肖像画の中のガリ博士は、グレーの背広に赤いネクタイを締め、竹か何かを編みこんで作った白塗りの椅子に静かに座っています。しっかり地味でした。
 やはり、境涯の違いでみえてくるものが違うようです。反省。

6月15日(火曜日) 文責:山本

UNHCRはコソボからのセルビア人の流出を警告

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はコソボからセルビア系住民が多数流出していることに関し、深い懸念を表明。UNHCRによればモンテネグロには先週の木曜から13,000人程度が流入したと推計されている。しかしセルビア共和国内で移動した数は把握されていない。
 コソボ自治州には約10万〜20万人のセルビア系住民が居住しているとされている。

 一方、コソボから流出していたアルバニア系難民は火曜日だけでも約3,000人帰還している。

副事務総長がジュネーブ入りし、コソボ問題でOSCE・EU代表と会見予定。

 Louis Frechette 副事務総長はジュネーブ入りし、国連コソボ暫定行政機構(UNMIK ; UN Mission in Kosovo)と共同作業することになるOSCE(欧州安全保障協力機構)、EUの代表と会談を行う予定。

■安保理は国連とOAUとのさらなる協力を要請

 安保理理事国はアフリカにおける不安定な状況を解決するためには、国連とアフリカ統一機構(OAU)とのさらなる協力体制が必要と強調した。
 アナン事務総長は昨年に報告書「アフリカにおける紛争の原因と恒久平和および持続可能な開発の促進」を発表しており、これに基づいて活動を行ってきた。

事務総長、朝鮮半島での銃撃戦に懸念を表明

 アナン事務総長は、朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国との海軍艦艇間の銃撃戦発生について懸念を表明し、当事者に対して最大限の自制を求めた。

アンゴラの治安維持を要請

 アンゴラで援助活動を行っているNGO、Instituto Portugues de Medicinaの活動要員2名がルアンダ東方80km付近で武装集団に襲われ殺害されたことに対し、Viera de Mello人道問題担当事務次長は悲しみと懸念を表明し、アンゴラ政府及びUNITA(アンゴラ全面独立民族同盟)に対し、犯人を裁判にかけるため、早急かつ具体的な措置を講じることを要請した。

■イラクプログラム室事務局長がイラク訪問へ

 国連イラク・プログラム室(OIP)室のBenon Sevan事務局長は14日、イラクに向けて出発した。イラク原油限定輸出プログラムの履行のため、イラク政府と同国の石油輸出能力拡大について討議する予定。

■オゾン層破壊物質に関する討議開催

 世界100カ国の政府代表が集まり、第19回モントリオール議定書開放型作業部会がジュネーブで開始された
 正しくは「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」で、オゾン層破壊物質の使用規制強化や、撤廃への努力に関して検討する。

◇今日の一言

 報告書「アフリカにおける紛争の原因と恒久平和および持続可能な開発の促進」はA4で30ページほどの分量ですので楽々、、、というにはちと苦しいですが、国連のアフリカへの活動はこれを下敷きに行われるでしょうから、その方面にご興味をお持ちの方は一読を。

 また最後の記事の詳細は http://www.unep.org/ozone/home.htm で見ることができます。

 個人的に気がかりなのは朝鮮半島での銃撃戦です。
 「ガイドライン法案」成立直後に、すぐに実行せざるを得ないような状況にならないことを祈ります。

6月16日(水曜日) 文責:山本

セルビア系住民にコソボから離れないようにアピール

 国連難民高等弁務官事務所の報告によるとセルビア系住民2万4,000人がセルビアへ、9,000人がモンテネグロへ流出しているという状況を受け、コソボ事務総長特別代表 Sergio Vieira de Mello氏は、KFOR司令官 Michael Jackson氏と記者会見し、セルビア系住民に対してコソボ自治州から流出しないようアピールした。

アルバニア系住民の帰還は増加

 国連難民高等弁務官事務所の報告によれば、アルバニア系住民のコソボへの帰還は増加しており、アルバニア国境の通過点・Moriniでは1万人を超える難民が帰還した。
 プリズレンへの道のわきでは食料と水と医薬品を提供して、難民を援助している。

東チモールで暴力のない未来を要請

 安保理は議長声明で、東チモール地域の当事者に対し、独立か否かを決定する住民投票が平和的かつ暴力のない状況で実現するよう努力を要請した。

■ボスニアの平和への道は一層の努力が必要

 アナン事務総長は安保理に対し国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)に関する報告書を提出し、当該地域の和平を自立的なものとするにはまだ一層の努力が必要であると強調した。さらに同ミッションの活動期限を12か月間延長するよう勧告した。

アンゴラで重大な食料不足

 FAOWFPはアンゴラにおいて数十万の人々が飢饉となる危険があると報告書警告した
 継続する紛争のためにいくつもの都市が孤立化しているだけでなく、農作地にまで戦闘が広まって耕作どころではなくなっている。そのため170万人が国内避難民となっているという状況である。しかしながら緊急に必要な援助物資も予定の1/3程度しか拠出されていない。

■事務総長はマンデラ大統領を賞賛

 アナン事務総長は、引退するネルソン・マンデラ南アフリカ大統領に書簡を送り、大統領がアパルトヘイト撤廃によって「全人類にとっての勝利」を勝ち取ったと賞賛した。
 さらに「氏の業績の偉大さと深淵さに感動を覚えない人などは世界中どこにもいない」と最大限の賛辞を述べた。

■ユニセフはサミットへ貧困国の債務解消を要請

 ユニセフは貧困国の女性や青少年の状況に関する声明を発表し、ドイツで開催予定のG8によるサミットで貧困国の債務負担を解消する実質的措置を講じるよう要請した。
 国の財政的な危機により女性や青少年の社会経済的な権利が否定されていると警告した。

■たばこは子どもに害を与えると警告

 世界保健機構(WHO)は最新の研究報告書 "International Consultation on Environmental Tobacco Smoke and Child Health" を発表し、たばこが子どもたちの健康に及ぼす深刻な害について警告した。世界中で7億人の子ども(世界中の子どもの約半分)が、自宅で喫煙家と暮らしており、日常的にたばこの害にさらされていると指摘している。

■ロビンソン人権高等弁務官は合衆国に死刑執行停止をアピール

 ロビンソン人権高等弁務官は合衆国に対し、水曜に執行予定の Douglas Christopher Thomas 死刑囚の死刑執行の停止をアピールした。

ビルゲイツ会長の財団が国連に寄附

 世界保健機構国連開発計画国連人口基金世界銀行が共同ですすめている、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関わる健康)に関する研究プログラムに対し、William H. Gates Foundation から1,000万ドルの寄付金を受領したと発表。

◇今日の一言

 Microsoftのビルゲイツ会長の正式な名前はWilliam H. Gatesだったんですよね。
 数ヶ月前から(メルマガ化以前から)国連のページはあちこち見ていますが、初めて彼の名前が出てきたように思います。

 さて、それはともかく。
 本日の記事は「人権」の問題ばかりと言えます。もちろん、今日になって問題にされたわけでもなく、以前から問題であり、これからも問題であり続けるでしょう。
 空爆などという「手軽」で実行する方の「手が汚れない」方法ではなく、地道で懸命な漸進的手法によってのみ、この問題は解決に向かうと言えます。

6月17日(木曜日) 文責:阿部

フレシェット副事務総長、コソボ・ミッションについて安保理に説明

 フレシェット副事務総長が、国連安保理において、コソボにおける国連文民活動の準備状況について説明。国連コソボミッション(UNMIK:the UN Mission in Kosovo)の任務は、人道援助、難民の帰還支援、インフラの再構築、法秩序の維持、人権の促進、コソボの将来の政治を決定付ける政治過程への支援等多岐にわたる。
 このブリーフィングは、副事務総長が、国連コソボミッションの活動において主導的な役割を果たすことになる欧州安全保障協力機構(OSCE)等欧州の諸機関との協議を終えてジュネーブから戻り、安保理に対して行ったもの。

専門家がユーゴ警察本部へ立ち入り調査

 旧ユーゴ国際戦争犯罪法廷(the International Criminal Tribunal for the Former Yugoslavia)の専門家(forensic experts)が、コソボの州都プリシュティナにおいて拷問が行われたと疑われている施設への立ち入り調査を実施。ユーゴ警察本部から書類ファイル等を押収。

コソボ事務総長特別代表ら、セルビア総主教と会談

 コソボ事務総長特別代表で国連コソボ・ミッション事務局長代理であるSergio   Vieira de Mello氏が、国際平和維持部隊(KFOR)のMichael Jackson司令官とともに、プリシュティナ訪問中のベオグラードのセルビア総主教(Patriarch of Belgrade)と会談。
 セルビア系住民の医者や下水道管理職員などがコソボから流出することによって、同州の保健衛生施設などが受ける影響について話し合った。国連難民高等弁務官事務所によると、水道管理者が業務を放棄して脱出するなどにより、コソボでは水不足が発生するなど、特に保健衛生施設のオペレーションに支障を来している。

地雷等の危険の中、コソボ難民が帰還へ

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、喜びのあまり、コソボ難民3万4千人以上が、地雷や仕掛け爆弾の危険があるという国連機関の警告を無視して、自らの故郷コソボに向かっている。

国際労働総会が子ども労働条約を採択

 国際労働総会が、99年最悪の形態の子ども労働条約(Worst Forms of Child Labour Convention, 1999)を全会一致で採択し、終了。アナン事務総長は声明を発表し、この条約採択は、世界中の子どもたちにとっての勝利である、と指摘。
 国際労働機関(ILO)の推定によると、全世界で5歳から14歳の子どもたちのうちおよそ2億5千万人が途上国で労働に従事しているとのこと。

■事務総長、アゼルバイジャンとアルメニアに停戦合意遵守を要請

 アゼルバイジャンとアルメニア軍の間で衝突が起こり死者がでたとの報道を受け、アナン事務総長は、すべての当事者に対して、停戦合意を遵守し、長く引き続く紛争に解決をもたらすよう要請。

■アナン事務総長、国連機構学術評議会の年次会合で演説

 アナン事務総長は、ニューヨークで開催された国連機構学術評議会(ACUNS:Academic Council on the United Nations System)の年次会合において演説し、「平和を創造し戦争に終止符を打つ新しい道を、我々はどこに求めていけば良いのか?」等と問いかけ、複雑な世界において、国連をより活動的かつ強固(active and assertive)にする方法について、学者および思想家の見解を歓迎する意向を表明。

◆「今日の一言」

 米国のアメリカン大学が提供する公共ラジオWAMUのトーク番組 The Diane Rehm Show にガリ前国連事務総長が出演し、コソボ問題、南北問題等様々な質問に答えました。
 番組の中で、特にコソボについて、「今後、新しい仕組みが構築され、地域に新しい雰囲気が醸成されるまでの間、数年間にわたって、平和維持軍のプレゼンスが欠かせないし、その後もマーシャル・プランのような支援が必要と思う」と述べるとともに、「加盟国が国連に重要な役割を与えようと思えばそうなるだろうし、NATOに与えようと思うのであれば、そうなるだろう」と述べ、国連の役割は加盟国の意志次第で決まると指摘。
 また、グローバルな経済格差の問題が今後重要になると指摘し、「私は、それを南北間の新しい鉄のカーテン"iron curtain"と呼びたい」としています。彼のポイントは、こうした冷戦後の南北問題は、米国が言うような単なる市場経済の導入だけでは解決し得ないもので、国際社会が常に問題に関心を持ちつづけることが重要であるということのようです。

番組の全容は http://www.wamu.org/ram/r1990615.ram で聴くことができます。

6月18日(金曜日) 文責:yoshi

事務総長、コソボ市民へ「最大限の自粛と忍耐」を要請

 長く困難な平和再建への作業が緒につき、コフィ・アナン事務総長は、「国連とコソボ平和維持部隊(KFOR)は、平和で民主的な多民族社会の建設に向け、コソボ市民への支援に努めている」と述べ、コソボの紛争当局と全市民へ「最大限の自粛と忍耐」を訴えた。事務総長はまた、コソボのアルバニア系住民とセルビア系住民に帰還を勧め、さらに平和共存の社会の一員になるよう訴えた。

■安保理、UNMIBHの1年延長を承認

 安全保障理事会は、国連憲章第7章(平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動)に基づき、国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)の活動を2000年6月21日まで延長した。

■国連活動のプロモーションで、国連と国際サッカー連盟が協力

 性差別撤廃、スポーツ、子どもの権利および教育に関する活動の世界的なプロモーションで、国連は国際サッカー連盟(FIFA)と協力することになったと発表した。FIFAはまた、「女子ワールドカップサッカー」米国大会からワールドカップサッカーの全試合で国連旗を掲揚することになった
 コフィ・アナン事務総長は、FIFAのゼップ・ブラッター会長とサッカーの“神様”と仰がれるペレ(エドソン・アランテス・ド・ナシメント氏)とともに会見に臨み、「サッカーの最も優れている特性はその多様性にあると思う。その多様性と調和の促進が国連の究極のゴールである」と語った。19日に開幕する女子ワールドカップで、事務総長はニュージャージー州のジャイアンツスタジアムでの第1試合を観戦する予定。

 ペレもさまざまな人々に連帯をもたらす素晴らしい機会としてこのイニシアチブを歓迎し、「私たちはスポーツを通じて、将来により良い世界を築くことが出来ると思う」と語った。同氏はまた、国連とFIFAのパートナーシップの立ち上げの一環として、United Nations International School(UNIS)、Elmont Soccer Club およびUnited States Youth Soccer Associationの若きプレイヤー達を対象にサッカークリニックを催した。

今日の一言

 丁度、日本チームの試合をテレビでやっていたため、FIFAの記事を長く引用してしまいした。ところで、アナン事務総長は学生時代にサッカーをやっていたとかで、ブラッター会長と意気投合して、このプロジェクトが生まれたという話しです。
 実はこの記事を読むまで「女子W杯サッカー」の存在を全く知らなかったのですが、意外にスピーディで見応えのあるゲームです。最近、NBA Finalに夢中でスポーツニュースは一通りチェックしているはずなんですが、知っている限り"女子サッカー"というのは全く見あたりません。これも性差別の一種なんでしょうか?

 ともあれ、スポーツっていいですね。最近、スポーツジムに通ってます。

6月21日(月曜日) 文責:渡辺

コソボ関連ニュース

  1. アナン事務総長は、コソボの教訓を安保理を含めたすべての人々が学ぶべきとし、安保理を効率的で即応性の高く、かつ民主的な組織に変革していかなければならないとコメント。又、UNMIK の4つの機関の内、暫定文民行政と人道問題担当の責任者を Dominique Vian 副特別代表と Dennis McNamara 副特別代表に任命した。
  2. UNHCR の報告によると、アルバニア・マケドニアの難民キャンプから続々とコソボ州内へ難民が帰還し増加の一途をたどっており、同地域から帰還した難民は先週末だけでも6万人、合計14万人となった。帰還したコソボ難民の援助に加え、コソボから逆に脱出したセルビア系難民推定5万人に対する援助も開始され、セルビア中央部の10市町村に約140トンの救援物資が先週土曜に配送された。
  3. ビエラ・デ・メロ特別代表は、KFORとコソボ解放軍(KLA)の間で交わされた KLA の非 武装化協定を歓迎。これによって現在 KLA が使用している警察関連施設が国連警察機構の管理下におかれ、スムーズな引渡しが期待される。

  4. 米国の調査団がミロシェビッチ大統領の告訴状に記された7箇所の犯罪現場の調査を開始。他国の調査団も今週加わる予定。

国連文民警察東チモールに到着

 280名中41名の国連文民警察官が、東チモールのDiliに到着。水曜には、70名のボランティアが到着する予定。

■緒方難民高等弁務官、アフリカ難民の日を祝賀

 緒方難民高等弁務官は、6月20日アフリカ難民の日を記念し、25年前のこの日に実効された 「Convention Governing the Specific Aspects of Refugees in Africa」の重要性を再確認した。

アンゴラ外務大臣、小規模国連ミッション派遣に同意

 アンゴラ外務大臣は、平和維持活動担当のBernard Miyet 国連事務次長との会談の後、政治、情報、人道支援などの活動を基調とした国連ミッション派遣に同意した。これには、軍事・人権問題監視機能は含まれていないが、今後も交渉が続く予定。

安保理、コンゴ民主共和国の状況を憂慮

 安保理は、先週金曜にアフリカ15カ国を訪問の後帰国した Moustpha Niase 特使からコンゴ民主共和国のブリーフィングを受けた後、同国の状況に憂慮の念を表明、同時に、今週末にザンビアで開催されるサミットの成功を期待した。

◆「今日の一言」

 最初の5つがコソボの関連記事でしたので、既に報告済みの分をのぞいて箇条書きにまとめさせてもらいました。セルビア人がコソボから避難しないようアピールをしているにもかかわらず、状況は悪化するばかりの様です。

 世界の難民数ある統計からみると1995年には、2750万人、97年1月には、2300万人となっていおり、これには、国連の分類する難民、自国に帰国した元難民、UNHCR の管轄下にある人々、一部の国内避難民が含まれています。

 また、1954年に発効した難民条約(Convention Relating to the Status of Refugees)と難民条約を拡大化した難民議定書(1966年10月4日に発効)双方を日本では、82年元旦に発効させている。

 これによって義務はないものの自国に滞在する難民に対して同化・帰化を促進、諸権利認定を義務付けられてはいるものの、実際には、手続きも手間がかかる上、難民条約にさだめられた保護義務申請の遅れを理由に不認定にし、強制送還するケースが多くなっているとされる。ちなみに日本での第三国定住者受け入れ数は、96年でなんとたったの1人とか。緒方さんも肩身が狭いかも。

6月22日(火曜日) 文責:山本

■事務総長、ハーグ国際平和会議100周年フォーラムで講演

 アナン事務総長は。ロシアのイニシアチブで開催されたハーグ国際平和会議100周年を記念するフォーラム(サンクトペテルブルク)で講演。
 ハーグ国際平和会議で提議された国際紛争解決の方法は国連憲章へと盛り込まれており、その精神を受け継ぐためにも国連を強化していくように強調した。

帰還したコソボ難民に住居を

 国連難民高等弁務官(UNHCR)は、続々とコソボに難民が帰還するが、自らの家や村が破壊されている状況に直面することが多く、雨露をしのげる場所を提供する必要が高まっていると強調。
 KFOR(Kosovo Force ; 国際治安部隊)の最初の部隊が展開してから火曜日までにコソボに帰還する難民は、20万人を超えるものと推定されている。アルバニア北部の Kukes 難民キャンプには以前は35,000人の難民がいたが、現在ではほとんど無人の状態である。

UNMIK暫定代表、アルバニア系住民の代表との討議を要請

 コソボ事務総長特別代表の Sergio Vieira de Mello 事務次長はバルカン問題事務総長特使の Carl Bildt 氏とともにコソボ解放軍(KLA)指導者の Thaci氏と会談。
ランブイエ和平合意の署名当事者であるアルバニア系住民代表やセルビア系の政治指導者に対しても、暫定的な取り決めに関して討議するよう要請した。

安保理は国連とアンゴラの対話を歓迎

 安保理議長は、国連とアンゴラ政府間で、同国の将来における国連の役割に関し、協議が継続していることを歓迎、重要性を強調した。

■2000年問題(Y2K)で国際会議開催

 コンピューターの2000年問題による被害を最小限に抑えるため、170カ国以上から専門家が集まり、国際会議が開催

■ヌバ山岳地帯に初めて国連ミッション

 1980年代前半以来初めて、UNICEFWFP・人道問題調整室の代表などからなる国連人道ミッションが、スーダンのヌバ山岳地帯に初めてアクセスすることができた。
 これはスーダン民族解放運動(SPLM/A)によるものである。ミッションは6月24日に首都ハルツームに戻って来る予定である。
 アナン事務総長はこのニュースを歓迎した。

「アフリカの角」で飢饉

 世界食糧計画(WFP)は、「アフリカの角」(アフリカ東部のソマリア・ジブチ・エチオピア・ケニア周辺地域)が記録的な小雨で深刻な食糧不足になっていると警告。例年はエチオピア高原に降った雨が川によってソマリア等を潤していたのであるが、この地方の降雨が極端に少ないため。しかも悪いことに害虫も発生しており状況の悪化がさらに進んでいる。
 栄養失調のこどもが1月では21%であったのが5月時点では40%にもなっている。

■クリミア系タタール人の住民権

 国連難民高等弁務官(UNHCR)はウクライナに帰還したクリミア系タタール人について、今年中にウクライナの住民権を得る手続きを終えないと取得ができなくなることに注意を喚起した。該当者は約35,000人。
 1944年5月、スターリンはクリミア系タタール人約40万人を中央アジアへ追放したが、旧ソ連の崩壊後およそ25万人が故郷のウクライナ南部のクリミアへ戻り、1996年以降UNHCRが把握しているだけでも50,000人がウクライナの住民権を取得している。

◇今日の一言

 6月に入ってからSUNのページの充実に力を入れていまして、過去の配信記事のページも可能な限り関連サイトへリンクが張ってあります。メールでの配信時点からURLが変更されているもの、URLが間違っていたものも、わかる限り訂正してあります。またアクセスしていただくとうれしいです。

 さて、最後の記事には驚きました。
 さっそく自分の部屋にある、ありとあらゆるソ連・ロシアの歴史関連の本をひっくりかえしましたが、具体的にこのことに触れていたものがなく、全く知識がなかったからです。
 彼らにとっては、まだ「ソ連は崩壊していない」のかも知れません。

 それから、今週から国連難民高等弁務官事務所のトップページが変わっています。

 "...forgotten?"という言葉にどきっとしました。

6月23日(水曜日) 文責:山本

東チモールの住民投票延期へ

 アナン事務総長は東チモールの状況に関する安保理への報告を提出。治安状況の悪さと物資の流通の問題から、当初8月8日に予定されていた東チモールの独立か残留かを決定する住民投票日をの2週間延期することを決定したと述べた。
 東チモールの中心都市 Dili 周辺は比較的平穏であるが、他の地域、特に西側(インドネシアに近いほう)は暴力に支配されているという。

コソボ事務総長特別代表、UNMIK本部で要人と会合

 コソボ事務総長特別代表の Sergio Vieira de Mello 氏はプリシュティナのUNMIK本部で、KFOR司令官 Michael Jackson氏同席のもと、英・仏・独・伊の外相との会合をもち、コソボ問題について話し合った。

■事務総長はモスクワでロシア要人と会談

 ロシア訪問中のアナン事務総長はモスクワで、ステパーシン首相・イワノフ外相らと会談、コソボ問題などについて話し合った。

コソボの援助ネットワークは地方へ拡大

 コソボにおける国連援助機関および視察チームの活動は徐々に州都プリシュティナから村落部へと範囲を広げており、戦争で荒廃した地域にも援助物資や保健サービスが届くようになりつつある。これらの動きは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や世界食糧計画(WFP)が中心となって進めているもので、様々な個人や団体が携わって各地に物資とサービスを届けている。
 難民の帰還も急速に進んでおり、ここ1週間で22万人が帰還しようとしていると報告されている。この状況についてUNHCRはスポークスマンを通して、「複雑な気持ちだ」と表明。難民が故郷に戻ることは望ましいが、未だ地雷の危険などがあるからだ。先日もイギリス兵士や子供ら計4名が地雷に触れて亡くなっている。

戦争犯罪の調査のために専門家がコソボ入り

 旧ユーゴスラビア国際刑事法廷の捜査への協力のため、戦争犯罪が行われたとされる現場に、世界各地から続々とコソボ入りしている。証拠隠滅した形跡が見られる現場もあるとの報告もなされている。

安保理議長、エリトリア・エチオピア両国に停戦を要請

 安保理議長はエリトリア・エチオピア両国民が深刻な干ばつと飢饉の恐れに直面していることから、両国の紛争にの即時無条件停戦を要請。両国ともかなりの数の国民が飢えに直面しているにも関わらず、武器を大量に購入していることに深い懸念を表明した。

キプロス紛争解決に向けて論点を絞ることを要請

 アナン事務総長はキプロスの状況に関する報告を安保理に提出、ギリシャ系・トルコ系両住民の代表に対して、無条件かつ妥協・協力の精神で交渉開始するために会談を準備する用意があると表明した。事態の解決のためには治安、権限配分、財産・領土(の保全)という中心的問題に焦点を絞ることが重要であると強調。

WFP、アンゴラの飢饉に対し援助をアピール

 世界食糧計画(WFP)は、アンゴラにおける紛争から逃れて発生した80万人の難民にで飢饉が広がることを抑えるため、4,000万ドルの援助が必要だと緊急アピールした。

◇今日の一言

 最後から2番目の記事ですが、 トピックのコーナー にもあるように、鹿児島県くらいの大きさの島の中でギリシャ系とトルコ系の住民の間で戦闘が勃発し、国連は1964年から国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)を設置しましたが、まだ問題は解決していません。
 一方の住民を共和国から追い出すわけにはいかないのですから、共存できる条件を模索しようという提案ではないかと思われます。

 また、上から5番目の記事に関してですが、Newsweek の1999.6.30号にイギリス国防省発表の資料として、起訴状にあった虐殺地点とそれとは別に発見された集団埋葬地点の地図を掲載しています。虐殺(があったと報告されている)地点はコソボ州内で6箇所(ツルコレズ・イズビツァ・ラチャク・ベリカクルサ・ベラツルクバ・ジャコビツァ)、集団埋葬地点は40以上も記されています。国際治安部隊・文民警察がさらに各地に展開することで、その地点はさらに増えていくと思われます。組織的に虐殺が行われたとしか考えられません。

6月24日(木曜日) 文責:阿部

UNMIK代表がコソボへの要員派遣を要請

 コソボ事務総長特別代表代理であり国連コソボ暫定行政機構(UNMIK)の責任者でもある Sergio Vieira de Mello氏は、プリシュティナでソラナNATO事務総長及びクラークNATO欧州連合軍最高司令官と会談し、NATO諸国に対し、コソボにおける文民警察及び行政官の迅速な展開のための要員派遣を要請。
 国連コソボ暫定行政機構(UNMIK)のスポークスマンによれば、数ヶ国が要員派遣の意志を表明しているものの、必要な3千名の国際警察官が確保されていない状況。

UNHCR、コソボ難民の組織的帰還開始へ

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、国際治安部隊(KFOR)によって安全と判断されたコソボの一部地域への組織的な難民帰還のため準備を完了。の国連難民高等弁務官特使 Dennis McNamara 氏によれば、来週早々にも、アルバニアおよび旧ユーゴ・マケドニアの難民キャンプからコソボの Urosevac, Prizren, Pristina へ、組織的な難民帰還作業を開始できるとのこと。

ユニセフは、新学期にはコソボの子どもを学校に戻すと表明

 国連児童基金(UNICEF:the United Nations Children's Fund)は、小学校就学年齢の子どもたちが新学期が始まる9月までに学校に戻って勉強できるようにするとの決意を表明。
 コソボでは大勢の教師も死傷しており、ユニセフが調査した13の学校のうち、安全なのは3校のみで、修繕等を急いでも、テントの使用等が余儀なくされる模様。

安保理議長、コンゴ民主共和国の紛争当事者に停戦要請

 安保理議長の Baboucarr-Blaise I大使は声明を発表し、コンゴ民主共和国の紛争当事者に対して、停戦合意に即時署名し、今週末にもザンビアの首都ルサカで開かれるサミットへの参加と建設的対応を要請。

■国連とイラク政府は、国連特別委員会・技術ミッションの構成につき合意

 国連とイラク政府は、国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の技術ミッションの構成について合意。同ミッションは、有毒物質の所有を疑われているバグダッドの複数の研究所を査察するもので、査察は今後2週間以内に行われる予定。

国連人権高等弁務官、シエラレオネを訪問

 ロビンソン人権高等弁務官は、2日間の予定でシエラレオネ訪問。Ahmad Tejan Kabbah大統領や人権保護団体のメンバーらと会談し、シエラレオネにおける和平プロセスへの支援とともに人権保護・促進のための行動を要請。

■国連難民高等弁務官補がCIS諸国への関心維持の必要性を指摘

 1996年のCIS会議のフォローアップを行う第4回運営グループ(the Fourth Steering Group meeting)の開催に先だって、国連難民高等弁務官補の Soren Jessen-Petersen 氏は、コソボ危機によって、CIS諸国及びその他の地域への世界の関心が薄められてはならない、と指摘。ソ連の崩壊に伴い、CIS諸国の9百万人以上の人々が移動を余儀なくされている。

■国連薬物統制計画のデータベースが利用可能に

 国連薬物統制計画(UNDCP:the UN International Drug Control Programme)は、世界の不法薬物取引について追跡調査するための画期的なデータベースが利用可能になると発表。このデーターベースは、国連薬物統制計画、国際刑事警察機構(Interpol:the International Criminal Police Organization)、世界税関機構(WCO:the World Customs Organization)が、世界の薬物押収に関して保有する情報を統合したもの。

コンゴ民主共和国、ブルンジ等3ヶ国を提訴

 コンゴ民主共和国は、同国の主権を侵害し、またカビラ大統領の暗殺を謀ったとして、ブルンジ、ウガンダ、ルワンダの3ヶ国を、国際司法裁判所(ICJ:the UN International Court of Justice)に提訴。

6月25日(金曜日) 文責:yoshi

事務総長、コソボ暫定自治で“Group of Friends”を結成

 コフィ・アナン事務総長は、国連がコソボ暫定自治で直面する諸問題について意見を求める“Group of Friends(コソボの友人グループ)”を結成した。このコソボを民主社会として実質的に機能させるための国際努力は、「国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)」が統括する。
 事務総長は“Group of Friends”を構成する13カ国および3つの国際機関を30日にニューヨークへ召集する。この13カ国には、カナダ、中国、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、日本、オランダ、ロシア、トルコ、英国、米国がおり、さらに3つの国際機関には、欧州連合(EU)、欧州安保協力機構(OSCE)、イスラム諸国会議機構(OIC)がいる。

コソボ難民の帰還で住居が不足

 国連によると、コソボの支援スタッフらは、帰還した数万人ものアルバニア系市民の住居探しで困難に直面している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の最新の調べでは、ここ10日間でコソボに帰還した難民は30万人を上回り、25日にはこれまでで最高の5万人が国境を超えた。

■イスラエル-レバノンの緊張に深い危惧

 安全保障理事会とアナン事務総長は、イスラエル-レバノン間で高まる緊張に深い危惧を表明し、両国にレバノン南部に展開している国連PKOへの協力を求めた。

■事務総長、ダイアナ妃追悼記念講演でエイズ問題への取り組みを強調

 アナン事務総長はロンドンの金融の中心地であるイングランド銀行ビルで、ダイアナ元英国皇太子妃の追悼記念講演を行い、一般企業によるエイズ問題への取り組みを訴えた。

■安保理、キリバスとナウルの国連加盟を提唱

 安全保障理事会は国連総会に対し、南太平洋の島嶼国であるキリバス共和国とナウル共和国の国連加盟を提唱した。

■英仏、PKOの早期展開を約束

 フランスと英国は、常任理事国としては初めて、将来の国連PKO活動で軍隊と軍備の素早い配備を誓約した。両国以外には、22カ国が同様の協定に署名をしている。

■「国際薬物乱用・不正取引防止デー」、麻薬統制問題に進展

 国連は、1998年の国際的な麻薬統制問題を取り上げた国連総会以来、違法薬物に対するイニシアチブに前進が見られたと明らかにした。コフィ・アナン事務総長は、6月26日の「国際薬物乱用・不正取引防止デー」を記念し、違法薬物の乱用や取引に対する国連を中心とした国際的な取り組みに前進が見られていると語った。

今日の一言

 キリバスとナウルについて少し。
 キリバスは、対馬と同規模の日付変更線が国土の中央を貫通する世界で唯一の国。2次大戦中には西部のマキン、タラワの両島が日米の激戦地に、東部のクリスマス島は米英の核実験場にもなった。一方のナウルは、島の周囲がわずか19kmの小さなサンゴ礁島。2次大戦中に日本が一時占領、91年には日本のバブル崩壊のあおりで巨額の損失を被り、損失補填を求めて抗議したが却下。外国の島を購入して、国ごと引っ越す計画も真剣に検討された。

6月29日(火曜日) 文責:山本

安保理は東チモールの住民投票日の延期を支持

 安保理は議長声明で、東チモールの情勢を鑑み、アナン事務総長が住民投票の投票日延期(6月23日 の関連記事 参照。)の決定を支持。国連東チモールミッション(UNAMET)の完全な展開も7月10日以降になる模様。

国連東チモールミッション事務所に襲撃

 国連東チモールミッション(UNAMET)の事務所に、統合賛成派(残留派)の民兵と100人程度が集団で投石するという襲撃事件が発生した。選挙管理のために派遣された職員1人が足に軽いけがを負い、東チモール住民数人も頭などに負傷した。
 安保理はこの事件に関して議長声明を発表、深刻な憂慮を表明し、徹底的に捜査を実施して犯人たちが裁判にかけるよう要請した。
 またアナン事務総長も国連職員や財産に対する攻撃は決して容認できないと声明を発表した。

UNMIKに18カ国が警察官派遣を決定

 国連コソボ暫定行政機構(UNMIK)に18カ国が警察官を派遣することを発表した。
7月初旬から5日ごとに150人〜200人ずつ、約900人の文民警察官が派遣されることになっている。

コソボ難民の帰還のペースが鈍化

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、コソボ難民の自発的な帰還のペースが鈍化し始めたと報告。先週の土曜日に41,700人の難民が故郷に帰還した水準と比較して30%の減少である。
 UNHCRや国際移民機関等による組織的な帰還では約300名が帰還している。
 一方、コソボ北部では帰還者用の仮住居の不足が最大の問題になっており、UNHCRが準備した家族用のテントでは約45,000家族が住めないと報告されている。

国連キプロス平和維持軍の任期を延長

 安保理はキプロスにおける紛争の政治的解決に進展が見られないことに重大な懸念を表明し、ギリシャ系・トルコ系の両当事者に、今秋に事務総長が整える交渉の場への全面的な支援と参加を要請した。
 また、国連キプロス平和維持軍(UNFICYP)の任期を12月15日まで延長する決議を全会一致で採択した。

西サハラ住民投票の有権者確認作業再開

 安保理議長は報道声明で、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO)による西サハラの住民投票のための有権者確認作業が再開されたことを歓迎。モロッコとポリサリオ戦線双方に作業への協力を要請した。

■副事務総長、軍縮へのアジェンダの必要性を強調

 Louis Frechette 副事務総長は、軍縮諮問委員会(Advisory Board on Disarmament Matters)において、国際社会が軍縮への新しいアジェンダに合意する必要性を強調する演説を行った。

コンゴ民主共和国から難民流出続く

 コンゴ民主共和国東部は紛争が継続しており、1時間に100人の割で、タンザニアへ流出していると国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が報告。先週タンザニアに到着した難民の中に2人のイタリア人牧師がおり、彼らの証言によると、人道的状況は「本当に破滅的」である。
 コンゴ民主共和国からタンザニアへ流出した難民は昨年8月以降で8万人を超える。

6月30日(水曜日) 文責:山本

■人口と開発の問題に関する特別総会を開催

 1994年カイロで開催された国際人口開発会議(ICPD;International Conference on Population and Development)の行動計画の履行状況を見直す国連特別総会開催された。
 1994年の会議で179カ国の代表が参加して採択された115ページの行動計画では性と生殖に関する健康(reproductive health)のほか、人口・環境と消費パターン・家族・国内及び国際的な人口移動・HIV(ヒト免疫不全ウィルス)とエイズなどへの取り組みが謳われ、定期的な見直しをかけることが定められていた。

事務総長、「コソボの友人」グループでブリーフィング

 アナン事務総長は、16カ国と3つの国際機関からなる「コソボの友人」グループ("Friends of Kosovo" group)を招聘し、国連コソボ暫定行政機構(UNMIK)の最初の展開とコソボ再建のために必要となる資源についてブリーフィングを行った。
 この会合に参加したのは以下の国と機関である。
 ベルギー・カナダ・中国・デンマーク・フィンランド・フランス・ドイツ・ギリシャ・イタリア・日本・オランダ・ロシア・スペイン・スウェーデン・トルコ・イギリス・アメリカと欧州連合(EU)・欧州安保協力機構(OSCE)・イスラム会議機構(OIC)。

コソボにおける報復行動を行わないことを要望

 コソボ人道問題事務総長副特別代表の Dennis McNamara 氏は、コソボにおけるセルビア系及びロマ系住民に対する報復的な襲撃が増加していることを警告し、帰還する難民に復讐的な襲撃を行わないよう求めた。
 またコソボ国際治安部隊(KFOR)に対しても治安維持を強化するよう要請した。

WFPは援助活動を拡大

 世界食糧計画(WFP)は、コソボ危機の影響を受けた250万人を援助するために、バルカン地域における緊急援助活動を劇的に拡大すると発表した。この活動はユーゴスラビア連邦共和国・コソボ自治州・アルバニア・旧ユーゴスラビア=マケドニア・ボスニア=ヘルツェゴビナの5地域の難民・国内避難民・戦争被災者に対し、総額2億2,400万ドル7月1日から6ヶ月間にわたる規模である。

事務総長、アフガニスタンの情勢に遺憾の意を表明

 アナン事務総長はアフガニスタン情勢に関して安保理に報告書を提出し、当地域における暴力の再発に遺憾の意を表明した。同時に紛争の当事者に対して交渉を再開するよう要請した。

■オジャラン氏の死刑判決に懸念を表明

 法廷外、略式、恣意的処刑に関する特別報告者(UN Special Rapporteur on extrajudicial, summary, or arbitrary executions)のAsma Jahangir氏は、クルド人指導者・オジャラン氏の裁判に関して公平性を懸念、トルコ外相あてに書簡を送り、オジャラン氏に下された死刑を執行しないよう要請した。

◇今日の一言

 "Friends of Kosovo" groupは記事で見るたびに参加国が増加しています。
25日の記事では13カ国でしたが、今日の時点では16カ国です。

 日本では今日(7/1)のNHK総合で21時30分からの「クローズアップ現代」で、「再燃する民族対立」と題して、帰還した難民が、めちゃくちゃになった我が家を見て呆然としたり、家があっても、地雷や爆弾が敷設されている恐れがあって入れず、数時間かけて処理してもらったりと、安全な生活までは程遠い状況がまだまだ続いている様子を伝えていました。

 大変なのはこれからなのだという気持ちがより一層強くなりました。

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Updated : 2007/02/20