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| 4月 1日(月曜日) 文責:山本 |
■安全と平和を同時に求めなくてはならない:中東情勢
アナン事務総長は1日、安全保障理事会の非公開協議に参加し、イスラエル側が持つ安全に関する懸念とパレスチナ側が持つ政治的な目標の双方を同時に視野に入れて解決を図らなければならないと強調した。
■スーダンで拘束されていた保健活動従事者が解放
スーダン国内でポリオ予防接種活動を続けているスタッフ14名が3月にスーダン人民解放軍(SPLA;Sudan People's Liberation Army)によって身柄を拘束されていたが、このたび解放された。国連人道問題調整部(OCHA)・ユニセフ・世界保健機構は共同で声明を発表し、この事件がポリオ根絶キャンペーンの妨げとなっていたと抗議した。
■緊急ロヤ・ジェルガ開催への手順を発表
国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA:UN Assistance Mission in Afghanistan)の Karl Fischer 首席補佐官は、アフガニスタンの将来の鍵を握る緊急ロヤ・ジェルガ開催への手順を発表した。緊急ロヤ・ジェルガは6月10日〜16日にわたって開催される。
■アンゴラ政府と反政府勢力が停戦合意
アンゴラ政府とアンゴラ全面独立民族同盟(UNITA:National Union for the Total Independence of Angola)並びにアンゴラ武装軍(FAA:Angolan Armed Forces)は3月30日停戦合意文書に署名を行い、国連はこれを歓迎した。
■ギニアビサウ情勢は大きな改善なし:事務総長報告
アナン事務総長はギニアビサウ情勢に関する報告と国連ギニアビサウ平和建設支援事務所(UNOGBIS)に関する報告を行い、わずかな事態の進展もあるが依然として懸念も残されており、予断を許さない状況であると指摘した。
[ギニアビサウ情勢及びUNOGBISの活動に関する事務総長報告(S/2002/312)]
http://www.un.org/Docs/sc/reports/2002/312e.pdf (pdfファイル)
■軍による窃盗犯殺害捜査に平和維持軍が協力:東ティモール
東ティモールとインドネシアとの国境付近でインドネシア軍兵士が牛窃盗の被疑者を殺害した事件について国連警察が捜査を進めているが、国連東ティモール平和維持軍も協力する旨を1日、発表した。
■人口開発委員会が開催
国連人口開発委員会(UN Commission on Population and Development)の第35会期が1日、国連本部で開催された。今会期では「人口と開発に関する国際会議(カイロ:1994年)」における勧告内容のフォローアップが主な議題となっている。
◆「今日の一言」 − ロヤ・ジェルガ −
Loya Jirga は新聞等では「ロヤ・ジルガ(国民大会議)」と表記されることが多いのですが、私の訳では外務省の表記に沿って「ロヤ・ジェルガ」としました。また、様々な記事や海外での解説を読むと、「国民」−「国」が統治能力を十分に発揮し、その統治に属し、均等に生きる権利が保障される人々としての国民−の代表を、その「国民」が選んで開かれる会議ではないようなので、少しニュアンスが異なるような気がします。
平たく言えば、「国民」と言えるためには、まず「国」がきちんと成立していなければならないんじゃないか、そもそもその「国づくり」を企図した会議の参加者を選ぶ会議は、まだ「国民」の会議ではない…それを作るのが目的なのだから…と考えて無理に訳すことをやめました。
2001年12月22日に成立したアフガニスタン暫定政権は、内閣に相当する「暫定統治機構」と「最高裁判所」と「緊急ロヤ・ジェルガ招集のための特別独立委員会」からなります。この独立委員会は21人で構成され、暫定政権成立後6か月以内に元国王により招集される緊急ロヤ・ジェルガの出席者・手続きを決定する権限を与えられています。今回はその手続きを発表したわけです。ただ、その具体的な手順は配信記事のみを読んだだけでは判然としていません。
また、緊急ロヤ・ジェルガでは移行行政機構の元首の選出と移行行政機構の構成を
討議します。その決定を受けて移行政権が設立され、政権成立後18か月以内に今度は憲法制定ロヤ・ジェルガが開催、その後緊急ロヤ・ジェルガ開催から2年以内に新憲法に基づく選挙を行うという流れになっています。
| 4月 2日(火曜日) 文責:Jo |
■中東:ラーセン特使、外交努力を継続
ラーセン中東和平プロセス担当特別調整官は中東の激化する暴力を食い止めるべく、現在、外交努力を継続中。火曜日、イスラエル防衛軍(IDF)の幹部やペレス外相と会談したほか、パレスチナ幹部とも電話会談した。
■ロビンソン人権高等弁務官、パレスチナ視察団の派遣を求める
中東で暴力が激化、死傷者が増えている事態を受け、ロビンソン人権高等弁務官は本日、人権委員会に対し、イスラエル占領下のパレスチナ領土に視察団を派遣し、情報を収拾し、今後の対処方針について提案をまとめるよう求めた。
■ブラヒミ特別代表、ジュネーブ入り
ブラヒミ事務総長特別代表、ジュネーブ入り。援助国会議に出席し、アフガニスタンの軍隊および警察の再建について話し合う。
■コンゴ民主共和国:安保理、非公開協議
安保理、コンゴ民主共和国情勢について非公開協議を開催。協議後、安保理議長は理事国を代表して報道声明を発表し、同国南東部の町Moliroからすべての兵力が完全撤退することが 重要である旨強調した。
■イラク石油輸出のペース、アップ
石油食糧交換プログラムの下、イラク石油輸出のペースがアップした。この一週間で、石油1650万バレルを輸出し、4億2700万ユーロ(3億7500万ドル)の収入を得た。
■事務総長、欧州歴訪へ
アナン事務総長は5日、ニューヨークを発ち、欧州諸国を歴訪する。11日には、ローマにおいて、国際刑事裁判所規程の批准国が60カ国に達することを記念する式典に出席する。同条約は7月1日に発効する。
■事務総長、UNTSO参謀総長任命
アナン事務総長は国連休戦監視機構(UNTSO)の参謀総長に Carl A. Dodd 将軍(アイルランド)を任命した。前任者は、イタリアの Franco Ganguzza 少将。
■セルビア共和国:警察官2人、解任
UNMIBHが本日発表したところによれば、セルビア共和国において、権力を乱用し、非セルビア人に対する暴力を働いたセルビア人警察官2人が解任となり、将来の警察活動に関わることも禁じられた。この2人の警察官のうち一人は、戦争犯罪に関わった疑いがもたれている。
◆「今日の一言」〜ICC規程発効へ〜
下から三つ目の記事に、アナン事務総長が国際刑事裁判所(ICC)規程の
発効を祝うために欧州歴訪の予定という記事があります。といっても、まだ発効したわけではありません。
ICC規程の発効条件は60カ国の批准であり、現在56カ国の当事国があるのですが、国連法務部は1日、カンボジアなど4カ国が批准を決め、批准書を寄託することが判明したため、本年7月1日には発効し、2003年には初の常設法廷が設けられる見通しと発表しました。
常設法廷はオランダのハーグに設置されます。9月の第1回締約国会議を経て、来年から常設法廷が発足するでしょう。
ただし、同法廷が実効的に機能するか否かは米国の対応に大きく左右されます。同法廷に反対する米国は批准拒否の姿勢です。現在、米国ぬきでも実効的に動いている国際レジームとしては国連海洋法条約がありますが、ICC規程の場合はそれほど一筋縄には行きません。ICCへの二つの付託手続きのひとつが、国連安保理を介したトラックとなっているため、米国が反対するかぎり法廷が機能しなく恐れが大きいためです。
| 4月 3日(水曜日) 文責:山本 |
■国連広報局が電子メールによるニュース配信を開始
国連広報局(DPI;Department of Public Information)は3日、電子メールによる国連ニュース配信を開始した。
■安保理、中東情勢に関して討議
安全保障理事会は3日、約60か国の代表が集まり中東情勢に関して討議を行い、現在の状況に関してイスラエル・パレスチナ双方がそれぞれの立場を主張した。
■事務総長個人特使、レバノンの緊張について会談
南レバノン事務総長個人代表の Staffan de Mistura 氏は、アナン事務総長が撤退ライン(いわゆる「ブルーライン」)周辺の緊張状態に関する懸念を示していることを伝えるためにレバノンの Mahmoud Hammoud 外相と会談した。
■UNRWAがヨルダン川西岸地域の人道状況を警告
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA;UN Relief and Works Agency for Palestina refugees in the Near East)は3日、ヨルダン川西岸地域について、イスラエル軍の侵入により人道状況が極めて悪化したことを警告した。
■アフガニスタン復興支援拠出国会議の成功を歓迎
ブラヒミ特別代表は3日にジュネーブで開催されたアフガニスタン復興支援拠出国会議の成功を歓迎した。
■東ティモールで HIV/AIDS 認識向上キャンペーン
国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)は暫定政府と共同で HIV/AIDS に関する認識向上キャンペーンを開始した。これは東南アジアの他の国々では生殖可能年齢人口の1%以上が HIV/AIDS に罹患しているが、東ティモールでは0.64%程度であり、これ以上状況を悪化させないための措置である。
■キリスト教徒とイスラム教徒が衝突:インドネシア
インドネシアのアンボンで3日、何千人ものキリスト教徒とイスラム教徒の衝突が発生し、5人が死亡、24人が負傷した。午前11時30分頃に知事公邸周辺でイスラム教徒が爆弾を爆発させ、公邸だけでなく国連オフィスも損害を受けた。
■ルワンダ虐殺の首謀者の裁判が9月まで休廷
ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR)は3日、1994年にルワンダで発生した大量虐殺の首謀者であるとされている4人の被告に対する裁判を9月まで休廷すると発表した。彼らは大量虐殺・その教唆・共謀・直接または間接の扇動・人道に対する罪など10以上の罪状で告訴されているが、裁判が開始された2日に被告側弁護人が裁判に関する準備書面の翻訳を受け取っておらず、裁判を受ける権利が確保されていないと主張したため。
■UNIKOMの活動が安定化に寄与
アナン事務総長は、国連イラク・クウェート監視ミッション(UNIKOM;UN Iraq-Kuwait Observation Mission)の最新報告書 S/2002/323 を発表、同ミッションは情勢の安定化に寄与していると指摘した。
事務総長報告 S/2002/323 : http://www.un.org/Docs/sc/reports/2002/323e.pdf
■UNEPが環境とビジネスに関する報告書を発表
国連環境計画(UNEP)は3日、シンクタンク持続可能な成長に関する世界ビジネス評議会(WBCSD;World Business Council for Sustainable Development)と世界資源研究所(WRI;World Resources Institute)と共同で、市場を形成する社会的・環境的傾向とビジネスに関する研究報告書「明日の市場:グローバルトレンドとビジネスへの影響(Tomorrow's Markets: Global Trends and Their Implications for Business)」を発表した。 この報告書では、世界の基本的なニーズに応え、人間の技能を向上させ、経済のキャパシティを拡大させ、不公平を改善することで将来の市場は拡大すると論じている。
◆「今日の一言」 − 国連によるニュース配信 −
これまでもプレスリリースをはじめ国連が発信する情報やニュースは膨大なものでしたが、最初の記事で触れたように、国連自身が関連ニュースを電子メールで配信するサービスを開始しました。
登録ページの URI は http://www.un.org/news/dh/latest/subscribe.shtml です。
分野を指定して、配信を希望するメールアドレスを入力するだけでOKです。
興味を持ち、かつ、英語が苦にならない方は登録されてはいかがでしょうか。
| 4月 4日(木曜日) 文責:阿部 |
■国連安保理、中東情勢に関する決議1403を全会一致で採択
国連安保理は、中東情勢に関する決議1403を全会一致で採択するのに併せて決議1402を遅滞なく実施するよう求めるとともに、米国のブッシュ大統領がパウエル米国務長官の中東派遣を決定したこと並びに米国、ロシア、EU及び国連の4者による和平努力に歓迎の意を表明。
■事務総長、イスラエルの撤退を求めるブッシュ米大統領声明を歓迎
アナン事務総長は、4日にブッシュ米大統領がイスラエルのパレスチナ自治区からの撤退を求めたことについて、「他の安保理理事国13ヶ国とともに米国は既に安保理決議1402を採択しイスラエル軍の撤退を求めているが、大統領がそのことを公に表明したことは重要だ」と歓迎の意を表明。
■国連スポークスマン、「国連子ども特別総会」への首脳参加を要請
国連スポークスマンは、5月8日から10日に予定されている「国連子ども特別総会」への首脳参加について、開発途上国は60ヶ国以上が参加を表明している一方で、先進国は7ヶ国に止まっていると指摘し、加盟国の首脳に対して参加を要請。
■アンゴラ政府とアンゴラ全面独立民族同盟、停戦協定に署名
アンゴラ政府と反政府勢力であるアンゴラ全面独立民族同盟(UNITA:the National Union for the Total Independence of Angola)が停戦協定に署名。Ibrahim Gambari アフリカ担当特使は署名式典で演説し、紛争両当事者が「死への道」("the path of death")を捨て和平と和解の道を選んだことを賞賛。
■国連本部において、グローバル・レポーティング・イニシアティブの開始式典
国連本部において、グローバル・コンパクト(Global Compact)を補完するグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI:the Global Reporting Initiative)の開始式典が行われた。これを通じて、企業が行う経済社会活動の持続性に関する報告づくりのガイドラインを提供する。
■ドイツ、「ベルリンの壁」の断片3つを国連に寄贈
ドイツは、「ベルリンの壁(the Berlin Wall)」の断片3つを国連に寄贈。アナン事務総長は寄贈記念式典で演説し、、ベルリンの壁は、人々が互いを理解しようとするよりも、外界と自分とを隔てる壁をつくりがちであることを象徴的に示すものである等と指摘。
■中東和平プロセス特別調整官と世銀部長、パレスチナ経済崩壊に懸念する共同声明
Terje Roed-Larsen中東和平プロセス特別調整官(the UN Special Coordinator for the Middle East Peace Process)とNigel Roberts世銀の西岸・ガザ担当部長(the World Bank's Director for the West Bank and Gaza)は共同声明を発表し、パレスチナ経済の崩壊に懸念を表明し、イスラエルに対しパレスチナ自治区の閉鎖措置を解除するよう要請。
◆「今日の一言」― a psychological difference ―
最初のニュースは、国連安全保障理事会が、ひと月もたたないうちに中東関連で3つ目の安保理決議を、今回は全会一致で採択したというものです。いずれも、イスラエルとパレスチナとの衝突激化を回避するための決議ですが、3つ目の決議1403は2つ目の決議1402を紛争当事国が遅滞なく実施するよう求めるものです。
アラブ諸国による当初のドラフトでは、
"demands that all provisions of [Resolution 1402] are immediately implemented"
となっていたのを、米国が、"demands the implementation of its Resolution 1402 without delay." というように、"immediately(直ちに)"を"without delay(遅滞なく)"で置き換えて、採択を見ました。
国連は、米国による修正について、"We see no difference. Maybe there is a psychological difference."と説明しています。日本語で言うと 「何も違わない。心持ち程度だ」といったところでしょうが、テロ撲滅を大儀に掲げてパレスチナ攻撃を拡大させているイスラエルを支持してきた米国と、その姿勢を批判するアラブ諸国との激しい「心理戦」が安全保障理事会を舞台に展開されています。
| 4月 5日(金曜日) 文責:阿部 |
■国連パレスチナ難民救済事業機関事務局長、エルサレムからTV電話を通じて会見
Peter Hansen国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA:the UN Relief and Works Agency for Palestina refugees in the Near East)事務局長は、エルサレムからテレビ電話を通じてジュネーブ国連事務所の報道陣に会見し、パレスチナの人々に対する人道活動家のアクセスを認めるようにとの国連の訴えに耳を傾けるよう要請。
■世界保健デーに当たり、事務総長、世界保健機構事務局長がメッセージ
世界保健デー(4月7日)に当たり、アナン事務総長、ブルントラント世界保健機構(WHO:World Health Organization)事務局長は各々メッセージを発表し、疾病を防いだり寿命を延ばしたりする上で、アクティブなライフスタイルが効果的であると指摘。
■人権委員会、パレスチナ地域にハイレベル視察団を派遣する決議を採択
人権委員会(Human Rights Committee)は、パキスタンがイスラム会議機構を代表して提出した決議を賛成44、反対2、棄権7で採択し、ロビンソン人権高等弁務官に対し、パレスチナ地域に即時にハイレベル視察団を率いて訪問し、その状況を報告するよう要請。
■人権開発委員会、HIV/エイズに関する一層の調査を要請
人権開発委員会(the Commission on Population and Development)は、第35回年次会期を終了するに当たり、リプロダクティブ・ライツ/ヘルスの問題、特にHIV/エイズに関する問題について、より一層の調査を要請。
◆「今日の一言」― lobbyists ―
世界の研究者で構成する国連の「気候変動に関する政府間パネル」いわゆるIPCCの議長ポストを巡って、米国内で鞘当てが続いています。
発端は、2日付けの米ニューヨーク・タイムズ紙の報道。エクソン・モービル社がブッシュ大統領に働きかけ、米国の京都議定書からの離脱に反対している、現議長で米国人のロバート・ワトソン博士を引きずり落とそうとしている、と報じたのです。(http://www.nytimes.com/2002/04/02/science/02CLIM.html)
IPCCは1988年に設立され、世界の科学者が地球温暖化を評価するための研究と分析にあたっている機関ですが、今月の17日に開幕する年次総会で、ワトソン博士が議長に再選されると見られていたところに、こうした報道があったため、科学者や環境NGO等の反発を買っているのです。この報道に、米国国務省は即座に声明を発表し、新議長にインドの工学博士を推していることを認め、エクソン・モービル社も、「ロビーイングは環境NGOもやっている。自由な社会における当然の権利だ」と開き直っています。気候変動を巡る環境NGOと石油産業の闘いは、ホワイトハウスを巻き込んで、しばらく続きそうです。
| 4月 8日(月曜日) 文責:山本 |
■安保理、イスラエル軍の撤退を要請
安全保障理事会は8日、中東情勢に関する討議を行い、決議第1452号の即時履行、すなわちパレスチナへの攻撃の停止と撤退を要請した。
■UNRWAがイスラエル軍の撤退を要請
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA;UN Relief and Works Agency for Palestina refugees in the Near East)の Peter Hansen 事務局長は7日、中東における死と破壊の報告を受けて、イスラエル軍にヨルダン川西岸の難民キャンプ地域からの撤退を要請した。
■事務総長個人代表、撤退ライン侵犯を懸念
南レバノン事務総長個人代表の Staffan de Mistura 氏は8日、レバノン国防相の Khalil Harawi 氏と会談し、撤退ライン(the Blue Line)近辺におけるパレスチナの動きに深い懸念を表明した。レバノン領地内から特にロケット砲で攻撃があり5人の子どもがけがをし、これに対しイスラエル軍も陸嬢砲撃と爆撃で報復した。
■事務総長、イスラエルの撤退を要請
アナン事務総長は第2回高齢者問題世界会議に出席のため訪問中のマドリッドで報道陣に対して中東情勢に関してイスラエル軍の撤退を要請し、安保理決議第1402号の履行を強調した。現在の事態は非情に痛ましいことであるが、このまま長引けば世界におけるイスラエルの道義的・政治的ポジションが侵蝕されるであろうとも警告した。
■ロビンソン国連人権高等弁務官、中東派遣メンバーを発表
先週の人権委員会で要請された中東の人権状況調査ミッションのメンバーとして、スペイン前首相の Felipe Gonzalez 氏とアフリカ民族会議(ANC)の前議長の Cyril Ramaphosa 氏を選出したことを8日、ロビンソン国連人権高等弁務官が発表した。
■イラクが石油輸出を停止
国連は8日、イラク当局が石油輸出を停止したことを確認した。これはイラク政府がイスラエル軍のパレスチナ侵攻に抗議して、イスラエル及びイスラエルを支持する国に対するのものであるが、そのために進行中の石油食糧交換プログラム(oil-for-food programme)を通しての人道活動のための資金提供ができなくなる。
■ボスニア=ヘルツェゴビナにおける人身売買に関する報告
国連ボスニア=ヘルツェゴビナミッション(UNMIBH)は昨年の7月より人身売買に対する取り締まりを強化するプロジェクト・STOP(Special Trafficking Operations Programme)を進めていたが、全国で1,300人以上の少女が売春婦として働かされていたことが判明した。
■国際刑事裁判所の準備委員会開催
国際刑事裁判所準備委員会(Preparatory Commission for the International Criminal Court)が8日よりニューヨークで開催し、 Philippe Kirsch 委員長(カナダ大使)は、戦争犯罪により個人を起訴しうる最初の法廷の設立がようやく現実のものとなりつつあると語った。
予定通り批准が寄託されるなら7月1日から虐殺・戦争犯罪・人道に対する罪などを裁くことが可能となる。
■バーミヤンで大規模な死体遺棄跡を発見
バーミヤン周辺のハザラ地区の代表が、タリバン崩壊の1ヶ月前に殺害された地区の人々が埋められていると訴えていたことを受けて派遣された調査チームが7日、大規模な死体遺棄跡を発見した。
■Gambari事務次長、アンゴラ大統領と会見
アフリカ特別顧問でもある Ibrahim Gambari 事務次長は8日、アンゴラの Jose Eduardo Dos Santos 大統領と会見し、反政府組織・UNITAとの停戦とルアンダ和平計画の詳細について協議した。
[訳注] ルアンダはアンゴラの首都。
■第2回高齢者問題世界会議が開会
第2回高齢者問題世界会議(Second World Assembly on Ageing)が8日マドリッドで開会し、冒頭でアナン事務総長は「今世紀中頃には60歳以上の人々が20億人に達し、人口統計上大きな問題であり注意を必要とする」と強調した。
今回の会議は1982年にウィーンで開催された第1回会議で採択された「高齢化に関する国際行動計画」を改訂し、再度採択することを目指している。
◆「今日の一言」 − When I'm Sixty-Four −
最後の、アナン事務総長の高齢者問題世界会議での演説に関する記事では訳出しませんでしたが、演説の中でビートルズの歌詞が引用されていました。
Will you still need me, (まだ私を必要と思ってくれるのかい?)実はアナン事務総長はこの8日に64歳になったわけですが、この引用の後、こう続けています。
will you still feed me, (まだ私に料理を作ってくれるのかい?)
When I'm sixty-four. (私が64歳になった時でも。)
P.S.
ちなみに引用の元の歌詞は アルバム Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band に収録されている "When I'm Sixty-Four"(詞:P. McCartney)ですね。これに対応する日本の歌といえば、森高千里の『私がオバさんになっても』あたりでしょうか。
私がオバさんになったら あなたはオジさんよ
かっこいいことばかりいっても お腹がでてくるのよ
私がオバさんになっても 本当に変わらない?
とても心配だわ あなたが 若い子が好きだから
| 4月10日(水曜日) 文責:山本 |
■中東情勢について国連・EU・ロシア・合衆国が共同声明
国連安全保障理事会・欧州連合・ロシア・合衆国の4者は10日マドリッドで中東情勢に関して、安保理決議第1402号・1403号の即時履行を要請する共同声明を発表し、イスラエル政府には軍事行動の即時停止を、パレスチナ暫定統治機構のアラファト議長にはテロ行為を停止するための可能な策を施すよう要請した。
■事務総長、中東の抱える危機を警告
アナン事務総長は10日、マドリッドで欧州連合・ロシア・合衆国の代表等と中東情勢に関する協議の後記者会見に応じ、この地域は安全・人道的状況・地域の安定という3つの危機に瀕していると警告し、暴力を終わらせることを要請した。
■ジェニン難民キャンプの状態は深刻
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA;UN Relief and Works Agency for Palestina refugees in the Near East)の Peter Hansen 事務局長は10日、ヨルダン川西岸のジェニン地区の難民キャンプが破滅的な状況になっており、この地域に十分な人道援助のアクセスが確保されなければより悲劇は拡大すると警告した。
■国際人道機関が共同でイスラエルの軍事行動を非難
国連人道問題調整部(OCHA)・国連開発計画(UNDP)・国連人口基金(UNFPA)・ユニセフ・国連難民高等弁務官事務所(UNHCR・世界食糧計画(WFP)・世界保健機構(WHO)・国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は10日共同声明を発表し、イスラエル軍のパレスチナ人居住地区への侵攻が人道状態の絶望的な悪化をもたらしたとして非難した。
■ブルーライン周辺で砲火の応酬続く
イスラエル撤退ライン(いわゆる「ブルーライン」)周辺で激しい砲火の応酬が続いており、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の Lalit Tewari 司令官は深い懸念を表明しこれ以上の激化の抑制を要請した。
■テロ資金供与防止条約、発効
1999年の国連総会で採択、132か国が署名していたテロリズムへの資金供与防止に関する国際条約(International Convention for the Suppression of the Financing of Terrorism)の批准国が22か国を超え、発効した。
■東ティモールへの難民帰還が20万人に到達
インドネシアや西ティモールから東ティモールへの難民の帰還が増加しており、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)のビエラ・デ・メロ氏は10日、国境の町 Batugade で20万人めの帰還者を歓迎した。10日だけで500人の難民が帰還しており、3月には4,000人であった帰還者も、4月に入ってからで3,500人に達している。
■行動計画・政治宣言の検討へ:高齢者問題世界会議
現在開催中の高齢者問題世界会議は3日目の日程に入り、今週末に会議の結論として採択される行動計画と政治宣言の文案の検討に移った。
■人道援助活動のアクセス確保を要請:コンゴ民主共和国
大島賢三国連緊急援助調整官は10日、コンゴ民主共和国における人道状況に関する報告、3月27日に民兵組織 Ninja と政府軍との戦闘が始まって以来悪化していると警告した。同時に関係諸勢力に人道に関する諸原則の尊重と戦闘下における文民保護、人道援助活動者が必要に応じて要援助者にアクセスできるように協力を要請した。
■安保理非公開協議、大湖地域への派遣団準備
安全保障理事会は10日、アフリカの大湖地域周辺情勢について非公開協議を行い、4月27日から5月7日まで同地域の視察のための派遣団に関する準備を検討した。
この2月に安保理は国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)に対し、同国内の元戦闘員の武装解除と社会復帰を進めるための準備と評価を行うように指示を出していた。
■WFPが朝鮮民主主義人民共和国への食糧援助を要請
世界食糧計画(WFP;World Food Programme)は10日、朝鮮民主主義人民共和国に飢餓の危機が迫っていると警告し、各国に緊急食糧援助を要請した。
| 4月11日(木曜日) 文責:阿部 |
■国際刑事裁判所ローマ規程の批准国が66となり7月1日に発効
国連本部で行われた式典で、国際刑事裁判所ローマ規程(the Rome Statute of the International Criminal Court(ICC))の批准書を10ヶ国ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、カンボジア、コンゴ共和国、アイルランド、ヨルダン、モンゴル、ニジェール、ルーマニア、スロバキアが寄託。これにより、批准国が規程の発効に必要な60を超え66となり、同規程は7月1日に発効する。
式典では、アナン事務総長、総会議長、人権高等弁務官が各々、常設の国際刑事裁判所設置の夢がようやく実現する運びとなったことについて、歓迎の意を表明。
■事務総長、パウエル米国務長官の中東ミッションに対する支持を表明
アナン事務総長は、ローマで記者会見し、パウエル米国務長官の中東ミッションに対する支持を表明するとともに、中東紛争に対する国際社会の関与継続を要請。
■国連ボランティア、大統領選の支援のためコモロ入り
国連ボランティア20人がコモロ(Comoros)に入り、日曜日に実施される大統領選の準備および票集計の監視を支援する。これらボランティアの母国は、ベルギー、ベナン、コンゴ民主共和国、ギニア、ドイツ、アイルランド、イタリア、スペイン、スイス、英国の10ヶ国。
■事務総長ら、エチオピアとエリトリアに国境画定委の決定を順守するよう要請
アナン事務総長とアフリカ統一機構(OAU:the Organization of African Unity)のAmara Essy事務局長は、カナダのThe Globe and Mail紙に投稿し、エチオピアとエリトリアに対し、国境画定委(Boundary Commission)が近く両国国境について行う決定を実施するよう要請。
■アフガニスタンのバーミヤンで見つかった大規模埋葬地を国連チームが視察
アフガニスタンのバーミヤンで見つかった大規模埋葬地(mass graves)2箇所を国連チームが視察し、鑑定医も含めた新たなチームを編成し、更なる調査を行うよう提案。
◆「今日の一言」― ICCという夢を現実に ―
最初のニュースにあるように、戦争犯罪や虐殺、人道に対する罪を裁く常設法廷である国際刑事裁判所(ICC)の発足が、戦後の発案から50年以上を経て、正式に決まり、国連本部で記念式典が行われました。ICC設置のための「ローマ規程」の発効には60ヶ国の批准が必要だったのですが、ようやく66ヶ国の批准が実現し、7月1日に発効、2003年にはオランダのハー
グに初の常設法廷が設けられる見通しとなったのです。
記者会見で「ICCはイスラエルに適用され得るか?」という質問を受けたアナン事務総長は、「推測で答えたくない」と言及を避けましたが、米国の人権法律家委員会(the Lawyers Committee for Human Rights)は、イスラエルには適用され得ないだろう、と述べています。国際刑事裁判所にその管轄権の行使を要請しうるのは、批准国かあるいは国連安保理なのですが、イスラエルは批准しておらず、安保理も常任理事国である米国の反対でワークしないと予想されるからです。
海外に多くの基地を持ち、多数の兵士を派遣している米国は、「政治的意図で自国兵士が刑事訴追される懸念がある」としてICCに反対する立場を崩しておらず、同条約への署名を撤回する可能性もあるとみられています。
「力による解決」ではなく「法による解決」を制度化し“憎悪と報復の連鎖”を断ち切れるかどうか、米国ブッシュ政権の今後の対応に世界中の注目が集まっています。(なお、日本は、犯罪人引渡し手続きに係る国内法の不備等を理由に、条約に署名も批准もしていません。)
| 4月12日(金曜日) 文責:阿部 |
■事務総長、中東への国際部隊の派遣の重要性を指摘
アナン事務総長は、ジュネーブで会見し、中東の暴力激化と人道状況の悪化に深い憂慮を表明するとともに、中東への国際部隊の派遣が安全を確保し外交交渉をスタートさせるための唯一の方法であると指摘。
■事務総長、人権委員会で演説しエルサレムでの自爆テロを非難
アナン事務総長は、人権委員会(the UN Commission on Human Rights)で演説し、エルサレムでの自爆テロを非難するとともに、イスラエル及びパレスチナに対し、中東滞在中のパウエル米国務長官に協力するよう要請。
■裁判外・略式・恣意的処刑に関する特別報告者、イスラエルのジェニン侵攻を憂慮
裁判外・略式・恣意的処刑に関する特別報告者(the UN Special Rapporteur on extrajudicial, summary or arbitrary executions)であるAsma Jahangirは、ジュネーブで声明を発表し、イスラエルがジェニンの難民キャンプに侵攻した際に行った恣意的な処刑の疑いに憂慮を表明。
■事務総長、テロから自国民を守る義務が人権の犠牲の上になされてはならないと指摘
アナン事務総長は、人権委員会で演説し、米同時多発テロ後の問題として、国々が自国の人々を保護する義務を再確認するとともに、そうしたことが人権の犠牲の上になされてはならないと指摘。
◆「今日の一言」― 非対称的戦争 ―
イスラエルの攻撃とパレスチナによる自爆テロの応酬が、際限なく続いていますが、本日月曜日付けニューヨーク・タイムズ紙は "The limits of force" と題するニュース解説を掲載し、イスラエルは圧倒的な軍事力を展開しているが、パレスチナの自爆テロによる抵抗を押さえ込むことは不可能であると指摘しています。(http://www.iht.com/articles/54716.html)
その理由として記事が援用しているのが、標記の「非対称的戦争(Asymmetric Warfare)」という概念です。軍事力で圧倒的に劣る国家や非国家的主体(テロリスト)が、正規軍による戦争行為ではなく、テロやサイバー攻撃で対抗することをいい、一昨年6月に米国防総省が発表したレポート「ジョイントビジョン2020」で将来の軍事的脅威として取り上げられたものです。
当時の「非対称的戦争」の具体的イメージは、いわゆるサイバー攻撃だったのですが、9.11以降は、もっとプリミティブで、かつ悲惨な、自らの生命を武器にする「自爆テロ」が前面に出てきました。米国やイスラエルが、いくら重装備し、よく訓練された軍を投入しようとも、テロリストがナイフ一本で民間航空機を乗っ取り、ビルに突入したり、爆薬で身を包んだ民間人に自爆されたのでは、なす術がないというのです。
ニューヨーク・タイムズ紙の記事は、改めてその点に言及し、イスラエルの圧倒的な軍事力をもってしても、パレスチナによる自爆テロを完全に押さえ込むことは事実上不可能であると指摘するとともに、次のようなイスラエル軍高官の言葉を引用しつつ、パウエル米国務長官の調停努力に期待を寄せています。
"The best protection is going to be a decision by the Palestinians not to do it." 「自爆テロからイスラエル国民を守る最善の手段は、パレスチナの人々が自爆テロを止めると決めることだ」というのですが、余りに当たり前のことで、言葉も出ません。こんなことに気づくのに、何百人もの犠牲者が必要だったのでしょうか。「戦争の文化」を転換し「平和の文化」を時代の潮流にしていくことの重要性を改めて痛感せざるを得ません。
| 4月13日(土曜日) 文責:山本 |
| 4月15日(月曜日) 文責:山本 |
■難民キャンプ入りはできたものの、援助はできず:パレスチナ
国連中東特別調整官事務所と国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のスタッフのここ数日の努力によりイスラエル当局はヨルダン川西岸のジェニン難民キャンプへのアクセスは許可したが、実際の物資を支給を禁止された。スタッフらは食糧と飲料水をトラック2台で搬入したものの物資を荷下ろしもで きずキャンプを後にした。
■FAOがパレスチナ人の栄養状態に関して警告
食糧農業機関(FAO;Food and Agricultural Organization)は15日、ヨルダン川西岸とガザ地区に住むパレスチナ人の間で拡大している飢餓と栄養失調の状態について警告を発した。
イスラエル軍による占領・封鎖で同地域における真水の入手が困難になるなど衛生状態も悪化しており、低出生体重児の出生率が10.4%の増加、死産の発生率も52%の増加となっている。
■人権委員会から中東へのミッションはイスラエルが未だ検討中
ロビンソン国連人権高等弁務官によると、人権委員会から中東の人権状況評価のために派遣しようとしているミッションとの協力について、イスラエル当局は未だ検討中という状況であることを発表した。
■人権委員会、イスラエル軍の行為を非難
国連人権委員会は15日、イスラエル軍によるパレスチナ人居住地区及び難民キャンプに対する攻撃で既に数百人の犠牲者が出ていることを非難し、即時撤退を要請する決議を賛成40・反対5・棄権7で採択した。反対はカナダ・チェコ・ドイツ・グアテマラ・英国、棄権はブルンジ・カメルーン・クロアチア・イタリア・日本・ポーランド・ウルグアイ。
■事務総長、UNOAの活動期限延長を勧告
アナン事務総長はアンゴラ国内における昨今の情勢変化を鑑み、政府と反政府組織アンゴラ全面民族独立同盟(UNITA)との協議に時間の猶予を与えるため、国連アンゴラ事務所(UNOA;UN Office in Angola)への活動委任期限を7月中旬まで延長することを安全保障理事会議長あて書簡で勧告した。
■アフガニスタンで「ロヤ・ジェルガ」開催に向けて参加者選出が開始
国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA;UN Assistance Mission in Afghanistan)の Lakhdar Brahimi 代表は15日、緊急ロヤ・ジェルガ開催への第1段階として、参加者の選出プロセスが開始されたことを歓迎した。
■東ティモールで大過なく大統領選挙が終了
14日に東ティモールで実施された大統領選挙では43万9,000人の有権者のうち、約40万人が投票し(投票率86.3%)、15日現在、開票作業を続行中である。各陣営は投票に関して15日の正午まで申し立てが可能であったが、申し立ては全くなかった模様。
■安保理、各国に反テロリズムパネルへの報告を要請
安全保障理事会は15日、反テロリズムに関する公開協議を行い、決議第1373号の履行のために、各国に反テロリズム委員会(CTC;Counter-Terrorism Committee)への報告の必要性を強調し、CTCの組織機能強化と活動期限延長を決定した。国連加盟国189のうち50か国が報告を未提出である。
■民間部門との強力でアフリカの開発を
ダカールで開催中のアフリカ開発新パートナーシップ(NEPAD;New Partnership for Africa's Development)の会合に対してアナン事務総長はメッセージを送り、民間との強力で投資ギャップを埋め、成長のエンジンとして開発目標の達成を目指すべきと強調した。
◆「今日の一言」 − 強さの「弱さ」 −
3番目の記事でロビンソン人権高等弁務官は声明を発表しているのですが、その最後は次のような言葉で締めくくられています。
"Force should never triumph over justice; in the long run, justice must prevail."
| 4月16日(火曜日) 文責:Jo |
■ジェニン難民キャンプで、援助物資配給
国連は16日、西岸のジェニン難民キャンプにおいて、援助物資の配給を行った。UNRWAはトラック2台でキャンプに入って、20トンの食糧を配給し、ICRCは車両2台で入り、医薬品を配給した。キャンプの状況を見た援助職員の中には、まるで地震の跡地のようだと述べるものもいた。
■東ティモール:安保理、大統領選の成功を歓迎
安保理議長は理事国を代表して報道声明を発表し、このたび東ティモールで大統領選が成功裡に行われたことについて歓迎の意を表明した。
■中東:事務総長、第3者機関の設置を求める
アナン事務総長は国連中東和平支援会議(ニコシア)にメッセージを発し、現在の中東の状況は地域を越えて激化する危険があると警告し、暴力を静め、状況を改善するため、現地に国際停戦監視団などの第3者機関を置くよう求めた。
■ベネズエラ:支援の用意あり、と事務総長
アナン事務総長はベネズエラに静穏が戻ったことを歓迎するとともに、同国の民主主義と人権を促進するため、支援の手を差し伸べる用意があると述べた。
■東ティモール大統領選:グスマン氏、優勢
東ティモールにおいて、大統領選の開票作業がほぼ終わった。暫定結果発表によれば、グスマン候補が圧倒的に優勢である。 最終結果は17日発表され、さらに選挙監視委員会がこの結果を公式なものとして認定するのが日曜日(21日)となる。
■タンザニアの故ニエレレ元大統領、生誕80周年
15日、タンザニアの故ニエレレ元大統領の生誕80周年を祝う式典がニューヨーク国連本部で行われた。アナン事務総長はメッセージを発し、ニエレレ氏の様々な分野における計り知れない貢献が多くの遺産となって残ったと述べ、その業績に敬意を表明した。
■事務総長、Jane Goodall博士を平和の使者に任命
アナン事務総長は16日、チンパンジーの研究で有名な科学者Jane Goodall博士を「平和の使者(Messenger of Peace)」に任命した。1997年以降、アナン事務総長は、モハメド・アリ氏やマイケル・ダグラス氏など、多くの著名人を「平和の使者」に任命している。
■エチオピア・エリトリア国境画定:安保理、両国の協力を求める
安保理議長は理事国を代表して報道声明を発表し、エチオピア・エリトリア両国に対し、このたびの国境決定の実施および国境画定 プロセスにおいて、国境画定委員会および国連に緊密に協力するよう求めた。
■アフガン国王が帰国
アフガニスタンの同国のシャー元国王がこのたび、カルザイ暫定行政機構議長に伴われ、ローマからカブールに戻った。
■スレブレニツァ復興プログラム、立ち上げ
国連ボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッション(UNMIBH)と国連開発計画(UNDP)はこのたび、スレブレニツァ地域復興プログラム(SRRP)を共同で立ち上げる旨発表した。
| 4月17日(水曜日) 文責:山本 |
■ジェニン難民キャンプへのアクセスが改善
ジェニン難民キャンプへ支援物資を届けられるようになり、不十分ながらも爆発物の除去・避難所の再建などが進んでおり、約500家族に食糧を渡すことができた。
■ブーゲンビル諸島情勢は好転
安全保障理事会は17日、ブーゲンビル諸島情勢について討議し、昨今の政治状況の改善を歓迎し、パプアニューギニア政府主導による武装解除と平和構築プロセスへの協力を要請した。同諸島では1998年に停戦するまで10年間独立戦争が継続していた。
■グスマン氏が東ティモール初代大統領に
14日に実施された東ティモール大統領選挙で有効投票378,548票のうち約83%の得票率を確保したシャナナ・グスマン氏が圧勝し、初代大統領となることが明らかとなった。
■アフガニスタン難民帰還のための支援を要請
ルベルス国連難民高等弁務官は17日、アフガニスタン難民の帰還を支援・促進するために資金拠出を要請した。同国復興のために予定されていた2億7100万ドルのうち1億6000万ドルしか拠出されていないため準備資金が不足しつつある。
■ユネスコが消滅の危機に瀕する言語を保護する計画を発表
グローバリゼーションの進展と情報技術のもたらす均質化によって何千もの言語が消滅の危機に瀕しいるという状況をうけ、ユネスコ(UNESCO)は17日に危機にある言語に対する認識の向上と言語を残していく計画を発表した。
現在知られている約6,000の言語のうち半分が使用人口が1万人に満たず、4分の1は千人以下である。
■破傷風で亡くなる新生児数が大幅に減少
ユニセフの発表によると、破傷風がもとで亡くなる新生児の数が、予防接種と健康管理の進展により昨年は15,000人減少した。毎年20万の新生児が破傷風で亡くなっており、死因の8%を占めている。
| 4月18日(木曜日) 文責:阿部 |
■事務総長、安保理の公開協議で中東への多国籍軍派遣の検討を要請
アナン事務総長は、安全保障理事会の公開協議において、緊迫した中東情勢を指摘し、先週自らが提示した多国籍軍(multinational force)派遣案を緊急に検討するよう求めるとともに、多国籍軍の目的、正確、機能について説明。
■中東和平プロセス特別調整官とUNRWA事務局長、ジェニン難民キャンプを視察
ラーセン(Terje Roed-Larsen)中東和平プロセス特別調整官(the UN Special Coordinator for the Middle East Peace Process)と国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA:the UN Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East)のハンセン(Peter Hansen)事務局長は、西岸のジェニン難民キャンプを視察し、アナン事務総長に状況を報告。
■UNRWA、イスラエル軍の治安対策がガザ地区の食糧不足を招いていると抗議
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、イスラエル軍がガザにおいて過度に厳格な治安対策を講じているために基礎食糧が不足する事態を招いていると抗議するとともに、同国に対しガザ地区への物資の自由な流れを容認するよう要請。
■国連キプロス平和維持軍、72年以来保管していた武器の破壊を開始
国連キプロス平和維持軍(UNFYCIP:the UN Peacekeeping Force in Cyprus)は、1972年以来保管していた武器4,500丁の破壊を開始。この破壊作業を完了するには2ヶ月を要する。
■マダガスカル大統領選をめぐる紛争当事者がセネガルで会談
国連とアフリカ統一機構(OAU:the Organization of African Unity)の下で、マダガスカル大統領選をめぐる政治危機の当事者がセネガルで会談し、状況緩和を目指すための工程表に合意。この合意によれば、まず投票用紙を数え直し、なお結論が出ない場合は、アフリカ統一機構、国連及びEUの支援を得て6ヶ月以内に国民投票を実施する。
■事務総長特別代表、コンゴ民主共和国の内戦当事者間の公式交渉最終会合に出席
Amos Ngongi事務総長特別代表(Secretary-General's envoy for the Democratic Republic of the Congo (DRC))は、コンゴ民主共和国の内戦当事者間の公式交渉の最終会合に出席し、参加者を激励。
■シャー元アフガニスタン国王、亡命先のイタリアからカブールに帰還
シャー(Mohammad Zahir Shah)元アフガニスタン国王は、亡命先のイタリアからカブールに帰還。国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA:the UN Assistance Mission in Afghanistan)を率いるブラヒミ(Lakhdar Brahimi)事務総長特別代表らが空港で出迎えた。
◆「今日の一言」― The Last Negotiation ―
中東におけるイスラエルとパレスチナ間の応酬、ジェニン難民キャンプの惨状など、連日の報道に接していると、暗澹たる気分になりますが、日本の政治が、低レベルの政争に明け暮れるばかりで国際社会への関心を完全に失っている様子を見ると、もう悲しい気分を通り越して怒りが込み上げてきます。
日本政治は、代議士の秘書問題等をめぐって論争が続いていますが、目下の国際社会の最大の関心は、「いかにして中東における暴力の連鎖を断ち切るか」この問題です。1922年に発刊され「世界でもっとも影響力のある」雑誌といわれている『フォーリン・アフェアーズ』誌は、中東問題の特集を組み、最新号(5、6月号)の記事の一部を特別にインターネットに公開しています。(http://www.foreignaffairs.org/articles/MidEast.html)
その一つ、クリントン政権でアラブ・イスラエル問題担当大統領補佐官を務めていた Robert Malley らによる論文 "The Last Negotiation" は、ブッシュ政権のアプローチを "the incremental approach"、すなわち、現在の状況を出発点にして、何らかの「増分」を求めていくアプローチと呼び、批判しています。そうしたアプローチでは、その「増分」を巡っての相互の疑心暗鬼が高まるだけで、問題の解決には繋がらないというのです。確かに、オスロ合意(93年)、暫定合意(95年)、ヘブロン部分撤退協定(97年)、ワイ・リバー合意(98年)と、過去になされた調停はすべて暫定的、部分的なものであり、問題の本質的な解決に貢献したとは思えません。
いま求められているのは、中東地域の平和と人々の幸福を、何として実現するのだという国際社会の断固たる意志と、それに基づく政治的行動を結集することであると思います。日本の政治にも、これがラスト・チャンス(to negotiate)だという緊張感と責任感をもって、臨んで欲しいものです。
"The Last Negotiation" by Hussein Agha and Robert Malley (from Foreign Affairs, May/June 2002)
| 4月22日(月曜日) 文責:Tat |
■中東情勢:事務総長、ジェニン難民キャンプの事実確認チームを発表
前フィンランド大統領Martti Ahtisaari氏が国連安全保障理事会の委任を受け、ヨルダン川西岸地域のジェニン難民キャンプでの最近の出来事に関する正確な情報を明らかにするため、事実確認ミッションのリーダーとなる、とコフィ・アナン事務総長は今朝発表した。
■中東情勢:事務総長、中東特使Roed-Larsen氏に全幅の信頼を表明
コフィ・アナン国連事務総長は、中東和平プロセス特別調整官 Terje Roed-Lausen 氏に対する、イスラエル政府の代表達による最近の公の非難に対し懸念を表明した。
■ブルンジ:紛争当事者に対話を勧告
国連安全保障理事会のメンバーは今日、ブルンジの紛争当事者に停戦合意を目標とした対話をするよう勧告した。
■総会情報委員会、デジタル格差に焦点
今日よりニューヨークで開催されている総会の情報委員会(Committee on Information)で、開発途上国と先進国との間のデジタル格差を埋める努力、そして国連の実例をもっとも効果的に世界の人々に伝える方法の調査が、主要な議題となった。
■バイオセーフティ協定についての国連支援による会議、ハーグにて開催
国連環境計画(UNEP)により準備された会議にて、160カ国より政府代表として世界中の専門家およびその他の関係者(産業界、市民団体、および草の根団体の連合を含む)は、参集したハーグにて来る日々、バイオセーフティに関する法的な保護を議論する。
| 4月23日(火曜日) 文責:けい |
■国連ジェニン事実調査団、今週末までに現地入り
ジェニン難民キャンプでの最近の事態に関して、適切な情報を明らかにするために安保理によって任務を与えられた国連事実調査ミッションは今週末までに中東入りする予定であることを調査団の団長を務めるアーティサリ元フィンランド大統領が語った。
■国連とイラクの協議が5月1日からニューヨークで
アナン事務総長とイラク政府高官との次期協議が、5月初旬にニューヨークの国連本部で開かれる。
■新たな国際基金は国際社会のエイズ・結核・マラリアに対する処方を示す
アナン事務総長は本日ニューヨークで開かれた理事会で演説し、エイズ、結核、マラリア対策の新たな国際基金は、国際社会がこれらの病気と断固戦うという希望をもたらしたものだ、と述べた。
■東ティモールの独立支援のための新しいミッションの概要
過去2年半の東ティモールでの成果を維持する必要性に鑑み、アナン事務総長は、5月の領土独立後、引き続き2年間の継続的な国連のプレゼンスを勧告した。
■西サハラ:人道的関心への喚起を熱望−事務総長
国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO:United Nations Mission for the Referendum in Western Sahara)の任務が今月末に終了することに関して、当地での 今後の国連の関与のあり方が未決定である今、アナン事務総長はこの地域における人 道援助活動への国際的な支援を要求した。
◆「今日の一言」―身近になった世界?―
本日より火曜日分を担当することになりました、けいと申します。どうぞよろしくお願いいたします。
この数年、インターネットの一般化(特にADSLやケーブルなどのいわゆるブロードバンドの普及)により今まで私たちがなかなか知ることのできなかった情報が、かなり身近になってきたと思います。
こうして日本にいながらでもその気になればBBCのRadio1をインターネットラジオで聞くことができますし、こうして国連の最新のニュースだって知ることができます。今後の技術の発展が更に世界を身近にしていくことは間違いないところです。
では翻って身近になった世界に対して私たちの関心はどうなのでしょう。身近になっていく世界の中で私たち自身は東ティモールや西サハラの状況をどう捉えるのでしょう。容易にアクセスすることができるようになってきた世界に、私たちの関心は追いついていけるのでしょうか?
初めての配信のために翻訳作業をしながら、ふとそんなことを考えていました。今後、SUNの配信を通じて世界の出来事に常に関心をもっていきたいと思います。
| 4月24日(水曜日) 文責:山本 |
■人権高等弁務官、パレスチナでの人権状況を報告
ロビンソン国連人権高等弁務官は、国連の調査ミッションの派遣が許可されなかったので、パレスチナの占領地域内で活動している人道支援組織からの情報として、領土内の人権状況を報告した。それによると、パレスチナ側の自爆テロにより62人が死亡、363人が負傷している。一方、3月29日から4月21日の間にイスラエル軍により217人のパレスチナ人が死亡、498人が負傷している。
ただしこの数値は地域全体の数値ではなく、確認が必要であるとも付け加えた。
■安保理、イスラエルの協力を要請
安全保障理事会は、イスラエル政府が国連の事実調査ミッションへ協力することを要請した。同時にアラファト議長の安否にも懸念を表明した。
■国連の現地調査ミッションが土曜に中東に到着
ジェニン難民キャンプにおける最近の状態を把握するために現地調査ミッション(fact-findind mission)が27日に中東に到着する予定である。派遣されるのは、前フィンランド首相の Martti Ahtisaari 氏、前難民高等弁務官の緒方貞子氏、前国際赤十字委員会代表の Cornelio Sommaruga 氏ら。
■中南米で5400万人が飢餓状態に
食糧農業機関(FAO)の Jacques Diouf 事務局長は24日、ハバナで開催された会合の席上、ラテンアメリカとカリブ海で5400万人が飢餓状態に置かれていると警告し、この状態の改善なしに、健康や教育といったその他の課題における進歩が見られないだろうと強調した。
■アフガニスタン北部の洪水罹災者に支援:WFP
過去2週間のうちに2度も洪水に襲われたアフガニスタン北部地域の罹災者2000人に対し世界食糧計画は砂糖やビスケットなどの支援物資9トンを急派した。
■安保理、コソボの状況改善を歓迎
安全保障理事会はコソボにおいて国内避難民の帰還が進んでいることを受け、政治的安定化の促進状況を歓迎した。
■コソボにはさらに経済的な発展が必要:事務総長
アナン事務総長はコソボの状況に関する報告を行い、自治政府の機構は整いつつあるものの、特に若年層の失業率が高いために潜在的な社会不安を抱えており、同地域の経済的な発展を促す支援が必要であると指摘した。
■東ティモールの治安について周辺諸国と協議
東ティモール警察(ETPS;East Timor Police Service)は5月の独立に向けてオーストリア・インドネシア両国の警察当局と、当地域の治安に関して協議を持った。
■事務総長、ハーバード大で講演
アナン事務総長は24日、ハーバード大学で講演し、アフリカ諸国は戦争と貧困から自らの国を引き上げようと努力しており、国際社会はこの動きを支援することが必要であると強調した。
◆「今日の一言」 − 権力 −
『アメリカの「人道的」軍事主義』(N.チョムスキー;現代企画室)という本を読んでいるところです。ご存知の方も多いでしょうが、チョムスキーは9.11以降、合衆国の行動にかなり批判的な発言をしているのですが、この本ではコソボへの介入の政治的な経緯を追いながら、合衆国を初めとする「文明諸国(Enlightend States)」
の採った行動を「人道的」と皮肉を込めて記しています。
この本を読んでいて、そして昨今の世界や日本の状況を見て思い浮かぶのが、フーコーの次の言葉です。
「権力とは、一つの制度でもなく、一つの制度でもない。ある種の人々が持っているある種の力でもない、それは特定の社会において、錯綜した戦略的状況に与えられる名称である。」
(『性の歴史1 知への意志』)
つまり、「権力」とは力の行使そのものではなく、実際には力を行使しているにも関わらずそれを「力」と呼ばせない状況を定義し強要できること、です。様々に起こる事象とそれに対する解釈−特に主流となっている解釈−を定義し、流布させているのは誰か、ということに敏感でないと、事態はより危険な状況に推移する恐れが常に潜んでいることを忘れてはならないと思います。
| 4月25日(木曜日) 文責:阿部 |
■安保理議長、中東情勢を改善するための外交努力を支援すると発表
安保理議長であるロシアのSergey Lavrov大使は、中東情勢に関する安保理討議の状況について記者発表し、アラファト議長府を取り巻く状況の非暴力による解決、近く予定される国連ジェニン事実調査ミッションの現地到着など、安保理決議に沿った外交努力を支援していくと指摘。
■国連高官ら、イスラエル外交団とジェニン調査ミッションについて会談
Kieran Prendergast政務担当事務次長ら国連高官は、イスラエル外交団と会談し、西岸(the West Bank)のジェニン難民キャンプで起こった事件の真相究明にあたる国連ジェニン事実調査ミッション(Jenin fact-finding mission)について意見交換。
■緊急援助調整官、スーダンの紛争当事者に援助活動のアクセスを認めるよう要請
大島賢三国連緊急援助調整官は、乾季の戦闘と人道援助アクセスの障害が重なって起きた98年の大飢饉を繰り返してはならないと指摘し、スーダンの紛争当事者であるスーダン政府とスーダン人民解放運動(SPLM:the Sudan People's Liberation Movement)に対し、援助活動のアクセスを認めるよう要請。
■国連開発計画、パレスチナに40万ドルの緊急援助を発表
国連開発計画(UNDP:the United Nations Development Programme)は、占領下にあるパレスチナ領土における人道危機に懸念を表明し、40万ドルの緊急援助とともに地域の再建を支援する計画を発表。
■ユーゴスラビア軍最高司令官、セルビアから旧ユーゴ国際刑事裁判所に移送
99年のコソボにおける「恐怖と暴力(terror and violence)」キャンペーンを主導した容疑で起訴されているユーゴスラビア軍の最高司令官であったDragoljub Ojdanic将軍をセルビアから旧ユーゴ国際刑事裁判所(ICTY:the International Criminal Tribunal for the former Yugoslavia)に移送。
■エイズと戦うグローバル・ファンド、3億8千万ドルの支出を決定
アナン事務総長が主導して創設されたエイズ・結核・マラリアと戦うグローバル・ファンド(Global Fund to Fight AIDS, Tuberculosis and Malaria)は、31ヶ国における40プログラムに補助するため、3億8千万ドルの支出を決定。
■事務総長、グルジア共和国とアブハジア間の紛争に関する報告書を安保理に提出
アナン事務総長は、グルジア共和国とアブハジア間の紛争に関する報告書を安保理に提出し、紛争両当事者に対し、基礎的な相違を乗り越えるための対話を促すことが緊急の課題であると指摘し、1年以上にわたって接点のない両者が定期的に対話するための仕組みとして「調整委員会(Coordinating Council)」の設置を提案。
◆「今日の一言」― 国際司法システム ―
イスラエルがパレスチナ自治政府議長の扱い等に関する米国提案を受諾したことで、中東紛争は、新たな局面を迎えることになりそうですが、一方で、国連の事実調査ミッションの受け入れ延期を求めたことで、国連との関係は混迷の度を深めています。
元フィンランド大統領、赤十字国際委員会前委員長、そして緒方貞子前国連難民高等弁務官をメンバーとする国連の「ジェニン事実調査ミッション」は、現地入りに向けてジュネーブで準備を進めていましたが、イスラエルの決定により、足止めを余儀なくされています。
イスラエル政府は、調査対象とする軍人の選定をイスラエルが行うこと、証言内容を公表しないことの2条件を国連が認めない限り、調査団を受け入れないとしている模様ですが、ミッションに対し証言した自国の指揮官や兵士が戦争犯罪で訴追されることを恐れていると、一部で報道されています。
先日発効した、国際刑事裁判所(ICC)の設置に関するローマ規程が発効するのは今年の7月1日ですから、同規程の発効が直接イスラエルの判断に影響を与えているとは考えられませんが、整備が進む戦争犯罪等に関する国際司法システムが、各国の政治判断に大きな影響を与えていると思われます。
イスラエルの決定を報じるインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(NYT紙)は、併せて米国が来年初頭にも25万の兵力を動員しイラク攻撃に踏み切る、と報じていますが、戦後、各国の努力により築かれてきた国際司法のメカニズムを更に強固にし、国際法に基づく冷静な対応が図られることを望まずにはおれません。
| 4月26日(金曜日) 文責:Jo |
■UNHCR、EUの難民政策の基準化を歓迎
国連難民高等弁務官事務所は、庇護を求める人々に対するEUの新しい政策を重要なステップとして歓迎し、 とりわけ難民の雇用政策について注意を喚起した。
■チェルノブイリ事故16年、事務総長、被災者支援を勧告
ウクライナのチェルノブイリ原発事故から丁度16年を迎えて、アナン事務総長は、被災者及び被災地域への支援を促した。
■UNAMSIL、性的虐待の防止措置を採択
国連シエラレオネミッションは、同地域の支援職員による性的虐待と児童搾取の申立てについて調査する委員会を設置した。
■国連、コンゴの弱者への安全なアクセスの欠如を指摘
大島国連緊急援助調整官は、人道状況が悪化しているコンゴ共和国の弱者に支援職員がアクセスすることが許されるよう、緊急の必要性を強調した。
■安保理制裁委員会、アルカイダ要員のリストを更新
アルカイダとタリバン要員に対する国連安保理制裁監視委員会は、同措置の対象とされる者の広範なリストに、10の人物及び主体を追加した。
■中東紛争とテロ事件が暗い影を:国連人権弁務官
メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官は、中東で続く暴力と昨年の米国に対するテロ攻撃が、 国連人権委員会の今会期に暗い影を落としていると言明した。26日、同委員会は今会期を終了。
■国連オンブズマンにジャマイカ大使が任命
ジャマイカ国連大使Patricia Durrantが、国連オンブズマンに任命された。同ポストは、国連総会が新設を決定。国連機関とは独立に機能し、事務総長と職員の記録に直接アクセスする。
http://www.un.org/News/Press/docs/2002/sga799.doc.htm
■国際社会は東ティモールに関わりつづけて:事務総長
アナン事務総長は、生まれたての国家の大統領選挙への協力を含む東ティモール問題の安保理討議の冒頭、 国際社会は、国家の設立を強化してきた新国家に関わりつづけいくよう勧告した。
■ジェニン調査団を遅らせる理由はない:アナン事務総長
ジェニンへの国連事実認定調査団について議論する国連高官とイスラエル使節との会談二日目の26日、 アナン事務総長は、調査団が中東に向けて27日にも出発することを期待すると語った。
■調査団日曜到着の要請に事務総長同意
ジェニン調査団に関する国連高官とイスラエル使節との二日間にわたる会談後、事務総長は調査団が日曜にイスラエルに到着する旨の要請に同意した。
| 4月29日(月曜日) 文責:Tat |
■ジェニン調査団についてイスラエルの決断なし−国連職員、安全保障理事会に報告
ジェニン難民キャンプでの最近の出来事に関する正確な情報を明らかにするよう委任された国連の事実調査団に同意するかどうか、イスラエルの高官はまだ決断していない、と今日国連の上級職員が安全保障理事会に報告した。
■ジェニン事実調査団の入国は「大変に緊急(very urgent)」とアナン
事実調査団に関する国連とイスラエルの間の相違を解決できることに希望を表明しつつ、コフィ・アナン事務総長は今日、国連のチームが遅滞なく目的地に行くことの必要性を強調した。
■安保理のチームはプレトリアで会合、アフリカ大湖地域ミッションスタート
大湖地域(the Great Lakes region)の平和イニシアティブを支援することを目的としたアフリカ8カ国訪問ミッションがスタートし、国連安全保障理事会の代表は今日、一連の会合を南アフリカ共和国のプレトリアで開催した。
■経済社会理事会人権委員会に15の委員選出されるーアメリカ1年不在後に復帰
国連経済社会理事会(ECOSOC)は今日、ジュネーブに本部をおく人権委員会の15の新しい委員を選出した。これには、1年不在の後に国連の主要な人権組織に復帰したアメリカ合衆国が含まれている。
■ジェニン調査団はジュネーブで業務続行、要員増加
ジェニン難民キャンプでの最近の出来事に関する正確な情報を明らかにするよう委任された国連の事実調査団のメンバーに、軍事および警察の専門家を新しく加えた、とスポークスマンは調査団が現地訪問の準備をしているジュネーブにて語った。
| 4月30日(火曜日) 文責:けい |
■アナン事務総長、ジェニン・ミッション解散も視野に
国連がイスラエル政府の協力なしにジェニン事実調査団の派遣を行うことに対して、同政府が難色を示していることを考慮し、アナン事務総長は、既にジュネーブで活動を開始し、中東への派遣のために待機している調査団の解散を考えている。安保理非公式協議後、政治局キーラン・プレンダーガスト(Kieran PRENDERGAST)事務次長が記者団に語った。
■安保理代表団とコンゴ民主共和国、ジンバブエ、南アフリカの首脳と会談
国連安保理の代表団はアフリカ大湖地域(the Great Lakes region)の8カ国訪問ミッションを続けており、今朝、キンシャサにおいて、コンゴ民主共和国(the Democratic Republic of Congo)のカビラ大統領と2時間の会談を行った。
■イスラエルの封鎖処置はパレスチナへの人道支援を妨げている−関係機関筋
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA:United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East)や他の主要な援助機関の代表によると、イスラエルのパレスチナ占領地域における検問所や他の封鎖処置は、同地域での人道援助物資の運搬を妨げているという。
■ジェニン調査団の派遣はイスラエル政府の公式返答待ち
イスラエル政府がヨルダン川西岸(the West Bank)のジェニン難民キャンプへの国連調査団派遣を拒否しているという報道がなされる中、アナン事務総長は、今朝、国連本部登庁時に記者団に対し、(現在は)イスラエル政府が(調査団派遣に対する)決定を正式に通知してくるのを待っている段階であり、国連はイスラエルの懸念を解消するために必要なことをすべて行ったという点を強調した。
■西サハラ:安保理、国連西サハラミッションの任務を7月まで延長
安保理は、本日、国連西サハラ住民投票ミッション(MINURSO:United Nations Mission for the Referendum in Western Sahara)の任務を7月31日まで延長した。これは、西サハラ問題の膠着状況を打開するためにアナン事務総長が示した提案を検討する時間的猶予を創り出すことを目的としている。
◆今日の一言 −長期的な視野と戦略の必要性−
ジェニン調査団に関する報道が一般紙などでも大きく取り上げられ、注目が集まっているようです。連日の国連の報道を見ていてもこの問題に関する記事が多く、切迫した状況の中で様々な人々の思惑が交錯していることが伺えます。
一方で、本日のニュースの一番最後にもありますが、西サハラミッションの延長が決定されています。国連西サハラミッションに関して、このSUNではどのくらい取り上げているかを検索(http://www.issue.net/~sun/cgi-bin/wwwsrch.cgi)してみると、1998年から現在まで20件以上の記事がヒットしていることが分かります。(このミッション自体は1991年の4月から始まっています)。また自衛隊の派遣でも一時話題に上ったゴラン高原での国連のミッション、国連兵力引き離し監視軍(UNDOF: UN Disengagement Observer Force) に至っては1974年6月から現在にいたるまでその任務は続いています。
こうした例が示すように、国連が関与する紛争や国際的規模での問題を見る場合、時には非常に長いスパンで考える必要があるように思われます。当然、問題に取り組む国連や諸機関は長期的な視野と戦略を許される限りもつべきでしょうし、それを見る私たちにも今日一日の「ニュース」として認識するだけでなく、時にはそういった大きな流れとして把握しなければ事態の本質が見えない場合があるかもしれません。
連休も後半に入ったこの時期に、こうしてSUNを読んだついでに、何か興味のあるニュースに関して検索してみたりするのもよいのではないでしょうか。
最後に、配信が遅れてしまったこと、読者の皆様および関係者の方々に深くお詫び致します。
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Updated : 2007/02/19
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