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| 2001年10月 | ||||||
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| 10月 1日(月曜日) 文責:山本 |
■事務総長、テロとの闘いに参加を呼びかけ
アナン事務総長は1日、国連総会で演説し、世界が協調して挑まないと功を奏しないとし、ともにテロリズムに対する闘いに参加することを促した。また、テロリズムに対する12の条約と議定書が実効されるように働きかけるべきであると強調した。総会では1週間にわたってテロリズムと闘う方策について討議する予定。
■ジュリアーニ・ニューヨーク市長、総会で演説
国際テロリズムと闘う方策を検討する国連総会の開会にあたりニューヨークのジュリアーニ市長が演説し、「合衆国に対するテロリストの攻撃は国連の原則に違反しており、断固たる行動に拍車をかけねばならない」と強調した。
■テロリズムに対抗する国連総会開催
テロリズムと闘う方策を検討する国連総会が1週間の会期の予定で開催された。多くの参加者はテロ行為を非難し、国連反テロリズム条約の遵守と新たな法的手段の模索を支持した。
■化学兵器禁止機構、化学兵器禁止条約の普遍性確保を訴える
国連化学兵器禁止機構(OPCW;UN Organization for the Prohibition of Chemical Weapons)は9月28日に声明を発表、11日のテロ攻撃を非難し犠牲者とその家族に弔意を示すとともに、化学兵器禁止条約の普遍性の確保への努力の再確認を各国に要請した。
[国連化学兵器禁止機構] http://www.opcw.org/
■世界銀行、テロ攻撃の経済的影響を試算
世界銀行は合衆国へのテロ攻撃に端を発する経済状況悪化により貧困が拡大する恐れがあると警告した。試算によるとテロの影響による先進国の経済悪化の影響を受け途上国の成長率が5.5%から2.9%まで低下する模様。1000万人以上が貧困に陥ることになり、子どもの病気や栄養失調への対策にも影響が出る。これにより5歳以下の乳幼児が2〜4万人が亡くなるだろうとも警告した。
■国連特別報告者、傭兵のテロ関与についての認識を呼びかけ
1日に国連特別報告者 Enrique Bernales Baleesteros 氏によって国連総会に提出された報告書によれば、テロ活動における傭兵の関与が高まっており、国連のテロリズムに対する分析・フォローアップ・決議及び各国の国内法において十分に反映されるべきであると注意を促した。
■大島人道問題担当事務次長、パキスタンのムシャラフ大統領と会見
国連人道問題担当事務次長でありアフガニスタン緊急援助調整官でもある大島賢三氏は1日、パキスタンのムシャラフ大統領と会見し、近年の国連人道活動に対する同国の協力に謝意を表し、新たなアフガニスタン難民の受け入れを要請するアナン事務総長の書簡を渡した。
■UNFPA、イランとアフガニスタンへの緊急支援を開始
国連人口基金(UNFPA)は1日、イランに対し緊急支援物資と現地事務所に資金を送付を開始した。同時にアフガニスタン女性の健康状態の悪化を防ぐため450万ドルの支援を行うことを発表した。特にアフガニスタン難民で妊娠中の女性のためのシェルター・食糧・医療の欠乏を防ぐためのものである。
■事務総長、UNIKOMの任期延長を勧告
アナン事務総長は1日、安全保障理事会に対してイラク=クウェートの情勢に関して報告し、国連イラク・クウェート監視ミッション(UNIKOM;UN Iraq-Kuwait Observation Mission)の任期延長を勧告した。 報告によれば両国間の非武装地帯の状況は過去半年の状況は比較的平穏であったが、陸海空合わせて255件の違反が認められた。
■ミャンマーの人権状況にも進展
国連人権委員会特別報告者の Paulo Sergio Pinheiro 氏が1日ミャンマーの人権状況について報告したところによると、同国内の人権状況は、公務員に対する人権基準の普及や政治犯の釈放などの政府の努力もあって、明るい兆候が見られる模様。
■ギニアビサウの情勢は依然不安定
アナン事務総長は1日、国連ギニアビサウ平和構築支援事務所(UNOGBIS)の活動について安全保障理事会に報告し、多少の進展は認められるものの、依然として不安定なままであると警告した。
■コンゴ民主共和国の人権の状況が改善
コンゴ民主共和国人権特別報告者の Roberto Garreton 氏が1日報告したところによると、同国内の人権状況は改善しており、景気回復の兆しも見られる模様。
■国際高齢者デー
アナン事務総長は10月1日の国際高齢者デーにちなんでメッセージを発表し、世界中で平均寿命が伸びている状況に対応して、高齢者に対する政策や態度をさらに改善し、より統合化されたものとしなければならないと訴えた。
平均寿命(出生時の平均余命)は1950年では46歳であったものが66歳にまで伸びており、今世紀半ばには高齢者の比率が現在の10人に1人から5人に1人と2倍になると推計されている。
■世界ハビタットデー
世界ハビタットデーにちなんで福岡で開催された記念式典でハビタットの Anna Kajumulo 事務局長は演説し、世界で10億の貧困に喘ぐ人々が満足なシェルターや基本的な社会サービスを受けられないままでいることを指摘し、彼らの生活環境の改善が必要であると訴えた。
今年のテーマは「スラムのない都市」であり、2020年までに1億人のスラム居住者の生活環境の改善を目標としている。
◆「今日の一言」 − 'ground zero' −
原文にもあるのですが、テロ攻撃の標的となった世界貿易センタービルのあった地点のことを 'ground zero' という呼び方をしているようです。これは攻撃直後、私がまだ北米にいてTVニュースを見ているしかなかった時期からこのような言いまわしがされていました。
もともとこの言葉はミサイル等の目標地点を示す軍事用語だったはずですが、おそらく1945年以降は原爆投下地点(正確には爆心地)を表す言葉として用いてこられてきたと認識しています。広島や長崎の原爆資料館・爆心地を訪れてそのような表記がなされていたことに気がついた方もおられるかもしれません。
先進国の中ではここ100年ほど本土を外国から攻撃を受けたことがなく、ましてや爆撃を経験したことなどないのが合衆国です。私たちが想像している以上の衝撃を受けているとは思うのですが、爆撃されるとはどういうことなのかというのを如実に合衆国は知ったはずです。他国を爆撃する前にそのことを一度考えてほしいと思っています。
| 10月 2日(火曜日) 文責:Jo |
■総会、テロ討議2日目
総会、テロ討議2日目。イエメン、マレーシア、リビア(アラブ・グループ代表)、イラン、パキスタンなどの国々が発言し、テロの定義の必要性を訴えた。
■今月の安保理議長国はアイルランド
10月の安保理議長国はアイルランド。同国の国連大使Richard Ryan氏は2日、国連本部で記者会見し、アフリカとテロの問題が今月の安保理の主要議題である旨述べた。
■事務総長、カシミールでの自爆テロを非難
月曜日、インド北部カシミールのSrinagarにおいて、自爆テロが発生。アナン事務総長は声明を発表し、このテロ行為を強く非難し、長期にわたるカシミール紛争政治解決の必要性を強調した。
■UNCTAD:米国テロの影響で、米国、欧州、日本がリセッションの恐れ
国連貿易開発会議(UNCTAD)は"Global Economic Trends and Prospects"を発表。米国テロ事件の影響により、米国、欧州、日本の経済がリセッションの恐れがある、と警告した。
■事務総長、グッドモーニング・アメリカに出演
アナン事務総長、米国ABC放送の番組グッドモーニング・アメリカに出演し、アフガニスタンにまもなく冬が到来し、人道援助が難しくなることに視聴者の注意を促した。
■UNHCR、アフガニスタン難民流出に備え
UNHCRは現在、アフガニスタンからの難民流入への備えを続けている。2日、第2次緊急援助物資として、UNHCR機が毛布や防水シート(45トン相当)をパキスタンに空輸した。
■アンゴラの戦闘でコンゴへ難民流入
UNHCRによれば、アンゴラ北部で新たな戦闘が起こり、数多くの難民がコンゴ民主共和国に流出している。すでに、3000人以上が同国のKimvulaに到着し、現在も、毎日、約250人の難民が流れ込んでいる。
■旧ユーゴ国際刑事裁、ユーゴの非協力を指摘し、4人の軍人起訴を公表
旧ユーゴ国際刑事裁判所はこのたび、1991年当時、クロアチアのDubrovnik攻囲における戦争犯罪を問い、当初名前を伏せて起訴した4人のユーゴ軍人の逮捕について、ユーゴ政府が7ヶ月の間、協力を拒否したとして、これら4人の名前を公開とした。これら4人は、Pavle Strugar、Miodrag Jokic、Milan Zec、Vladimir Kovacevic。
■イラク石油輸出、激減
イラク・プログラム部によれば、イラク石油食糧交換プログラムの下、実施されているイラク石油の輸出量がこの1週間、前週と比べると、700万バレル以上減少した。
| 10月 3日(水曜日) 文責:山本 |
■各国大使がテロに対する取り締まりの強化を要請:国連総会
反テロ国連総会の3日目。各国大使のテロリズムに対する演説が続き、世界的な法的手段の強化の重要性を訴えた。
■延期された一般演説は11月中旬に決定
9月24日に開始するはずであった各国首脳による国連総会の一般演説は11日の同時多発テロの影響から延期されていたが、11月10日から16日までの7日間に行うことを総会議長報道官が3日、明らかにした。
■亡命の原則と治安に対する懸念は常に考慮されるべき:UNHCR
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の国際保護部長の Erika Feller 氏は1951年の難民保護条約(the 1951 Refugee Protection Convention)で既に治安上問題のある人物や重大な犯罪で有罪の判決を下された人物は難民から除外するという原則を守ることを確認した。
■冬が始まれば危険な状態に:アフガニスタン難民
国連人道問題調整部(OCHA)副緊急援助調整官の Carolyn McAskie 氏は3日、アフガニスタン難民は既に危険な状態にあり、冬が来ると数百万の人々が極めて危険な状態に置かれると警告した。
■事務総長、中東情勢の事態進展のための対話を要請
アナン事務総長は3日、先日の衝突で20名のパレスチナ人と2名のイスラエル人が亡くなったことに対し遺憾の意を表明し、事態の改善のために双方に早期に交渉のテーブルにつくよう強く要請した。
■イスラム開発銀行がUNRWAへ資金を拠出
パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は3日、イスラム開発銀行から500万ドルの資金提供を受けたと発表した。
■安保理、シエラレオネ情勢に懸念を表明
安全保障理事会は3日、シエラレオネ国内の1地区で反政府組織の革命統一戦線(RUF)の武装解除が遅々として進まないことに懸念を表明し、RUFに対し「武装解除・解隊・再統一計画」disarmament, demobilization and reintegration (DDR) programme に参加・協力するように強く要請した。
■安保理がエチオピア・エリトリアの情勢に関し懸念を表明
安全補保障理事会は3日、国連エチオピア・エリトリアミッション(UNMEE)が両国の間で武力を分離させるための暫定緩衝地帯を維持することの困難さに懸念を表明した。
■熱帯での森林破壊は急速に進行
国連食糧農業機構(FAO)が3日公開した報告書「世界の森林 2001(State of the World's Forests 2001)」によると、熱帯における森林破壊が急速に進んでいる模様。世界で過去10年間に1,610万ヘクタール(うち熱帯では1,520万ヘクタール)の森林が伐採や害虫、火事などで失われた。
[the State of the World's Forests 2001]
http://www.fao.org/forestry/fo/sofo/SOFO2001/sofo2001-e.stm
■障害者が働きやすい職場の構築を検討:ILO
国際労働機関(ILO)は3日、障害者の労働についての専門家会議をジュネーブで開催。全世界で3億8,600万人いると見られる障害をもった労働人口における失業は他の年代と比較してはるかに高いことを指摘し、障害をもった人は働く意欲を持っているにも関わらずしばしば除外されていると警告した。なお会議は12日まで。
◆「今日の一言」 − 『地下室の手記』 −
ドストエフスキーの作品に、地下室にこもって延々と手記を書きつづける元官吏の話である『地下室の手記』がありますが、暗いところに閉じこもって1人陰々と独り言を繰りながら思索したことというのは往々にして碌でもない代物であることが多いもので、『地下室の手記』の主人公は最後に「人間であることもわずらわしく思」うようになります。
「地下」に潜伏しているであろう、テロ攻撃の首謀者は今いったい何を考えているのだろうと考えてしまいます。
| 10月 4日(木曜日) 文責:阿部 |
■テロリズムに関する国連総会4日目、国際行動の強化を指摘
国際テロリズムへの対抗措置に関する国連総会における討議の4日目、米国と団結し、脅威に対する国際行動を強めていかなければならないとの指摘が相次いだ。
■英国国連大使をテロリズムに関する安保理委員会議長に指名
英国のJeremy Greenstock 国連大使が、各国によるテロ対策措置の実施状況をモニターするために先週設置されたテロリズムに関する安保理委員会(the Security Council committee on terrorism)の議長に指名された。
■国連難民高等弁務官事務所、アフガン難民への支援をアピール
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR:the UN High Commissioner for Refugees)は、数万のアフガニスタンの人々が公式には閉鎖されている国境を超えてパキスタンなど近隣諸国へ出国していることを受け、対応が「時間との競争(a race against time)」になってきたと指摘するとともに、200万人の難民を支援するため、2億86百万ドルの資金が必要と発表。
■日本政府、アフガニスタン人道支援に必要な6億ドルの2割を拠出すると発表
先週木曜日にアナン事務総長が、750万人のアフガニスタンの人々の人道支援に5億84百万ドルが必要と国際社会に要請したことを受け、日本政府は、その2割を拠出すると本日発表した。こらに対し、国連人道問題調整室(OCHA:the UN Office of the Coordinator for Humanitarian Affairs)が謝意を表明。
◆「今日の一言」― 親善大使 ―
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使を努めるハリウッドのオスカー女優 アンジェリーナ・ジョリーさんがアフリカ難民キャンプを訪問した際に綴った日記の日本語訳「アンジェリーナ・ジョリーのアフリカ・ジャーナル」が、本日5日の午前11時に、日本国連HCR協会のホームページ(http://www.japanforunhcr.org)に掲載されます。
(UNHCRプレスリリース http://www.unhcr.or.jp/news/press/pr011004.html)
皆さんもご承知のように、ジョリーさんは、名優ジョン・ボイトの娘としても有名ですが、映画『17歳のカルテ』で昨年のアカデミー助演女優賞を受賞、『トゥームレイダー』も明日6日からロードショー、11月には、アントニオ・バンデラスと共演し話題になっている『ポワゾン』が日本でも公開される予定です。
ジョリーさんは、難民に対する人道活動について知りたいと自らUNHCRに連絡を取られ、親善大使への就任以前に、シエラレオネ、タンザニア、カンボジア、パキスタンにある難民キャンプを訪問、UNHCRの現場職員と共に厳しい生活条件や職場環境を経験されたそうです。
この秋からはオリバー・ストーン監督の最新作『Beyond Borders』の撮影に入るとのことですが、これは、アフリカ、コソボなどの難民キャンプを舞台にしたラブストーリー。今回のアフガニスタンの人道状況にも特別な関心を寄せられているそうで、パキスタンでの日記も近々公開されるそうです。
難民問題というと、日本にいる私たちにとってなかなか身近な問題ではないかもしれませんが、こうしたジョリーさんの取り組みを通じて、少しでも多くの方々が、国連難民高等弁務官事務所の活動に関心をもっていただければと願っています。
「アンジェリーナ・ジョリーのアフリカ・ジャーナル」
http://www.japanforunhcr.org
4日午前11時公開
アンジェリーナ・ジョリー主要出演作品
- 最新作「トゥームレイダー」(10月6日よりロードショー)
- 「60セカンズ」
- 「17歳のカルテ」(アカデミー助演女優賞受賞作)
- 「ボーン・コレクター」
| 10月 5日(木曜日) 文責:阿部 |
■国連総会の国際テロ問題集中討議、167ヶ国の代表が演説し終了
国連総会の5日間にわたる国際テロ問題集中討議を終了するに当たり、国連総会議長である韓昇洙(Han Seung-soo)韓国外交通商相が総括演説を行い、テロ対策という単一の議題の会議としては空前の167ヶ国の代表が演壇に立ったことを紹介、各国が問題の重要性を認めた点を高く評価。
■アジア太平洋経済社会委員会、米国同時テロの地域経済への影響は大きいと指摘
アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP:Economic and Social Commission for Asia and the Pacific)のKim Hak-Su事務局長は、米国同時テロがアジア太平洋地域の経済や貧困との闘いに大きな影響を与えていると指摘したうえで、世界中の国々が協力して景気後退に立ち向かうようになったこと等を評価。
■安保理議長、11月17日の選挙に向けて安全確保を要請
安保理議長であるRichard Ryanアイルランド大使は、11月17日に予定されている選挙の準備に関連して議長声明を発表、、コソボのアルバニア系リーダーに対し、安全を確保し、テロ活動を含む過激主義と戦うよう要請。
■事務総長は、マノ川同盟の発展に期待を表明
アナン事務総長は、マノ川同盟(MRU:Mano River Union)の最近の発展に関して、リベリア、シエラレオネ及びギニアの近隣三ヶ国が今後とも良好な関係を発展させていくよう期待を表明。
■事務総長と世界の製薬会社、共同コミュニケを発表
アナン事務総長と世界の製薬会社(Abbott Laboratories, Boehringer-Ingelheim, Bristol-Myers Squibb, GlaxoSmithKline, F. Hoffmann-La Roche, Merck and Co Inc, and Pfizer)は、共同コミュニケを発表し、エイズに対して戦う意志を改めて確認するとともに、治療へのアクセスを拡大する上で薬や診断の価格が重要な要素であること等について合意。
■国連、TV番組the Animal Planetを通じて生物種の多様性について啓発
国連環境計画(UNEP)や国連開発計画(UNDP)といった国連機関はBBCとパートナーを組むDiscovery Networks Internationalと協力し、TV番組the Animal Planetを通じて、動物保護、生物種の多様性についての啓発を行っていくと発表。
◆「今日の一言」― NEW WAR ―
米英両軍は日本時間8日未明、アフガニスタンに潜伏するウサマ・ビンラーディンと同国の実効支配勢力タリバンに対する空爆に踏み切った。首都カブールやタリバンの本拠地である南部カンダハルを含め、6都市が攻撃対象となっている模様だ。
今回の「戦争」は、ブッシュ大統領が「全く新しい戦争」と呼んでいるように、見えない形で世界に広がるテロ・ネットワークを敵とするという意味で、これまでとは全く異なる様相を呈している。
実際、ブッシュ大統領は、テロ発生後即座に反撃せず、欧州、日本などの同盟国や中東、中央アジア諸国を取り込み、国連を通じた「外交努力」にエネルギーを注ぐとともに、食糧空中投下など「人道援助」にも積極的な取り組みを行っている。
しかしながら、CNNが報じる空爆の様子を見ていると、そうした「外交」「人道」は「軍事」をカモフラージュするためのプロパガンダではないのか、と不安にかられる。夜間の波状攻撃の様子は、湾岸戦争の際のそれと全く変わらない。
ハーバード大学ケネディ行政大学院長であるジョセフ・ナイは、「テロとの闘争は、第一に非軍事的手段によって戦われなければならない」「軍が一定の役割を果たすのは当然だが、役割を果たすのは軍だけではないし、軍の役割は中心的なものですらない」と指摘している。
テロリストたちが「全く新しい戦争」を仕掛けてきたのだとすれば、応戦する私たちも、「全く新しい」方法で、これに立ち向かわねばならないのは当然だろう。
「軍事行動」がテロの脅威を取り除いてくれるというのは、いまや幻想に過ぎない。包括的な作戦を忍耐強く実施し、新しい時代を創り上げていかねばならない。
大統領演説(英文)
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2001/10/20011007-8.html
大統領演説(和文)
http://www.asahi.com/international/update/1008/004.html
ワシントン・ポスト紙社説 "Clearing the Way"
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A23180-2001Oct7.html
| 10月 8日(月曜日) 文責:山本 |
■パキスタンの国連事務所をデモ参加者が襲撃
アフガニスタンに対する英米の攻撃に抗議するクェッタ(パキスタン)のデモ参加者が国連事務所を襲撃、建物に損害を与え、5台のユニセフの自動車に放火したが、安全のため職員は自宅待機していたため死傷者はなかった。
8日もデモ隊が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国連アフガニスタン特別ミッション(UNSMA;UN Special Mission for Afghanistan)の事務所の窓を割るなどの行動に出た。
■今回の軍事行動は集団自衛権の行使:事務総長
アナン事務総長は8日朝、声明を発表し、アフガニスタンに対する軍事行動を起こしている国々は、9月11日のテロ攻撃直後に採択された、国際平和と安全への脅威と闘うためにあらゆる手段を講じるという決議に沿っており、安全保障理事会が再確認した、国連憲章にかなった個別的・集団的自衛権という観点から見るべきであると語った。
■安保理はアフガニスタンの人道的状況に深い懸念を表明
安全保障理事会は8日夜、英米の要請を受けて不幸会協議を開催し、両国の代表より7日のアフガニスタンへの軍事行動に関する状況説明を受けた。安全保障理事会は同国の人道的状況に深い懸念を表明するとともに、多くの国による支援表明に感謝の意を表した。
■アフガニスタンの人間開発状況は最低水準
国連開発計画(UNDP;UN Development Programme)が8日発表したところによると、アフガニスタンにおける人間開発の状況は世界でも最低水準であることが明らかになった。例えば平均寿命は約40歳(調査した187か国中180位)、5歳以下の子どもの死亡率は26%(191か国中189位)にもなる。
■アフガニスタンにおける援助を強化
大島賢三国連緊急援助調整官は8日、条件が整い次第アフガニスタンにおける援助活動を強化すると発表した。
■国連総会議長、テロリズムに対する団結を要請
国連総会議長の韓昇洙氏は8日、声明を発表し、アフガニスタン国民への援助活動を要請するとともに、テロリズムに対する世界的な団結を要請した。
■航空機を用いたテロリズム防止のための高官級会議の開催を要請:ICAO
国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation Organization)はモントリオールで開催していた年次国際会議最終日の5日に決議を採択し、民間航空機を用いたテロ行為の防止のための高官級会議の開催を要請した。
■グルジアで国連ヘリ撃墜
8日朝、パトロールのためにグルジアの Sukhumi 空港から飛び立った国連グルジア監視ミッション(UNOMIG;UN Observer Mission in Georgia)のヘリコプターが同国内 Kodori 渓谷西部で撃墜され、搭乗していた9名全員が死亡した。乗っていたのは軍事監視員4名、地元スタッフ2名とウクライナ人の飛行乗務員3名。
■スーダン南部の爆撃で支援活動に支障
世界食糧計画(WFP;World Food Programme)は8日、スーダン南部のMangayath村近辺への爆撃について重大な懸念を表明した。同村では援助隊員が近郊の Raja 町での戦闘から避難してきていた数千人を援助中であった。
■安保理、非常任理事国を改選
国連総会は8日、本年末で任期が終了する安全保障理事会の非常任理事国5か国の改選を行い、ブルガリア・カメルーン・ギニア・メキシコ・シリアを選出した。なお今回任期が終了する5か国はバングラデシュ・ジャマイカ・マリ・チュニジア・ウクライナ。
■難民孤児への支援は不十分
アナン事務総長は難民孤児に関する報告書を発表し、多くの子どもたちが生活していくための基本的な支援をうけていないと警告した。
◆「今日の一言」 − 我々の内にひそむ女神ベローナ −
“戦争は、祭りと同じように人を魅惑する。そして現代世界がその持てる膨大な資源と手段とを用いて作り出したところの聖なるものの、ただ1つの顕われとして出現する。”…という文章を読んで、皆さんはお怒りになるのでしょうか。それとも図星を指されたと感じるのでしょうか。これはロジェ・カイヨワの『戦争論 我々の内にひそむ女神ベローナ』(法政大学出版局)で指摘される事柄です。
“国家のかかげる原理は、現実のものにせよ想定されたものにせよ、最高の法であり、また都合のよい口実である。このような国家の原理が至高のものとされるようになったときには、これを掣肘できるような原則や尊厳はもはや何もない。国家原理の猛威を免れ得るような場は、もはやあり得ないのである。
そのほかにも、人間に奉仕するこの巨大な機構は、目に見えないいろいろな方法により、人間に奉仕しながら人間を服従させている。いまはもう、関心のあるものはこの問題について考え、どこにその悪がひそんでいるかを知らねばならぬときである。”
| 10月10日(水曜日) 文責:山本 |
■タリバンが地雷除去NGOを攻撃
Stephanie Bunker 国連報道官が10日イスラマバードで記者団に語ったところによると、アフガニスタン国内で地雷除去作業に従事しているNGO職員に対するタリバン当局からの攻撃が盛んになってきている模様。
■パキスタンの治安不安で難民キャンプでの支援作業が困難に
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は10日、パキスタン国内における治安状態の悪化のために人道状況の改善に深刻な影響を与えており、クェッタとペシャワルのアフガニスタン難民キャンプでは支援活動が3日間中止されたままであると警告した。
■OIC緊急外相会議開催
イスラム諸国会議機構(OIC;Organization of the Islamic Conference)はドーハ(カタール)で緊急外相会議を開催し、アナン事務総長は「同機構がテロリズムとの闘いにおいて重要な役割を持っている」とのメッセージを送った。また、「イスラムとテロリズムは同じではないし、これまでも同じではなかったし、これからも同じではない」とし、イスラムが本来持っている穏やかで寛大な性質の拡大を促した。
■米国テロ攻撃による経済成長悪化を予測
国連経済社会局(UN the Department of Economic and Social Affairs)は「世界経済社会調査2001(World Economic and Social Survey 2001)」を更新し、先月の合衆国に対する同時多発テロは影響が大きく、もともとここ10年間で最も低い経済成長率を更に押し下げるであろうと予測を下方修正した。本報告書ではテロによる物理的な破壊の損害額だけでも約400億ドルになるだろうと推定されている。
■安保理、ブルンジの情勢に懸念を表明
安全保障理事会は10日、ブルンジの人道的状況に深い懸念を表明し、関係各勢力に直ちに戦闘を中止し、停戦に向けた交渉に入ることを要請した。
■グルジアの情勢改善を呼びかけ
グルジア事務総長特別代表の Dieter Boden 氏は10日、グルジアのSukhumiでグルジア・アブハジア両方の指導者と会談し、9人を死に至らしめたヘリコプター撃墜事件を招いた同国内の暴力的な雰囲気の改善を呼びかけた。
■東ティモール制憲議会、作業部会を設立
東ティモール制憲議会は、初の憲法制定に向けて4つの作業部会を設立、人権と自由・政治機構・経済財政・改正手続等の議題と議員を割り当てた。討議は10日間の予定。
■ラテンアメリカ初のグローバル・コンパクトをチリで開催
国連開発計画(UNDP)は10日、チリがラテンアメリカでは初めて、産業界・労働界に環境・雇用法・人権に関する基準を尊重するよう奨励するグローバル・コンパクト(Global Compact)運動を開始すると発表した。この日サンチアゴではセミナーが開催され350名が参加した。
■今日は国際防災デー
10月の第2水曜日・国際防災デー(International Day for Disaster Reduction)にあたりアナン事務総長はメッセージを発表し、災害による被害縮小のために戦略的な対応の必要性を強調した。
■国連の財政状態は例年になく良好
国連総会の第5委員会(予算と管理担当)でコナー事務次長が今年の国連の財政状態について説明し、分担金を支払う加盟国が例年よりも多く、平和維持活動用予算からの借入・兵力拠出国への償還などの問題を扱えるようになると語った。昨年は28.9億ドルだった拠出額が今年は47.2億ドルとなると推定されている。
■FAOとイタリア政府、食糧サミット開催地を巡り討議
国連食糧農業機関(FAO)は10日、11月5日から9日まで開催される世界食糧サミットの開催地をローマとする希望を、評議会48カ国の同意を含めてイタリア政府に打診した。同サミットの開催地は当初ローマの予定であったがイタリア政府は先日より、リミニで開催したい旨を提案していた。
■携帯電話の安全性についてはさらなる研究が必要:WHO
世界保健機関(WHO)は、同機関が携帯電話の放出する電波は安全であると発表したとの報道をうけ、そのような発表はしていないと反論した。WHOは携帯電話の電波の人体への影響についてはまだ研究が必要であるとしている。
[Factsheet] http://www.who.int/inf-fs/en/fact193.html
◆「今日の一言」 − 「英雄」の連鎖 −
継続しているアフガニスタン各地に対する攻撃は、純軍事的には、合衆国側がタリバン側を圧倒して終わるでしょう。けれどもそれを「勝利」と言えるのかというと、それは大きな疑問です。
“ヒトラーにいかなる懲罰を加えようと、彼が自分が偉大な人間で感じることを妨げることはできない。なかんずく、二十年後、五十年後、百年後、あるいは二百年後、ドイツ人であるなしを問わず、ある孤独な夢想家の少年が、ヒトラーは偉大なる人物であった、徹頭徹尾、偉大なる運命であったと考え、魂のいっさいをあげて、おなじような運命を願うことを妨げることはできない。そうなったら、その少年の同時代人は不幸なるかな。”人々を殺す者であれ、その人物を殺す者であれ、彼らを英雄視し、歴史上の偶像に祭り上げてしまう心理がある限り、その偶像の模倣者を次々に生んでしまう危険が潜んでいます。これに対しヴェーユは、「偉大さの観念とその意味との全面的変革」が必要だと説きます。
(『シモーヌ・ヴェーユ著作集5 根をもつこと』 春秋社)
“この変革に協力するにあたっては、まずもって、自己自身のなかでこの変革を成し遂げなくてはならない。われわれ各人は、偉大さに対する感情の向け方を変えることによって、いまの瞬間から、自己自身の魂の内部においてヒトラーの懲罰をはじめることができる。”「英雄」を待望し、自己同化し、自分の行動を正当化する心理との深くて長い闘いが戦闘終結の後に必要となるのではないかと私は考えています。
| 10月11日(木曜日) 文責:阿部 |
■事務総長、全米各都市で開かれたタウンミーティングに衛星放送を通じて参加
米国テロ事件発生から1ヶ月に当って、米国のアトランタ、ボストン、シカゴなど各都市で開かれたタウンミーティングに衛星放送を通じて参加したアナン事務総長は、テロに関係する広範な問題について、市民参加者からの質問に応答。
■事務総長、リベリア情勢に関する事務総長報告を発表
国連は、リベリア情勢に関する事務総長報告を発表し、今年3月にリベリアに課した制裁をさらに強化した場合、同国経済をさらに弱め、最も弱い立場の人々が被害を受けることになると指摘。
■事務総長、国連職員の保護に関する事務総長報告を発表
国連は、国連職員の保護に関する事務総長報告を発表し、92年以降、201人の国連職員が殺害され、94年以降、255人が人質にされたことを指摘し、職員の安全を図るための措置を提案。
■安保理議長、コンゴ民主共和国の和平プロセスについて報道声明を発表
安保理議長は、理事国を代表して報道声明を発表し、コンゴ民主共和国の和平プロセスが新しい国内対話の段階を迎えているときに、敵対行為が拡大していることに懸念を表明するとともに、全当事者に自制するよう要請。
◆「今日の一言」― bioterrorism ―
全米各地で、脅迫文が同封された封書が届き、一部から炭疽菌の陽性反応が出るなど、米国が生物兵器テロの恐怖に揺れています。封書が届いたのは、フロリダ州の新聞社、NBCテレビ本社、ニューヨーク・タイムズ本社、国連本部、国務省などで、フロリダ州では3人が感染、うち1人が既に亡くなられました。
こうした事態に、ブッシュ大統領は、生物兵器テロである可能性を認める一方、一般市民に対しては、普段の生活を続けることの重要性を訴え、米国の主要紙も、日常の為すべきことをする(to go about one's business)ことが最良のテロへの対応だと、パニックになることを強く戒めています。
| 10月12日(金曜日) 文責:阿部 |
■アナン事務総長にノーベル平和賞
国際連合とともにノーベル平和賞の受賞が決まったアナン事務総長は、この賞は個人的にも、世界中の同僚たちにとっても、励ましになると指摘する一方、「この栄誉に安んじることなく、これまで以上に仕事をしていく」と表明。
■事務総長、反テロの戦いは長期間に及ぶと予測
アナン事務総長は、グローバルな反テロリズム連合の戦いは、長期間に及ぶことになるだろうと予測する一方、テロリスムは全ての国連加盟国への脅威であり、共に戦っていかなければならないと指摘。
■事務総長、アフガニスタンの再建に際して国連がより大きな役割を担うと指摘
アナン事務総長は、ニューヨークの国連本部で会見し、国連は現在、アフガニスタンへの人道援助を実施しているが、将来的には、国の再建に際して、より大きな役割を担うことになるだろうと指摘。
■事務総長、安保理に国連アンゴラ事務所の任務延長を勧告
アナン事務総長は、安保理に対し、国連アンゴラ事務所(UNOA:UN Office in Angola)の任務を来年4月まで延長するよう勧告。
■事務総長、国連グアテマラ検証団の任務延長を勧告
アナン事務総長は、国連グアテマラ検証団(MINUGUA:UN Verification Mission in Guatemala)の任務を更に12ヶ月延長するよう勧告。
■国連シオラレオネミッションによる会談で、政府と革命統一戦線が和平合意を再確認
国連シオラレオネミッション(UNAMSIL:the UN Mission in Sierra Leone)が議長をして開催中の会談において、シエラレオネ政府と革命統一戦線(RUF:the Revolutionary United Front)は和平合意を再確認するコミュニケを発表。
◆「今日の一言」― international tribunal ―
昨日の本欄では、バイオ・テロを巡るパニックを取り上げましたが、足元の対応と併せて重要なのが、テロとの戦いが収束した後の世界秩序作りであり、その構想です。
これまでの歴史を見ても、戦後の世界秩序は戦争の最中(さなか)に作られている通り、アフガニスタン爆撃後の具体的なビジョン作りが大きな課題であり、実際、様々な提案がなされ始めました。
その中で最も重要なイシューは、国際裁判所の枠組みではないでしょうか。実際、今後の数ヶ月、数年にわたって、オサマ・ビン・ラディンを含む多数の容疑者についての審理が必要となりますが、これを米国の裁判システムで裁くことを世界が容認するとは思えません。
ハーバード大学ロースクールのアン・マリー・スローター教授は、Financial Times への投稿 "Terrorism and justice" において、米国最高裁判事とイスラム教徒の裁判官を含む世界中の最高レベルの判事から構成される特別国際法廷の設置を提案しています。
| 10月15日(月曜日) 文責:山本 |
■事務総長、アフガニスタンでの民間犠牲者を少なくするように要望
アフガニスタンの民間人の間にも犠牲者が出ているとの報告を受け、アナン事務総長は15日声明を発表し、罪のない民間人と人道活動者の保護を要請した。
なお、これと同様の要請はアフガニスタン人道調整官からも出されている。
もしここ2〜3週間で十分な量の救援物資が届かない場合、国内の10万人の子どもが冬の間に亡くなるだろうと警告されている。
■UNHCR、組織的な違法越境支援を警告
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、国境封鎖されているアフガニスタンで、裕福な人々が代償を払って越境し、それを組織的に支援している集団があると警告。カンダハルからクエッタまで6人家族が出国する費用は百ドルと言われているが、この金額はアフガニスタンの平均的な家庭にとっては法外な値段である。
■事務総長、予算案提出
アナン事務総長は国連総会財政委員会に出席し、むこう2年間の予算案を提出、ここ6年間は要望される活動の増加に対して予算総額が増加していないことを指摘、不足しがちな活動資源の拡大を各国に要請した。
■合衆国の分担金支払により国連財政が健全に
コナー事務次長(予算・管理担当)の発表によると、16億ドル以上にもなる合衆国の分担金支払によって国連本体の財政状況は近年にない良好な状態となる。
■事務総長、UNOGBISの活動期限延長を勧告
アナン事務総長は安保理議長に書簡を送り、国連ギニアビサウ平和構築支援事務所(UNOGBIS;UN Peace-building Support Office in Guinea-Bissau)への委任期限を12月31日まで延長することを勧告した。同事務所は1999年4月に開設、同国内における和解、民主制度の強化を支援する。
■事務総長個人代表、レバノンへの領空侵犯を警告
南レバノン事務総長個人代表の Staffan de Mistura 氏は14日、ベイルートで会見し、ブルーラインとして知られる撤退ラインを超えてレバノン上空へ合計9機による6回の領空侵犯があったことに懸念を表明、無用な警戒感を高めているとイスラエルにこの領域での飛行停止を求めた。
■事務総長、ソマリアのための「友人委員会」設置を呼びかけ
ソマリアにおける人道状態の改善がなかなか進まない状況を懸念して、アナン事務総長は同国の支援を行う「友人委員会(Committee of Friends)」の設置を検討中であることを明らかにした。同委員会では再開発のための資金拠出を呼びかける。なお、ソマリアでは1日半ドル以下の生活で、平均寿命が45歳という状況であり、75万人が援助を必要としていると推計されている。
■アンゴラから毎日百万ドル規模のダイヤが密輸されている模様
アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)に対する制裁に関する安全保障理事会の監視パネルからの発表によると、アンゴラから輸出を禁じられているはずのダイヤモンド原石が毎日百万ドル以上(昨年の供給量の5%)も密輸されている模様。
■不審郵便物、炭疽菌試験で陰性と判明
国連本部あてには毎日約2万通の郵便物が送付されるが、そのなかで先週、不審なものが発見され炭疽菌を含んでいないか確認したところ、陰性との検査結果が判明した。開封した職員の検査も陰性との結果であった。
■国連人権委員会第73会期を開催
国連人権委員会(the Committee on Human Rights)は第73会期の会合を3週間の予定で開催。ウクライナ・英国・スイス・アフガニスタン・アゼルバイジャンによる「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(訳注:通常「B規約」と呼ばれる)の履行状況の報告を審査する。
■栄養不良人口減少のペースが緩慢に
世界食糧デーの前日にあたる15日に国連食糧農業機関(FAO)が発表した報告書「世界の食糧危機の状態2001(State of Food Insecurity in the World 2001)」によると、栄養不良の状態に置かれている人口の減少傾向が緩慢となっている模様。調査の対象となった99カ国の1990〜92年と1997〜99年との比較で、栄養不良状態の人口が減少しているのは32カ国。残りは横ばいまたは増加という状態である。
■教育と給食が貧困と飢餓に対する有効な手段に:WFP
世界食糧機関(WFP)の Catherine Bertini 事務局長はは世界食糧デーの前日にあたる15日、学校における教育と給食が貧困と栄養不良に対抗する有効な手段であると各国政府と人道援助のコミュニティに訴えた。WFPはこれまで約40年間、54カ国1200万人の生徒に給食を実施してきた実績がある。現在でも約3億人の空腹な子どもたちがおり、そのうち1億7000万人が空腹のまま登校するが食事がなく、残る1億3000万人は学校へも行かない状況である。
■モルドバに結核薬到着
世界保健機構(WHO)は15日、約4,000人分の結核薬がモルドバに到着したと発表した。これは結核の蔓延を防ぐパートナーシップ・世界結核治療薬ファシリティー(仮訳;Global TB Drug Facility)の活動によるもので、今回の提供はカナダ政府からの資金提供によるもの。
◆「今日の一言」 − ペシミズム −
“深く隠されてはいるが、その効果の程は十二分に知られている一つの法則がある。それはおよそ自分の抱きうる最も陰気で、恐ろしく、絶望的なものこそが、これまた最も説得力を持っているという法則である。”一連のテロ関連の(と言うべきなのか、テロに関連付けられたというべきなのか)情報で私たちの目や耳に届くものは、どれも悲惨で暗くて絶望的なものばかりです。一般のニュースで流れてくるものはセンセーショナルで危機感を煽るようなものが大半です。上記に引用したアランも言っていることなのですが、楽観主義は意志の所産であるけれども、悲観主義は人間がそういう意欲を無くした時、気分に流された時に陥ってしまうものです。
(アラン 「ペシミズム」 『裁かれた戦争』所収 小沢書店)
“要するに市民の義務はまず自己に厳しく孤独を守り、ついで蝿のように飛びかう作者不明の様々な意見に対して厳しい監視の目を光らせることだ。まず新聞雑誌に対して良質の蝿よけが必要だ。”誰もが考えることをやめてしまって世論が一気に一つの方向に流れてしまう−しかも絶望感を背景にした方向へ−と傾れこむことを避けねばなりません。
| 10月17日(水曜日) 文責:山本 |
■事務総長、イスラエル閣僚の暗殺を非難
アナン事務総長は17日、イスラエルのゼエビ(Rehavam Zeevi)観光相暗殺の知らせを受け、遺族に弔意を表すともに、このテロ行為を非難した。またアラファト議長がこの暗殺を非難し、責任者を追及する旨を明らかにしたことを歓迎、全ての関係勢力に対し対話を続けることを要請した。
■国連はアフガニスタンの暫定統治等には着手せず
アフガニスタン事務総長特別代表の Lakhdar Brahimi 氏は17日、ニューヨークの国連本部で会見し、国連はアフガニスタンにおいて平和維持活動・国家建設・暫定統治などの役割を担わないことを表明した。また国連はアフガニスタン人自身の手により国家再建がなされることを歓迎し、同国民のために人道支援を続け紛争を和解に導く努力を行うことを強調した。
■越境するアフガニスタン難民が急増
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は17日発表したところによると、アフガニスタンから隣接するパキスタンに越境する難民が急増している模様。国境の町 Chaman では過去4日間で約8,000人の難民が越境してきた。
■アフガニスタンでのケシ栽培激減
国連薬物統制計画(UNDCP)が発表した報告によると、アフガニスタンにおけるアヘンの生産量が激減した模様。今年の生産量は185トンであり、昨年の94%の減少である。栽培面積が昨年の82,172ヘクタールに対し今年は7,606ヘクタールしかなく、これはケシ栽培禁止令の結果である。
■事務総長、アフリカ諸国の指導者に反テロ条約への批准を要請
ダカールで開催中の反テロリズムアフリカ協定サミット(African Pact Against Terrorism)に対しアナン事務総長はメッセージを送り、参加している各国首脳に対しテロリストの脅威と戦うために採りうるすべての法的手段を採るよう要請した。
また、テロリズムとの世界的な戦い(the global war against terrorism)が、他の緊急課題−極端な貧困や疾病の撲滅への努力−を軽視するものではないことを強調した。
■合衆国へのテロ攻撃が貧困への戦いの重要性を高めた:事務総長
貧困のための国際デー(the International Day for the Eradication of Poverty)にちなんでアナン事務総長は17日、メッセージを発表し、9月のテロ攻撃が世界経済に与える影響の大きさを指摘し、世界の人々の生活水準を向上させるという国連の運動の重要性が高まったと強調した。
■安保理、国連アンゴラ事務所の6か月延長を承認
安全保障理事会は17日、アンゴラで継続する紛争状態に深い懸念を表明し、アナン事務総長が勧告していた国連アンゴラ事務所(UNOA;UN Office in Angola)の活動期限延長に同意した。これにより事務所は2002年4月中旬まで設置される。
■安保理はブルンジに和平プロセスの完全な履行を要請
11月1日から開始する暫定政府の設立に先だって解決しなければならない課題を実現するように安全保障理事会はブルンジ国内の関係勢力に対して求めた。暫定政府は、まず18ヶ月間を現職の Pierre Buyoya 大統領が務め、その後の18ヶ月では現副大統領の Domitien Ndayizeye 氏が治める。ただしその時期の副大統領はツチ族のグループから選出されることになっている。
■ガンビアに事務総長特使を派遣
大統領選挙を翌日に控えた17日、アナン事務総長はガンビアにおける民主化促進への国連の支援のために特使として James Victor Gbeho 氏が派遣された。 Gbeho 氏はガーナの前外相で現在は下院議員を務める。以前にはソマリア特別代表を務めた経験もある。
■シエラレオネのダイヤモンド産地・コノに初めて警察官が展開
15日、シエラレオネ国内で紛争が勃発して以来初めてダイアモンド産地のコノ地区(Kono District)に警察官が展開し、国連シエラレオネミッション(UNAMSIL)は人々に協力するように呼びかけた。
■元民兵指導者と約400人の難民が東ティモールへ帰還
一人の元民兵指導者と370名以上の難民が17日、西ティモール地域のキャンプから東ティモールへ帰還した。この元民兵指導者は Nemesio Lopes de Carvalho といい、民兵組織 Mahidi の副司令官であり、1999年の暴力騒動に関与したとされている。彼は東ティモールに入るにあたり報道陣に対し全てのティモール人は過去を忘れなければならないが、自分が属した民兵組織の行為に関しては責任をとると語った。
■核実験禁止条約締結国会議は11月中旬に開催
9月25日から27日までの日程で開催予定であった包括的核実験禁止条約(CTBT;the Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty)締結国会議は合衆国へのテロの影響で延期されていたが、11月11日〜13日の日程で開催されることが発表された。
◆「今日の一言」 − 「過去を忘れる」 −
この「今日の一言」では個人的な意見を述べているわけですが、個々の記事の翻訳の内容に関する価値判断は可能な限り排除するよう心がけています。それは記事はあくまで国連の発表する内容であり、それを可能な限り忠実に読者に伝えることが翻訳する者の責任だと思うからです。
したがって時折、翻訳者個人の考えとは異なることも書かれていたりすることもあります。それが今日の最後から2番目の記事です。東ティモールに帰還した元民兵指導者が自分の指揮下にあった組織の暴力に対し責任をとると発表していること自体は賞賛しますが、そういう暴力があったという歴史について「全ての東ティモール人は過去を忘れなければならない(every East Timorese must "forget the past")」と語っていることは、私は長い目で見たときに望ましいとは思えません。
以前(2000年12月13日付)、元南アフリカ共和国大統領のマンデラ氏の言葉を紹介したことがありますが、国民の和解のためにマンデラ氏が選んだのは「許そう、しかし忘れてはならない。」ということです。
過去を忘れた者にとっては、再びその行為をすることに対する歯止めがあまりにもなさすぎるからです。
| 10月18日(木曜日) 文責:阿部 |
■事務総長ら、米国国連大使、国務長官個人代表とアフガニスタン情勢について会談
アナン事務総長とアフガニスタン担当のBrahimi事務総長特別代表は、国連本部で米国のJohn D. Negroponte国連大使、Richard Haassアフガニスタン担当国務長官個人代表(the US Secretary of State's Personal Representative for Afghanistan)とアフガニスタン情勢について会談。
■世界食糧計画、アフガニスタンの6百万人に人道物資を届ける努力を継続
世界食糧計画(WFP:World Food Programme)など国連人道機関は、アフガニスタンに厳冬が近づくなか、同国において援助が必要であるにも関わらず搬送が難しい地域に滞在する6百万人の人々に対して、人道物資を届けるべく努力を続けている。
■世界保健機構事務局長、炭そ菌事件の脅威に各国の公衆衛生システムに警戒を要請
世界保健機構(WHO:World Health Organization)のGro Harlem Brundtland事務局長は、米国などにおける炭そ菌事件を受けて、この脅威に対して、各国の公衆衛生システムが警戒態勢をとるよう要請。
■テロに関するアドホック委員会議長、2つの反テロ条約の起草交渉が順調と指摘
国連総会の下に設置されたテロに関するアドホック委員会(the Ad Hoc Committee on terrorism)のRohan Perera議長は、国連本部で記者会見し、米国同時多発テロ事件の後、2つの反テロ条約の起草交渉が順調に進んでいると指摘。
■人権高等弁務官、米テロは人道に対する罪の定義に当てはまるものと指摘
ロビンソン人権高等弁務官(the UN High Commissioner for Human Rights)は、国連ラジオとのインタビューにおいて、先月の米テロは人道に対する罪(crimes against humanity)の定義に当てはまるものであり、犯人を法の裁きにかけなければならないと指摘。
■事務総長特別顧問、コロンビアの和平プロセスが崩壊の危機にあると警告
コロンビア担当のJan Egeland事務総長特別顧問、国連本部で会見し、コロンビア政府と反政府勢力であるコロンビア革命軍(FARC:the Revolutionary Armed Forces of Colombia)との間の交渉が行き詰まり、和平プロセスが崩壊の危機にあると警告。
■開発金融に関する国際会議の準備委員会で国連貿易開発会議事務局長が演説
開発金融に関する国際会議の準備委員会(the Preparatory Committee for the International Conference on Financing for Development)で国連貿易開発会議のRicupero事務局長は演説し、同会議の目的は、米国テロ事件のような危機的事態に際し、後発開発途上国などの国々が効率的な対応をはかれるよう手助けすることにあると指摘。
■25の国連機関の長が行政調整委員会を開催
国連の専門機関、基金、プログラムなど25の国連機関の長がニューヨーク国連本部に一堂に会し、行政調整委員会(ACC:the Administrative Committee on Coordination)を開催、アフリカ支援、国連職員の安全、ミレニアム宣言の実施について話し合う。
◆「今日の一言」― transitional administration ―
タリバン政権崩壊後のアフガニスタンの統治について、国連と米国、欧州諸国を中心に、検討が活発化しています。米国は、上海で始まるAPEC非公式首脳会議でも、中国、ロシア等と協議を進める模様ですし、英国のストロー外相も、トルコ軍を中核とする平和維持部隊の編成を提案し、欧州各国と調整を急いでいます。(http://www.guardian.co.uk/waronterror/story/0,1361,576201,00.html)
そうした中で、国連は、「アフガニスタンの暫定統治は行わない」「アフガニスタン人自身の手による国家再建を促す」という立場を鮮明に打ち出し始めました。
国連のこうした意思表明は、「暫定統治(transitional administration)」の難しさを物語っています。米国等は反タリバンの「北部同盟」を軸にタリバン後の政権を構想しているようですが、その成否も定かではありません。タリバンの「カブール(首)放棄」の動きが明確になった時点で、いち早くカブール入りした反タリバン一派が「新政権樹立」でも宣言しようものなら、内乱が再燃しかねません。そうした中で、Human Rights Watch の Patricia Gossman が、上からの政権樹立ではなく、各地域のコミュニティにおける伝統的なリーダ−層をベースに、国を再建していくことが必要であり、そうして始めて、戦争と恐怖の連鎖をくい止めることができると指摘していることは重要です。
http://www.washingtonpost.com/ac2/wp-dyn?pagename=article&node=&contentId=A32361-2001Sep26
タリバン政権崩壊後の「力の空白」をとりあえず埋めることも、もちろん必要ですが、国連と国際社会は、単なる「政権を置き換える」ことに満足せず、アフガンニスタンの民衆に基盤を持つ政権の構築に、全力を尽くしていくべきであると思います。
| 10月19日(金曜日) 文責:阿部 |
■アフガニスタン、爆開始以降最大規模の難民が流出
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、金曜日にアフガニスタンから3,500人の難民が隣国パキスタンに流出し、空爆開始以降、1日の単位では最大規模の難民流出となったと発表。
■国連アフガニスタン地雷除去プログラム、人々が直面する危険を指摘
国連アフガニスタン地雷除去プログラム(the UN Mine Action Programme for Afghanistan)の統括責任者であるDan Kellyは、イスラマバードで記者会見し、最近の空爆で使われた爆発物が同国の様々な場所に未爆発のまま残っていると、アフガニスタンの人々が直面する危険を指摘。
■国連安保理、ソマリア情勢に関する公開討論を開催
国連安保理は、ソマリア情勢に関する公開討論を開催、国連ソマリア政治事務所(the UN Political Office for Somalia)のDavid Stephen代表が会見し、同国の様々な指導者たちが自分たちこそソマリア国民の真の代表であると主張して国外で支援を求めている状況に懸念を表明。
■事務総長、開発促進における国連の役割に関する事務総長報告を発表
アナン事務総長は、開発促進における国連の役割に関する事務総長報告を発表し、来るWTO閣僚会議や開発金融に関する国際会議などにおいては、開発の問題を中心に据えるべきであると指摘。
■UNHCR並びにスーダン及びエリトリア政府、リトリア難民の帰還を再開
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)並びにスーダン及びエリトリア政府は、60年代以降スーダンに流出し滞在していた16万人を超えるエリトリア難民の帰還を再開する予定。
■世界食糧計画、スリランカで緊急食糧援助を開始
世界食糧計画(WFP:World Food Programme)は、今月から来年3月にかけて、スリランカの30万人に対して820万ドル規模の緊急食糧援助を開始すると発表。
■ルワンダ国際刑事裁判所から起訴されているルワンダ元財務大臣、無罪を主張
ルワンダ国際刑事裁判所(International Criminal Tribunal for Rwanda)からジェノサイドの罪で起訴、逮捕され、現在拘留施設に入っているルワンダの Emmanuel Ndindabahizi 元財務大臣は、声明を発表し無罪を主張。
■国連、西アフリカ諸国においてポリオ予防接種活動をスタート
国連は、西アフリカ諸国においてポリオ予防接種活動をスタート。10月20日から26日にかけて、16ヶ国で「国内予防接種の日々(National Immunization Days)」が指定され、5歳未満の子ども8千万人に予防接種が行われる予定。
◆「今日の一言」― 流動化する国際関係 ―
上海で開かれていたAPEC首脳会議は、米同時テロの影響で世界経済が同時不況に陥ることを回避するための貿易・投資自由化への決意などを盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕しました。
この首脳会議を受けて、英 The Times 紙は社説で、「テロとの戦争は大きな変化をもたらした。馴染みある冷戦コンセプトである米国とロシアと中国の三角関係は恐らく永遠に崩れた」と論評しています。
http://www.thetimes.co.uk/article/0,,2001350020-2001364098,00.html
確かに、ブッシュ大統領とロシアのプーチン大統領は、両者の関係が良好で前進して いることを強調し、ブッシュ大統領はプーチン大統領を「真の友人」と呼び、信頼性 を欠いた両国関係は終わりを迎えた、述べています。
一方、中国は、アフガニスタンと国境を接する新疆ウイグル自治区でイスラム原理主義を抱えているため、米国のタリバン攻撃を容認していますが、一方のブッシュ大統領は、テロとの戦争を「少数民族迫害の口実」としてはならない、と明言しています。
また中国は、昨年11月に核弾頭搭載可能なミサイルの輸出停止を約束しましたが、米政府はその後パキスタンにミサイル部品を輸出したとして、輸出に関与した中国企業に制裁を発動、国務省は「失望」を表明しています。
欧州外交官の一部には、今回の上海でのAPEC会合を、大戦中に英米ソが秘密協定を結んだ「ヤルタ会談」に喩える向きもあるようですが、テロで一気に流動化した国際秩序の再構築に向けて、各国は激しい外交戦を繰り広げいています。
http://www.pbs.org/newshour/bb/asia/july-dec01/china_10-19.html
http://www.economist.com/agenda/displaystory.cfm?story_id=811911
| 10月22日(月曜日) 文責:山本 |
■東ティモール:UNTAETからの主権移譲日を5月20日に決定
東ティモール制憲議会の Francisco Guterres 議長は、国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)からの主権委譲の日を2002年5月20日とする議会の決議に署名した。決議は議員88名中73名の賛成で採択された。
■事務総長、東ティモール独立後のプランを提示
アナン事務総長は東ティモール情勢に関して最新の報告を安全保障理事会に行い、国連東ティモール暫定統治機構からの主権委譲後の新たな国連ミッションについて触れ、領土の安全と政府の安定を支援するものとすることを明らかにした。
報告の中では、独立後最高2年は約100の基本的な機能に関して職員の国際的な支援を必要とするだろうと述べている。
■ヒズボラとイスラエルが衝突
国連ベイルート情報センターによれば Shebaa Farms 地区内でイスラエルにより占領された3地点に対しヒズボラが迫撃砲及びミサイルによる攻撃を行った。これに対しイスラエル陸軍はレバノン領土内の Kfar Shouba 近郊への爆撃で報復した。これらの攻撃による被害者は双方より報告されていないものの、この状況に対し事務総長レバノン南部担当個人代表の Staffan de Mistura 氏は懸念を表明した。
■ラーセン調整官、アラファト議長と会談
アナン事務総長は21日、ニューヨークで中東での深刻な状態についてイスラエルのペレス外相と会談し、交渉のテーブルに戻るように要請した。
一方、ラーセン中東特別調整官はガザでアラファト議長と会談し、テロ取り締まりについて会談した。
■ブラヒミ特別代表、ニューヨークでOIC大使らと会談
アフガニスタン事務総長特使の Lakhdar Brahimi 氏は22日、合衆国高官と会談のためにワシントンD.C.を訪問、ニューヨークに帰還後、イスラム諸国会議(OIC)に参加している各国大使と会見した。
■大島人道担当事務次長、中央アジア3国訪問へ
大島人道担当事務次長はアフガニスタンに対する人道援助を推進する上での協力を仰ぐためにトルクメニスタンを訪問、同国の Saparmurat Niyazov 大統領・ Rashid Meredov 外相らと会談した。事務次長は同様の要請のためウズベキスタン・タジキスタンをも訪問する予定である。
■ILO、テロの観光・航空産業への経済的打撃の対応策検討へ緊急会合
国際労働機関(ILO)は9月11日のテロ攻撃の余波で観光産業と航空産業への影響の規模を算定し、対応策を検討するための緊急会合を召集する模様。
■安保理、国連リベリア事務所の任期延長を承認
安全保障理事会は国連リベリア事務所(UN Office in Liberia)への活動委任期限を、アナン事務総長からの勧告に従い1年延長して2002年12月までとすることを承認した。
■イラク人権報告者、イラクに対し、人権尊重を求める
イラク人権特別報告者の Andreas Mavrommatis 氏はイラクの人権状況に関し最新の報告書を発表し、イラク当局に対し、宗教の自由・強制移住・死刑・女性の権利の擁護に関して市民の人権を守るようを繰り返し要請した。
■朝鮮民主主義人民共和国で洪水
10月9日から10日にわたって朝鮮民主主義人民共和国南東部は400ミリ近い豪雨に襲われ、数万人の罹災者が出ている状況を受け、世界食糧計画(WFP)は11月末までの14万5000人分の食糧にあたる小麦粉を急送した。
■ルワンダ国際刑事裁判所:元ルワンダ州知事を拘置所へ移送
ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR;International Criminal Tribunal for Rwanda)は、虐殺および人道に対する罪で告訴されていた Francois Karera 元知事が20日、ナイロビ(ケニア)で逮捕され、裁判所のあるアルーシャへと移送されたと発表した。
■安保理、制裁措置に関して討議
安全保障理事会では22日、制裁措置実行に関して公開討議を行い、実施状況の監視について改善をはかる必要性などが強調された。討議の席上、ドイツの Kastrup 大使は、制裁措置が無辜の民衆や非対象国に及ばないようにし、真に国際平和と安全に対する脅威を及ぼしている者を対象にすべきであると強調した。
■国連における女性の地位向上に関する報告書が発表
国連諸機関における女性の地位に関する報告書が22日発表された。報告書によると昨年は女性職員は936名(2,389人中)であった2001年6月時点で983名(2,445人中)であり、若干の増加が見られる。一方、平和維持活動分野に限ると昨年比で3倍になっているものの、依然75%が男性である。
◆「今日の一言」 − 「過去を忘れる」続報 −
先日(10/17付)の本コーナー(「過去を忘れる」)で、「全ての東ティモール人は過去を忘れなければならない(every East Timorese must "forget the past")」と語られたことへの違和感を表明したわけですが、これに対し東ティモール在住の読者からメールがありました。
その方もそのような発言があった(と報じられた)ことを訝しく思われたらしく、現地でのこの件に関する記事を確認、私の方にそのコピーを送付していただきました。その内容を読む限りは、発言の内容に「過去を忘れなければならない」ととれるものはありませんでした。
私の翻訳ミスの可能性も検討してみましたが、Daily Highlightの原文では確かに
Speaking to the media at the border, Cancio Lopes de Carvalho said that every East Timorese must "forget the past" but that he, as a commander, would take responsibility for any violent acts committed by the Mahidi after the 1999 popular consultation.となっており、仮にそのような発言が実際にはなされてなかったのだとしたら、現地から国連本部への報告の時点での要約や翻訳の過程で紛れこんだ可能性もあります。
| 10月23日(火曜日) 文責:Jo |
■安保理、アフガニスタン情勢に関する非公開協議
安保理、アフガニスタン情勢に関する非公開協議を開催。協議後、安保理議長は理事国を代表して報道声明を発表し、同国の人道状況に憂慮を示すとともに、ブラヒミ事務総長特別代表の政治解決模索努力に全面的支持を表明した。
■アフガニスタン:UNHCR、資金不足の状態続く
UNHCRは週末、アフガニスタンにおける活動第1段階に対し、米国、ドイツなどから1900万ドル以上の拠出を受け、これまでの拠出総額は3100万ドルとなった。しかし、それでもなお、活動第1段階に必要な5000万ドルの3分の2にも満たない。
■中東:過去10年で最も危険な時期、と国連特使
ラーセン中東担当特別調整官はきょうガザで声明を発表し、中東が現在、この10年間で最も危険な時期にあるとし、パレスチナ、イスラエル双方に対して、勇気あるリーダーシップを求めた。
■持続可能な開発に関する世界サミット、特使にプロンク環境相
アナン事務総長はきょう、持続可能な開発に関する世界サミットの特使に、オランダの環境大臣Jan Pronk氏を任命した。世界サミットは2002年9月2日‐11日、南アフリカのヨハネスブルクで開催が予定されている。1992年地球サミットから10年後のフォローアップとして開かれるもの。
■スーダン人道援助:事務総長報告、発表
スーダン人道援助に関する事務総長報告、発表。報告において、アナン事務総長は40年にわたる内戦により、スーダンは劣悪な人道状況にあり、人々の生命を救うには、援助要員による無制限のアクセスが重要である、と強調した。
■UNHCR、米テロ事件が難民受け入れに及ぼすマイナス影響を指摘
UNHCRはきょう声明を発表し、米テロ事件の余波を受けて、本当に庇護を必要とする人々までもが各国において、偏見や不必要な法規制などにさらされ、綿密につくられた難民保護基準が壊れる危険性に懸念を表明した。
■メキシコ人権活動家殺害:人権高等弁務官、懸念表明
先週金曜日、メキシコにおいて、人権活動家Digna Ochoa氏が殺害された。ロビンソン人権高等弁務官はきょう、この殺害を非難し、同国当局に対し、この殺害事件の徹底究明を求めた。
■中米情勢に関する事務総長報告、発表
報告において、アナン事務総長は、中米諸国において、民主的な政治文化を築くうえで、貧困対策は、良い統治の基盤を確保することと同様に重要である旨指摘した。
■インドネシア沖で難民を乗せた船転覆
先週金曜日、インドネシア沖において、数百人の難民を乗せた船が転覆、360人が死亡した。その多くは女性や子どもであった。UNHCRは、この事件に衝撃を受けたとして、悲しみの念を表明した。
■子どもの権利条約選択議定書、発効へ
先週木曜日、ルーマニアが子どもの権利条約の選択議定書(商業的、性的搾取に関する)の10番目の批准国として、批准書を提出したことから、同議定書は2002年1月18日に、発効することになった。他の批准国は、アンドラ、バングラデシュ、キューバ、アイスランド、カザフスタン、パナマ、シエラレオネ、ノルウェー、モロッコの9カ国。
■イラク石油輸出、微増
イラク石油食糧交換プログラムの下、この1週間、イラクの石油輸出量は多少増加し、1590万バレルを輸出し、3億1000万ユーロ(2億8000万ドル)の収入を得た。
■ソマリア、食糧事情悪化
ソマリアにおいて、春および秋の雨量が少なかったために深刻な干ばつが発生し、食糧事情が悪化している事態について、大島人道問題担当事務次長は深い懸念を表明した。
■旧ユーゴ国際刑事裁、3人のボスニア系クロアチア人の有罪判決を翻す
旧ユーゴ国際刑事裁判所の上訴審部は、人道に対する罪で昨年有罪となった3人のボスニア系クロアチア人について、きょう、その判決を翻し、即時釈放を命じた。
| 10月24日(水曜日) 文責:山本 |
■クラスター爆弾による空爆でヘラートから住民の70%が避難
ヘラート(アフガニスタン)はクラスター爆弾による空爆を受け、住民の約70%が近郊の村に避難した模様。
クラスター爆弾は1つの弾頭が125ミリの鋼鉄の装甲を貫通させるだけの破壊力を持った約200の小弾頭(bomblet)に破裂し、さらに小弾頭が複数の弾丸(bullet)に破裂する仕組みで強大な破壊力、殺傷能力を持つ。
■WFP、アフガニスタン国内の食糧輸送についてNGOと協力合意
世界食糧計画(WFP)は24日、アフガニスタン国内全域に救援用食糧を行き渡らせるために、同国内で活動する19のNGOと協力する合意に達したと発表した。これにより都市部にあるWFPの拠点を通らずに食糧輸送が可能になる。
■事務総長、イスラエルに攻撃停止を要請
アナン事務総長はイスラエルがヨルダン川西岸地区のパレスチナ自治地域に攻撃を続けていることに懸念を表明し、当該地域に救急車や国際赤十字委員会の医療救援スタッフが入ることができるように安全を確保するように要請した。
■事務総長、IRA武装解除発表を歓迎
アナン事務総長はアイルランド共和国軍(IRA;Irish Republican Army)が武装解除を開始したとの発表に歓迎の意を表明した。
■安保理、MONUCの東部への展開を承認
安全保障理事会は24日、国連コンゴ民主共和国監視団(MONUC:UN peacekeeping mission in Democratic Republic of Congo)の活動に関して事務総長報告を受け、その中で勧告されている同国東部に対する国連平和維持活動の部隊と軍事監視員の展開を承認した。
■テロの余波で観光産業に大打撃
国際労働機関(ILO)は10月の25・26日の両日にわたって開催されるテロの影響による観光業・航空業への打撃の打開策検討の会議にむけて最新の報告書を発表した。その報告書によるとホテル・観光業界で世界中で880万人(うち合衆国110万人、EU120万人)の失業者が出ると予測されている。
■事務総長、Ismat Kittani 氏の死に哀悼の意を表明
国連に長く勤め5代の事務総長の許で働いた Ismat Kittani 氏の死去に対しアナン事務総長は哀悼の意を表明し、最高の外交官であったと賛辞を送った。
■メキシコでの人権活動家殺害に人権専門家4人が怒りを表明
先週、メキシコシティで人権活動家 Digna Ochao y Placido 氏が殺害されたことに対し4名の国連人権専門家が深い悲しみと暴力への怒りを表明した。
■次回の地球サミットが来年のUNDPの最優先課題
ヨハネスブルグ(南アフリカ共和国)で開催される次回の「持続可能開発に関する世界サミット」(World Summit on Sustainable Development;いわゆる「地球サミット」)が来年の国連開発計画(UNDP)の最優先課題であるとブラウン総裁が準備委員会開催中のリオデジャネイロで語った。
次回地球サミットでは前回サミット(リオデジャネイロで開催)での合意やアジェンダ21の履行状況などを確認し、環境を守るための方策を検討する。
[地球サミットのページ] http://www.johannesburgsummit.org/flat/index.html
[アジェンダ21のページ] http://www.un.org/esa/sustdev/agenda21.htm
■きょうは国連デー
国連創設56年目にあたる24日、アナン事務総長はメッセージを発表し、国連及び事務総長がノーベル平和賞を受賞したことが国連のこれからの活動に一層の息吹を与えることになるだろうと語った。
■UNV、国際ボランティア年を記念し、CDアルバムをリリース
国連ボランティア(UNV;UN Volunteers)と18か国から集まったミュージシャンは国際ボランティア年(International Year of Volunteers)の国連デーを記念して、9か国語27曲が収録された2枚組のCDアルバムを発表した。このアルバムにはウズベキスタンの舞曲や日本のテクノポップ、フランスのロック、ラテン系のサルサ、アラブの伝統音楽など多様な音楽が収められている。このアルバムは日本政府の支援で作成。なお、世界中のラジオ局で入手可能になる予定。
◆「今日の一言」 − 「保全」と「保存」 −
地球サミットの記事がありましたが、その中で訳出にちょっと迷った言葉があります。それは上の訳文では「環境を守る」とした箇所です。原文では"protecting the environment"となっています。それがどうしたといわれてしまえばそうなのですが、これを「保護」と訳すとあまり問題にならないのですが、「保全」とか「保存」とすると意味が変わってしまうのです。
と言うのは、環境倫理学(Environmental Ethics)の分野では、環境を「守る」と言った時に、それが「保全(conservation)」なのか「保存(preservation)」なのかで、その背後にある自然観・人間観を反映することになるからです。「保存」の立場が生命中心主義(biocentrisim)に立って現存する自然を破壊から(場合によっては人間から)守ろうとするのに対し、「保全」は人間中心主義(anthropocentrism)に立って自然資源の利用を将来にも保証する様に努力します。
さて。私は本文では(原文が"protect"であったこともあり)敢えてどっちともとれない「守る」と訳しましたが、どちらが適当だと思われますか? それとも別の解があるのでしょうか?
| 10月25日(木曜日) 文責:阿部 |
■ウズベキスタン、国連によるTermez 川を使った人道物資移送に合意
大島緊急援助調整官(the UN Emergency Relief Coordinator)は、会見で、ウズベキスタン政府が98年以降初めて、国連がTermez 川を使い、アフガニスタンに人道物資を移送することに合意したと発表。
■国連食糧農業機関、アフガニスタンで食糧危機が深刻化するとの特別報告を発表
国連食糧農業機関(FAO:the UN Food and Agriculture Organization)が発表した特別報告によれば、アフガニスタンにおいて、食糧危機が深刻化し、大規模な飢餓状況が起こる恐れがあり、周辺国においても干ばつによる食糧供給事情が深刻であると指摘。
■中東和平プロセス特別調整官、ガザで各国特使と会談
中東歴訪中のラーセン中東和平プロセス特別調整官(Special Coordinator for the Middle East Peace Process)は、ガザにおいて、米国、EU、ロシア連邦の各国特使、ドイツのフィッシャー外相等と会談するなど中東和平に向けた取組みを継続。
■国連軍縮局、国連本部でテロ及び大量破壊兵器に関するシンポジウムを主催
国連軍縮局(the UN Department of Disarmament Affairs)は、国連本部でテロ及び大量破壊兵器の専門家たちを集めたシンポジウムを主催し、テロリズムにどう対処していくか、その共通戦略について討議。
■国連、アラブ首長国連合及びレバノン、レバノン内の地雷除去活動を開始
国連、アラブ首長国連合、レバノンは、レバノン内の地雷を除去すべく、5千万ドル規模の活動 "Operation Emirates Solidarity" を開始。
■国連シオラレオネミッション、東部国境沿いへの兵力配備のための先遣隊を派遣
国連シオラレオネミッション(UNAMSIL:the UN Mission in Sierra Leone)は、反政府勢力下にあるギニアとの東部国境沿いKailahunに初めて兵力を配備するため、先遣隊が陸路、同地に向かったとのこと。
■事務総長は、国連の効率性向上に貢献が認められた国連職員にUN21賞を授与
アナン事務総長は、国連の効率性向上に対する貢献が認められた国連職員たちにUN21賞を授与。この賞は96年に国連のマネジメント改革努力の一環としてスタートしたもので、統合管理情報システム(IMIS)、国連ガイド・ツアー・プログラムなど5チーム、66人に贈られた。
◆「今日の一言」― グローバリゼーション ―
遅れましたが、先週末のニュースを配信します。
少し前の記事になりますが、今月の10日付の英Financial Times紙に、「反グロ−バリゼ−ション運動」と題したコラムニストJames Hardingによる分析記事が掲載されていました。米国でのテロ攻撃によって、欧米の自由市場の支持者らが一致団結し、盛り上がりつつあった「反グロ−バリゼ−ション運動」の勢いが奪われてしまった、というのです。(http://globalarchive.ft.com/globalarchive/article.html?id=011010001107
実際、9月の最終週の世界銀行・IMF年次会合に合わせてワシントンで計画されていた5万人デモも断念され、11月9日からカタールで開かれる世界貿易機関(WTO)閣僚会議についても、ゼ−リック米通商代表が「貿易を通じて(テロの)脅威と闘う」と気勢を上げて、反グローバリゼーション運動はすっかり勢いを失いました。
しかし考えてみると、欧州と米国の反グロ−バリゼ−ション運動家は、インターネット等「グローバリゼーション」を使って連帯を強めてきていたのであり、また、今般のテロリストたちも同じです。東京大学の田中昭彦が指摘しているように(『論座』11月号)、世界には、様々なグループがいていろんなアジェンダを立てるけれども、あらゆるグループが「グローバリゼーション」を使って連帯しているのです。
そうした意味で、私には、世界の経済社会のあり方を巡るせめぎ合いが、これで終わったとは思えません。新しいグループが、より洗練されたアジェンダを打ち立てて、ネットワークを構築していくに違いありません。
むしろ、「9月11日」後の世界の在りようを巡る真の競争は、既に始まっているし、これから本格化していくのだと思います。
| 10月26日(金曜日) 文責:阿部 |
■ブラヒミ事務総長特別代表、アフガニスタン周辺地域の国々との協議へ
ブラヒミ事務総長特別代表は、アフガニスタンの将来について地域の国々の高官と一連の協議を行うためニューヨークを出発。パキスタン1週間滞在し、その後、イランに向かう予定。
■国連特別報告者、国連総会にアフガニスタンに関する報告書
国連特別報告者(Special Rapporteur)であるKamal Hossain は国連総会に報告書を提出し、アフガニスタンで再発する虐殺に関心を喚起し、そうした残虐行為の発生を許す不処罰の環境を正す措置を要請。
■事務総長は、国際労働機関主催の世界雇用フォーラムへ出席
アナン事務総長は、国際労働機関(ILO:the International Labour Organization)主催の世界雇用フォーラム(the Global Employment Forum)に出席するため、ジュネーブを訪問。フォーラムは、火曜日から3日間にわたって開催される。
■国連総会、経済社会理事会の理事国の3分の1を改選
国連総会は、経済社会理事会(the UN Economic and Social Council)の理事国の3分の1を改選し、オーストラリア、ブータン、ブルンジ、チリ、中国、など18ヶ国を選出。任期は来年1日1日から3年間。
■東ティモール防衛軍の初部隊が発足
東ティモール防衛軍(ETDF:East Timor Defence Force)の初部隊の発足記念式典が開催され、オーストラリアが建設した施設が正式に東ティモールの人々に引き渡された。
■ルワンダ国際刑事裁判所、元ルワンダ州知事の初公判
ルワンダ国際刑事裁判所(ICTR:the International Criminal Tribunal for Rwanda)において、元ルワンダ州知事のFrancois Karera被告の初公判が行われ、同被告はジェノサイド及び人道に対する罪の容疑について無罪を主張。
■ルワンダ国際刑事裁判所所長、過去1年間の活動に関する報告書を安保理に提出
ルワンダ国際刑事裁判所のNavanethem Pillay所長は、過去1年間の活動に関する報告書にまとめ、安保理及び国連総会に提出。同報告は、裁判に顕著な改善がみられたと指摘。対象報告期間中、15人の被告について6つの裁判が進行。
■ソマリア南部において国連・平和のためのスポーツ・プログラム主催の試合
ソマリア南部において、同国の紛争地域から競技選手を招いて、サッカー、バスケットボールの試合が行われた。これは、スポーツにより国民の融和を図ることを目的とする国連の平和のためのスポーツ・プログラム(the UN Sports for Peace Programme)とソマリア・オリンピック委員会が主催したもの。
■世界保健機構、天然痘ワクチンに関する新たなガイドラインを発表
世界保健機構(WHO:World Health Organization)は、天然痘ワクチンに関して新たなガイドラインを発表。既存のワクチンは効果がある一方で、副作用の危険も高いため、天然痘に罹患する危険のない場合はむやみに予防接種を受けるべきでない、と指摘。
◆「今日の一言」― 包括テロ防止条約案 ―
国連総会のテロ問題作業部会は、13番目のテロ対策条約となる「包括テロ防止条約案」を審議してきましたが、26日金曜日、悪化するパレスチナ情勢の余波を受け、正規軍適用除外条項などを巡る各国対立が深刻化、事実上、決裂してしまいました。
特に、イスラム諸国会議機構(OIC)の加盟国を中心とした60ヶ国以上が、イスラエルとパレスチナの紛争を念頭に、正規軍の行為を条約の適用範囲から外すことはできないと主張したほか、「民族自決のための闘争」はテロではないと反対したようです。
テロの定義については先月の配信でも触れましたが、政治が絡む難しい問題です。しかし、こうした困難は、条約案の審議の始まる前から分かっていたことであり、アナン事務総長も、「理由のいかんにかかわらず、市民の命を奪う行為は正当化できない。それが世界でただ一つの原則だ」と議論の進展を求めていました。
今後の審議は上記作業部会が属する国連総会第六委員会で再開されるとのことですが、反テロ国際法を巡る審議が、迅速に、かつ建設的に進展することを願わずにはおれません。
| 10月29日(水曜日) 文責:山本 |
■ブラヒミ事務総長特別代表、パキスタンへ
アフガニスタン担当事務総長特別代表のブラヒミ氏は29日、アフガニスタンに到着し、同国に関する危機解決の糸口を見つけるために同国外務省高官との協議を行った。
■UNHCR、アフガン難民キャンプ新設に関して協議
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は29日、アフガニスタンからの避難民に対する新しいキャンプを開設する可能性について協議を行った。この件に関してルベルス難民高等弁務官は30日にパキスタンのムシャラフ大統領に会見し、要請する予定である。不法ではあるが越境した難民は8万人に上ると見られている。
一方、世界食糧計画(WFP)からの報告によると、援助のための食糧はアフガニスタン国内には届けられるものの、燃料とトラックの不足により十分に隅々まで行き渡らないでいる模様。
■事務総長、パキスタンでの教会襲撃事件を強く非難
28日にパキスタンにあるキリスト教の聖ドミニク教会が襲撃され被害者が出た事件についてアナン事務総長は強く非難し、同国政府に対し、犯人の起訴と、全ての宗教の信者の安全の確保を要請した。
■安保理、ブルンジで暫定国際治安部隊の設置を決議
安全保障理事会は29日ブルンジの状況に関する討議を行い、同国内に暫定国際治安部隊の創設を満場一致で採択した。
■ギニアの人道状況は悪化
国連人道問題調整部(OCHA;UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)は先月に大洪水に襲われたギニアの人道的状況は悲惨な状態のままであると警告した。飲料水の水源が汚染されて公衆衛生が悪化しているだけでなく、多くの教室が流されて教育システムも稼動していない。罹災者は20万人を超えると推定されている。
■グルジアの和平交渉は進展せず
アナン事務総長はグルジア情勢に関する最新の報告を行い、10月8日に発生した国連監視ミッション(UNOMIG)のヘリコプター撃墜事件を含め、アブハジア地域の政治的状況について有意義な交渉が行われない限り和平過程が進まないと危惧を表明した。なお、ここ半年で3回の和平交渉会合が中止されている。
■旧ユーゴ国際刑事裁判所でミロシェビッチ前大統領の初公判
旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所は29日、ミロシェビッチ前大統領のクロアチア国内における犯罪の初公判が開催され、法廷が任命したミロシェビッチ側の法廷助言者(amici curiae)による弁明が行われた。
■UNEPは劣化ウラン弾の調査チームをセルビアとモンテネグロへ派遣
国連環境計画(UNEP)の専門家チームが1999年のコソボ紛争時に劣化ウラン弾が撃ちこまれた地域を調査するために、今週、セルビアとモンテネグロを訪問する。報告書は2002年2月に出される予定。
■東ティモールへ1か月で約3000人難民帰還
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)・国際移民機関(IOM;International Organization for Migration)・東ティモール暫定統治機構(UNTEAT)の支援によりここ1か月で3,233人の難民が西ティモールのキャンプから東ティモールに帰還し、1999年10月からの通算では188,646人が帰還した。
■COP7開催
29日、第7回気候変動枠組条約締結国会議(COP7)がマラケシュ(モロッコ)で開催された。会期は11月9日まで約160か国・4,000人が参加の予定で、去る7月のボンにおける会議で合意に達した政治的原則を京都議定書の実行規則へと転換するための討議を行う。
◆「今日の一言」 − 「いちばん恐いもの」 −
私の職場の他の部署ではいろいろな薬品を使って実験をしたり合成した触媒などの「白い粉」を国内外に送ったり受け取ったり(郵便ではありませんんが)するため、誤解を招かないように包装を厳重にするとか、わが社からのものであることを一目でわかるように(差出人不明の不審な荷物ではないことがわかるように)するなど、私の周りでも影響が出ています。
一連の郵便物による炭疽菌テロは、あて先の人物だけを狙ったのではなく、このような社会生活の基盤を支えるインフラに対して不安が高まることをも狙ったのではないかと思われます。インターネットや携帯電話など様々な通信手段が発達したとは言え、実際にはいろいろな書類や物品は送らねばならないし、そのための業務を止めるわけにもいかないのに、それが安全ではないと思わせることに結果的には成功しているわけですから。
“昔は、いちばん怖いものといったら犬と決まっていたのにな。”−−ワシントンで郵便配達員が、郵便局で次々と炭疽菌が検出されていることに関してこう口にしたそうです。(Newsweek 2001.11.7 号 PERSPECTIVE )
| 10月31日(水曜日) 文責:山本 |
■テロ攻撃により人権のための努力が拡大
ロビンソン国連人権高等弁務官は31日、人権活動に関する年次報告を総会に対して行い、テロ攻撃とそれに続く国際的な危機は、将来における人権の活動の大きな分岐点となると警告した。すなわち差別の撤廃と公正で寛大な世界の構築・テロ対策と称した人権侵害なしの協力・法の支配の強化という3つの原則が貫かれるべきであると強調した。
■安保理、紛争解決における女性の役割拡大への支持を再確認
平和構築活動における女性の役割を増進させることを定めた決議(第1325号:女性と平和及び安全保障に関する決議)を採択して1年が経ち、安全保障理事会は31日、紛争防止と解決の局面における女性の貢献を強く支援することを再確認した。
■特別報告者が女性に対する暴力の調査のためコロンビアを訪問
女性への暴力に関する特別報告者(Special Rapporteur on violence against women)である Radhika Coomaraswamy 氏はコロンビア政府からの招聘により、内戦における女性に対する暴力の調査のために同国を訪問する予定。11月1日から1週間の予定。
Coomaraswamy 氏はスリランカ出身の弁護士で女性の人権問題に長く携わっており、1994年に女性への暴力に関する特別報告者のポストが設置された時から従事している。
[violence against women]
http://www.unhchr.ch/women/focus-violence.html
■ブラヒミ特別代表はアフガンの女性たちと会見
ブラヒミ国連アフガニスタン特別代表は31日、パキスタンに居るアフガニスタン女性のグループと会見しアフガニスタンの将来について意見を求めた。彼女らはボランティアやNGOのメンバーで、同国の将来のために女性の開発と教育の余地が提供されるべきだと要請した。特別代表はこの会見について示唆に富んだ(thought-provoking)ものであったと感想を述べた。
■ルベルス難民高等弁務官、ハタミ大統領と会見
ルベルス国連難民高等弁務官は31日、テヘランでイランのハタミ大統領と会見し、アフガニスタンからの難民受け入れのための国境通過に関して協議した。ハタミ大統領は難民受け入れに躊躇しており、ルベルス弁務官はイランの立場に理解を示すものの柔軟に対処するよう要請した。
■アフガニスタン国内の人々の健康状態は極めて悪化
アフガニスタン危機地域健康調整官(Regional Health Coordinator for the Afghan Crisis)の Mohamed Abdi Jama 医師は31日、イスラマバードでアフガニスタン国内の人々の健康状態が極めて悪化していることを警告し、特にポリオに対する緊急対策を世界保健機関(WHO)が講じることを発表した。
緊急ポリオ対策は11月6日から8日にわたって実施され、4万人のボランティアと医療関係者により540万人の子どもたちに予防接種をする。また麻疹予防のためにビタミンAのドロップを提供する。これにより麻疹での死亡者を半分に減らせると考えられる。
アフガニスタン国内では平均寿命が46歳しかなく、乳幼児の4人に1人は5歳の誕生日を迎えられない。また、現在毎日45人の妊婦が命を落としている。
■東ティモール独立後も国連の役割を維持
安全保障理事会は、早すぎる国際治安部隊の撤退が地域によっては不安定な状態にさせてしまうという点から、来年の独立後も国連が東ティモールにおいてこれまでの役割を維持するという事務総長の勧告を支持した。
■パレスチナ人権委員会ミッチェル報告の履行を強調
パレスチナにおける人権問題を調査している「パレスチナ人の不可侵の権利の行使に関する委員会(the Committee on the Exercise of the Inalienable Rights of the Palestinian People)が年次報告書を発表し、ミッチェル報告の履行が中東和平プロセスの最も有効なルートであると強調した。
■旧ユーゴ国際刑事裁判所、クロアチア警察署長を起訴
旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(ICTY)は、いくつかのボスニアの村で従軍適齢年齢の全てのイスラム教徒の殺害を命じたとして、当時警察署長であったボスニア系クロアチア人の Pasko Ljubicic 氏を起訴した。
■ヨーロッパの漁場を開発するための新組織が設立
国連食糧農業機構(FAO)は31日、東部及び中央ヨーロッパの漁場発展のための新しい国際組織・ユーロフィッシュ(Eurofish)を設立したと発表した。加盟国はアルバニア・デンマーク・ノルウェー・ラトビア・ルーマニアの5か国で、来年1月にも他の国が参加する見こみ。
■ソマリア:アルタ和平プロセスの遵守を要請
31日、安全保障理事会ではソマリアに関する討議が行われ、包括的かつ永続的な和解のためにいわゆるアルタ和平プロセスの遵守を再確認した。また各国にソマリアへの内政干渉と武器禁止を定めた決議第733号(1992)の遵守を要請した。同時に10月13日にモガジシオで起こった警察署への攻撃と3月27日に起こった「国 境なき医師団」への攻撃とそれに続く国際要員の誘拐について犯人を逮捕し裁判にかけることを要請した。
■世界雇用フォーラム開催
世界から政府関係者・労働者・産業界の代表が集まって世界的な失業問題への対処策を検討する会議である世界雇用フォーラム(Global Employment Forum)が11月1日から3日間の日程で開催される予定。
現在、世界では失業している、または就業していても非常に所得が低い人々が10億人いると推定され、その80%が基本的な社会的な保護を受けていない。
[Global Employment Forum]
http://www.ilo.org/public/english/employment/geforum/index.htm
■世界食糧サミット来年6月まで延期
国連食糧農業機構(FAO)は31日、合衆国に対するテロとそれに続くアフガニスタンへの攻撃が続いているという状況を鑑み、世界食糧サミット(World Food Summit)の開催を延期し、2002年6月10日〜13日の会期で実施することに決定したと発表した。
◆「今日の一言」 − 当事者 −
9月11日以降の一連の事態について様々に考えているのだけれども、どんどんわからなくなっていることが、「当事者とは誰だ?」ということです。
不幸にも9月11日のテロの犠牲になった方々は明らかに当事者です。でも、狙われたのはその犠牲になった方々ではなくて、合衆国を体現する象徴であったはずです。そう考えれば、「当事者」は合衆国(を代表する政府)になります。が、ブッシュ大統領は、これは民主主義への挑戦だと宣言しました。もしこの立場を是とするなら、民主主義を標榜する国家は全て「当事者」です。これに日本は協力を約束しました。
#…ということは、日本は当事者という意識が薄いことを意味しています。一方、テロ攻撃の犯人としてオサマ・ビンラディン氏率いるアルカイダが特定され、アフガニスタンが攻撃されているのですが、アルカイダだけが爆撃を受けているわけではなく、攻撃を受けている側としての「当事者」は拡大する一方です。しかも9月11日のテロの犯人(これは紛れもなく「当事者」)との関係は不明確なままです。
#「当事者」なら「協力」とは言わないからです。
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Updated : 2007/02/19
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